地面師の肖像

第二話 狩人の目

黒崎は、九条の残した痕跡を執念深く追う。

高度な情報操作、緻密な計画性、そして、まるで消えるように姿をくらます能力。

「奴は…一体何者なんだ…？」

黒崎は、己の無力感に苛立ちを覚える。

一方、九条は次のターゲット、悪徳金融業者・高田に狙いを定めていた。

高田は、多くの人々を破滅に追い込んだ、冷酷非情な男。

貧困に喘ぐ人々から搾取し、更に深い絶望の淵へと突き落とす。

まさに、現代社会の闇そのものだった。

九条は、高田が経営する消費者金融の被害者たちの悲惨な状況を目の当たりにし、復讐の炎を燃やしていた。
「許せない…絶対に許せない…この世から、悪を…！」

高田の悪行を裏付ける証拠を念入りに集め、綿密な計画を練り上げる九条。

「もうすぐだ…もうすぐ、あいつらは地獄を見る…。」

高田の華麗な生活の裏に隠された、数々の悪行。

九条は、その全てを暴き、彼に制裁を加えることを誓う。

それは、社会の底辺で苦しむ人々にとって、一筋の希望の光となるはずだった。

黒崎は、九条の思考を読み解こうと試みるが、九条は常に一歩先を行く。

二人の知恵比べは、緊迫感を増していく。