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第三章 捨てる、捨てない
3-5*
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依子さんの検診の日、働かせてもらっている朝日堂はお休みになった。
ケースケさんが仕事に行ってから1時間。
いつもならとっくに洗濯してしまっているケースケさんの服を抱え込み、残り香のまだあるベッドに入りこむ。
ケースケさんが着ていた服に顔を埋めれば、もう体温など無いのに温かい気がした。
下着の上から自分のものに触れる。
こんなことをしていると知られたら、即追い出されてしまうだろう。
目を閉じ、瞼の裏にケースケさんの顔を思い出す。
好きと言った後もケースケさんはオレを警戒しなかった。
だからオレは、偶然を装って風呂上がりの全裸を見ることができたし、出かける前に当たり前に寝間着から着替える姿だって見ていられる。
「雪、好きだよ」
そう言ってくれる妄想。
そのままこのベッドの上で、あの体に触れる妄想。
買ってもらったこの服の隙間から、ケースケさんの手が入り込む。
オレは緊張して息を詰める。
指の腹で押されるように乳首をいじられ、小さく漏れ出る声を唇で掬われる。
あの手で頭を撫でてもらって、舌を絡めて。
「ぁ、」
下着を剥がれオレのものを直に握りこまれる。
雪、と名前を呼んでもらって、オレはケースケさんにぎゅうと抱き付く。
「んん」
そのままオレを擦りあげられ呼吸が浅くなる。
吸うことを忘れて音を漏らす。
「いっちゃう」
ケースケさんは笑ってオレを促す。
オレはケースケさんを呼んで、促されるままに吐き出してしまう。
もぐりこんでいた掛け布団をどかし、引っかかっていたズボンとパンツを蹴飛ばした。
天井を見上げ足を折り曲げると、今しがた自分の手を汚したものを後ろの穴にあてがった。
「けーすけさ……ぁ、ん」
覗き見たケースケさんのものをここに入れて欲しい。
代わりに自分の指をゆっくりと入れていく。
もっと、もっと奥まで入ってくるはず。
届かない場所までしてほしい。
入り口だけをなぞるように弄って、浅いところだけ行き来する。
すぐ横に置いたケースケさんの服に頭を寄せて、空いている手で自分を慰めた。
「ケースケさんっ」
この匂いに抱きしめられたい。
ひくつくのがわかる穴にケースケさんの熱を入れて欲しい。
だらしなく垂れそうになる涎を舌で舐めとった。
ティッシュで拭った汚れをゴミ袋に入れて、きっちりと縛る。
シーツを汚してないのを確認しつつ洗濯機に放り込んだ。
やましいことをした後はその跡が残らないように入念に換気した。
シーツを新しいものに変えて、使ってしまったケースケさんの服もいつも通り洗う。
だるい体で、今日のご飯を何にしようかと考える。
何でもおいしいと大丈夫だと言ってくれるケースケさんのためにできることは、せめてバランスの良い食事を作ること。
できるだけ多くの野菜を使い、肉と魚を偏らないように出した。
いつもしてしまった後には物凄く後悔する。
後悔するのならしなければいいのにと思うのに、好きと言ってしまってからは抑えが効かない。
今までこんなこと頻繁にしなかった。
何も欲求の無い自分の体は機能も無いのかもしれない、でもそれならそれで困りもしないと思っていたのに。
絶対にばれてはいけないと思う。
でもばれてしまったらどうなるだろう。
オレにはこうして一人の時間がたくさんあるけれど、ケースケさんにはない。
いつも家にはオレがいて、ケースケさんが一人でいられる時間は無い。
でもケースケさんが自慰をしてる姿を見たことは無い。
オレを使ってもらうことはできないのかな。
以前お金が無くて、この体を自由に使ってもらおうとしたときには強く拒絶された。
でも気持ち悪いと蹴飛ばされはしなかった。
ケースケさんは優しいから、言わなかっただけかもしれないけれど。
この顔を隠して、声を出さなければ人形のように使ってもらえないだろうか。
オレだけが知っているケースケさんの姿を、そうしたら感じられるんじゃないだろうか。
