世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~

けいこ

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どこにいるの?

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「ゆっくり深呼吸して」


「は、はい」


私は言われるままに呼吸を整えた。
落ち着かなければ、きっと何も思い出せない。
理仁さんがいてくれるんだから大丈夫。
大丈夫……


「……あっ」


手を握ってもらった途端、頭の片隅にあった1シーンが思い出された。


「何か思いついた?」


「少し前に結仁が行きたいって言ってた遊園地があるんです」


「それは、どこにある?」


「電車で2駅先の……小さな遊園地です」


「だったらそこに行ってみよう」


「は、はい、お願いします」


「大丈夫、必ず見つかる」


力強い言葉に勇気づけられる。


私達は、涼平先生のお父様の運転で、急いでそこに向かった。


結構昔からある主に幼児向けの遊園地。
メリーゴーランドが好きな結仁と、前に1度だけ行ったことがあった。
家で、「また行きたい」と言ったのを、もみじちゃんは確かに聞いていた。


「理仁様。まだ明かりがついています」


「ああ。まだ間に合う、双葉、行こう」


あと少しで閉園。
事情を話すと、それらしい2人を見かけたというスタッフがいて、私達はそれほど広くない園内を急いで探し始めた。
涼平先生のお父様は右回りに、私達は左回りに。


お願いここにいて――


祈るような気持ちで結仁を探す。
小さな我が子を、宝物を、この手で抱きしめたい。
そう願った時だった。


「ママ!」


えっ!
私は、その声に心を掴まれたようにサッと振り向いた。


「結仁!」


そこにいたのは紛れもなく我が子だった。


「ママ~」


私は、嬉しそうに駆け寄ってくる結仁を強く抱き締めた。


「良かった、良かった……」


堪えていた涙が、我慢できずに溢れ出し、心配でたまらなかった思いが、一気に安堵に変わった。


「結仁……本当に良かった」


小さな体で必死にしがみつく結仁を、私は心の底から愛おしく思った。
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