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第七話
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少年は、困った顔をしてエイレシアとエンハウンスを交互に見る。
「だいたい彼らはひとじゃなくて、怪物でしょ。僕等と一緒の」
「なるほど」
腕組みをして、顎に手をあてたフランケンシュタインが頷く。
「そう言われてみれば、そんな気もしますな」
「ふざけるな!」
エイレシアは、絶叫するように叫んだ。
「遊びじゃないぞ、これは。大体わたしは、人間だ!」
「ほらあ、泣かしちゃったじゃないですか。殿下が、大事なおもちゃ壊すから」
憑神は、たしなめるように言った。
エイレシアは、本当に泣き出しそうな顔になって憑神を睨む。
少年は、頭をさげた。
「そっかあ、ごめんなあ」
「貴様」
エイレシアがまた叫びだそうとするのを、フランケンシュタインが遮る。
「怪物と戦うものは、怪物になることを恐れなければならない。深淵を覗き込むものはまた、深淵から覗かれているのだから。そう、昔会った哲学者は言っていたぞ、エイレシア」
エイレシアは、複雑な表情をしてフランケンシュタインを見る。
フランケンシュタインは、その異相に笑みを浮かべた。
少年は、虚空に浮いた扉を指差す。
「まあ、お詫びといっちゃあなんだけど、モンスターランドに招待してもいいよ」
扉の向こうは、虹色に輝いている。
「君たちの師匠になる、世界の中心の木に吊るされたおとこもいるよ。こないだ、僕の父さんとチェスをしていたさ」
エイレシアは、息をのんだ。
「主が、その向こうにいるというのか」
少年は、にこにこ微笑む。
「うん、この向こうにはオーディンやロキそれにゼウスやハデスもいるし、ミカエルもベルゼバブだっているさ」
エイレシアは、魅了された表情になって一歩扉に向かって踏み出そうとする。
「おい、エイレシア」
戸惑ったような声を、エンハウンスが発した。
その声で、エイレシアは我にかえる。
「確かに、夜は今宵だけではない、そうだったな、フランケンシュタイン」
エイレシアの言葉に、フランケンシュタインは笑みを浮かべて頷く。
「また会おう、金星の落とし子よ」
エイレシアは、言葉を残して闇に消えてゆく。
エンハウンスも、それに続いた。
「だいたい彼らはひとじゃなくて、怪物でしょ。僕等と一緒の」
「なるほど」
腕組みをして、顎に手をあてたフランケンシュタインが頷く。
「そう言われてみれば、そんな気もしますな」
「ふざけるな!」
エイレシアは、絶叫するように叫んだ。
「遊びじゃないぞ、これは。大体わたしは、人間だ!」
「ほらあ、泣かしちゃったじゃないですか。殿下が、大事なおもちゃ壊すから」
憑神は、たしなめるように言った。
エイレシアは、本当に泣き出しそうな顔になって憑神を睨む。
少年は、頭をさげた。
「そっかあ、ごめんなあ」
「貴様」
エイレシアがまた叫びだそうとするのを、フランケンシュタインが遮る。
「怪物と戦うものは、怪物になることを恐れなければならない。深淵を覗き込むものはまた、深淵から覗かれているのだから。そう、昔会った哲学者は言っていたぞ、エイレシア」
エイレシアは、複雑な表情をしてフランケンシュタインを見る。
フランケンシュタインは、その異相に笑みを浮かべた。
少年は、虚空に浮いた扉を指差す。
「まあ、お詫びといっちゃあなんだけど、モンスターランドに招待してもいいよ」
扉の向こうは、虹色に輝いている。
「君たちの師匠になる、世界の中心の木に吊るされたおとこもいるよ。こないだ、僕の父さんとチェスをしていたさ」
エイレシアは、息をのんだ。
「主が、その向こうにいるというのか」
少年は、にこにこ微笑む。
「うん、この向こうにはオーディンやロキそれにゼウスやハデスもいるし、ミカエルもベルゼバブだっているさ」
エイレシアは、魅了された表情になって一歩扉に向かって踏み出そうとする。
「おい、エイレシア」
戸惑ったような声を、エンハウンスが発した。
その声で、エイレシアは我にかえる。
「確かに、夜は今宵だけではない、そうだったな、フランケンシュタイン」
エイレシアの言葉に、フランケンシュタインは笑みを浮かべて頷く。
「また会おう、金星の落とし子よ」
エイレシアは、言葉を残して闇に消えてゆく。
エンハウンスも、それに続いた。
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