自分がそうして欲しいからって、ばれたら嫌われるだけだろうにいい方向に考えてしまう。
ケースケさんが仕事に行ってから1時間。
いつもならとっくに洗濯してしまっているケースケさんの服を抱え込み、残り香のまだあるベッドに入りこむ。
ケースケさんが着ていた服に顔を埋めれば、もう体温など無いのに温かい気がした。
下着の上から自分のものに触れる。
こんなことをしていると知られたら、即追い出されてしまうだろう。
目を閉じ、瞼の裏にケースケさんの顔を思い出す。
好きと言った後もケースケさんはオレを警戒しなかった。
だからオレは、偶然を装って風呂上がりの全裸を見ることができたし、出かける前に当たり前に寝間着から着替える姿だって見ていられる。
「雪、好きだよ」
そう言ってくれる妄想。
そのままこのベッドの上で、あの体に触れる妄想。
買ってもらったこの服の隙間から、ケースケさんの手が入り込む。
オレは緊張して息を詰める。
指の腹で押されるように乳首をいじられ、小さく漏れ出る声を唇で掬われる。
あの手で頭を撫でてもらって、舌を絡めて。
「ぁ、」
下着を剥がれオレのものを直に握りこまれる。
雪、と名前を呼んでもらって、オレはケースケさんにぎゅうと抱き付く。
「んん」
そのままオレを擦りあげられ呼吸が浅くなる。
吸うことを忘れて音を漏らす。
「いっちゃう」
ケースケさんは笑ってオレを促す。
オレはケースケさんを呼んで、促されるままに吐き出してしまう。
もぐりこんでいた掛け布団をどかし、引っかかっていたズボンとパンツを蹴飛ばした。
天井を見上げ足を折り曲げると、今しがた自分の手を汚したものを後ろの穴にあてがった。
「けーすけさ……ぁ、ん」
覗き見たケースケさんのものをここに入れて欲しい。
代わりに自分の指をゆっくりと入れていく。
もっと、もっと奥まで入ってくるはず。
届かない場所までしてほしい。
入り口だけをなぞるように弄って、浅いところだけ行き来する。
すぐ横に置いたケースケさんの服に頭を寄せて、空いている手で自分を慰めた。
「ケースケさんっ」
この匂いに抱きしめられたい。
ひくつくのがわかる穴にケースケさんの熱を入れて欲しい。
だらしなく垂れそうになる涎を舌で舐めとった。
ティッシュで拭った汚れをゴミ袋に入れて、きっちりと縛る。
シーツを汚してないのを確認しつつ洗濯機に放り込んだ。
やましいことをした後はその跡が残らないように入念に換気した。
シーツを新しいものに変えて、使ってしまったケースケさんの服もいつも通り洗う。
だるい体で、今日のご飯を何にしようかと考える。
何でもおいしいと大丈夫だと言ってくれるケースケさんのためにできることは、せめてバランスの良い食事を作ること。
できるだけ多くの野菜を使い、肉と魚を偏らないように出した。
いつもしてしまった後には物凄く後悔する。
後悔するのならしなければいいのにと思うのに、好きと言ってしまってからは抑えが効かない。
今までこんなこと頻繁にしなかった。
何も欲求の無い自分の体は機能も無いのかもしれない、でもそれならそれで困りもしないと思っていたのに。
絶対にばれてはいけないと思う。
でもばれてしまったらどうなるだろう。
オレにはこうして一人の時間がたくさんあるけれど、ケースケさんにはない。
いつも家にはオレがいて、ケースケさんが一人でいられる時間は無い。
でもケースケさんが自慰をしてる姿を見たことは無い。
オレを使ってもらうことはできないのかな。
以前お金が無くて、この体を自由に使ってもらおうとしたときには強く拒絶された。
でも気持ち悪いと蹴飛ばされはしなかった。
ケースケさんは優しいから、言わなかっただけかもしれないけれど。
この顔を隠して、声を出さなければ人形のように使ってもらえないだろうか。
オレだけが知っているケースケさんの姿を、そうしたら感じられるんじゃないだろうか。
自分がそうして欲しいからって、ばれたら嫌われるだけだろうにいい方向に考えてしまう。
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