異世界親父騒動記

第一章 親父たち追放される

親父たち、冒険者ギルドに行く

　親父たちは重い足取りでデストロイの街に着き、門の前で門番に通行税を払ったが、街の中に入っても気分が晴れる事はなかった。
　原因は呪いの金袋がより強力な呪いの金袋に変わった事が原因だった。
　一時間ほどパニックを起こした後、どうするか知恵を出しあったが、いい案が浮かぶ筈も無く。
　街に行ってから考える事にしたのだった。
　
「うむ、町並みは十三世紀のようだが、所々魔法の道具らしき物があるようだが？」
　そんな状況の中でも、工機　学は冷静に街の中を分析していた。
「あ、そうだ教会だ。教会に行こう」
　突然、家道　武がそう言いだした。
「なぜ教会なんだ？」
　安土　警太郎は「何言ってんだこいつ」という目で質問した。
「昔、息子がやっていたゲームで教会に行って呪いを解いたとか、言っていたからだ」
　親父たちは、すぐさま教会に行ってみたが、教会の神父に、「寝言は寝てから言え」と言われ、駄目だった。
　ゲームとは違うことを改めて認識する親父たちだったのだ。
「しょうがない当初の目的である冒険者ギルドに行って冒険者登録を済ませよう」
　そう言って、安土　警太郎は皆を誘導するのだった。

　親父たちは、冒険者ギルドに着いて、愛想の悪い受付嬢から冒険者になるための紙を渡されて、すぐに違和感を覚えた。
　見た事のない文字なのに読み書きができる事に。
しかしそれが「言語」のスキルによるものだと理解した。
　どうやら会話だけでなく文字などの読み書きにもその能力は有効であるようだ。
　紙には名前と職業と技能を書くのだが、自分達を殺そうとしている聖職者たちの目をくらませる為に親父たちは本名ではなく、偽名を書くこと前もって話あっていた。
　以下が、親父たちの新しい名前。

　安土　警太郎→村正
　家道　武→ブドウ
　防人　衛→軍曹
　工機　学→教授
　草野　半蔵→影

　親父たちにネーミングセンスはなかった。
　安土　警太郎は妖刀として名高い「村正」。
　家道　武はおそらく葡萄と武道をかけた名前にしたようだ。
　防人　衛は映画でよくでてくる階級の軍曹。
　工機　学はそのまま教授。
　草野　半蔵は忍者だから影のようだ。