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第四部
十年ぶりの再会
兄様と実家で会ったのは舞踏会から半月ほど後だった。兄の見舞いに来てくれるのなら私も実家に顔を出そうとしたのだけど、お互いの予定が合わなかったからだ。
ようやくその日を迎えたのだけど、その日の午前中も予定が入っていて実家に到着したのは約束の時間よりも遅くなってしまったわ。急いで駆けつけて実家の応接室に向かう。部屋に入るとお義姉様と兄様がエドゼルを囲って歓談している最中だった。久しぶりに会ったエドゼルが嬉しそうに駆けてきてスカートに抱き着いた。
「エドゼル、久しぶりね」
「おばさま、ごきげんよう」
「まぁ、エドゼル、挨拶が上手くなったわね」
六歳になったエドゼルは顔立ちが大人びてきたわ。口調も。以前は「おばしゃま」だったのに今は危なげなく発音している。子の成長って早いわね。アンゼルと手を繋いでソファまで歩いた。しばらく会わないうちにまた背が伸びた。
「兄様、お義姉様、ごめんなさい。お待たせしちゃったわね」
ソファまで来て二人に軽く頭を下げて謝罪した。お義姉様にも手間を増やしてしまったわ。お義姉様は兄様と親しいわけじゃないから相手をするのは気遣いだったはず。後でお礼とお詫びをしなきゃ。
「構わないよ、遅れるとの知らせは貰っていたし。レイモンドともゆっくり話せたから」
「そう? だったらいいのだけど」
その会話に兄の嫌味が入っていなければいいのだけど。その心配があったから私も一緒にと思ったのに。こんな日に限って予定が押してしまうなんて。
「はは、レイの嫌味なんか可愛いものだよ。それにしても、すっかり侯爵夫人だな。供の数も桁違いだし」
兄様の視線は私の後ろに控える侍女や護衛たちに向かっていた。お義姉様はいつものことで慣れているから何も言わないけれど、初めてだと驚くかもしれないわね。
「あら、実家だからこれでも少ない方なのよ」
実家には何人かゾルガー家の者が入り込んでいるのもあるけれど。監視も兼ねているけれど、半分はお義姉様を守るためのもの。兄が夫の役目を果たせないのは広く知られているし、父も領地に行ったまま戻らないから不埒な思いで近づいてくる者もいるのよね。お義姉様から私に繋がろうとする者もいるし。
「そうか。しかし意外だったよ。ハリマンはどうした? 彼と婚約したんじゃなかったのか?」
「ふふ、色々あったのよ」
ハリマン様と姉の不義発覚後、シリングス公爵家と話し合いをしたのもこの応接間だったわね。兄様にこうなった経緯を簡単に話して聞かせた。それらは世間一般でも知られているものだから隠すことでもないし、調べればすぐにわかってしまうから。それに、私には後ろ暗いところは何もないもの。
「……はぁ。昔から思い切りがいいとは思っていたけど……侯爵って、舞踏会で呼びに来たあの黒髪の大男だろ?」
「ええ」
「よくまぁ、あんな凶悪そうな人相の相手に直談判出来たな。いや、それくらい追い詰められていたんだろうけど……」
兄様が渋い表情を浮かべた。凶悪そうって……ヴォルフ様は表情が変わらないから怖く見えるけれど、ちょっと言い過ぎではないかしら。そりゃあ、敵と陛下には容赦がないと思うけれど、恩情をかけることもあるわ。もちろん、そこには打算も多大に含まれているけれど。本当に兄様の言うとおりだったら私なんかとっくに不敬罪に問われてこの世にいないわよ。
「あら、夫は優しい方ですわ。確かに見た目はちょっと怖く感じますけれど」
「あれ、ちょっとって類じゃないだろう……」
兄様の顔が少し青ざめて見えたのは気のせいかしら? 酷いわ、凛々しくて素敵なのに……男性だと感じ方が違うのかしら。
「そこまで怖くありませんわ。悪いことをしなければ」
「ふふ、イルーゼ様の仰る通りですわ。侯爵様は厳しい中にお優しさをお持ちですわ。だからこの家もこうして残っているのですから」
お義姉様の言うとおりよ。この家への対応はかなり甘いと思うわ。他家だったら取り潰しになっていたんじゃないかしら。
「まぁ、確かにそうだけど……辛くないか?」
