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噂が広まっているようです
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「ちょっとあなた。噂になっているわよ」
私の噂話をマリアさん達から聞いた三日後。今度はベルティーユ様からも同じ事を言われました。そうです、私の紹介だと言って店を訪れた客が横暴な言動をしているというあれです。
「私に未だに婚約者が決まらないって話?それとも私の紹介だと言う客が横柄な態度をとっているって方かしら?」
私に関する噂が出回っているのは知っています。と言いますか、噂が流れていない時などないくらいには常にいくつかの噂が流れているのです。これは高位貴族ならみんな同じで、その辺はベルティーユ様もご存じでしょう。でも、こうしてわざわざ口にしたという事は…
「勿論、あなたに紹介された貴族が、あちこちの店で横柄な態度をとっているってものよ」
「そう…」
この噂話、マリアさん達から聞いて直ぐに影に調べさせたところ、予想通りあのグラネ伯爵家の若夫人を装う女性が絡んでいました。彼女が出入りしている店で横柄な態度を取っていたのです。高位貴族の一員という立場に私という後ろ盾を匂わされた店は、多少横暴でも定期的にそれなりの額の商品を購入していく客として、割り切っているようです。
ただ…その場にいた客にとっては不快でしかないのは確かで、そこから噂が広がっているようなのですよね。噂としては大きく広がっていませんが、商会の間ではすっかり定着してしまったようです。
(リシャール様は違うと信じて下さっていると思いたいけど…)
他の方はともかく、リシャール様にだけは信じて貰いたいのですが…そうは言っても私の悪評が広がればそれは私の不徳の致すところなので、やはりリシャール様はいい印象を持たれないでしょうね…
(はぁ…殿下の婚約者だった時は、自分の評価なんて気にならなかったのに…)
あの頃は何をしても悪く取られるだけだったので、周りの評価を気にする気も起きなかったのですよね。親しい方はわかって下さっていたので、それでいいのだと思っていました。
でも、リシャール様との事が現実化した今は、リシャール様がどう思われるだろうかと、自分の評判が気になる様になりました。婚約者時代の評判はそう簡単には変わらず、未だに縦ロールだと信じている人もいるくらいです。侯爵家の力をもってしてもこれをひっくり返すのは至難の業ですし、無理やり事を運んでも上手くいく筈もなく、地道に態度で示すしかないのですが…
「私も最近知ったの。でも、誰かにリシャール様のお店を紹介した事はないの。だから逆に驚いているわ」
「でしょうね。今あなたがあの店をお気に入りだと言うのは悪手ですもの」
「ええ。だから今、影に調べさせているところよ」
そうなのです、現時点で私がリシャール様のお店を気に入っていると言えば、リシャール様やマルロー商会に余計な注目が集まってしまいます。そうなれば…例えばバルト公爵などに目を付けられる可能性があるのですよね。あちらも諦めたといっていいのか微妙ですし、それ以外でもお気に入りと言われれば妬む人も出てくるでしょう。それくらいラフォン家の名は大きいのです。
(問題は…どういう意図で私の名を騙っているか、よね)
単に見栄で私の親友だと言っている程度ならまだしも、それを隠れ蓑に何かよからぬ策略が潜んでいる可能性がないとは言い切れません。幸いなのはリシャール様のお店に目立って悪い噂が立っているわけではない、という事でしょうか。
- - - -
誤字報告、ありがとうございます。
私の噂話をマリアさん達から聞いた三日後。今度はベルティーユ様からも同じ事を言われました。そうです、私の紹介だと言って店を訪れた客が横暴な言動をしているというあれです。
「私に未だに婚約者が決まらないって話?それとも私の紹介だと言う客が横柄な態度をとっているって方かしら?」
私に関する噂が出回っているのは知っています。と言いますか、噂が流れていない時などないくらいには常にいくつかの噂が流れているのです。これは高位貴族ならみんな同じで、その辺はベルティーユ様もご存じでしょう。でも、こうしてわざわざ口にしたという事は…
「勿論、あなたに紹介された貴族が、あちこちの店で横柄な態度をとっているってものよ」
「そう…」
この噂話、マリアさん達から聞いて直ぐに影に調べさせたところ、予想通りあのグラネ伯爵家の若夫人を装う女性が絡んでいました。彼女が出入りしている店で横柄な態度を取っていたのです。高位貴族の一員という立場に私という後ろ盾を匂わされた店は、多少横暴でも定期的にそれなりの額の商品を購入していく客として、割り切っているようです。
ただ…その場にいた客にとっては不快でしかないのは確かで、そこから噂が広がっているようなのですよね。噂としては大きく広がっていませんが、商会の間ではすっかり定着してしまったようです。
(リシャール様は違うと信じて下さっていると思いたいけど…)
他の方はともかく、リシャール様にだけは信じて貰いたいのですが…そうは言っても私の悪評が広がればそれは私の不徳の致すところなので、やはりリシャール様はいい印象を持たれないでしょうね…
(はぁ…殿下の婚約者だった時は、自分の評価なんて気にならなかったのに…)
あの頃は何をしても悪く取られるだけだったので、周りの評価を気にする気も起きなかったのですよね。親しい方はわかって下さっていたので、それでいいのだと思っていました。
でも、リシャール様との事が現実化した今は、リシャール様がどう思われるだろうかと、自分の評判が気になる様になりました。婚約者時代の評判はそう簡単には変わらず、未だに縦ロールだと信じている人もいるくらいです。侯爵家の力をもってしてもこれをひっくり返すのは至難の業ですし、無理やり事を運んでも上手くいく筈もなく、地道に態度で示すしかないのですが…
「私も最近知ったの。でも、誰かにリシャール様のお店を紹介した事はないの。だから逆に驚いているわ」
「でしょうね。今あなたがあの店をお気に入りだと言うのは悪手ですもの」
「ええ。だから今、影に調べさせているところよ」
そうなのです、現時点で私がリシャール様のお店を気に入っていると言えば、リシャール様やマルロー商会に余計な注目が集まってしまいます。そうなれば…例えばバルト公爵などに目を付けられる可能性があるのですよね。あちらも諦めたといっていいのか微妙ですし、それ以外でもお気に入りと言われれば妬む人も出てくるでしょう。それくらいラフォン家の名は大きいのです。
(問題は…どういう意図で私の名を騙っているか、よね)
単に見栄で私の親友だと言っている程度ならまだしも、それを隠れ蓑に何かよからぬ策略が潜んでいる可能性がないとは言い切れません。幸いなのはリシャール様のお店に目立って悪い噂が立っているわけではない、という事でしょうか。
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誤字報告、ありがとうございます。
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