31 / 68
皇后と二人の皇子妃
十日はあっという間に過ぎ去り、皇后様のお茶会の日を迎えた。
「ソフィ様、お綺麗です!」
「よくお似合いですわ!」
ティアをはじめとする侍女たちの称賛が室内に響いた。鏡に映るドレス姿の自分に暫く声が出なかった。鏡の中の私はいつもの私と同一人物とは思えなかった。
絶対にドレスに負けると思っていたのに、そのドレスは私によく似あっていた。落ち着きのある赤みのある黄色は私の薄茶の髪にうまく調和し、赤の差し色とアクセサリーがいいアクセントになっている。デザインがシンプルな分だけアクセサリーが際立ち、赤色が少ないのに引き立っていた。
髪は後ろの半分は下ろして、サイドと後ろの上の方は編み込んで所々に赤い石が付いた小さな髪飾りが散っていた。こちらも薄茶の髪によく映えている。さすがセンスがいいなと感心してしまった。
「凄いわ……私じゃないみたい……」
「ソフィ様はちゃんと着飾ればお美しくおなりですわ」
とても信じられなかったけれど、帝国に来てから生活の質が良くなったせいか、前よりも肌や髪の艶は出てきたし、身体にも肉が付いて棒切れから貧相くらいには進化したと思う。
「ソフィ様、皇后様のお庭までご案内致します」
侍女の中でも年配で位が高そうな女性が護衛を引き連れてやってきた。この宮から出るのはここに入った時以来だ。
中庭を抜けて本宮に入り、幾つもの廊下を曲がって辿り着いたのは、まるで森の中のような庭だった。生け垣もアシェルなら大輪の華やかな花々が咲き乱れていたけれど、ここにはそんな華はなく、小ぶりの花が優しく風に揺れていた。低木や草花に隠されるようにある四阿は中庭の倍はありそうだ。そこに侍女や護衛騎士の姿が見えた。あそこが会場らしい。緊張感が一気に増した。
「王女殿下はこちらに」
案内役の侍女が示した席に座った。まだ異母姉も来ておらず、私は座って他の参加者の訪れを待った。
「お寒くありませんか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「お気になることがございましたらお申し付けください。私に言いにくいようでしたらティアが承ります」
「お気遣いありがとうございます」
にこりともしないけれど気遣いは感じられた。改めて周囲を眺めるも確かに王宮の庭とは思えない趣だった。私は静かで落ち着くけれど。この庭を見て異母姉が失礼なことを言わないか不安になってきた。再教育が効いているといいのだけど……
程なくして別の一行がやってきた。異母姉だった。今日は薄青に金の差し色のあるドレスで、デザインは私のものと同じだった。異母姉の方が身体にメリハリがあるせいか、色っぽく見える。やはり体格の差は大きいと少し落ち込む。それにたくさんのアクセサリーが花を添えていて一層豪奢に見えた。
案内されたのは私の隣だった。丸テーブルには空席が四つあるので、皇后様たちはそこに座られるのだろう。
「ごきげんよう、お姉様」
「ごきげんよう。お元気そうね」
向こうから声をかけてくるとは思わなかったけれど、これも再教育の賜物だろうか。特に疲れなどは見えないので、再教育が過酷というわけではなさそうだ。話しかけるべきかと考えている間に、近くに控えていた侍女と護衛が一斉に一方を向いて頭を垂れた。多分皇族のどなたかがいらっしゃったのだろう。私も立ち上がって彼らに習った。異母姉のドレスが揺れるのが見えた。
「お待たせしましたわね。ああ、顔を上げて下さいな」
声に従い顔を上げると、中年の女性と、その後ろに私たちよりも少し年上の女性二人が佇んでいた。皇后さまと皇子妃のお二人だった。
(この方が……皇后様と、皇子妃の……)
皇子の美貌から母君もさぞかし華やかな美女なのだろうと思っていたけれど、皇后様は素朴な容姿の女性だった。少し暗めの金の髪に赤紫の瞳で、皇子とはあまり似ていない。黒髪が皇太子妃殿下で、銀髪が第二皇子妃殿下だという。三人ともシンプルなドレスと最低限のアクセサリーのみで、大陸一の権勢を誇る国のトップの配偶者としては随分と地味に思えた。よほど私たちの方が贅を凝らしている様に思えて、却って居心地が悪かった。
「この度はご招待頂きありがとうございます。ご尊顔を拝謁出来て光栄至極にございます」
まだ入れ替わりを解消するとは聞いていないから、私がアンジェリカとして振舞わなければならないだろう。そう思って先に挨拶をした。
「妹のソフィにございます。仲良くして下さると嬉しいですわ」
異母姉は相変わらずソフィとして振舞っていた。入れ替わりが帝国にばれていると聞いていないのか。
「皇后のセリーシアよ。こちらは皇太子妃のカイサ、その隣が第二皇子妃のエイラ。アンジェリカ様にソフィ様、初めまして」
お三方は笑顔を私たちに向けていたけれど、私たちをどう思っているかはわからなかった。皇子からエヴェリーナ様の出席を聞いていたけれど、まだ姿がない。どうしたのだろう。そんな事を思っている間に皇后様たちが着席され、お茶会が始まってしまった。
「驚いたでしょう? 帝国の皇后がこんな地味な私で」
そう言ってコロコロお笑いになるお姿に、皇后様の強さを感じた。きっと周囲から色々言われてきただろうに、それを笑って言い放ってしまえるだけの強さがあった。そう言えるだけの寵愛も信頼もおありなのだろう。皇帝陛下と皇子殿下たちの妃への愛情深さは有名だ。この国の皇族は見た目ではなく中身で相手を決めているのだとはっきりしていた。
「そんなことはありません。皇后様の帝国への献身は皇帝陛下もお認めになっていると伺っております。誰にでも出来ることではないとも」
「まぁ、そうかしら?」
「はい。侍女たちから皇后様のことを教えて頂いたのです。帝国内の貧民街の改善と孤児の救済をなさっていると。時には自らスラム街にも足を運ばれ、情況をご自身の目でお確かめになると」
男性でも護衛を伴っていてもスラム街に足を踏み入れるのは勇気がいると聞く。
「まぁ! 皇后様自らスラム街にですって?」
大袈裟なほどに驚きの声を上げた人物がいた。確かめなくてもその相手がわかった。
「ソフィ様、お綺麗です!」
「よくお似合いですわ!」
ティアをはじめとする侍女たちの称賛が室内に響いた。鏡に映るドレス姿の自分に暫く声が出なかった。鏡の中の私はいつもの私と同一人物とは思えなかった。
絶対にドレスに負けると思っていたのに、そのドレスは私によく似あっていた。落ち着きのある赤みのある黄色は私の薄茶の髪にうまく調和し、赤の差し色とアクセサリーがいいアクセントになっている。デザインがシンプルな分だけアクセサリーが際立ち、赤色が少ないのに引き立っていた。
髪は後ろの半分は下ろして、サイドと後ろの上の方は編み込んで所々に赤い石が付いた小さな髪飾りが散っていた。こちらも薄茶の髪によく映えている。さすがセンスがいいなと感心してしまった。
「凄いわ……私じゃないみたい……」
「ソフィ様はちゃんと着飾ればお美しくおなりですわ」
とても信じられなかったけれど、帝国に来てから生活の質が良くなったせいか、前よりも肌や髪の艶は出てきたし、身体にも肉が付いて棒切れから貧相くらいには進化したと思う。
「ソフィ様、皇后様のお庭までご案内致します」
侍女の中でも年配で位が高そうな女性が護衛を引き連れてやってきた。この宮から出るのはここに入った時以来だ。
中庭を抜けて本宮に入り、幾つもの廊下を曲がって辿り着いたのは、まるで森の中のような庭だった。生け垣もアシェルなら大輪の華やかな花々が咲き乱れていたけれど、ここにはそんな華はなく、小ぶりの花が優しく風に揺れていた。低木や草花に隠されるようにある四阿は中庭の倍はありそうだ。そこに侍女や護衛騎士の姿が見えた。あそこが会場らしい。緊張感が一気に増した。
「王女殿下はこちらに」
案内役の侍女が示した席に座った。まだ異母姉も来ておらず、私は座って他の参加者の訪れを待った。
「お寒くありませんか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「お気になることがございましたらお申し付けください。私に言いにくいようでしたらティアが承ります」
「お気遣いありがとうございます」
にこりともしないけれど気遣いは感じられた。改めて周囲を眺めるも確かに王宮の庭とは思えない趣だった。私は静かで落ち着くけれど。この庭を見て異母姉が失礼なことを言わないか不安になってきた。再教育が効いているといいのだけど……
程なくして別の一行がやってきた。異母姉だった。今日は薄青に金の差し色のあるドレスで、デザインは私のものと同じだった。異母姉の方が身体にメリハリがあるせいか、色っぽく見える。やはり体格の差は大きいと少し落ち込む。それにたくさんのアクセサリーが花を添えていて一層豪奢に見えた。
案内されたのは私の隣だった。丸テーブルには空席が四つあるので、皇后様たちはそこに座られるのだろう。
「ごきげんよう、お姉様」
「ごきげんよう。お元気そうね」
向こうから声をかけてくるとは思わなかったけれど、これも再教育の賜物だろうか。特に疲れなどは見えないので、再教育が過酷というわけではなさそうだ。話しかけるべきかと考えている間に、近くに控えていた侍女と護衛が一斉に一方を向いて頭を垂れた。多分皇族のどなたかがいらっしゃったのだろう。私も立ち上がって彼らに習った。異母姉のドレスが揺れるのが見えた。
「お待たせしましたわね。ああ、顔を上げて下さいな」
声に従い顔を上げると、中年の女性と、その後ろに私たちよりも少し年上の女性二人が佇んでいた。皇后さまと皇子妃のお二人だった。
(この方が……皇后様と、皇子妃の……)
皇子の美貌から母君もさぞかし華やかな美女なのだろうと思っていたけれど、皇后様は素朴な容姿の女性だった。少し暗めの金の髪に赤紫の瞳で、皇子とはあまり似ていない。黒髪が皇太子妃殿下で、銀髪が第二皇子妃殿下だという。三人ともシンプルなドレスと最低限のアクセサリーのみで、大陸一の権勢を誇る国のトップの配偶者としては随分と地味に思えた。よほど私たちの方が贅を凝らしている様に思えて、却って居心地が悪かった。
