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君じゃなきゃダメなんだ!
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しおりを挟む結局、今日のバイトの雰囲気は最後まで最悪だった。
類くんはいつもに増して苛立ちさを放ちまくってたし、優斗は優斗で珍しく話しかけるなオーラを出してて、ななには迷惑かけっぱなしで。
家に帰るまでずっと考えてた。
類くんの、どんな所が好きなのか。
顔とスタイルとセックスの上手さは一旦置いておくでしょ。
意外と私の話をちゃんと聞いてくれる所。
うるさいって言いながらね、ちゃんと突っ込んでくれるの。
あとはなんだかんだ私を受け入れてくれる所とか。
家に押しかけても大学に勝手に侵入しても許してくれる寛大さはあるんだと思う。
「それから、えっと……」
私は机に向かって類くんの好きな所を箇条書きに出していく。
結構、えっちしてる時は素直な所。
私が余裕なくなったら一応待ってくれる所。
別にって言っときながら実はおっぱいが好きな可愛い一面がある所。
そして……。
「もっともっと類くんを知りたいと思わせてくれる所、とか…」
まだ知らない類くんのこと。
どうしてとか、何で好きなのかとか、簡単には言えなくて。
でもどうしてか惹かれてしまう。
類くんにどうしても会いたくなる。
初めて自分から好きになった人だから。
「よっし。書くか」
今思ってる事全部書こう。
全部気持ちを手紙にして、誤解がないようにさらけ出して。
そうして類くんにも私を見てほしい。
私はつらつらと文をしたため、出来上がった手紙を類くんの家のポストに直接投函した。
ついでにパンッパンッと手を合わせておいた。
「どうか類くんに伝わりますように」
こうして無事私の手紙作戦は遂行されたのだが、私のテスト週間が幕を開けてバイトを休んでいたため類くんには1週間ちょっと会えなかった。
類くんも大学が忙しいのかバイトを入れていない日も結構あって、手紙をちゃんと読んでくれたかを確認できたのは、それからまた1週間くらい経った頃だった。
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