16 / 64
呪われた姿
しおりを挟む
ウィル様がゆっくりとローブを脱ぐとそのお姿が露わになり、私はそのお姿に戦慄を覚えました。
(まさか……ここまで呪いが……)
目の前に現れたのは、黒髪に不自然なほどに浅黒い肌をした人間らしきもの、でした。髪や肌には所々に紫や緑、赤などの色が混じっていて、火傷の跡のような皮膚の引き攣れもあちこちに見えます。
そんな中でも特に目立つのは、その瞳でしょう。片方は血のような真っ赤なのに、もう片方は真っ黒で、黒い方は白目の部分が赤黒くなっています。そのせいでしょうか。顔がまるで仮面のように見えて非現実的で、表情も全く分かりません。
袖から見える手は顔同様に浅黒い上に色が混じり、爪は人のそれではありませんでした。黒や深緑、紫色をしていて、獣のように長くて曲がっています。
(確かに異形と呼ばれるお姿ですが……)
予想していたほどには恐ろしいと感じないのは、その内面を知っているからでしょうか。それにこのお姿は領民を魔獣から救い続けている結果でもあります。しかもその呪いに負けずにお優しい心を持ち続けている強さは、どんなものにも変え難い尊いものではないでしょうか。
「……これが今の私の姿だ」
「あの、見せて下さってありがとうございます」
きっとウィル様もこのようなお姿を人目に晒すのはお嫌でしょう。恐れられ眉をしかめる方も多いでしょうし、中には化け物だと叫んだ人がいたことも聞いています。それでも、私の我儘に付き合って下さったのです。
「あの、お手に触れても?」
「な! そ、そんなことは……」
「呪いは触っただけでは人に移ることはないと聞いております」
「それは、そうだが……」
確かに触っただけで呪われることはありますが、それは罠として仕掛けられている場合です。ウィル様のそれにはそのような形跡は見られません。それに……呪いが集まっているにもかかわらず、ウィル様の近くでは精霊をよく見かけるのですよね。精霊にとって呪いは禁忌なのに、です。そんなことからも、触れても大丈夫な気がするのです。
私が両手を揃えて差し出し出すと、躊躇しながらもウィル様がお手をそっと伸ばしてくれました。私はそのそっと手を取りました。肌はガサガサで温かみも滑らかさもありませんし、爪も固くていびつな形をしています。それに呪いの嫌な感じも色濃く伝わってきました。
じっと目を凝らせば、呪いのシミのようなものと、弱いながらも魔法陣のようなものが見えてきます。魔力だけでなく精霊が視える私には、それは意味のあるものとして映りました。数は物凄いですが、絡まり合っているものは少なそうですし、一つ一つ紐解いていけば解けるような気がします。
「……あの、解けそうなものだけ解いても?」
「それは……」
「簡単なもの、微弱なものだけです」
「…………それなら」
させまいとしていらっしゃるのがわかったので、とにかく簡単で弱いものだけと念を押すと、物凄くお考えになった後でようやくお許しが出ました。屋敷にあった物ものよりもずっと弱いものがあるので、まずはそれを解いてみることにしました。緊張しますがこれまでの経験とウィル様への尊敬と感謝の念が私の背中を押してくれます。
「……どう、でしょう。痛みや不快感はありますか?」
「いや」
「では大丈夫そうですね」
三つほど解いてみたところでそう問いかけると、特に問題はないと言われたので、もう少し解呪してみることにしました。いくつの呪いがかけられているのか、今の時点では全く見当もつきません。そもそも、ここまで放っておいたのはどうかと思います。その都度解呪していれば、こんなに酷いことにはならなかったでしょうに。
「呪いにかからないための対策はしていらっしゃるのですか?」
「特には……」
「護符や結界は? お使いにならないのですか?」
そうです、普通は呪いを避けるための護符なりを持っていれば防げるものです。特に魔獣の断末魔からの呪いは護符や結界で防ぐことは可能です。というか、それは最低装備に含まれるものではないでしょうか?
