異世界親父騒動記

第一章 親父たち追放される

親父たち、教授の説明を受ける

「これはまずい事になったからも知れない」
　そういって工機　学は動揺していた。
「どうしたんだ教授」
「またＳＬになっているぞ」
「あのパイプどうなっているんだ」
「何がまずいんだ」
　工機　学は動揺しながらも、説明をした。
「専門家ではないからはっきりと言えないが、もしも学生たちを狙って召喚されたのなら、学生たちだけ、この異世界にくるはずだった。しかし実際には学校の周りに、たまたまいた我々まで召喚された」
「それが何か問題でもあるのか？」
　工機　学以外の親父たちが首を傾げた。
「つまり勇者召喚が不完全なものでアメーバ状に広がったのか、あるいは学生たちや我々以外の人も巻き込まれた可能性が大。以上のことから元の世界に帰れる話は嘘だったことになる」
「しょ、証拠は……」
　警察官の安土　警太郎が声を振り絞って、それだけ言った。
「我々の存在が何よりの証拠だ」
　工機　学は落ち着いたのか、パイプから煙はでなくなっていた。。
　全員が何とも言えない表情をしていた。
　しかし動揺はしている。
　確かに勇者召喚が魔法陣ようなものなら、それは限られた場所でのみ発動する。
しかし実際には、学生たちとかなり離れた場所にいた自分たちも召喚されている。
聖職者たちの話は真っ赤な嘘だったことになる。
「ど、どうするんだ」
　安土　警太郎はパニックのあまり、ワケの分からない踊りを踊っていた。
「聖職者たちに確かめようとしても、殺される可能性が高い」
　家道　武の意見。
「街で冒険者になれるという話も嘘の可能性が高い」
　草野　半蔵の意見。
「では、どうするつもりなんだね。このまま街の冒険者ギルドに行かなかったら、余計怪しまれる可能性もある。なにか他に方法があるのかね」
　工機　学が代案を要求した。
「いや、冒険者ギルドに行くべきだ。どっちにしろ身分証は必要だし、この世界の事を何も知らないままでは生きてくことはできない」
　防人　衛が冷静な判断を下した。
「ん、なんだこれは？」
　安土　警太郎が何かを見つけた。