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遥か遠い国で
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あれから、茅野君の怪我もずいぶん良くなったみたい。
ものすごい回復力だ。
病院の先生には、傷はそれほど深くないって言われたらしいけど…
一歩間違えたら命の危険もあった。
茅野君は、身を呈して私を守ってくれたんだ。
感謝してもし切れないよ。
本当に茅野君には助けられてばっかりだな。
だけど、やっぱりその気持ちに応えることは出来ない。
申し訳ないなって、あれからずっと思ってる。
それにしても、あのナイフの男はいったい誰だったんだろう。
何も奪わずに傷だけ負わせて。
ハッキリ顔は見れなかったけど、たぶん知らない人だと思う。
警察は通り魔の犯行だろうと言ってた。
それならそれで早く捕まえて欲しいよ。
今でも思い出すとすごく怖いから。
絢斗にはもちろん報告はしたけど、茅野君に告白されたことまでは言えなかった。
案の定、ものすごく心配してくれて…
にぎやかな場所を歩くようにして、絶対に誰もいない寂しいところに行くなって、何度も念押しされた。
仕事上、一緒に帰れない日が多いから。
絢斗は、茅野君に「松下さんを守ってくれてありがとう」って、お礼を言ってくれたみたいだった。
それは、グレースホテル東京のいち従業員を「守ってくれてありがとう」であって、決して彼女や婚約者を「守ってくれてありがとう」ではないんだけどね。
萌佳はというと…
あれから私のことを避けてるみたいだった。
ホテル内でぎこちない挨拶を交わすくらいしか出来ないのが本当に寂しかった。
今までずっと側にいて笑ってたのに。
いつも励まし合ってたのに。
どうしてこんなことになったのかな…
『一花。一花』
ハッとして振り返ったら、そこに絢斗がいた。
ものすごい回復力だ。
病院の先生には、傷はそれほど深くないって言われたらしいけど…
一歩間違えたら命の危険もあった。
茅野君は、身を呈して私を守ってくれたんだ。
感謝してもし切れないよ。
本当に茅野君には助けられてばっかりだな。
だけど、やっぱりその気持ちに応えることは出来ない。
申し訳ないなって、あれからずっと思ってる。
それにしても、あのナイフの男はいったい誰だったんだろう。
何も奪わずに傷だけ負わせて。
ハッキリ顔は見れなかったけど、たぶん知らない人だと思う。
警察は通り魔の犯行だろうと言ってた。
それならそれで早く捕まえて欲しいよ。
今でも思い出すとすごく怖いから。
絢斗にはもちろん報告はしたけど、茅野君に告白されたことまでは言えなかった。
案の定、ものすごく心配してくれて…
にぎやかな場所を歩くようにして、絶対に誰もいない寂しいところに行くなって、何度も念押しされた。
仕事上、一緒に帰れない日が多いから。
絢斗は、茅野君に「松下さんを守ってくれてありがとう」って、お礼を言ってくれたみたいだった。
それは、グレースホテル東京のいち従業員を「守ってくれてありがとう」であって、決して彼女や婚約者を「守ってくれてありがとう」ではないんだけどね。
萌佳はというと…
あれから私のことを避けてるみたいだった。
ホテル内でぎこちない挨拶を交わすくらいしか出来ないのが本当に寂しかった。
今までずっと側にいて笑ってたのに。
いつも励まし合ってたのに。
どうしてこんなことになったのかな…
『一花。一花』
ハッとして振り返ったら、そこに絢斗がいた。
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