異世界親父騒動記

第一章 親父たち追放される

親父たち、ステータスを見る

　安土　警太郎は困惑していた。
　自分の目の前にステータスと書かれた半透明な板が空間に表示されていた。
「うむ、この世界は我々の世界にあったRPGのようなシステムあるようだな。パニックしたのが、皮肉にもこの世界のシステムを知る鍵になったようだ」
　工機　学が冷静に分析した。
「わかった。手を上下に動かすと出るようだ」
　防人　衛が安土　警太郎のパニックを身ぶり手ぶりで真似した結果、自身の目の前にも半透明な板が表示されていた。
「ステータスと言っても表示されるようだぞ」
　そう言って他の親父たちも、ステータスが表示された。
　
　ステータスの中身を見た結果。
　いくつかのわかったことあった。
　まずはスキル。
　全員が言語、鑑定、アイテムボックスのスキルを持っていた。
　次に職業が変わっていた。
　安土　警太郎は警察官ではなく、侍。
　家道　武は格闘家ではなく、武闘家。
　防人　衛は自衛官ではなく、傭兵。
　草野　半蔵はスタントマンではなく、忍者。
　工機　学は大学教授ではなく、錬金術師。
　その他にも個人で数値以外の違いがあった。
　さっきの混乱どこやら、親父たちはとりあえず街に着くまでに、それぞれのスキルを試すことになった。
　全員が片っ端から、様々なスキルを試した結果、ある事実を知った。
聖職者たちから渡された金の入った袋は鑑定した結果、呪いがかかっていた。

　金袋
　　呪い：モンスター誘因（十二時間後）。
　　　　　モンスターを誘因する。

「教授の仮説は正しかったようだな」
「うむ、そのようだな。しかし、これで冒険者ギルドは罠がないことがわかった」
「この袋どうする」
「捨てるか？」
「この袋の呪い。教授の錬金術で呪い解けないのか」
「うむ、やってみよう」
　そういって錬金術を発動してみたいが、モンスター誘因の呪いは解けず、より強力なモンスタースタンピード誘因（強）と呪いが強力なものに書き換えられたのだった。
　親父たちは、またしてもパニックを起こした。