初夜での暗殺に失敗した私ですが、今宵も冷徹皇帝から甘く抱き尽くされております

葛和蛙蘭

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復活の時⑥

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 言われる通りにすると、猛々しく屹立した雄が勢いよく飛び出した。
 鼓動を高鳴らせながら思わず見つめてしまうと、クロヴィスが色気を帯びた微笑を浮かべた。

「きみの力は完全に解き放たれたようだ。精気がどんどん湧き起こる」
「体が回復していくのを感じますか……?」
「ああ。きみの命が俺の体に溶け込んでくる。淫らな熱をはらんで……」

 艶めいた視線を受けて、思わず顔が熱くなる。
 そんなエリシアを愛おしげに見つめながら、クロヴィスは低い声で続けた。

「だがすこし心配だ。今まで以上にきみを求めてしまいそうで」
「……わたしは、いくらでも求められたいです」

 思わず本音をこぼすと、たまりかねたように抱き寄せられて口づけられた。
 夢中でついばみ合っていると、クロヴィスの指先が太腿をなぞりあげ、陰部へと触れる。
 すでに濡れそぼっているそこは、吸いつくように、ぬるりと指を受け入れてしまった。
 クロヴィスは口づけながら吐息した。

「……ああすごいな、俺に命を与える蜜だ」
「ん……っ、ぁあ」

 ゆっくりと内部に侵入し、かきまわされる。
 くちゅ、ぐちゅっと水の音が響くたび、脳が蕩けるような快感に襲われる。
 無意識に内部がひくひくと疼き、指を締めつけてしまう。

「……上に、来てくれるか」

 言われるがまま、陰部に雄を当てがう。
 ゆっくりと腰を沈めていくと、いつもと変わらない太さと硬さに肉壁をえぐられる。背筋から頭の先へ快感が駆け上がる。
 浄化の力はしっかりと効いている。安堵して泣きそうになりながら、愛しい男の存在を受け入れる。
 大きい。完全に腰を沈めるのは、奥に当たって辛いため、まだ難しかった。
 クロヴィスに無理に体を使わせるわけにはいかない。自分から動こうと、腰を上げたその時だった。

「っああん……!」

 クロヴィスが下から腰を打ち付けた。

「……ご無理なさらないでください。私が動きますから」
「無理なんかじゃない。きみを存分に味わいたいだけだ」

 欲情に染まりきった低い声を聞いて、苦しいほどに鼓動が高鳴る。
 返答に窮しているうちに片腕で腰を抱きしめられ、抽送がはじまった。

「あっ、っア、んッ、ンん……!」

 大けがを負っている者とは思えないしっかりとした動きで、腰を打ち付けられる。
 強く早く肉壁を擦られ、快感で脚がびくびくと震える。思わずクロヴィスの肩に手を添える。

「ぁア、ぁあ、きもち、い、奥まで、きて……、っア、ああんっ……!」

 無我夢中であえぐと、内部で雄がぐんと大きくなった。
 もっと肉壁を擦られて、エリシアはさらなる快感に蕩ける。

 律動は、ぱん、ぱんと音を鳴らすほどに激しくなる。
 エリシアはもはや膝の上で跳ねるだけになって、首を仰け反らせてあえいだ。
 クロヴィスの両手が、ぷるりぷるりと揺れる乳房をつかんで乳首ごと揉みしだく。

「あっ、ああ、よかった……肩の傷、なおったのですね……!」

 強い刺激に喘ぎながらエリシアは喜びの涙を零した。
 クロヴィスはその体を両手で折れんばかりに抱き締めた。

「ああ、もう万全だ。だが、きみが全然足りない」

 抱き締められたまま腰を浮かせられると、素早く打ち込まれた。

「あっ、んあ、やぁア、きもち、いい……いっちゃう……!」

 思考が散り散りになりそうになり、思わずクロヴィスが背を預ける石壁に手を添える。
 穿たれている間にすでに何度か達していた。
 休む間もなく絶頂を与え続けられて、快楽が飽和して気がおかしくなりそうだった。石壁にがりがりと爪を立てる。
 悲鳴じみた自分の嬌声にクロヴィスの荒い呼吸と低い声が絡みついた。

「エリシア……エリシア……愛してる」

 涙が止まらなかった。
 辛く悲しい宿命の果てに、ようやくたどりついた答えがあった。

(私が生まれたのは、この人と生きるため)

 泣きじゃくりながら、エリシアはクロヴィスを抱きしめた。

「愛しております、クロヴィス様。ずっとずっと一緒です」

 クロヴィスも強くエリシアを抱きしめ返す。

 もう二度と離れない。

 誓いの口づけを交わして、ふたりはただ貪りあった。
 ひとつに溶け合うように。




 ふたりは互いの体温を感じながら、しばらく静かに抱き合っていた。
 その安らぎを破るように、大地が低く震え始める。かすかな振動がやがて大きくなり、地鳴りのように響いた。
 蹄の音。しかも、一頭や二頭ではない。数十、いや百に近い騎馬の気配だった。
 クロヴィスは瞬時に体を起こし、緊張に満ちた声でささやいた。

「きみはここに隠れていろ」

 しかし、エリシアは首を横に振った。

「一緒に行かせてください。どうかお願いします」

 ふたりは肩を並べて建物を出る。
 鬱蒼たる森の道を埋め尽くすように、数十頭の騎馬が取り囲んでいた。

 その中心には反乱の首謀者がいた。
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