「時にはそう思うこともありますわ。心無いことを言う者も絶えませんし。でも、後悔はしていませんわ」
「幸せってわけでもなさそうだな」
「あら、幸せですわ。少なくともシリングス様なんか比べ物にならないほどに」
それは間違いないわ。ハリマン様と婚姻していたら家族に侮られ続け、姉と逢瀬を繰り返す夫に心が死んでいたかもしれない。
「ハリマンか。舞踏会で見かけたけれど、随分生気がなかったな」
「ええ。前の結婚も上手くいかず、今は再婚どころか婚約もままならないようですわ」
婚約が三度白紙になるのも異例だけど、婚姻しても数年で離婚、それも一方的に離縁状を送り付けられて終わりなんて物語でもないわ。彼自身に問題があるのではと世間が思うのは自然な流れよね。
「頼りなさそうだったなぁ。だからこそイルーゼみたいにしっかりした妻が必要だったのに」
「そうね」
時折未練がましい目を向けてくるけれど、最初に私を裏切ったのは彼なのよ。正直言って迷惑でしかないわ。
「それで、兄様はどうして急に帰国を?」
大使のバーデン侯爵が召還されたからその部下の兄様も戻ってきたのでしょうけれど、サザールでは特に大きな動きは見られないとヴォルフ様は仰っていたわ。
「ああ、上司に帰国命令が出てね。特に理由は聞いていないけれど」
「そうなの? サザールの代替わりが本格的に始まったのではなくて? 大公様は体調を崩されて久しいと聞くけれど」
「知っていたのか?」
兄様が意外そうな表情を浮かべた。私がそんな話をするなんて意外だったかしら?
「ええ。以前公妃様がいらっしゃった時、そう仰っていたわ」
「ああ、即位式の時か……」
陛下の即位式に我が国を訪れた公妃様。横柄なアーレント王妃を上手く宥めて場を取り成してくださったから、かなり有能な方に見受けられた。
「ええ、お茶会に呼ばれて、その席でね。次はサザールだろうって言われていたわ」
我が国に続いてアーレントとルタ国も代替わりし、次はサザールだと言われている。でも、具体的な話はまだないのよね。
「そうか」
どうかしたのかしら? それだけ? 兄様なら色々知っていそうだし話してくれると思ったのだけど。
「サザールに何か問題でも?」
そこが知りたいのだけど。ずっとサザールにいたならあちらの内情もご存知よね。
「いや、特には。ただ……」
「ただ?」
「公妃様は心配性でまだ早いと仰っているんだよ」
「そう。確かに若い人は見ていて危なっかしいと仰っていたわね。公子様ってそんなに頼りないの?」
「いや、有能で立派な方だよ」
だったらどうして代替わりしないのかしら? いえ、他国が心配することじゃないし、公妃様なりのお考えがあるのかもしれないけれど。兄様の口数も減ってしまったし、この話はここまでのようね。
「そういえば、実家には顔を出したのでしょう?」
「ああ、昔の父上に戻っていて驚いたよ。だいぶん老けていたし」
叔父様はお腹周りがかなりご立派で、かなり前から医師に痩せるようにと言われていたのよね。だけどそれを無視した結果、心臓に負担がかかって倒れてしまったわ。その後、医師の指導の下かなりお痩せになって、一回り小さくなったけれど、そのせいか皺が目立つようになったわ。
「兄様もそろそろ落ち着いては?」
「そうだなぁ」
「兄様なら引く手数多ですわ。ね、お義姉様」
「ええ。ディルク様なら婿にと望む方もいらっしゃいますわ」
兄様はあまり乗り気じゃなさそうだけど、お義姉様がそう言うのなら私の身内びいきじゃないわよね。継ぐ爵位はなくても文官として身を立てているのだから優秀さは一目瞭然、婿にと望む家はたくさんありそうだけど。
「その気になったら言ってね。兄様の希望に合いそうな令嬢を紹介するわ」
「まさかイルーゼからそんな言葉を聞くとは思わなかったよ」
珍しく兄様が目を大きく見開いた。そんなに意外だったかしら? これでもあちこちから紹介を頼まれるのだけど。
「これでも筆頭侯爵夫人なんだから。色んな伝手があるのよ」
「ははっ、その気になったら頼むよ」
そうは言ったけれど、話題は兄との会話のことに移ってしまった。乗り気じゃないみたいね。もしかして、どなたか想う方がいるのかしら?