「……護符は数が限られているから部下に優先的に配っている。結界は攻撃魔術も防いでしまうから使っていないんだ」
「それでは丸腰で戦いに挑むようなものではありませんか?」
さすがにそれはないでしょう。私のような戦いの素人でもわかります。
「だが、魔獣討伐の頻度を考えれば護符も結界も効率を落とす。優先されるべきは領民の命と生活だ。それを思うとだな……」
「それでも、ウィル様に何かあったら、その領民の生活も危うくなります」
なんて事でしょうか。領民を思うお気持ちは尊いですが、ご自身の立場もお考え下さらないと困ります。ウィル様には兄弟姉妹もお子もいらっしゃらないのですから。
「私がいなくなっても、また優秀な者を派遣すればいい。ここは世襲でどうこう出来る土地ではないのは、前ヘルゲン辺境伯家を見ていればわかるだろう」
確かに途絶えてしまった辺境伯家は後継者争いが激しく、その結果血が途絶えてしまいました。だから仰ることはわからなくもないのですが、それでは私を含め、ウィル様を慕ってお仕えしている方々の想いはどうなるのでしょう……
「それでも、万が一のことがあればウィル様をお慕いして従う者は悲しみます」
「そうだろうか……」
「そうなのです! それは私が保証いたします!」
「エル―シアが? なるほど、解呪の乙女がそういうのなら、そうなのだろうな」
そう言ってウィル様は笑ったような気がしましたが……どうやら私の思いは全く伝わっていない気がします。
「案じられるな。皆には内緒だが、私には特別な加護が付いているんだ」
「特別な加護? それは……」
「それが何かは言えない。それにこのことは他言無用で頼む。だが、そういうことだからこの程度の呪いなら問題ない。あと少しで魔獣討伐も目処が付く。それを乗り切れば解呪をする時間も取れるし、そうなったら王都に出向いて解呪を頼む予定だ」
「そうでしたか」
そんな予定だったとは知らず、出過ぎたことを言ってしまったでしょうか。それでも呪いをいくつも受けているのは薄氷の上を歩くように危険です。特別な加護が何かがわかりませんが、それが完全であれば今のお姿にはならない筈です。
(本当に大丈夫なのかしら?)
問題ないと言われた、そのことこそが問題のような気がして、私は安心出来そうもありませんでした。
(まさか……ここまで呪いが……)
目の前に現れたのは、黒髪に不自然なほどに浅黒い肌をした人間らしきもの、でした。髪や肌には所々に紫や緑、赤などの色が混じっていて、火傷の跡のような皮膚の引き攣れもあちこちに見えます。
そんな中でも特に目立つのは、その瞳でしょう。片方は血のような真っ赤なのに、もう片方は真っ黒で、黒い方は白目の部分が赤黒くなっています。そのせいでしょうか。顔がまるで仮面のように見えて非現実的で、表情も全く分かりません。
袖から見える手は顔同様に浅黒い上に色が混じり、爪は人のそれではありませんでした。黒や深緑、紫色をしていて、獣のように長くて曲がっています。
(確かに異形と呼ばれるお姿ですが……)
予想していたほどには恐ろしいと感じないのは、その内面を知っているからでしょうか。それにこのお姿は領民を魔獣から救い続けている結果でもあります。しかもその呪いに負けずにお優しい心を持ち続けている強さは、どんなものにも変え難い尊いものではないでしょうか。
「……これが今の私の姿だ」
「あの、見せて下さってありがとうございます」
きっとウィル様もこのようなお姿を人目に晒すのはお嫌でしょう。恐れられ眉をしかめる方も多いでしょうし、中には化け物だと叫んだ人がいたことも聞いています。それでも、私の我儘に付き合って下さったのです。
「あの、お手に触れても?」
「な! そ、そんなことは……」
「呪いは触っただけでは人に移ることはないと聞いております」
「それは、そうだが……」
確かに触っただけで呪われることはありますが、それは罠として仕掛けられている場合です。ウィル様のそれにはそのような形跡は見られません。それに……呪いが集まっているにもかかわらず、ウィル様の近くでは精霊をよく見かけるのですよね。精霊にとって呪いは禁忌なのに、です。そんなことからも、触れても大丈夫な気がするのです。
私が両手を揃えて差し出し出すと、躊躇しながらもウィル様がお手をそっと伸ばしてくれました。私はそのそっと手を取りました。肌はガサガサで温かみも滑らかさもありませんし、爪も固くていびつな形をしています。それに呪いの嫌な感じも色濃く伝わってきました。
じっと目を凝らせば、呪いのシミのようなものと、弱いながらも魔法陣のようなものが見えてきます。魔力だけでなく精霊が視える私には、それは意味のあるものとして映りました。数は物凄いですが、絡まり合っているものは少なそうですし、一つ一つ紐解いていけば解けるような気がします。
「……あの、解けそうなものだけ解いても?」
「それは……」
「簡単なもの、微弱なものだけです」
「…………それなら」
させまいとしていらっしゃるのがわかったので、とにかく簡単で弱いものだけと念を押すと、物凄くお考えになった後でようやくお許しが出ました。屋敷にあった物ものよりもずっと弱いものがあるので、まずはそれを解いてみることにしました。緊張しますがこれまでの経験とウィル様への尊敬と感謝の念が私の背中を押してくれます。
「……どう、でしょう。痛みや不快感はありますか?」
「いや」
「では大丈夫そうですね」
三つほど解いてみたところでそう問いかけると、特に問題はないと言われたので、もう少し解呪してみることにしました。いくつの呪いがかけられているのか、今の時点では全く見当もつきません。そもそも、ここまで放っておいたのはどうかと思います。その都度解呪していれば、こんなに酷いことにはならなかったでしょうに。
「呪いにかからないための対策はしていらっしゃるのですか?」
「特には……」
「護符や結界は? お使いにならないのですか?」
そうです、普通は呪いを避けるための護符なりを持っていれば防げるものです。特に魔獣の断末魔からの呪いは護符や結界で防ぐことは可能です。というか、それは最低装備に含まれるものではないでしょうか?
「……護符は数が限られているから部下に優先的に配っている。結界は攻撃魔術も防いでしまうから使っていないんだ」
「それでは丸腰で戦いに挑むようなものではありませんか?」
さすがにそれはないでしょう。私のような戦いの素人でもわかります。
「だが、魔獣討伐の頻度を考えれば護符も結界も効率を落とす。優先されるべきは領民の命と生活だ。それを思うとだな……」
「それでも、ウィル様に何かあったら、その領民の生活も危うくなります」
なんて事でしょうか。領民を思うお気持ちは尊いですが、ご自身の立場もお考え下さらないと困ります。ウィル様には兄弟姉妹もお子もいらっしゃらないのですから。
「私がいなくなっても、また優秀な者を派遣すればいい。ここは世襲でどうこう出来る土地ではないのは、前ヘルゲン辺境伯家を見ていればわかるだろう」
確かに途絶えてしまった辺境伯家は後継者争いが激しく、その結果血が途絶えてしまいました。だから仰ることはわからなくもないのですが、それでは私を含め、ウィル様を慕ってお仕えしている方々の想いはどうなるのでしょう……
「それでも、万が一のことがあればウィル様をお慕いして従う者は悲しみます」
「そうだろうか……」
「そうなのです! それは私が保証いたします!」
「エル―シアが? なるほど、解呪の乙女がそういうのなら、そうなのだろうな」
そう言ってウィル様は笑ったような気がしましたが……どうやら私の思いは全く伝わっていない気がします。
「案じられるな。皆には内緒だが、私には特別な加護が付いているんだ」
「特別な加護? それは……」
「それが何かは言えない。それにこのことは他言無用で頼む。だが、そういうことだからこの程度の呪いなら問題ない。あと少しで魔獣討伐も目処が付く。それを乗り切れば解呪をする時間も取れるし、そうなったら王都に出向いて解呪を頼む予定だ」
「そうでしたか」
そんな予定だったとは知らず、出過ぎたことを言ってしまったでしょうか。それでも呪いをいくつも受けているのは薄氷の上を歩くように危険です。特別な加護が何かがわかりませんが、それが完全であれば今のお姿にはならない筈です。
(本当に大丈夫なのかしら?)
