【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

文字の大きさ
47 / 238

一月が経ちました

しおりを挟む
 私がロイク様達とも一緒に過ごす様になってから一月が経ちました。あの後殿下が一度、昼食時に個室に押しかけてきました。でもその場にベルティーユ様とロイク様、クレマン様の姿を目にすると、大層慌てて帰って行かれたのです。
 ベルティーユ様に聞いたところ、殿下はこのお三方に苦手意識を強く持っているのだとか。幼い頃は殿下も一緒に遊んでいたそうですが、殿下は自分は王子だと威張り散らしていたそうです。しかしある時、殿下がベルティーユ様に怪我を負わせる事件が起きました。殿下にロイク様が切れ、その切れっぷりに殿下が怯え、またベルティーユ様とロイク様のご両親が王妃様にどういう躾をしているのかと怒鳴り込む騒ぎになったそうです。王妃様は元々小姑でもあるロイク様のお母様への苦手意識が強かったのもあり、それを機に疎遠になったそうです。

 バルト侯爵令息には何度か話しかけられましたが、その都度お断りをしました。それでも諦める気配がないため最終的にはお父様に報告して、再度お断りの旨と二度とこの話を蒸し返さない様警告を送りました。宰相でもあるお父様の不興を買えば、あちらも色々と都合が悪いのは明らかです。これで大人しくなってくれるといいのですが…

「二人とも諦めてくれたかしら?」
「さぁ、どうだか」

 二人とも学年が違うので、向こうから会いに来なければ学園で顔を合わせる事はありません。食堂も校舎毎にありますし、馬車乗り場も、です。それにベルティーユ様もロイク様達も高位貴族の中でも家格が上なので、一緒に居る限りは絡んで来る可能性は低いでしょう。

「そうそう、メルレ男爵令嬢だっけ、殿下の恋人。あの方の教育、全く進んでいないらしいわ。既に教師が五人交代したそうよ」
「五人?」
「そう。まだ一月も経っていないのによ。お陰で二人の仲は険悪だそうよ」

 何となく予想できる展開でしたが…ここまで酷いとは思いませんでしたわ。それなりに覚悟した上で殿下と恋仲になったと思っていましたが、そうではなかったのでしょうか…

「あんなに真実の愛と言っていましたのに…」
「あのお頭の軽い人たちですもの。愛も同じくらい薄っぺらくて軽いのではなくて?」

 ベルティーユ様があっさり言い切りましたが…確かにそうかもしれませんね。私の素顔を知った後の殿下の態度も呆れるものでしたし。

「そう言えば、最近商会相手の詐欺事件が続いているそうね」
「え?ええ」
「あの三男のところは大丈夫かしら?」

 急に話題が変わって面食らいましたが、最近商会相手に詐欺事件が続いているのですよね。その話は私の耳にも届いていて、リシャール様の店は大丈夫だろうかと気にしていたところです。

「まぁ、店が潰れるほどの被害は出ていないそうだけど」
「らしいですわね」

 そうなのです、詐欺事件が起きているのですが、意外と言いますか、被害額はあまり大きくなく、それで商会が立ち行かなくなる、というほどにはならないのですよね。それよりも詐欺に遭ったという事実が不名誉だと、被害を表に出さない商会もあるのだとか。

「それで、あの三男とはどうなっているの?いつまでも婚約者を決めないと、また殿下が勘違いするわよ」
「はぁ?」

 ベルティーユ様の想定外の指摘に、私は直ぐには思わず変な声が出てしまいました。
しおりを挟む
感想 209

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください> 私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...