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Eternal Rain ~僕と彼の場合~外伝
Eternal Rain ~俺と彼の場合~⑥
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翌朝起きると天士の姿は
もうなくて…
リビングのテーブルの上に
書き置きがある。
~~~~~~~~~~~~~~
今日は仕事の都合で早く出るね。
晩御飯楽しみに帰るから。
tenji
~~~~~~~~~~~~~~
俺ははぁーっとため息をつき
冷蔵庫からペットボトルの水を
取り出し半分以上飲んだ。
え?俺、なんで今
ため息なんてついたんだ?
訝しく首をかしげて
最後まで水を飲みほす。
またベッドに横になって
考えを巡らせていると
タブレットが鳴った。
俺は飛びつくようにタブレットを開く。
寛、朝御飯食べた?
ちゃんと食べろよ~。
俺はちゃんと食べたよ。と
コンビニのサンドイッチと
紅茶との自撮り写真が
添付されていた。
[っつ…。るせぇっ…。]
また体に熱が集まる。
その熱を持て余しながら
キッチンへ向かってあいつが
買ってきたメロンパンをかじった。
[甘…。]
思わず顔をしかめる。
何とか食べきって昨日の残りの
レタスとトマトのサラダを食べる。
朝食用に、とあいつのぶんも
とっておいてたから2人分。
ムシャムシャと咀嚼して完食し
食器を片付けた。
俺は思い立ってタブレットで
検索エンジンを出し
《人の役に立つ仕事》と
検索してみる。
あるサイトを覗くと
ランキングになっていて。
1位、医者。2位、弁護士。
3位、教師。
どれも俺にはなれないもの。
天士は弁護士。
あの咲鞍さんは医者で…
みんなちゃんとすごい仕事
してんだな…。
あ、咲鞍さんは、
星斗にかまけてサボり中だっけ…。
星斗の幸せそうな顔を思いだし
目頭が熱くなる。
星斗…。よかったなぁ…。
しばらく星斗のはにかんだ顔を
思い出して物思いにふける。
ふ、と目に止まったのは
介護職のページ。
そういえば…兄の関係で
見学に行ったことがあったっけ。
大変な仕事だ、と
その時改めて思った。
俺だって自分の兄だから
世話も焼いたけど…
それが仕事でいろんな人を
みる、って並大抵では
できないな、と子供ながらに
思ったものだった。
資格はいらないものもあるって
書いてある…
中卒の俺でもできるのだろうか…
この体が完治して
トレーニングすれば筋力も
戻ってくるだろうから
力仕事もできる。
でも、俺のこの顔、怖がられるかな…。
昨日の天士の言葉がよぎる。
【寛は笑っているほうがいいよ。】
俺、笑顔の作りかたなんて
忘れちまったよ…
昨日、ちゃんと笑えてた、のか…?
もし。そんな仕事ができたら。
天士に相談してみようか…。
いや、あいつにこれ以上
頼ることはできない。
来週頭から職安にでも通うか…。
さらにいろいろと調べていると
もうお昼をとっくに過ぎて
夕方の気配がやってきていた。
ごはん、考えなきゃ…。
久しぶりだな、こんな感覚。
俺の飯を待っててくれる人が
いるって。
満面の笑みで食べる天士の顔を
思い出す。だんだんと顔が体が
熱くなる。
[っつ。くそっ…。この熱は
なんなんだよっ!馬鹿野郎…。]
冷凍庫からアイスをひとつ掴んで
持ってきてガサガサと開けて食べる。
[あンま!甘すぎる…くそっ!]
頭がキーンとなるのもかまわずに
やけくそで口にほおりこみ
水色のパッケージにかかれた
ガキ大将のようなイラストを見る。
[ったく…ほんと子供扱い…
冗談じゃねぇや…。]
またペットボトルから水を飲み
甘くなった口の中をリセットした。
今日のごはんはハンバーグにしよう。
冷蔵庫の中をみてそう決めて
取りかかる。
米を洗って水に浸しておいてから…。
たまねぎをみじん切りにして
炒め冷ましてそれをボウルにいれて
ミンチとこねて…。
大きいの2つと肉団子のように
丸めたのを10個。
これは揚げて冷凍しておく。
大きい2つは焼いて
ソースやケチャップで
煮込みハンバーグにした。
炊飯器のスイッチを押し
付け合わせのブロッコリーを
茹でる。ついでに明日の朝の分も
茹でておこう。
タブレットが鳴った。
天士からあと10分ぐらいで
帰る、というLINE。
なぜかそわそわする俺。
ほんとにいったいこの感情は
なんなんだろうか?