問題ないと言われた、そのことこそが問題のような気がして、私は安心出来そうもありませんでした。
171
あなたにおすすめの小説
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
君を愛せないと言われたので、夫が忘れた初恋令嬢を探します
狭山ひびき
恋愛
「すまない。心の中に別の女性への気持ちを残して君と夫婦にはなれない。本当に、すまない」
アナスタージアは、結婚式の当日、夫婦の寝室にやって来た夫クリフに沈痛そうな顔でそう言われた。
クリフは数日前から一部の記憶を失っており、彼が言うには、初恋の女性がいたことは覚えているのだがその女性の顔を思い出せないという。
しかし思い出せなくとも初恋の女性がいたのは事実で、いまだにその彼女に焦がれている自分は
そんな気持ちを抱えてアナスタージアと夫婦生活をおくることはできないと、生真面目な彼は考えたようだ。
ずっと好きだったアナスタージアはショックを受けるが、この結婚は昨年他界した前王陛下がまとめた縁。
財政難の国に多大なる寄付をした功績として、甥であるクリフとアナスタージアの結婚を決めたもので、彼の意思は無視されていた。
アナスタージアははじめてクリフを見たときから彼に恋をしていたが、一方的な想いは彼を苦しめるだけだろう。
それならば、彼の初恋の女性を探して、自分は潔く身を引こう――
何故なら成金の新興貴族である伯爵家出身の自分が、前王の甥で現王の従弟であるクリフ・ラザフォード公爵につりあうはずがないのだから。
「クリフ様のお気持ちはよく理解しました。王命でわたしとの結婚が決まってさぞおつらかったでしょう。だから大丈夫です。安心してください。わたしとの夫婦生活は、仮初で問題ございません! すぐに離縁とはいかないでしょうが、いずれクリフ様を自由にしてさしあげますので、今しばらくお待ちくださいませ!」
傷む胸を押さえて、アナスタージアは笑う。
大丈夫。はじめから、クリフが自分のものになるなんて思っていない。
仮初夫婦としてわずかな間だけでも一緒にいられるだけで、充分に幸せだ。
(待っていてくださいね、クリフ様。必ず初恋の女性を探して差し上げますから)
果たして、クリフの初恋の女性は誰でどこに住んでいるのか。
アナスタージアは夫の幸せのため、傷つきながらも、彼の初恋の女性を探しはじめて……
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からなくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
婚約破棄していただき、誠にありがとうございます!
風見ゆうみ
恋愛
「ミレニア・エンブル侯爵令嬢、貴様は自分が劣っているからといって、自分の姉であるレニスに意地悪をして彼女の心を傷付けた! そのような女はオレの婚約者としてふさわしくない!」
「……っ、ジーギス様ぁ」
キュルルンという音が聞こえてきそうなくらい、体をくねらせながら甘ったるい声を出したお姉様は。ジーギス殿下にぴったりと体を寄せた。
「貴様は姉をいじめた罰として、我が愚息のロードの婚約者とする!」
お姉様にメロメロな国王陛下はジーギス様を叱ることなく加勢した。
「ご、ごめんなさい、ミレニアぁ」
22歳になる姉はポロポロと涙を流し、口元に拳をあてて言った。
甘ったれた姉を注意してもう10年以上になり、諦めていた私は逆らうことなく、元第2王子であり現在は公爵の元へと向かう。
そこで待ってくれていたのは、婚約者と大型犬と小型犬!?
※過去作品の改稿版です。
※史実とは関係なく、設定もゆるく、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観や話の流れとなっていますのでご了承ください。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる