64 / 64
最期の約束
しおりを挟む
あの結婚式から十四年後、エルは私と子どもたちの前から姿を消した。
その一年ほど前からエルは徐々に眠る時間が増えていった。四年前には彼女の父親が、三年前には母親が、そして前年には姉が亡くなっていた。魔力不足だった。彼女の祖母のゼルリダ殿も二年前に志半ばで病に倒れ、魔力提供を失ったエルがゆっくりとローレに取り込まれて行くのを、私は、私たちはただ見つめるしか出来なかった。
何も出来ないというのは、私の貧弱な語彙力では到底表しようもない苦しみだった。どうしようもないもどかしさと途轍もない無力さに打ちひしがれる。それでも子供たちがいたからそれを表に出すことが出来ない。心臓を抉られるような苦しさを抱えながら、私はエルの分も子供たちと過ごすようにしていた。
そんな私たちにエルは、何度も謝ってきた。魔力が少なくて申し訳ない、心配をかけて、悲しませてごめんなさいと。だが、エルが悪いわけではない。悪い者がいるとすれば、それは聖域に呪いを掛けた者だろう。
「謝られるよりもお礼を言われたいと言ったのはエルだろう?」
そんな風に言えば彼女は泣きながら笑みを浮かべ、ありがとうと言った。それからの彼女は常に穏やかな笑みを私たちに見せ、二度と謝ることはなかった。
あの日のことは、昨日のことのように覚えている。爽やかな風が気持ちいい夏の初めだった。その頃のエルは一日の大半を眠って過ごし、目が覚めても直ぐに眠ってしまうのを繰り返していた。それでも痩せ細るでもなく、いつもの姿を保っていたのはローレの影響だろうか。私と子どもたちはその日、エルの部屋を離れ難く感じてずっと寄り添っていた。
「エル……」
「ウィル様、そんな悲しいお顔をなさらないで」
ベッドに背を預けるエルは、いつもの笑みを浮かべながら私に手を伸ばした。その嫋やかな手を握れば彼女の体温が伝わってきて、私を安心させてくれた。
「だが……」
「私、とっても幸せですから」
そう言ってエルは、私の隣に立つ子供たちにも慈愛に満ちたその笑みを向けた。
「アメリ―、愛しているわ。ハンスとお父様とお願いね」
「お母様……」
「ハンスもよ。いつでもあなたのことを思っているわ。どうかお父様とお姉様と仲良くしてね」
「は、はい、母上……」
手にした二人の手を、愛おしそうに頬に当てるエルの笑顔は春の陽だまりのように温かく穏やかだった。幸せそうなその笑みの記憶だけを私たちに残すかのようにも見えた。
「ウィル様、どうか二人をお願いしますわ」
「ああ、もちろんだ。二人とも私たちの大切な宝物だ。私の命をかけて守るよ」
「ありがとうございます。でもウィル様、私、これからも三人を見守り続けますから」
「お母様?」
エルの言葉に、アメリ―が不思議そうに首をかしげた。十歳になった彼女は日に日にエルに似てきた。しっかり者だけどまだまだ母親が恋しい年で、懸命に泣くのを我慢しているのは一目瞭然だった。
「私は……ローレの中に残りますから」
「ローレの、中に……?」
「ええ。私、もうローレの一部になりつつあるのでしょうね。眠っていても皆の姿が見えるし、声も聞こえるんですよ」
不思議ですよね。そう言って微笑むエルはとても嘘を言っているようには見えなかった。それに、その感覚はエガードを受け容れていた私にもわかる気がした。
呪いで身体を失ったローレは、エルの魂だけでなく身体も取り込みつつあるけれど、死を迎えると完全に消滅する人と違い、エルはローレとして残る。その言葉は私にも子どもたちにも、大きな慰めになった。
その日の夜、エルはローレの姿に変わり、エガードと共に聖域へと帰っていった。
エルを失った喪失感は耐えがたいものだった。それは子どもたちも同じだっただろう。それでも、寂しさと悲しさに堪え難くなるとどこからともなくローレが現れた。私たちは交代でローレを抱きしめ、話しかけ、時には歌を歌い、そのままともに眠ることもあった。ローレは一言も話さないが、全身で私たちへの親愛の情を示してくれた。あれはきっとエルだったのだろう。
