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ラフォン侯爵家の後継
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「私の事はソフィアと呼んでね」
お兄様が帰宅した翌日。淡いグリーンのワンピースと濃い茶色のカーディガンを纏ってそう言ったのは、私のお兄様の筈ですが…目の前にいるのはどこからどう見ても美女にしか見えません。無理やり女性を演じている男性ではなく、ちょっと背が高めの女性…そんな感じです。
「お兄…」
「ソ・フィ・ア・よ」
お兄様と呼ぼうとしましたが、途中で遮られてしまいました。聞けばお兄様は女装中はソフィアと名乗っていたそうで、王太子殿下からはソフィアとしての戸籍まで作って頂いていたのだとか。そして女装中はソフィアで押し通すつもりのようです。
女装したお兄様にお母様は、娘が増えたみたいで嬉しいわ!と楽しそうで、元から気が合う二人は仲のいい姉妹のようです。一方のお父様はお母様ほどには受け入れられない様で、とっても複雑な表情でした。
お兄様はお母様の遠縁の娘として我が家に滞在する事になりました。田舎の領地で療養していたけれど中々治らないので、王都で医者に見せるという設定だそうです。病気なので引きこもっていても問題なく、医者も我が家の主治医なので情報漏れの心配もありません。
お兄様がセレスティーヌ様の王配になるとは言っても、まだ打診の段階です。お兄様は家の後継問題もあるので、実際にお父様にお会いして話をしたかったそうです。それも当然と言えば当然ですわね。お兄様も私もまだお父様の庇護下で、勝手に結婚の約束が出来る立場ではありませんから。
お父様はあの後もモラン様と話し合って今後の対応について詰めていましたし、そのために必要な情報を集めるように影に指示したようです。これから先は国王陛下も交えての話し合いになるのでしょうが、王家がどう出るのかがちょっと心配ですわ。エルネスト様の一件から我が家の王家への信用はがた落ちしたままなのですよね。
そして、お兄様の結婚の余波は私にもやってきました。
「レティ、ちょっといいかな?」」
「は、はい?」
お兄様が帰国して数日経った頃、学園から帰ってきた私をお父様が呼び止めました。こんな時間に家にいらっしゃるなんて珍しいですわね。そしてお父様の後ろにはリシャール様がいらっしゃいます。同じ敷地にいても、会いに行かなければお会い出来ないので、ちょっとでもお姿が見られたのが嬉しくて頬が緩んでしまいますわ…お父様に連れていかれた先は、執務室にあるソファでした。
「ラフォン侯爵家の事だが…後継者はレティになる。いいな?」
「え?あ、そう、なりますわよね…」
すっかり失念していましたが…お兄様が王配としてリスナール国に婿入りするという事は…ラフォン家を継ぐのは私しかいませんわね。お兄様が行方不明になった時から、何となくそうなるかもしれないとは思っていましたが…
「リシャール君、急で申し訳ないが予定変更だ。ラフォン侯爵家はレティが継ぐ。君はファリエール伯爵令息として婿に入ってもらう」
「畏まりました」
リシャール様は緊張した面持ちでそう答えられましたが…急に話が変わってしまい、負担に思われてしまわれないかが心配です。もちろん、何があっても私がお守りするのは変わりませんが。
「ファリエール伯爵家は…そうだな、当面はマルセルに頑張ってもらって、いずれは二人の子供の誰かが継げばいいだろう」
「な…!」
お、お父様ったら、気が早すぎますわ…こ、子供だなんて…私達、まだ婚約したばかりですのに…私は恥ずかしくて頬に熱を持つのを感じました。でも…
(リシャール様の子供…)
ミニチュア版リシャール様を想像した私は、その可愛らしさに思わずクラっとしてしまいましたが…それも仕方ないですわよね。
お兄様が帰宅した翌日。淡いグリーンのワンピースと濃い茶色のカーディガンを纏ってそう言ったのは、私のお兄様の筈ですが…目の前にいるのはどこからどう見ても美女にしか見えません。無理やり女性を演じている男性ではなく、ちょっと背が高めの女性…そんな感じです。
「お兄…」
「ソ・フィ・ア・よ」
お兄様と呼ぼうとしましたが、途中で遮られてしまいました。聞けばお兄様は女装中はソフィアと名乗っていたそうで、王太子殿下からはソフィアとしての戸籍まで作って頂いていたのだとか。そして女装中はソフィアで押し通すつもりのようです。
女装したお兄様にお母様は、娘が増えたみたいで嬉しいわ!と楽しそうで、元から気が合う二人は仲のいい姉妹のようです。一方のお父様はお母様ほどには受け入れられない様で、とっても複雑な表情でした。
お兄様はお母様の遠縁の娘として我が家に滞在する事になりました。田舎の領地で療養していたけれど中々治らないので、王都で医者に見せるという設定だそうです。病気なので引きこもっていても問題なく、医者も我が家の主治医なので情報漏れの心配もありません。
お兄様がセレスティーヌ様の王配になるとは言っても、まだ打診の段階です。お兄様は家の後継問題もあるので、実際にお父様にお会いして話をしたかったそうです。それも当然と言えば当然ですわね。お兄様も私もまだお父様の庇護下で、勝手に結婚の約束が出来る立場ではありませんから。
お父様はあの後もモラン様と話し合って今後の対応について詰めていましたし、そのために必要な情報を集めるように影に指示したようです。これから先は国王陛下も交えての話し合いになるのでしょうが、王家がどう出るのかがちょっと心配ですわ。エルネスト様の一件から我が家の王家への信用はがた落ちしたままなのですよね。
そして、お兄様の結婚の余波は私にもやってきました。
「レティ、ちょっといいかな?」」
「は、はい?」
お兄様が帰国して数日経った頃、学園から帰ってきた私をお父様が呼び止めました。こんな時間に家にいらっしゃるなんて珍しいですわね。そしてお父様の後ろにはリシャール様がいらっしゃいます。同じ敷地にいても、会いに行かなければお会い出来ないので、ちょっとでもお姿が見られたのが嬉しくて頬が緩んでしまいますわ…お父様に連れていかれた先は、執務室にあるソファでした。
「ラフォン侯爵家の事だが…後継者はレティになる。いいな?」
「え?あ、そう、なりますわよね…」
すっかり失念していましたが…お兄様が王配としてリスナール国に婿入りするという事は…ラフォン家を継ぐのは私しかいませんわね。お兄様が行方不明になった時から、何となくそうなるかもしれないとは思っていましたが…
「リシャール君、急で申し訳ないが予定変更だ。ラフォン侯爵家はレティが継ぐ。君はファリエール伯爵令息として婿に入ってもらう」
「畏まりました」
リシャール様は緊張した面持ちでそう答えられましたが…急に話が変わってしまい、負担に思われてしまわれないかが心配です。もちろん、何があっても私がお守りするのは変わりませんが。
「ファリエール伯爵家は…そうだな、当面はマルセルに頑張ってもらって、いずれは二人の子供の誰かが継げばいいだろう」
「な…!」
お、お父様ったら、気が早すぎますわ…こ、子供だなんて…私達、まだ婚約したばかりですのに…私は恥ずかしくて頬に熱を持つのを感じました。でも…
(リシャール様の子供…)
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