「この度はご招待頂きありがとうございます。ご尊顔を拝謁出来て光栄至極にございます」
まだ入れ替わりを解消するとは聞いていないから、私がアンジェリカとして振舞わなければならないだろう。そう思って先に挨拶をした。
「妹のソフィにございます。仲良くして下さると嬉しいですわ」
異母姉は相変わらずソフィとして振舞っていた。入れ替わりが帝国にばれていると聞いていないのか。
「皇后のセリーシアよ。こちらは皇太子妃のカイサ、その隣が第二皇子妃のエイラ。アンジェリカ様にソフィ様、初めまして」
お三方は笑顔を私たちに向けていたけれど、私たちをどう思っているかはわからなかった。皇子からエヴェリーナ様の出席を聞いていたけれど、まだ姿がない。どうしたのだろう。そんな事を思っている間に皇后様たちが着席され、お茶会が始まってしまった。
「驚いたでしょう? 帝国の皇后がこんな地味な私で」
そう言ってコロコロお笑いになるお姿に、皇后様の強さを感じた。きっと周囲から色々言われてきただろうに、それを笑って言い放ってしまえるだけの強さがあった。そう言えるだけの寵愛も信頼もおありなのだろう。皇帝陛下と皇子殿下たちの妃への愛情深さは有名だ。この国の皇族は見た目ではなく中身で相手を決めているのだとはっきりしていた。
「そんなことはありません。皇后様の帝国への献身は皇帝陛下もお認めになっていると伺っております。誰にでも出来ることではないとも」
「まぁ、そうかしら?」
「はい。侍女たちから皇后様のことを教えて頂いたのです。帝国内の貧民街の改善と孤児の救済をなさっていると。時には自らスラム街にも足を運ばれ、情況をご自身の目でお確かめになると」
男性でも護衛を伴っていてもスラム街に足を踏み入れるのは勇気がいると聞く。
「まぁ! 皇后様自らスラム街にですって?」
大袈裟なほどに驚きの声を上げた人物がいた。確かめなくてもその相手がわかった。
あなたにおすすめの小説
【完結】遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【残り数話を持ちまして3月29日完結!!】
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
公爵家の養女は静かに爪を研ぐ 〜元々私のものですので、全て返していただきます〜
しましまにゃんこ
恋愛
リヴィエール公爵家に養女として引き取られた少女、アリサ・リヴィエール。
彼女は華やかな公爵家の嫡子マリアとは対照的に、家でも学園でもひっそりと息を潜めて生きていた。
養女とは言っても、成人と同時に修道院へ入ることが決まっており、アリサに残された時間は僅かだった。
アリサはただ静かに耐えていた。
——すべてを取り戻す、その時まで。
実は彼女こそが、前公爵が遺した真の娘であり、水の加護を持つリヴィエール公爵家の正統なる後継者だった。不当に奪い取られた地位と立場。
アリサは静かに時を待つ。
一方、王太子リュシアン・ルミエールは、傲慢な婚約者マリアに違和感を抱きつつ、公爵家に隠された不正の匂いを嗅ぎ取っていく。
やがて二人の思惑は重なり、運命の卒業パーティーが幕を開ける。
奪われた名前も、地位も、誇りも——
元々、私のものなので。まとめて返してもらいます。
静かに爪を研いできた養女の、逆転ざまぁと溺愛ロマンス。
完結保証&毎日2話もしくは3話更新。
最終話まで予約投稿済み。
私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のジャンヌは、4年もの間ずっと婚約者で侯爵令息のシャーロンに冷遇されてきた。
オレンジ色の髪に吊り上がった真っ赤な瞳のせいで、一見怖そうに見えるジャンヌに対し、この国で3本の指に入るほどの美青年、シャーロン。美しいシャーロンを、令嬢たちが放っておく訳もなく、常に令嬢に囲まれて楽しそうに過ごしているシャーロンを、ただ見つめる事しか出来ないジャンヌ。
それでも4年前、助けてもらった恩を感じていたジャンヌは、シャーロンを想い続けていたのだが…
ある日いつもの様に辛辣な言葉が並ぶ手紙が届いたのだが、その中にはシャーロンが令嬢たちと口づけをしたり抱き合っている写真が入っていたのだ。それもどの写真も、別の令嬢だ。
自分の事を嫌っている事は気が付いていた。他の令嬢たちと仲が良いのも知っていた。でも、まさかこんな不貞を働いているだなんて、気持ち悪い。
正気を取り戻したジャンヌは、この写真を証拠にシャーロンと婚約破棄をする事を決意。婚約破棄出来た暁には、大好きだった騎士団に戻ろう、そう決めたのだった。
そして両親からも婚約破棄に同意してもらい、シャーロンの家へと向かったのだが…
※カクヨム、なろうでも投稿しています。
よろしくお願いします。
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります