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はろーまいぷりんす!
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しおりを挟む優斗に慰めてもらい完全復活ふっきれまくった私は日常を取り戻していた。
とは言っても次の彼氏の候補も予定もない。
しばらくはこんな感じかなぁと探していた。
今日も相変わらず学校が終わったらバイトで、いつもと同じようにホールで接客をしていた。
「へー、めいちゃんっていうの?それあだ名?」
「ほぼ名前ですねえ。お客さんも従業員もめいちゃんって呼んでくれるのでそう呼んでください」
「てかめっちゃかわいいよね、おっぱいもおっきいし。どんくらいあるの?」
こっちは高校生だからお酒を飲んだ事ないしわかんないんだけど、酔っ払ったおじさんたちは大概私の胸を凝視してくる。
別にこの制服そんなに胸が目立つでもないけど、そんなわかるものかなぁと思いながら私は適当にあしらう術も磨いてきた。
適当に流して一時厨房に避難する。
「なに?また変な酔っ払いきた?」
「店長。まあいつものノリですよ、大丈夫です」
「なんだかんだめいちゃんはモテるからなあ。あ、類くん、ちょっとめいちゃん気にしといてあげてよ。今日ホールは男君だけだから」
「はあ」
めんどくさそうにこのでかい人はため息混じりに返事をする。
今日はななはシフトに入ってなくて私はラストまで。
バイトや社員もちらほらと帰っていき、最後は店長と類くんと私で片付けていた。
「じゃあ2人とも戸締りよろしくー」
「はーい、おつかれさまです」
最後に店内を見回り厨房を確認するのだが、それは類くんがやってくれるとのことで私は先に着替えて外に出て待っていた。
すると肩を誰かにとん、と叩かれる。
「めーいーちゃんっ」
「えっ、あ、さっきの」
「もうバイト終わり?俺ら向こうの店で飲み直してたんだけどさ、一緒に帰ろうよ」
「あー、いや、他の人と帰るので大丈夫です」
「またそんなこと言わないでさあ。ほらあっち行こ?いいところ連れてってあげるから」
2人組のサラリーマンのお客さんで、だいぶお酒が入ってるのか全身から酒の匂いが漂っている。
向かう先は駅裏のホテル街で、1人は私の肩を組み1人は腕を強く握っていた。
「まじめいちゃんおっぱいでかいね。顔も可愛いし早く抱っこしてあげたいなあ」
「あのっ、ほんとに帰らせてくださいっ」
「大丈夫大丈夫。悪いようにはしないから」
どんどん引っ張られて店から離れていってしまう。
本当にどうしよう!と頭の中がパニックになっていると、突然男の腕が肩から消えて身体を引っ張られた。
「いった!何すんだよてめえッ!」
「俺の彼女、勝手に連れていかないでもらえますか」
ぎゅっと腰を大きな手で包まれて彼は身体を寄り添わせて。
驚いて見上げると、そこには類くんが立っていた。
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