異世界親父騒動記

マサカド

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第二章 親父たち大陸横断する

親父たち、敵に捕まる

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 トンネル内の罠にひっかかった親父たち。
列車事件の犯人一味に捕らわれの身になっていた。
「うむ、まずいことになったな」
「肯定であります。教授」
「確かにマズイことになったでござる」
「このピンチをどうすれば、切り抜けられるかな?」
「少しはこっちの心配をしろ」
 牢の中で、ツッコミを入れたのはブドウ。
 本人の頭には漫画のようなでかいタンコブができていて、犯人一味が現れるまで、痛みにのたうち回ったのちに気を失っていた。
 その間、他の親父たちは何をしていたかというと。
犯人一味が来るまで、アイテムボックスから茶の間セットを出してお茶をすすって、現実逃避していたのだった。
 親父たちを捕らえにきた犯人一味の顔が引きつっていたのはいうまでもない。
 そして親父たちは抵抗することもなく、あっさりと捕まり、牢屋に入っていたのだった。
 しかし犯人一味からすれば、わざと捕まったとしか考えられないために、疑心暗鬼になっていた。
「しかし、トンネルの先が秘密基地になっていたとは驚いたな!」
「うむ、そのとおりだ。しかし彼らは何の目的のためにこんな事をしているんだ?」
「そんなのテロ以外に考えられないであります」
「軍曹。その心は?」
「テロでもなければ、こんな場所で兵器を造っているのはおかしいであります」
「うむ、確かに軍曹の言う通りだ。トンネルから牢屋に入るまでのわずかな間に大砲や砲弾などがあったから間違いない」
「汽車を改造して戦車でも造っているのか?」
「うむ、その通りだよ村正」
「肯定であります。物資の入った輸送列車だけ襲っているのが、何よりの証拠であります」
「奪った物資を資金にして、列車の乗員を労働者にしている。うまい商売もあるもんだな」
「村正。感心している場合ではないであります」
「ただの皮肉さ。それよりもおかしな点に気づいたんだが?」
「うむ、犯人一味が皆同じ背格好で同じ顔をしていたことかね?」
「教授も気づいていたのか?」
「うむ、最初に会った時に鑑定した。あれはホムンクルスだ」
「ホムンクルス?」
「教授。なんでありますかそれは?」
「うむ、錬金術で生み出した人工生命体のことだよ」
「人工生命体?」
「そんなことが可能なのでありますか?」
「うむ、我々がいた世界でもクローン技術がある。ならばこちらの世界にそれと似た技術があっても不思議ではないだろう。嘘だと思うなら見張りを鑑定してはどうかね?」
 村正と軍曹は見張りに鑑定を使ってみた結果。

 鑑定
 ホムンクルス(戦闘量産型)

「本当だ。しかしこれはこれで、妙に納得できない」
「肯定であります」
「うむ、納得できなくてもここは異世界だ。我々の常識は通じないし、ある意味特定の分野においては我々がいた世界よりも進んでいるのかもしれない。それよりもさっきからブドウと影が何も言わないで横になっているが、大丈夫か?」
「それなら、心配ないであります教授。ブドウは不貞寝で、影は忍び寝であります」
「そう影は忍び寝。ブドウは不貞寝」
「うむ、そうかなら問題ない」
 この時、見張りのホムンクルスが親父たちのことを知っていたら、これから起こることに対処できたかもしれない。
 しかしそれは架空の話でしかすぎないのであった。
 親父たちの会話の中にあった忍び寝の意味は影が身代わり人形を置いて侵入しているという意味であった。
 親父たちが話していると、白衣を着たマッドサイエンティストと思わる男が牢屋に近付いてきた。
「貴様らが侵入者か?」
「「「誰?」」」
「わしの名はクレイ・スチーム。魔導車を発明した偉大なる科学者だ」
「「「そんなすぐばれるような嘘つくな!」」」
「なに!」
 意外な親父たちの言葉に動揺するクレイ・スチーム。
「レットロッカの駅で列車を発明した人の肖像画が飾ってあったから顔知っているんだ」
「うむ、いま目の前にいる人物とは似ても似つかない」
「肯定であります」
「………」(怒)
 本当に発明した本人であるのだが、本人が誇張して描かせた肖像画を親父たちは信じていたために、怒るに怒れない状況になっていた。
「まあいい。貴様らは助けが来ると信じているようだが、貴様らの手はお見通しだ。森の前に設置していた看板は全て撤去させた」
「それって?」
「うむ、村正と影は怒りのおもむくままに設置した看板のことだろう」
「肯定であります。森に入ると書かれた看板を百個近く設置してやっと怒りが治まったのであります」
「89個だ!どんだけ設置したんだ!お前らは?」
「しかし、村正。その年になってあんな若気の至りをするとは、意外だったな」
「いや、お恥ずかしい」
 教授の問いに照れる村正。
「照れるところじゃないだろうが!」
 自分を無視して話を進める親父たちに対してクレイ・スチームは殺意さえ覚えるのだった。
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