異世界親父騒動記

マサカド

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第二章 親父たち大陸横断する

親父たち、立ち往生する!

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 親父たちは牛を無事に出荷し、元の世界でいうところのネブラスカ州の大陸横断鉄道の駅がある街レットロッカで立ち往生していた。
 理由は汽車に乗れないからである。
「うむ、、困ったことになったな」
「本当に困ったことになったでござる」
「肯定であります」
「まさか電車賃が……」
「あんなに高いとは!」
 そう親父たちが立ち往生していたのは、電車賃が高くて乗れないという理由であった。
「教授。十八番の錬金術でなんとかできないのか?」
「うむ、無茶を言わないでくれたまえ、村正。いくらなんでも偽金を作るわけにはいかない。後々面倒なことになるのは目に見えている」
「だけど、教授も汽車の運賃表を見ただろう。三等客車でさえ目玉が飛び出るほど高かった!」
「しかし、その手が使えないとなると後は、無賃乗車しかないであります」
「確かにそうでござるが、リスクが大きすぎるでござる」
「リスクが大きいが、徒歩で東に向かう場合、また道を間違える可能性がある」
「確かに村正の言う通りだ!」
「自分もその意見には肯定であります」
「東に向かうだけなのに、困ったでござる」
「うむ、その通りだな」
 親父たちは酒場で今後の進路をどうするか相談していたが、その会話はこの街の保安担当の密偵に筒抜けだった。
 密偵の情報により、すぐさま警察隊が集結し、無賃乗車をしようとする親父たちを捕縛するための準備をするのだった。

三日後
 親父たちは駅から少し離れた線路にいた。
 目的はもちろん、汽車に乗って東に向かう為である。酒場での話し合いの後、結局それしか選択肢がないと判断したためであった。
 狙うのは輸送列車。
「しかし、教授。なぜ輸送列車にしたんだ?」
「うむ、いい質問だ村正。客車に紛れ込んでも、車掌に切符を見せなければならないかもしれないから、輸送列車にしたのだよ」
「客車の屋根に乗っていれば問題ないでござる?」
「途中トンネルがあった場合どうする?それに屋根に乗った人が通れるトンネルでも煙をくらうことになる」
「確かにその通りであります」
「だから、輸送列車なのか?」
「うむ、その通りだよ。それに今回狙っている輸送列車は、現金や金を運ぶ特別輸送列車ではないから、警備も緩い」
「なるほど、確かに現金や金を狙って列車に飛び乗る馬鹿はいても、わしらのように東に向かうために飛び乗る馬鹿はいない」
「うむ、その通りだよブドウ。警備する者の盲点をついたのだ」
「しかし、輸送専門の汽車なんて、よくあったな」
「入手した情報ではゲートが破壊された影響らしいぞ。村正」
「ブドウ…。その情報まさかは酒場で知り合った飲み友達から仕入れたんじゃ…」
「よくわかったな。その通りだ」
「「「「また、酔っ払いか(でござる)」」」」
 親父たちの会話をよそに輸送列車は出発した。
「うむ、無事出発したようだ。昨夜話した通り列車の最後尾に飛び乗る。そのための道具も開発したその名もジャンピング竹馬一号」
「これって昔流行ったホッピングのパクリじゃないのか?」
「うむ、違うぞ村正。ホッピングは両足が乗れるようになっているが、これは片足だけだ。そして竹馬に強力なスプリングが付いている。竹馬であってホッピングではない。すなわち訴えられる心配はない」
「異世界という時点で訴えられる心配はないと思うのだが?」
「妙に竹馬だと主張している所が気になるでござる」
「過去に何かで訴えられたのか?」
「気になるであります」
 仲間たちのツッコミを無視して、教授は列車に飛び乗る準備をする。
「昨夜は話した通り、ジャンピング竹馬一号に片足を乗せてスプリングを押す、もう片方の足で地面につけて踏ん張るん……」
 突然ジャンピング竹馬一号が壊れて、教授はズッコケた。
「教授。大丈夫か?」
「踏ん張りすぎたんでござる」
「無茶はよくないであります」
「汽車にも飛び乗れなく……」
 ブドウは唖然とした。
 なぜなら輸送列車の最後尾の列車の屋根に多数の警察隊が乗っていたのだった。
 親父たちを逮捕する為に警察隊があらかじめ、列車の警備隊に断りもなく乗っていたのだった。
 警察隊は目で「乗れよ」と訴えていたが、村正以外の親父たちはその光景を見て口々にツッコミをいれた。
「警察隊が無賃乗車している」
「あの輸送列車。そんなに高価な物を積んでいるのでござるか?」
「うむ、牛などの家畜を運搬するというのは偽の情報だったようだな」
「以外であります」
「…………」(絶対に違う。拙者らを逮捕する為に乗っていたんだ)
 ブドウが酒場で情報を仕入れた時点でなんとなく予測していた村正は心の中でそう呟いた。
 
 この後、親父たちの騒ぎによって、輸送列車は現金や金などを積んでいるとデマが流れて、列車強盗をする馬鹿たちと無賃乗車した警察隊と列車を警備する警備隊の三つ巴の争いが起こるのだが、それはまたの機会に。
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