5 / 10
第五話
しおりを挟む
エイレシアは、不機嫌な顔で外骨格アーマーの中にいる兵士を睨む。
「一体、何しにきた」
「我々は国連の要請で、動いています。ヴァチカンとの話もついています。後は、我々にまかせて撤収してください、抹殺機関の方」
「ふざけるな!」
エイレシアは、叫ぶ。
「おまえたちは、やつを殺すのではなく、保護するつもりなのだろう」
「我々は、多国籍軍司令部の命令で動いています」
外骨格アーマーの兵士は、冷酷さを潜ませた声で語る。
「我々の勧告にしたがっていただけないのであれば、あなた方も強制的に排除します」
エイレシアの目が昏くつりあがったその瞬間。
立ち上がった、ドラキュラが畏れを潜ませた声で呟く。
「おお、ようやくそのときがきた」
ドラキュラが手を差し伸ばしたその先に、ドアが出現している。
虚空に浮かぶドア、それはゆっくりと開いた。
中から現れたものは、まだ十代とみえる少年の域を脱していない姿をしている。
グレープフルーツのような黄色のジャケットを身につけ、ハーフのカーゴパンツをはいて、ブルーのキヤップをかぶっていた。
スポーツ観戦にきた、学生のような姿でもある。
ただ、その瞳は夜明けの紫色に染まり、薔薇色の唇は優しく歪められ、少女のようにたよやかな顎の線をしており、繊細な美しさをそなえていた。
少年は、気さくに手を振ると声を発する。
「よお、みんな元気かい?」
フランケンシュタインは血で赤く染まった額に指を差し込み、銃弾の破片を抜き取る。
再び血が、吹き出した。
「元気かどうかは、見れば見当つくでしょう、殿下」
うんざりしたように言うフランケンシュタインに向かって、少年はぐいっと親指を立てた右手を突き出す。
「うん、元気そうだね!」
そう言って満面の笑みを浮かべた少年に、外骨格アーマーの兵士が声をかける。
「ようこそ、人間の国へ。魔界の王子ケイン殿下とお見受けしますが」
少年は、アーモンド型をした紫の瞳を兵士に向ける。
薔薇色の唇には、夢見るような笑みが浮かんでいた。
「まあね。ケインという名には違いないけれど」
「わたしたちは、人間の国家を代表してお迎えにあがりました。あなたを賓客として、我々の基地へお迎えします」
「一体、何しにきた」
「我々は国連の要請で、動いています。ヴァチカンとの話もついています。後は、我々にまかせて撤収してください、抹殺機関の方」
「ふざけるな!」
エイレシアは、叫ぶ。
「おまえたちは、やつを殺すのではなく、保護するつもりなのだろう」
「我々は、多国籍軍司令部の命令で動いています」
外骨格アーマーの兵士は、冷酷さを潜ませた声で語る。
「我々の勧告にしたがっていただけないのであれば、あなた方も強制的に排除します」
エイレシアの目が昏くつりあがったその瞬間。
立ち上がった、ドラキュラが畏れを潜ませた声で呟く。
「おお、ようやくそのときがきた」
ドラキュラが手を差し伸ばしたその先に、ドアが出現している。
虚空に浮かぶドア、それはゆっくりと開いた。
中から現れたものは、まだ十代とみえる少年の域を脱していない姿をしている。
グレープフルーツのような黄色のジャケットを身につけ、ハーフのカーゴパンツをはいて、ブルーのキヤップをかぶっていた。
スポーツ観戦にきた、学生のような姿でもある。
ただ、その瞳は夜明けの紫色に染まり、薔薇色の唇は優しく歪められ、少女のようにたよやかな顎の線をしており、繊細な美しさをそなえていた。
少年は、気さくに手を振ると声を発する。
「よお、みんな元気かい?」
フランケンシュタインは血で赤く染まった額に指を差し込み、銃弾の破片を抜き取る。
再び血が、吹き出した。
「元気かどうかは、見れば見当つくでしょう、殿下」
うんざりしたように言うフランケンシュタインに向かって、少年はぐいっと親指を立てた右手を突き出す。
「うん、元気そうだね!」
そう言って満面の笑みを浮かべた少年に、外骨格アーマーの兵士が声をかける。
「ようこそ、人間の国へ。魔界の王子ケイン殿下とお見受けしますが」
少年は、アーモンド型をした紫の瞳を兵士に向ける。
薔薇色の唇には、夢見るような笑みが浮かんでいた。
「まあね。ケインという名には違いないけれど」
「わたしたちは、人間の国家を代表してお迎えにあがりました。あなたを賓客として、我々の基地へお迎えします」
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史
ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。
マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、
スペイン勢力内部での覇権争い、
そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。
※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、
フィクションも混在しています。
また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。
HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。
公式HP:アラウコの叫び
youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス
insta:herohero_agency
tiktok:herohero_agency
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
王国の女王即位を巡るレイラとカンナの双子王女姉妹バトル
ヒロワークス
ファンタジー
豊かな大国アピル国の国王は、自らの跡継ぎに悩んでいた。長男がおらず、2人の双子姉妹しかいないからだ。
しかも、その双子姉妹レイラとカンナは、2人とも王妃の美貌を引き継ぎ、学問にも武術にも優れている。
甲乙つけがたい実力を持つ2人に、国王は、相談してどちらが女王になるか決めるよう命じる。
2人の相談は決裂し、体を使った激しいバトルで決着を図ろうとするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる