【R18】モンスター・プリンス

ヒルナギ

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第六話

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 少年の目が、少し細められた。

 次の瞬間、少年の腕が闇に包まれる。

 二体の外骨格アーマーの近くの空中に、闇の塊が出現した。

 闇の塊から、少年の腕が蒼白い輝きを帯びて現れる。

 闇の中から現れた少年の拳は、高速で移動をはじめた。

 やがてその速度は音速を超え、ソニックブームが起きる。

 拳は、水平に伸びる竜巻をおこし、悲鳴のような轟音を置き去りにしながら外骨格アーマーへ向かう。

 二体の外骨格アーマーは、少年の拳に機関部を破壊される。

 緊急脱出装置が働き、ふたりの兵士は屋根の上に放り出された。

 少年は、暗闇から突き出た腕を操りふたりの兵士を屋根の上から地上へ下ろす。

「大体迷惑なんだよね、ひとんちの屋根で夜中に騒ぐんだから」

 少年は、少しだけ眉間に皺をよせて文句を言う。

「僕は、行きたいところに行くさ。気が向いたら、あんたらのとこに挨拶に行くよ」

 兵士達は、逃げ出していく。

 少年は、闇の中から手を引き出す。

 その少年の前に、エイレシアが立つ。

 肩に、巨大なパイルバンカーを担いでいる。

 エイレシアは、高らかに叫ぶ。

「しかし、獣は捕らえられ、また、この獣の前でしるしを行って、獣の刻印を受けた者とその像を拝む者とを惑わしたにせ預言者も、獣と共に捕らえられた。そして、この両者とも、生きながら、硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた」

 エイレシアは昏い瞳を、漆黒の炎で燃え立たせ叫んだ。

「明けの明星ルシフェルが息子にして魔界の王子ケインよ、おまえも第七聖典の祝福を受けよ!」

 パイルバンカーは、巨大な杭を発射した。

 その杭は、少年の腹に突き刺さったかに見える。

 しかし、実際には少年の腹に現れた黒い闇が杭を呑み込んだだけであった。

「うひょぉ、凄いねぇ」

 少年は、楽しげに叫んだ。

 エイレシアは、その様を驚きを持って見ている。

 エイレシアの近くに、闇が出現した。

 闇の中から蒼白く輝く杭が出現し、それはパイルバンカーに向かって発射される。

 パイルバンカーは発射された杭を発射口で受けると、衝撃に耐えきれず縦に裂けた。

 エイレシアは、パイルバンカーを取り落とすと膝をつく。

 そして、漆黒の炎をあげているように輝く瞳で、少年を見る。

「なんということをするんですか、殿下」

 憑神の咎めるような口調に、少年はびっくりした顔をする。

「え、だめなの?」

 ドラキュラは、困ったような顔をしてたてた指を横に揺らす。

「殿下、我々怪物は、ひとに戦いを挑まれればその攻撃を真摯に受け止めねばなりません。そして、苦痛と憎しみを持って答える必要があります」

「えー、そんなの痛いじゃん」
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