耐えがたさを埋めるべく、私は聖域を呪った者を追った。犯人が見つかったのは八年前で、その者は旧ヘルゲン公爵家の一族の一人で、その理由は嫉妬という些末なことだった。その者も共犯者も極刑となったが、それでもこの虚しさを埋めるには至らなかった。
それでも、子供たちの成長は私の生きる源になった。子どもたちの中にエルの面影を感じて涙腺が緩むようになったが、どうしても苦しい時にはローレの姿があった。
エルが去ってから二十年。エルが消えた初夏を過ぎ、夏を越え、庭の木々が色付き始めた。
メアリーは十一年前に嫁ぎ、ハンスは六年前に嫁を迎えた。二人とも私たちの影響で恋愛結婚だったが、メアリーの結婚はショックだったのを今でも覚えている。あの子は大きくなるとエルそっくりになったから余計にそう思ったのかもしれない。それでも、彼を選んだ理由がお父様に似ているからと言われれば、反対など出来る筈もなかった。
二年前にハンスに家督を譲って、今は屋敷の一角でのんびりと隠居生活を送っている。メアリーのところには三人、ハンスのところには四人の子が産まれて、私は七人の孫がいる爺になった。昼間は孫たちが元気に走り回るのを、エルが好きだった四阿から眺めるのが日課だ。空は青く、今日も庭には孫と使用人の子供たちの笑い声が響いていた。
「旦那様、お寒くありませんか?」
「ああ、大丈夫だ」
怪我で騎士を辞めて家令になったオスカーが声をかけてきた。年よりも老けて見えるが、それは私もだった。エルという優秀な解呪師を失い、エガードの加護も失った私は呪いにかかるたびに身体を蝕まれていった。定期的にトーマスが来てくれたが、それでも随分と老け込んでしまった。
「ウィル、また老けたな」
突然現れた声の方にゆっくりと振り返ると、銀と金の小犬がちょこんと座っていた。ああ、待っていたんだ、来てくれるのを。私はもう森には行けないから。
「エガード、久しぶりだな。来てくれて嬉しいよ」
懐かしくも愛おしい姿に自ずと笑みが浮かんだ。彼らは時々、こうして私の元にやってきた。そう言えば最後に会ったのは一年前、ハンスに子が産まれた時だったか。エルがいなくなった後は頻繁に姿を見せてくれたが、最近は年単位で間が空くようになっていた。
「エル」
手を差し出すと金色がちょんと私の膝に乗った。抱きしめると森の清々しい匂いがした。話は出来ないけれど、それでもこれは私が愛したエルだ。愛おしさが胸に広がる。
「エガード、あの約束を忘れないでくれよ」
「……本当にいいのか?」
「ああ。私は……エルと共にいたいんだ」
「……承知した」
乗り気ではないのかもしれないが気付かぬふりをして、その後は孫たちの声を聞きながら他愛もない昔話をした。殆どがエルのことだったけれど、時折出る父の話が懐かしい。
(何度も頼んでいたが……最後に念を押せてよかった)
約束を確かめられた安堵と日差しの温かさが眠気を誘う。膝に乗ったエルの重さも心地いい。
『ウィル様』
薄れゆく意識の奥で。笑顔のエルが私を呼んだ。
【完】
- - - - -
最後まで読んで下さってありがとうございます。
その一年ほど前からエルは徐々に眠る時間が増えていった。四年前には彼女の父親が、三年前には母親が、そして前年には姉が亡くなっていた。魔力不足だった。彼女の祖母のゼルリダ殿も二年前に志半ばで病に倒れ、魔力提供を失ったエルがゆっくりとローレに取り込まれて行くのを、私は、私たちはただ見つめるしか出来なかった。
何も出来ないというのは、私の貧弱な語彙力では到底表しようもない苦しみだった。どうしようもないもどかしさと途轍もない無力さに打ちひしがれる。それでも子供たちがいたからそれを表に出すことが出来ない。心臓を抉られるような苦しさを抱えながら、私はエルの分も子供たちと過ごすようにしていた。
そんな私たちにエルは、何度も謝ってきた。魔力が少なくて申し訳ない、心配をかけて、悲しませてごめんなさいと。だが、エルが悪いわけではない。悪い者がいるとすれば、それは聖域に呪いを掛けた者だろう。
「謝られるよりもお礼を言われたいと言ったのはエルだろう?」
そんな風に言えば彼女は泣きながら笑みを浮かべ、ありがとうと言った。それからの彼女は常に穏やかな笑みを私たちに見せ、二度と謝ることはなかった。
あの日のことは、昨日のことのように覚えている。爽やかな風が気持ちいい夏の初めだった。その頃のエルは一日の大半を眠って過ごし、目が覚めても直ぐに眠ってしまうのを繰り返していた。それでも痩せ細るでもなく、いつもの姿を保っていたのはローレの影響だろうか。私と子どもたちはその日、エルの部屋を離れ難く感じてずっと寄り添っていた。
「エル……」
「ウィル様、そんな悲しいお顔をなさらないで」
ベッドに背を預けるエルは、いつもの笑みを浮かべながら私に手を伸ばした。その嫋やかな手を握れば彼女の体温が伝わってきて、私を安心させてくれた。
「だが……」
「私、とっても幸せですから」
そう言ってエルは、私の隣に立つ子供たちにも慈愛に満ちたその笑みを向けた。
「アメリ―、愛しているわ。ハンスとお父様とお願いね」
「お母様……」
「ハンスもよ。いつでもあなたのことを思っているわ。どうかお父様とお姉様と仲良くしてね」
「は、はい、母上……」
手にした二人の手を、愛おしそうに頬に当てるエルの笑顔は春の陽だまりのように温かく穏やかだった。幸せそうなその笑みの記憶だけを私たちに残すかのようにも見えた。
「ウィル様、どうか二人をお願いしますわ」
「ああ、もちろんだ。二人とも私たちの大切な宝物だ。私の命をかけて守るよ」
「ありがとうございます。でもウィル様、私、これからも三人を見守り続けますから」
「お母様?」
エルの言葉に、アメリ―が不思議そうに首をかしげた。十歳になった彼女は日に日にエルに似てきた。しっかり者だけどまだまだ母親が恋しい年で、懸命に泣くのを我慢しているのは一目瞭然だった。
「私は……ローレの中に残りますから」
「ローレの、中に……?」
「ええ。私、もうローレの一部になりつつあるのでしょうね。眠っていても皆の姿が見えるし、声も聞こえるんですよ」
不思議ですよね。そう言って微笑むエルはとても嘘を言っているようには見えなかった。それに、その感覚はエガードを受け容れていた私にもわかる気がした。
呪いで身体を失ったローレは、エルの魂だけでなく身体も取り込みつつあるけれど、死を迎えると完全に消滅する人と違い、エルはローレとして残る。その言葉は私にも子どもたちにも、大きな慰めになった。
その日の夜、エルはローレの姿に変わり、エガードと共に聖域へと帰っていった。
エルを失った喪失感は耐えがたいものだった。それは子どもたちも同じだっただろう。それでも、寂しさと悲しさに堪え難くなるとどこからともなくローレが現れた。私たちは交代でローレを抱きしめ、話しかけ、時には歌を歌い、そのままともに眠ることもあった。ローレは一言も話さないが、全身で私たちへの親愛の情を示してくれた。あれはきっとエルだったのだろう。
耐えがたさを埋めるべく、私は聖域を呪った者を追った。犯人が見つかったのは八年前で、その者は旧ヘルゲン公爵家の一族の一人で、その理由は嫉妬という些末なことだった。その者も共犯者も極刑となったが、それでもこの虚しさを埋めるには至らなかった。
それでも、子供たちの成長は私の生きる源になった。子どもたちの中にエルの面影を感じて涙腺が緩むようになったが、どうしても苦しい時にはローレの姿があった。
エルが去ってから二十年。エルが消えた初夏を過ぎ、夏を越え、庭の木々が色付き始めた。
メアリーは十一年前に嫁ぎ、ハンスは六年前に嫁を迎えた。二人とも私たちの影響で恋愛結婚だったが、メアリーの結婚はショックだったのを今でも覚えている。あの子は大きくなるとエルそっくりになったから余計にそう思ったのかもしれない。それでも、彼を選んだ理由がお父様に似ているからと言われれば、反対など出来る筈もなかった。
二年前にハンスに家督を譲って、今は屋敷の一角でのんびりと隠居生活を送っている。メアリーのところには三人、ハンスのところには四人の子が産まれて、私は七人の孫がいる爺になった。昼間は孫たちが元気に走り回るのを、エルが好きだった四阿から眺めるのが日課だ。空は青く、今日も庭には孫と使用人の子供たちの笑い声が響いていた。
「旦那様、お寒くありませんか?」
「ああ、大丈夫だ」
怪我で騎士を辞めて家令になったオスカーが声をかけてきた。年よりも老けて見えるが、それは私もだった。エルという優秀な解呪師を失い、エガードの加護も失った私は呪いにかかるたびに身体を蝕まれていった。定期的にトーマスが来てくれたが、それでも随分と老け込んでしまった。
「ウィル、また老けたな」
突然現れた声の方にゆっくりと振り返ると、銀と金の小犬がちょこんと座っていた。ああ、待っていたんだ、来てくれるのを。私はもう森には行けないから。
「エガード、久しぶりだな。来てくれて嬉しいよ」
懐かしくも愛おしい姿に自ずと笑みが浮かんだ。彼らは時々、こうして私の元にやってきた。そう言えば最後に会ったのは一年前、ハンスに子が産まれた時だったか。エルがいなくなった後は頻繁に姿を見せてくれたが、最近は年単位で間が空くようになっていた。
「エル」
手を差し出すと金色がちょんと私の膝に乗った。抱きしめると森の清々しい匂いがした。話は出来ないけれど、それでもこれは私が愛したエルだ。愛おしさが胸に広がる。
「エガード、あの約束を忘れないでくれよ」
「……本当にいいのか?」
「ああ。私は……エルと共にいたいんだ」
「……承知した」
乗り気ではないのかもしれないが気付かぬふりをして、その後は孫たちの声を聞きながら他愛もない昔話をした。殆どがエルのことだったけれど、時折出る父の話が懐かしい。
(何度も頼んでいたが……最後に念を押せてよかった)
約束を確かめられた安堵と日差しの温かさが眠気を誘う。膝に乗ったエルの重さも心地いい。
『ウィル様』
薄れゆく意識の奥で。笑顔のエルが私を呼んだ。
【完】
- - - - -
最後まで読んで下さってありがとうございます。
360
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(28件)
あなたにおすすめの小説
『有能すぎる王太子秘書官、馬鹿がいいと言われ婚約破棄されましたが、国を賢者にして去ります』
しおしお
恋愛
王太子の秘書官として、陰で国政を支えてきたアヴェンタドール。
どれほど杜撰な政策案でも整え、形にし、成果へ導いてきたのは彼女だった。
しかし王太子エリシオンは、その功績に気づくことなく、
「女は馬鹿なくらいがいい」
という傲慢な理由で婚約破棄を言い渡す。
出しゃばりすぎる女は、妃に相応しくない――
そう断じられ、王宮から追い出された彼女を待っていたのは、
さらに危険な第二王子の婚約話と、国家を揺るがす陰謀だった。
王太子は無能さを露呈し、
第二王子は野心のために手段を選ばない。
そして隣国と帝国の影が、静かに国を包囲していく。
ならば――
関わらないために、関わるしかない。
アヴェンタドールは王国を救うため、
政治の最前線に立つことを選ぶ。
だがそれは、権力を欲したからではない。
国を“賢く”して、
自分がいなくても回るようにするため。
有能すぎたがゆえに切り捨てられた一人の女性が、
ざまぁの先で選んだのは、復讐でも栄光でもない、
静かな勝利だった。
---
私の事を婚約破棄した後、すぐに破滅してしまわれた元旦那様のお話
睡蓮
恋愛
サーシャとの婚約関係を、彼女の事を思っての事だと言って破棄することを宣言したクライン。うれしそうな雰囲気で婚約破棄を実現した彼であったものの、その先で結ばれた新たな婚約者との関係は全くうまく行かず、ある理由からすぐに破滅を迎えてしまう事に…。
さよなら、悪女に夢中な王子様〜婚約破棄された令嬢は、真の聖女として平和な学園生活を謳歌する〜
平山和人
恋愛
公爵令嬢アイリス・ヴェスペリアは、婚約者である第二王子レオンハルトから、王女のエステルのために理不尽な糾弾を受け、婚約破棄と社交界からの追放を言い渡される。
心身を蝕まれ憔悴しきったその時、アイリスは前世の記憶と、自らの家系が代々受け継いできた『浄化の聖女』の真の力を覚醒させる。自分が陥れられた原因が、エステルの持つ邪悪な魔力に触発されたレオンハルトの歪んだ欲望だったことを知ったアイリスは、力を隠し、追放先の辺境の学園へ進学。
そこで出会ったのは、学園の異端児でありながら、彼女の真の力を見抜く魔術師クライヴと、彼女の過去を知り静かに見守る優秀な生徒会長アシェル。
一方、アイリスを失った王都では、エステルの影響力が増し、国政が混乱を極め始める。アイリスは、愛と権力を失った代わりに手に入れた静かな幸せと、聖女としての使命の間で揺れ動く。
これは、真実の愛と自己肯定を見つけた令嬢が、元婚約者の愚かさに裁きを下し、やがて来る国の危機を救うまでの物語。
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
その発言、後悔しないで下さいね?
風見ゆうみ
恋愛
「君を愛する事は出来ない」「いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ?」結婚式後、私、エレノアと旦那様であるシークス・クロフォード公爵が交わした会話は要約すると、そんな感じで、第1印象はお互いに良くありませんでした。
一緒に住んでいる義父母は優しいのですが、義妹はものすごく意地悪です。でも、そんな事を気にして、泣き寝入りする性格でもありません。
結婚式の次の日、旦那様にお話したい事があった私は、旦那様の執務室に行き、必要な話を終えた後に帰ろうとしますが、何もないところで躓いてしまいます。
一瞬、私の腕に何かが触れた気がしたのですが、そのまま私は転んでしまいました。
「大丈夫か?」と聞かれ、振り返ると、そこには長い白と黒の毛を持った大きな犬が!
でも、話しかけてきた声は旦那様らしきものでしたのに、旦那様の姿がどこにも見当たりません!
「犬が喋りました! あの、よろしければ教えていただきたいのですが、旦那様を知りませんか?」「ここにいる!」「ですから旦那様はどこに?」「俺だ!」「あなたは、わんちゃんです! 旦那様ではありません!」
※カクヨムさんで加筆修正版を投稿しています。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法や呪いも存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※クズがいますので、ご注意下さい。
※ざまぁは過度なものではありません。
婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私エミリーは、婚約者のアシェル王子に「妾になれ」と言われてしまう。
アシェルは子爵令嬢のキアラを好きになったようで、妾になる原因を私のせいにしたいようだ。
もうアシェルと関わりたくない私は、妾にならず婚約破棄しようと決意していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
コメントありがとうございます。
最後までお付き合い下さって嬉しいです。
最後は悲しみもありましたが二人にとってはハッピーエンドだったかと。
二人のために泣いて下さってありがとうございました。
最後までお付き合い下さってありがとうございました。
ざまぁ目的ではないので温かったかと思いましたが、そう言って頂けてホッとしました。
次回作、読んで頂けると嬉しいです。
長編を゙飽きなく楽しみました
ありがとうございます
ラストがこうするとはやられました
次の作品も期待仕手ます
最後までお付き合い下さってありがとうございます。
ラストは悩んだ部分もありましたが、最初に思いついたのがあのラストだったので突き進むことにしました。
また次の作品も読んで下さると嬉しいです。