よくわからないまま天士が帰り
慌ただしく用意して2人して食べる。
また天士が笑顔で
完食してくれて…。
ひくぐらい喜んでくれて…。
正直嬉しかったけど…。
でもそんなこと言えるわけもなく
仏頂面で後片付けをした。
【寛~?ちょっと、いいか?】
天士が書類を持って
キッチンにやってくる。
[ああ。]
俺が椅子に座ると
向かいに天士が座り
書類を差し出した。
【これ、こないだ言ってた
諸々の費用の内訳。
前にも言ったけど分割でいいし
少しずつ払えるだけでいいからね。
ほんとに…無理しないで、で
いいからさ。
焦ったり、慌てたりしないで
寛がやりたい仕事を
探してほしい。】
[…………わかった。
………その…ありがとう。]
【ううん。ほんとに無理しないで。
俺としてはゆっくりのほうが。】
[は?]
【いや、だって…寛を口説く
猶予ができ…】
[ばっ!バカじゃねぇ?
変なこと考えんなっ!]
俺は部屋に行こうと立ち上がる。
【待って!まだ話あるんだ!
寛、お酒は飲むの?】
[っつ。…酒?]
【うん。明日、俺仕事休みだし
ワインでも飲まない?
実は嬉しい報告があって。】
[………白、なら。]
【あ、寛も白派?よかった!
俺の部屋にワインセラーあるんだ!
特別にいいやつとってくる!】
嬉しそうに部屋に向かう
天士を見送って俺は
ワイングラスを出し
生ハムを皿に盛り付けた。
【わ!ハム出してくれたんだ?
ありがとう~!合うよね~!
さ、飲もう~】
慣れた手つきでワインの栓を開けて
2つのグラスに注いでくれる天士。
微笑んでグラスを合わそうと
してくるのを無視し
俺はワインを口に含む。
[…うまい。]
【くく…。そうだろ?
とっときのやつだからな。】
天士は生ハムをつまみながら
うまそうに飲んで話し出した。
【今日、栄醐から連絡あってな。
2週間後に2人、結婚式するんだって。
栄醐の別荘の近くで
チャペルを貸しきりにするらしい。
俺たちもお呼ばれしたから
一緒に行こう。俺、運転するし。
その頃には寛の体も
完治してるよね。】
[け、結婚式?]
【ああ。実は、星斗くんは
栄醐と養子縁組して
同じ咲鞍姓になるんだ。
その手続きも俺が手伝って
やってるんだけどさ。
栄醐のやつ
独占欲のかたまりだからな…。
星斗くんを完全に
自分のものにしたいんだよ。】
[えっ………そ、なんだ…。
それって星斗は…?]
【俺がいる前で自分から
キスなんかしちゃってさ…。
泣いて喜んでた。
幸せそうだったよ。】
[キ………!ゴホッゴホ…
そ、そうか。なら、よかっ、た。]
【いいなぁ…羨ましいなぁ…。】
[おまえは俺なんかじゃない
いい人いないのかよ?]
【え?もう俺は寛に
夢中だからさ…他なんて見えないよ。】
[っつ…。なに言いやがんだ!
てめ、いいかげんにしろよ…]
【ふふ…真っ赤、だよ?】
[こっこれは…これは久しぶりの
酒のせいだ。寝る。]
俺は下を向いて部屋へと逃げ出した。
【ちゃんと風呂は入れよ!】
ちょっと笑いを含んだ天士の声が
背中に降ってきた。
風呂から出てきたら
次の日休みだという天士が
明日はブランチにしたいと言い出した。
なんだ?ブランチって…。
なんでも遅く起きて
朝と昼を1度に食べるらしい。
よくわからないながらも
了承し少し遅めに起きて
支度を始める。
オムライスにしよう。
そう思って下ごしらえをした。
なかなか天士が
起きてこないのでタブレットを
ぼーっと眺めていると
いきなり声がした。
【寛、介護職、やりたい、の?】
[っ!わぁ!ちょ!アホ!
びっくりすんじゃねぇか!
勝手に見んなよ!]
【っふ…ごめんごめん。
……でも介護職やりたいならさ。
介護福祉士を目指したら?】
[かいごふくしし?]
【ああ。確か…実務経験が
3年あれば資格試験を
受けられたはず。】
[…俺は中卒だから無理だ、よ…]
【いいや、中卒からなった人を
俺は知ってるし、努力次第だよ。】
[そ、そうなの、か?]
