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静かすぎて不安になる?
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ダンスも踊り参加者との挨拶も粗方終えた私とリシャール様は、会場の一角の休憩スペースで飲み物を頂いていました。ずっと立ちっぱなしだったので、さすがに足も疲れてきましたわね。
「ごきげんよう、レティシア様」
「まぁ、ベルティーユ様」
ソファに腰かけ、リシャール様と雑談をしながら休んでいるところに声をかけてきたのは、ロイク様にエスコートされたベルティーユ様でした。今日のベルティーユ様は瞳の色の緑を基調とした衣装で、白い騎士の正装のロイク様と並ぶと華やかさが際立ちますわね。背が高いベルティーユ様ですが、こちらも長身で鍛えられているロイク様と並ぶと絵になりますわ。
「今日は無事に終わりそうね」
「ええ、このまま終わって欲しいですわ」
ベルティーユ様も我が家と引けを取らない侯爵家の令嬢ですし、お姉様は第二王子のお妃様です。お兄様とセレスティーヌ様、エルネスト様とアドリエンヌ様の事もある程度はご存じのようで、声を潜めてそう言いながらも好奇心は隠せていないようです。これは今度会った時には色々聞かれそうですわね。
「あの狂犬姫、やけに大人しいけど、何をしたのよ?」
向かいの空いていた席に座ったベルティーユ様は、声を潜めたままそう尋ねてきました。
「何をって…うちは何もしていませんよ?」
「そうなの?てっきり貴女のお父上が何かしたのだと思っていたのだけど」
「…特に何も聞いていないのですけど…王妃様辺りが何か仰ったのでは?」
確かにあのアドリエンヌ様、今まで大人しくしているのが意外過ぎて、逆に不安を感じ始めていたところです。でも、下手に動いて刺激する方が悪手なのはお父様もわかっていらっしゃるでしょう。となれば、王妃様辺りが何か言った方が可能性は高そうです。エルネスト様と婚姻すれば義理の母になりますし、王妃様の実家はエストレ国と繋がりも深いので、アドリエンヌ様も疎かには出来ないでしょう。
その時です。
「レティシア様」
あまり聞き覚えのない声に名を呼ばれました。今日は国中の高位貴族が集まっているので、声を掛けられるのは仕方ありませんが…ベルティーユ様との会話中に割り込むなんて、随分なマナー違反ですわね。
声の方に視線を向けると、そこにいたのはアロシュ伯爵家のドミニク様でした。お一人ですが、パートナーの方はどうしたのでしょうか。いえ、彼女はまだ婚約者を決めていないので、家族と参加しているのでしょうが。
「まぁ、アロシュ伯爵令嬢。ごきげんよう」
「…」
ベルティーユ様が眉を顰めながらも挨拶をしました。迫力ある美人で家も強い力を持つ彼女にこんな風にされれば、普通は委縮してしまうものですが…アロシュ伯爵家のドミニク様はベルティーユ様が視界に入らないのか、まるっと無視してしまいました。普段の彼女からはあり得ないですわね。何だか…雰囲気がいつもと違いますし…
「ドミニク様、どうかなさいまして?」
座ったまま見上げると、彼女はキッと私を睨みつけました。
「ど、どうしてなのよ?」
「…え?」
「どうして…どうしてエルネスト様が、あの王女と結婚する事になってるのよ!」
どうしてって…私に聞かれても困るのですが…そうは思ったのですが、何やら剣呑な彼女の様子に、私は呆気にとられてしまいました。
「ごきげんよう、レティシア様」
「まぁ、ベルティーユ様」
ソファに腰かけ、リシャール様と雑談をしながら休んでいるところに声をかけてきたのは、ロイク様にエスコートされたベルティーユ様でした。今日のベルティーユ様は瞳の色の緑を基調とした衣装で、白い騎士の正装のロイク様と並ぶと華やかさが際立ちますわね。背が高いベルティーユ様ですが、こちらも長身で鍛えられているロイク様と並ぶと絵になりますわ。
「今日は無事に終わりそうね」
「ええ、このまま終わって欲しいですわ」
ベルティーユ様も我が家と引けを取らない侯爵家の令嬢ですし、お姉様は第二王子のお妃様です。お兄様とセレスティーヌ様、エルネスト様とアドリエンヌ様の事もある程度はご存じのようで、声を潜めてそう言いながらも好奇心は隠せていないようです。これは今度会った時には色々聞かれそうですわね。
「あの狂犬姫、やけに大人しいけど、何をしたのよ?」
向かいの空いていた席に座ったベルティーユ様は、声を潜めたままそう尋ねてきました。
「何をって…うちは何もしていませんよ?」
「そうなの?てっきり貴女のお父上が何かしたのだと思っていたのだけど」
「…特に何も聞いていないのですけど…王妃様辺りが何か仰ったのでは?」
確かにあのアドリエンヌ様、今まで大人しくしているのが意外過ぎて、逆に不安を感じ始めていたところです。でも、下手に動いて刺激する方が悪手なのはお父様もわかっていらっしゃるでしょう。となれば、王妃様辺りが何か言った方が可能性は高そうです。エルネスト様と婚姻すれば義理の母になりますし、王妃様の実家はエストレ国と繋がりも深いので、アドリエンヌ様も疎かには出来ないでしょう。
その時です。
「レティシア様」
あまり聞き覚えのない声に名を呼ばれました。今日は国中の高位貴族が集まっているので、声を掛けられるのは仕方ありませんが…ベルティーユ様との会話中に割り込むなんて、随分なマナー違反ですわね。
声の方に視線を向けると、そこにいたのはアロシュ伯爵家のドミニク様でした。お一人ですが、パートナーの方はどうしたのでしょうか。いえ、彼女はまだ婚約者を決めていないので、家族と参加しているのでしょうが。
「まぁ、アロシュ伯爵令嬢。ごきげんよう」
「…」
ベルティーユ様が眉を顰めながらも挨拶をしました。迫力ある美人で家も強い力を持つ彼女にこんな風にされれば、普通は委縮してしまうものですが…アロシュ伯爵家のドミニク様はベルティーユ様が視界に入らないのか、まるっと無視してしまいました。普段の彼女からはあり得ないですわね。何だか…雰囲気がいつもと違いますし…
「ドミニク様、どうかなさいまして?」
座ったまま見上げると、彼女はキッと私を睨みつけました。
「ど、どうしてなのよ?」
「…え?」
「どうして…どうしてエルネスト様が、あの王女と結婚する事になってるのよ!」
どうしてって…私に聞かれても困るのですが…そうは思ったのですが、何やら剣呑な彼女の様子に、私は呆気にとられてしまいました。
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