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「構わないよ、遅れるとの知らせは貰っていたし。レイモンドともゆっくり話せたから」
「そう? だったらいいのだけど」
その会話に兄の嫌味が入っていなければいいのだけど。その心配があったから私も一緒にと思ったのに。こんな日に限って予定が押してしまうなんて。
「はは、レイの嫌味なんか可愛いものだよ。それにしても、すっかり侯爵夫人だな。供の数も桁違いだし」
兄様の視線は私の後ろに控える侍女や護衛たちに向かっていた。お義姉様はいつものことで慣れているから何も言わないけれど、初めてだと驚くかもしれないわね。
「あら、実家だからこれでも少ない方なのよ」
実家には何人かゾルガー家の者が入り込んでいるのもあるけれど。監視も兼ねているけれど、半分はお義姉様を守るためのもの。兄が夫の役目を果たせないのは広く知られているし、父も領地に行ったまま戻らないから不埒な思いで近づいてくる者もいるのよね。お義姉様から私に繋がろうとする者もいるし。
「そうか。しかし意外だったよ。ハリマンはどうした? 彼と婚約したんじゃなかったのか?」
「ふふ、色々あったのよ」
ハリマン様と姉の不義発覚後、シリングス公爵家と話し合いをしたのもこの応接間だったわね。兄様にこうなった経緯を簡単に話して聞かせた。それらは世間一般でも知られているものだから隠すことでもないし、調べればすぐにわかってしまうから。それに、私には後ろ暗いところは何もないもの。
「……はぁ。昔から思い切りがいいとは思っていたけど……侯爵って、舞踏会で呼びに来たあの黒髪の大男だろ?」
「ええ」
「よくまぁ、あんな凶悪そうな人相の相手に直談判出来たな。いや、それくらい追い詰められていたんだろうけど……」
兄様が渋い表情を浮かべた。凶悪そうって……ヴォルフ様は表情が変わらないから怖く見えるけれど、ちょっと言い過ぎではないかしら。そりゃあ、敵と陛下には容赦がないと思うけれど、恩情をかけることもあるわ。もちろん、そこには打算も多大に含まれているけれど。本当に兄様の言うとおりだったら私なんかとっくに不敬罪に問われてこの世にいないわよ。
「あら、夫は優しい方ですわ。確かに見た目はちょっと怖く感じますけれど」
「あれ、ちょっとって類じゃないだろう……」
兄様の顔が少し青ざめて見えたのは気のせいかしら? 酷いわ、凛々しくて素敵なのに……男性だと感じ方が違うのかしら。
「そこまで怖くありませんわ。悪いことをしなければ」
「ふふ、イルーゼ様の仰る通りですわ。侯爵様は厳しい中にお優しさをお持ちですわ。だからこの家もこうして残っているのですから」
お義姉様の言うとおりよ。この家への対応はかなり甘いと思うわ。他家だったら取り潰しになっていたんじゃないかしら。
「まぁ、確かにそうだけど……辛くないか?」
「時にはそう思うこともありますわ。心無いことを言う者も絶えませんし。でも、後悔はしていませんわ」
「幸せってわけでもなさそうだな」
「あら、幸せですわ。少なくともシリングス様なんか比べ物にならないほどに」
それは間違いないわ。ハリマン様と婚姻していたら家族に侮られ続け、姉と逢瀬を繰り返す夫に心が死んでいたかもしれない。
「ハリマンか。舞踏会で見かけたけれど、随分生気がなかったな」
「ええ。前の結婚も上手くいかず、今は再婚どころか婚約もままならないようですわ」
