異世界親父騒動記

マサカド

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第五章 親父たちと砂漠

親父たち、城攻めをする3

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前回までのあらすじ
親父たちの呟きにブロッカー(の心)を傷つけることはできたが、要塞そのものには傷一つついていなかった。

 自称要塞を攻めあぐねていた親父たちは、なぜか?カラオケ大会を開いていた。
 各々がマイクを持ち、順番に歌を歌っている。
「教授!拙者達はなぜ歌を歌っているんだ?」
「うむ、共鳴させるためだよ!」
「共鳴?」
「うむ、そうだよ!振動体が、その固有振動数に等しい外部振動の刺激を受けると、振幅が増大する現象の事を共鳴というのだよ!」
「それが自称要塞と、どう関係しているんだ?」
「うむ、その共鳴を使って要塞の壁を崩す作戦だよ!」
「拙者達のカラオケ程度で壁が破壊できるのか?」
「フフフ………」
 村正の返答に対しては、教授は加えていたパイプから大量の煙が噴き出した。
「また!これか!」
 そして煙と共に教授の姿も消えた。
「都合悪くなると、すぐも煙を出すのやめてもらいたいな!」
 そんな村正の呟きとは関係なく、親父たちのカラオケは続いていた。
「軍曹!○の国!歌います!」
「この歌って、ほとんど歌詞がないでござる!」
「そうだな!」
 影とブドウのツッコミを無視して軍曹は気持ちよく歌(?)った。
「次はワシの番だ!ぼうや~よい子~だ!ねんね~しな~♪」
「これって、○本昔話のオープニングでござる!」
「肯定であります!」
「なんで変なジェスチャーしながら歌っているんだ?」
「子供に聞かせる歌とは思えないでござる!」
「肯定であります!」
 影、軍曹、村正のツッコミを無視して変なジェスチャーをしながら○本昔話を歌うブドウだった。
「次は村正どのでござる!」
「拙者!演歌しか歌えないんだが?」
「大丈夫でござるよ!」
 影に言われて村正は歌い始めた。
「きた~の~さかば~どおりには~♪」
「村正の歌は………」
「うまい下手以前にひどいでござる!」
「肯定であります!」
 村正の歌声は音程が外れている上に人の神経を逆なでさせる音であった。
「超音波兵器ならぬ超音痴兵器であります!」
「どっかのガキ大将もびっくりだな!」
「気分が悪くなってきたでござる!」
 村正の超音痴に苦しめられていたのは、親父たちだけではなかった。
 自称要塞にたてこもっているブロッカーも耳をふさいで苦しんでいた。
「これが奴らの作戦か―――!!」
 親父たち(主に村正)の歌唱力にブロッカーの精神は限界に達していた。
「こちらも切り札を出して一気に決着をつけるしかない!」
 そう言って、要塞の内のコンソール(操縦卓)を操作するブロッカー。
 村正の音痴によって、ブロッカーとの対決は思わぬ形で動いた。

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