【制約がないから受験できるよ。
がんばらなきゃ、だけどね。】
[………やってみたい、かもしれない。]
【お!じゃあさ、明日、俺が
担当してる福祉施設に
見学できるか聞いてみるよ!な?】
[………お前の世話には…。
なりたく、ねぇ…。]
【え?なんで~】
[なんででもだっ!
…世話になりすぎてるし
わりぃから…]
【もう!そんなの!
世話になりついでじゃん!
どーんと俺に任せとけよ!】
[いやだっ。これ以上借りをつく…]
【よし!そうと決まったら!
今日の休日満喫しよう!
寛のご飯食べたら
一緒にどこか出掛けよう!】
[おいっ!ちょ!勝手に決めんなっ!
俺はっ!いやだって言ってん…]
【ブランチ、なに?
なに作ってくれんの?ね、ね!
早く!作ってくれよ?】
微笑みテーブルの上に置いた
スプーンを手に持ちはやくー!と
ねだる天士に俺は
仕方なく料理にとりかかった。
[その話、またあとでするからな。
それに俺は一緒に出掛けないぞ?]
その呟きを聞いていないのか
今度は笑顔で鼻唄混じりに
どこへ行くかスマホで
検索し始める天士。
体に集まる熱を必死に
蹴散らしながらオムライスを作る。
巻くのはできないから
上から薄焼き卵をかぶせるスタイル。
ケチャップは自分で
好きな量かけてもらおう、と
テーブルにケチャップを置き
ブロッコリーを添えた
オムライスを2つ置いて
お茶を取りに冷蔵庫に行って戻る。
【はい!寛!
ケチャップつけといたよ!】
そこには<KAN LOVE>の文字…。
[っ!てめ!何すんだ!バカか?]
【へへへ…。俺のも書いてよ~
TENJI LOVEって。】
[バカかおまえっ!]
俺は明らかに赤い顔で
天士のオムライスにケチャップを
バシャッとかけてやった。
自分のオムライスはスプーンで
ケチャップの文字を
グシャグシャに消してやる。
[バカ!食え!]
顔の熱をおさめるべく
冷たいお茶を一気飲みし
大口で食べ始める俺を
満面の笑みで見て天士も
食べ始める。
【わ!めちゃうま!】
そう言い、食べたらさ~
ショッピング行こうね、と
笑う天士を無視して
俺はオムライスを食べ進めた。
もうなくて…
リビングのテーブルの上に
書き置きがある。
~~~~~~~~~~~~~~
今日は仕事の都合で早く出るね。
晩御飯楽しみに帰るから。
tenji
~~~~~~~~~~~~~~
俺ははぁーっとため息をつき
冷蔵庫からペットボトルの水を
取り出し半分以上飲んだ。
え?俺、なんで今
ため息なんてついたんだ?
訝しく首をかしげて
最後まで水を飲みほす。
またベッドに横になって
考えを巡らせていると
タブレットが鳴った。
俺は飛びつくようにタブレットを開く。
寛、朝御飯食べた?
ちゃんと食べろよ~。
俺はちゃんと食べたよ。と
コンビニのサンドイッチと
紅茶との自撮り写真が
添付されていた。
[っつ…。るせぇっ…。]
また体に熱が集まる。
その熱を持て余しながら
キッチンへ向かってあいつが
買ってきたメロンパンをかじった。
[甘…。]
思わず顔をしかめる。
何とか食べきって昨日の残りの
レタスとトマトのサラダを食べる。
朝食用に、とあいつのぶんも
とっておいてたから2人分。
ムシャムシャと咀嚼して完食し
食器を片付けた。
俺は思い立ってタブレットで
検索エンジンを出し
《人の役に立つ仕事》と
検索してみる。
あるサイトを覗くと
ランキングになっていて。
1位、医者。2位、弁護士。
3位、教師。
どれも俺にはなれないもの。
天士は弁護士。
あの咲鞍さんは医者で…
みんなちゃんとすごい仕事
してんだな…。
あ、咲鞍さんは、
星斗にかまけてサボり中だっけ…。
星斗の幸せそうな顔を思いだし
目頭が熱くなる。
星斗…。よかったなぁ…。
しばらく星斗のはにかんだ顔を
思い出して物思いにふける。
ふ、と目に止まったのは
介護職のページ。
そういえば…兄の関係で
見学に行ったことがあったっけ。
大変な仕事だ、と
その時改めて思った。
俺だって自分の兄だから
世話も焼いたけど…
それが仕事でいろんな人を
みる、って並大抵では
できないな、と子供ながらに
思ったものだった。
資格はいらないものもあるって
書いてある…
中卒の俺でもできるのだろうか…
この体が完治して
トレーニングすれば筋力も
戻ってくるだろうから
力仕事もできる。
でも、俺のこの顔、怖がられるかな…。
昨日の天士の言葉がよぎる。
【寛は笑っているほうがいいよ。】
俺、笑顔の作りかたなんて
忘れちまったよ…
昨日、ちゃんと笑えてた、のか…?