婚約が三度白紙になるのも異例だけど、婚姻しても数年で離婚、それも一方的に離縁状を送り付けられて終わりなんて物語でもないわ。彼自身に問題があるのではと世間が思うのは自然な流れよね。
「頼りなさそうだったなぁ。だからこそイルーゼみたいにしっかりした妻が必要だったのに」
「そうね」
時折未練がましい目を向けてくるけれど、最初に私を裏切ったのは彼なのよ。正直言って迷惑でしかないわ。
「それで、兄様はどうして急に帰国を?」
大使のバーデン侯爵が召還されたからその部下の兄様も戻ってきたのでしょうけれど、サザールでは特に大きな動きは見られないとヴォルフ様は仰っていたわ。
「ああ、上司に帰国命令が出てね。特に理由は聞いていないけれど」
「そうなの? サザールの代替わりが本格的に始まったのではなくて? 大公様は体調を崩されて久しいと聞くけれど」
「知っていたのか?」
兄様が意外そうな表情を浮かべた。私がそんな話をするなんて意外だったかしら?
「ええ。以前公妃様がいらっしゃった時、そう仰っていたわ」
「ああ、即位式の時か……」
陛下の即位式に我が国を訪れた公妃様。横柄なアーレント王妃を上手く宥めて場を取り成してくださったから、かなり有能な方に見受けられた。
「ええ、お茶会に呼ばれて、その席でね。次はサザールだろうって言われていたわ」
我が国に続いてアーレントとルタ国も代替わりし、次はサザールだと言われている。でも、具体的な話はまだないのよね。
「そうか」
どうかしたのかしら? それだけ? 兄様なら色々知っていそうだし話してくれると思ったのだけど。
「サザールに何か問題でも?」
そこが知りたいのだけど。ずっとサザールにいたならあちらの内情もご存知よね。
「いや、特には。ただ……」
「ただ?」
「公妃様は心配性でまだ早いと仰っているんだよ」
「そう。確かに若い人は見ていて危なっかしいと仰っていたわね。公子様ってそんなに頼りないの?」
「いや、有能で立派な方だよ」
だったらどうして代替わりしないのかしら? いえ、他国が心配することじゃないし、公妃様なりのお考えがあるのかもしれないけれど。兄様の口数も減ってしまったし、この話はここまでのようね。
「そういえば、実家には顔を出したのでしょう?」
「ああ、昔の父上に戻っていて驚いたよ。だいぶん老けていたし」
叔父様はお腹周りがかなりご立派で、かなり前から医師に痩せるようにと言われていたのよね。だけどそれを無視した結果、心臓に負担がかかって倒れてしまったわ。その後、医師の指導の下かなりお痩せになって、一回り小さくなったけれど、そのせいか皺が目立つようになったわ。
「兄様もそろそろ落ち着いては?」
「そうだなぁ」
「兄様なら引く手数多ですわ。ね、お義姉様」
「ええ。ディルク様なら婿にと望む方もいらっしゃいますわ」
兄様はあまり乗り気じゃなさそうだけど、お義姉様がそう言うのなら私の身内びいきじゃないわよね。継ぐ爵位はなくても文官として身を立てているのだから優秀さは一目瞭然、婿にと望む家はたくさんありそうだけど。
「その気になったら言ってね。兄様の希望に合いそうな令嬢を紹介するわ」
「まさかイルーゼからそんな言葉を聞くとは思わなかったよ」
珍しく兄様が目を大きく見開いた。そんなに意外だったかしら? これでもあちこちから紹介を頼まれるのだけど。
「これでも筆頭侯爵夫人なんだから。色んな伝手があるのよ」
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