上 下
68 / 99
新しい1歩を踏み出す時

4

しおりを挟む
「ああ、双葉ちゃんがいるなら、毎日でも通おうかなぁ」


「あ~、山下さん!   山下さんは朱里推しって言ってましたよね~」


「朱里ちゃん、聞いてたの?   ちゃんと朱里ちゃんのことも推してるから」


「双葉はね、ダメですよ。今は料理に集中しなきゃいけない時なんで~」


「厳しいね、朱里ちゃん。仕方ない、朱里ちゃん推しを貫くよ」


「は~い。いつもありがとうございます!   山下さん、今日は熱燗にされますか?」


私と理仁さんのことを応援してるから、朱里はこんな風に私を守ってくれてるんだろう。それが痛いほどわかった。


「灯り」には、私に励ましを送ってくれる常連さん達がたくさんいる。私を支えてくれる人達がこんなにいると思うと、何だか勇気が湧いてきた。
結仁のため、涙はしばらく封印して、ただ前を向いて、地に足をつけて1歩ずつ進んでいきたい。


「はい。肉じゃがお待たせしました」


「双葉ちゃん、ありがとね~」


「どういたしまして」


明るい笑顔で満たされる「灯り」の夜は、まだまだ始まったばかりだ――
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役令嬢にそんなチートな能力を与えてはいけません!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:363

【R-18】僕と彼女の隠れた性癖

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:688pt お気に入り:26

王妃となったアンゼリカ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:169,123pt お気に入り:7,829

【完結】寝室は、別々のはずですよね!?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:1,921

男はエルフが常識?男女比1:1000の世界で100歳エルフが未来を選ぶ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:234pt お気に入り:366

処理中です...