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思いがけない誘い
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「どうしたの、琴音ちゃん。大丈夫?」
「あっ、いえ。綾井店長が私に声をかけてくれて、ちょっと驚いたっていうか…」
「…だよね。突然ごめん」
「いえ。でも、もしかして、いきなりクビ!とか言われるのかな?とか思ったり」
「まさか。もしそうなら、わざわざ食事に誘ったりしないよ」
「あっ、そ、そうですよね」
なぜ自分が店長に誘われたのか?
思い当たる節が全く無い。
仕事が終わって、帰ろうとした時、いきなり『ご飯行かない?』って…
あまりにサラッと言われて、つい『あ、はい』なんて返事をした。
確かに、帰って用事がある訳でも、もちろん彼氏がいる訳でもないから、嬉しいお誘いではある。
それに、今日はすごくお腹が空いているし。
だからって、みんなの憧れの綾井店長とご飯なんて…
数名ではあったけど、2人きりでの食事は3年間で初めてのことだし、ちょっと変な感じがする。
首を傾げながらも、私は綾井店長の外車の助手席に乗せてもらい、しばらく走って駐車場に止まった。
「ここから少し歩こうか」
「はい。すごく素敵なところですね、初めて来ました」
そう遠くない場所にあるオシャレな通り。
若いカップル向けというよりは、少し大人の雰囲気の漂うお店が立ち並んでいる。
イタリアンやフレンチを少しお手頃にいただけるようなお店や、カフェやバーもあって、ここなら夜中までお料理やお酒を楽しめそうだ。
こんなムードのあるところに綾井店長と2人きりで歩いてるの、やっぱりちょっと不思議だ。
たまたま残ってた私を誘ってくれただけなのはわかってるんたけど…
何だか、さっきからずっとそわそわしてる。
こういう時は、1人であんまり舞い上がらない方が身のためだ。
「この辺りはたまに来るんだ」
「えっ、あっ、そうなんですね。か、彼女さんとですか?」
つい聞いてしまった。
「あっ、いえ。綾井店長が私に声をかけてくれて、ちょっと驚いたっていうか…」
「…だよね。突然ごめん」
「いえ。でも、もしかして、いきなりクビ!とか言われるのかな?とか思ったり」
「まさか。もしそうなら、わざわざ食事に誘ったりしないよ」
「あっ、そ、そうですよね」
なぜ自分が店長に誘われたのか?
思い当たる節が全く無い。
仕事が終わって、帰ろうとした時、いきなり『ご飯行かない?』って…
あまりにサラッと言われて、つい『あ、はい』なんて返事をした。
確かに、帰って用事がある訳でも、もちろん彼氏がいる訳でもないから、嬉しいお誘いではある。
それに、今日はすごくお腹が空いているし。
だからって、みんなの憧れの綾井店長とご飯なんて…
数名ではあったけど、2人きりでの食事は3年間で初めてのことだし、ちょっと変な感じがする。
首を傾げながらも、私は綾井店長の外車の助手席に乗せてもらい、しばらく走って駐車場に止まった。
「ここから少し歩こうか」
「はい。すごく素敵なところですね、初めて来ました」
そう遠くない場所にあるオシャレな通り。
若いカップル向けというよりは、少し大人の雰囲気の漂うお店が立ち並んでいる。
イタリアンやフレンチを少しお手頃にいただけるようなお店や、カフェやバーもあって、ここなら夜中までお料理やお酒を楽しめそうだ。
こんなムードのあるところに綾井店長と2人きりで歩いてるの、やっぱりちょっと不思議だ。
たまたま残ってた私を誘ってくれただけなのはわかってるんたけど…
何だか、さっきからずっとそわそわしてる。
こういう時は、1人であんまり舞い上がらない方が身のためだ。
「この辺りはたまに来るんだ」
「えっ、あっ、そうなんですね。か、彼女さんとですか?」
つい聞いてしまった。
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