もし。そんな仕事ができたら。
天士に相談してみようか…。
いや、あいつにこれ以上
頼ることはできない。
来週頭から職安にでも通うか…。
さらにいろいろと調べていると
もうお昼をとっくに過ぎて
夕方の気配がやってきていた。
ごはん、考えなきゃ…。
久しぶりだな、こんな感覚。
俺の飯を待っててくれる人が
いるって。
満面の笑みで食べる天士の顔を
思い出す。だんだんと顔が体が
熱くなる。
[っつ。くそっ…。この熱は
なんなんだよっ!馬鹿野郎…。]
冷凍庫からアイスをひとつ掴んで
持ってきてガサガサと開けて食べる。
[あンま!甘すぎる…くそっ!]
頭がキーンとなるのもかまわずに
やけくそで口にほおりこみ
水色のパッケージにかかれた
ガキ大将のようなイラストを見る。
[ったく…ほんと子供扱い…
冗談じゃねぇや…。]
またペットボトルから水を飲み
甘くなった口の中をリセットした。
今日のごはんはハンバーグにしよう。
冷蔵庫の中をみてそう決めて
取りかかる。
米を洗って水に浸しておいてから…。
たまねぎをみじん切りにして
炒め冷ましてそれをボウルにいれて
ミンチとこねて…。
大きいの2つと肉団子のように
丸めたのを10個。
これは揚げて冷凍しておく。
大きい2つは焼いて
ソースやケチャップで
煮込みハンバーグにした。
炊飯器のスイッチを押し
付け合わせのブロッコリーを
茹でる。ついでに明日の朝の分も
茹でておこう。
タブレットが鳴った。
天士からあと10分ぐらいで
帰る、というLINE。
なぜかそわそわする俺。
ほんとにいったいこの感情は
なんなんだろうか?
よくわからないまま天士が帰り
慌ただしく用意して2人して食べる。
また天士が笑顔で
完食してくれて…。
ひくぐらい喜んでくれて…。
正直嬉しかったけど…。
でもそんなこと言えるわけもなく
仏頂面で後片付けをした。
【寛~?ちょっと、いいか?】
天士が書類を持って
キッチンにやってくる。
[ああ。]
俺が椅子に座ると
向かいに天士が座り
書類を差し出した。
【これ、こないだ言ってた
諸々の費用の内訳。
前にも言ったけど分割でいいし
少しずつ払えるだけでいいからね。
ほんとに…無理しないで、で
いいからさ。
焦ったり、慌てたりしないで
寛がやりたい仕事を
探してほしい。】
[…………わかった。
………その…ありがとう。]
【ううん。ほんとに無理しないで。
俺としてはゆっくりのほうが。】
[は?]
【いや、だって…寛を口説く
猶予ができ…】
[ばっ!バカじゃねぇ?
変なこと考えんなっ!]
俺は部屋に行こうと立ち上がる。
【待って!まだ話あるんだ!
寛、お酒は飲むの?】
[っつ。…酒?]
【うん。明日、俺仕事休みだし
ワインでも飲まない?
実は嬉しい報告があって。】
[………白、なら。]
【あ、寛も白派?よかった!
俺の部屋にワインセラーあるんだ!
特別にいいやつとってくる!】
嬉しそうに部屋に向かう
天士を見送って俺は
ワイングラスを出し
生ハムを皿に盛り付けた。
【わ!ハム出してくれたんだ?
ありがとう~!合うよね~!
さ、飲もう~】
慣れた手つきでワインの栓を開けて
2つのグラスに注いでくれる天士。
微笑んでグラスを合わそうと
してくるのを無視し
俺はワインを口に含む。
[…うまい。]
【くく…。そうだろ?
とっときのやつだからな。】
天士は生ハムをつまみながら
うまそうに飲んで話し出した。
【今日、栄醐から連絡あってな。
2週間後に2人、結婚式するんだって。
栄醐の別荘の近くで
チャペルを貸しきりにするらしい。
俺たちもお呼ばれしたから
一緒に行こう。俺、運転するし。
その頃には寛の体も
完治してるよね。】
[け、結婚式?]
