PUI 〜史上最強の感染症〜

桃冬万本〜ももふまぽん〜

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この世と異世界のハザマで

クソギと彼女

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気がつくと、俺とクソギはダッちゃんの背に乗っていた。いつの間にそうしていたのか…。俺は検討がつかなかった。
ダッちゃんが俺たちをサイコパワーで背中に乗せたのか?
妄想していると彼女は誰も襲って来ないような湖畔に俺らを下ろしてくれた。クソギはまだ、気を失ったままだ。ダッちゃんがクソギの頬をべろん、と舐める。するとクソギはゆっくりと目を開け、元気を取り戻した。良かった、と安堵したのかダッちゃんは、人間の姿に戻った。
「クソギ~!…良かったぁ~!!」 
俺はクソギの復活を喜んでから、ダッちゃんに感謝を伝える。ダッちゃんは、照れていた。ほっぺを桃にしながら、ニコニコしていた。俺は「竜でも人間になれば可愛いもんだ」
と、ニヤニヤ妄想する。ダッちゃんは、クソギにお話をしている。何やら大事な話のようで、俺は遠くでその話を盗み聞きする羽目になる。
ダッちゃんが、クソギに真面目な顔で話し、クソギも緊張感を覚えたように固まっている。
彼女が話している内容はだいたい、こんな感じであった。


二百年くらい前の事、ダッちゃんは「竜の国」で暮らしていた。「マーロン」という老爺竜が、その国を治めていた。
ある日、マーロンは人間界に召喚され、三人の子供たちと共に、世界を救った、という。その時に生贄となった一人の少年がいた。「ゴロタ」という男の子だ。彼は、マーロンの背中に乗り、竜の国にやって来たという。そして、当時まだ、赤子の竜であった、ダッちゃんに無理矢理喰われる事となったのだった。彼女は、人間を食す事は望んでいなかった。
初めて生贄の人間を食べた彼女は、その後大泣きして、大きな水晶石を自らの「三叉の尾」で破壊して、ギャーギャー喚き散らしたらしく、マーロンを困らせた。マーロンは、それを見兼ねて、唱え事をした。
「生贄の転生を許し、今、此処に生を受けよ」
すると、彼女が食べた筈の人の子が、一匹の金翼の狼になっていたのだ…!
金狼は、新しく生を受け、ブルブルッと身体を奮わせた。
「くおおおぉぉぉ~~~ん!!」
金狼は、嬉しさのあまり、咆えた。
マーロンは、微笑んだ後、ご機嫌なダッちゃんにこう命じた。
「ダツ、今から百九十年後に、下界にて人間となりなさい。その時は、あの金狼も遣わす。二体は、小さな田舎で巡りあうだろう…。」
そう言うとマーロンは、二体を別々の場所へ、引き離した。
そして百九十年の月日が流れ、今こうしてここに居る。


ダッちゃんと、クソギは、この世に生まれる前からの知り合いだったのだ……!

意外な事実だった…。それと同時に、俺のいる意味が、だんだん分からなくなってきた…。

俺たち三人のいる湖畔には、見たことのない変わった生き物が、ぞろぞろと集まっていた。
その生き物に、ダッちゃんが、
「おひさ~!」
と、懐かしむように手を振っていた。
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