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社長としてのあなた

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『「杏」に通いだして、体重が増えないように気にしてはいた…』


『そうですよね。パンは結構カロリー高いですから…』


この完璧に見える身体で、さらに体重を気にするなんて、いろいろ努力してるんだな…


確かに、これだけのイケメンが太ってお腹なんか出てたら、ちょっと引いちゃうかも。


『それもあるけど、昔からパンはあまり食べたこと無かった。どちらかと言うと苦手だったかも知れない』


嘘みたい…ちょっとした衝撃。


『そうなんですか!?だったら急にパンが好きになったとか?』


あんこさんのパンなら有り得る…


『まあ、そうかもな。雫も一緒にジム行く?会員制だけど、俺の紹介なら入れるから。今度、時間作るから2人で行こう』


え?


私、今、ジムに誘われた?


嘘でしょ…


榊社長と2人で?


何かの間違いかと、頭をフル回転させてみた。


だけど、どう考えてもさっきの言葉を要約すると「榊社長と私の2人でジムに行く」ってことになってしまう…


『あと…これから「杏」のパンを会社以外にも届けて欲しい』


まだ、ジムのことが解決してないのに次の話題にいってしまった。


『ど、どこにですか?』


『俺のマンション。あそこは、ここより近いだろ?』


俺のマ、マンション?


この前バッタリ出会ったあの豪華なマンションに?


『あの…すみません。個人のお宅には配達はしてないです…店長に聞いても、それは無理だと…』


『店長さんには聞かなくていい』


『え?でも、私が勝手に決められませんから』


『雫が仕事終わってれば、店の仕事じゃなくなるだろ?』


引き続き、頭が回らない。


何を言ってるんだろう、榊社長は…


『雫が仕事終わりか、休みの日、俺のマンションに来てくれればいい。2人の時間を合わせて…もちろん、パンの代金と配達料金は支払う』


『いや、ちょっと待って下さい。そんなこと言われても困ります』


『嫌なのか?』
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