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鶯を炙る(翠嵐回想)
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本来は弥生の始めに鳴く鶯を、すり餌の混合加減と日照時間により操作する方法がある。
灯火をあてて日照時間を長くするために火を近づけることから、「炙り」と呼ぶ。
炙られた鶯は、聞く人間が初春を寿ぐために、まだ花も咲かぬ冷たい空の下、
応えるもののない求愛の歌を唄うーー
翠嵐が寺の麓の村から、半ば売られるようにして寺に来たのは
15年前のまだ鶯も鳴かぬ寒い日のことだった。
灯火をあてて日照時間を長くするために火を近づけることから、「炙り」と呼ぶ。
炙られた鶯は、聞く人間が初春を寿ぐために、まだ花も咲かぬ冷たい空の下、
応えるもののない求愛の歌を唄うーー
翠嵐が寺の麓の村から、半ば売られるようにして寺に来たのは
15年前のまだ鶯も鳴かぬ寒い日のことだった。
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