【ああ。実は、星斗くんは
栄醐と養子縁組して
同じ咲鞍姓になるんだ。
その手続きも俺が手伝って
やってるんだけどさ。
栄醐のやつ
独占欲のかたまりだからな…。
星斗くんを完全に
自分のものにしたいんだよ。】
[えっ………そ、なんだ…。
それって星斗は…?]
【俺がいる前で自分から
キスなんかしちゃってさ…。
泣いて喜んでた。
幸せそうだったよ。】
[キ………!ゴホッゴホ…
そ、そうか。なら、よかっ、た。]
【いいなぁ…羨ましいなぁ…。】
[おまえは俺なんかじゃない
いい人いないのかよ?]
【え?もう俺は寛に
夢中だからさ…他なんて見えないよ。】
[っつ…。なに言いやがんだ!
てめ、いいかげんにしろよ…]
【ふふ…真っ赤、だよ?】
[こっこれは…これは久しぶりの
酒のせいだ。寝る。]
俺は下を向いて部屋へと逃げ出した。
【ちゃんと風呂は入れよ!】
ちょっと笑いを含んだ天士の声が
背中に降ってきた。
風呂から出てきたら
次の日休みだという天士が
明日はブランチにしたいと言い出した。
なんだ?ブランチって…。
なんでも遅く起きて
朝と昼を1度に食べるらしい。
よくわからないながらも
了承し少し遅めに起きて
支度を始める。
オムライスにしよう。
そう思って下ごしらえをした。
なかなか天士が
起きてこないのでタブレットを
ぼーっと眺めていると
いきなり声がした。
【寛、介護職、やりたい、の?】
[っ!わぁ!ちょ!アホ!
びっくりすんじゃねぇか!
勝手に見んなよ!]
【っふ…ごめんごめん。
……でも介護職やりたいならさ。
介護福祉士を目指したら?】
[かいごふくしし?]
【ああ。確か…実務経験が
3年あれば資格試験を
受けられたはず。】
[…俺は中卒だから無理だ、よ…]
【いいや、中卒からなった人を
俺は知ってるし、努力次第だよ。】
[そ、そうなの、か?]
【制約がないから受験できるよ。
がんばらなきゃ、だけどね。】
[………やってみたい、かもしれない。]
【お!じゃあさ、明日、俺が
担当してる福祉施設に
見学できるか聞いてみるよ!な?】
[………お前の世話には…。
なりたく、ねぇ…。]
【え?なんで~】
[なんででもだっ!
…世話になりすぎてるし
わりぃから…]
【もう!そんなの!
世話になりついでじゃん!
どーんと俺に任せとけよ!】
[いやだっ。これ以上借りをつく…]
【よし!そうと決まったら!
今日の休日満喫しよう!
寛のご飯食べたら
一緒にどこか出掛けよう!】
[おいっ!ちょ!勝手に決めんなっ!
俺はっ!いやだって言ってん…]
【ブランチ、なに?
なに作ってくれんの?ね、ね!
早く!作ってくれよ?】
微笑みテーブルの上に置いた
スプーンを手に持ちはやくー!と
ねだる天士に俺は
仕方なく料理にとりかかった。
[その話、またあとでするからな。
それに俺は一緒に出掛けないぞ?]
その呟きを聞いていないのか
今度は笑顔で鼻唄混じりに
どこへ行くかスマホで
検索し始める天士。
体に集まる熱を必死に
蹴散らしながらオムライスを作る。
巻くのはできないから
上から薄焼き卵をかぶせるスタイル。
ケチャップは自分で
好きな量かけてもらおう、と
テーブルにケチャップを置き
ブロッコリーを添えた
オムライスを2つ置いて
お茶を取りに冷蔵庫に行って戻る。
【はい!寛!
ケチャップつけといたよ!】
そこには<KAN LOVE>の文字…。
[っ!てめ!何すんだ!バカか?]
【へへへ…。俺のも書いてよ~
TENJI LOVEって。】
[バカかおまえっ!]
俺は明らかに赤い顔で
天士のオムライスにケチャップを
バシャッとかけてやった。
自分のオムライスはスプーンで
ケチャップの文字を
グシャグシャに消してやる。
[バカ!食え!]
顔の熱をおさめるべく
冷たいお茶を一気飲みし
大口で食べ始める俺を
満面の笑みで見て天士も
食べ始める。
【わ!めちゃうま!】
そう言い、食べたらさ~
ショッピング行こうね、と
笑う天士を無視して
俺はオムライスを食べ進めた。
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スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
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