異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第一章 運命のはじまりと新たな出会い

1-2 異世界での新しい家

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 両親の目の前に出てきた液晶画面の様なモノには文字が書かれていた。

その内容はそれぞれの"個人情報"の様な内容が書かれていたのだ。

まずお父さん(ユウダイ)の方には...

名前:ユウダイ  年齢:26歳
性別:男 種族:人間(神に選ばれし者)
家族:妻、子供2人
HP:35000/35000  MP:20000/20000
魔法属性:水、風、土
スキル:一家の大黒柱、××××、××××

と書かれていた。

そしてお母さん(ユイカ)の方には...

名前:ユイカ  年齢:25歳
性別:女 種族:人間(神に選ばれし者)
家族:夫、子供2人
HP:29000/29000 MP:25000/25000
魔法属性:火、水、風、光
スキル:一家の縁柱、××××、×××、×××

と書かれていたのだった。

 もちろん書かれている文字は見慣れた"日本語表記"となっていたので読むのには困らない。

目の前に出てきた画面を2人は真剣な眼差しで見つめいたのでドラしゃんは私を抱っこしたままお父さん達に声を掛けた。

『今のやり方は誰にでも自分のステータスを見せるやり方です。
他にも見せたくないモノを隠して表示する方法や限られた人しか見せない方法等がありますが...それらは今後おいおいとお教えしていきますので御心配はいりません。』

と言うとお父さん達は目の前の画面から顔をあげてドラしゃんみ見つめて感謝の言葉をかけるなかドラしゃんはさらに言葉を続けた。

『あと今から話すのはステータスの"基本の話"をします。この世界の住人の本来の"魔法属性"は3つです。
稀に3つ以上持つ者もいますが本当に稀です。3つ以上となりますと特異種かドラゴンや精霊が主となるので。
 4つ以上となりますと...神となります。
 それ以外だと"転生者"または"転移者"となります。
こちらは"特例"として多めに神様から付与されるようになってます。この世界で生活しやすいようと"神からの贈り物"と思って頂けたらと思います。
 あとはHPやMPも多い人で最高10000です。皆様は"神の加護"がついてますので属性もその他も"規格外"となっておりますので色々とご注意をお願いします。...と言っても難しいかと思いますので生活しながら学習していきましょうか。』

ドラしゃんが淡々と説明していくなかお父さん達は自分達の"ステータス"がどの辺りに当たるのかを把握して愕然(がくぜん)としていた。

余談ですが...元々2人(両親)は若い頃からゲームやアニメが大好物。
世間一般でいわゆる"オタク"に分類される人種だ。

そのためこの手の話の内容を理解するのはかなり早い。いや、早いというレベルでなかった。

実際自分達がゲームみたいな世界で過ごすとは思ってもいなかったからドラしゃんの説明内容が完全に"規格外"であること、その"規格外"に自分達が当てはまることを瞬時に判断したのだ。

「これって、色々まずいのでは?」

お父さんは勇気を振り絞って恐る恐るドラしゃんにたずねた。
すると...。

『えー普通にまずいですよ?ですから不要に他の人の前ではステータスを開かない様にお願いします。』

と笑顔で答えた。

ドラしゃんの反応でお父さん達はここでの生活に慣れるまでは彼の言葉に従うと固く誓った。

「ところで子供達のはどうやってみますの?」

今度はお母さんがドラしゃんに尋ねた。

『教える事は可能ですが...今はお屋敷に向かう事をお勧めします。
このままだと日が暮れてきたら"魔物"に襲われますので。
まぁ~この辺の魔物は大した事はないのですがお子様もいらっしゃいますから少しでも危険は避けた方がよろしいかと思います。
細々とした事はお屋敷でお伝えしますので"クローズ"と言ってステータス画面を閉じて移動しましょう。』

ドラしゃんの言葉でお父さん達はハッとして言われた通りにした。

いま自分達は森の中にいるのだ。
そして日も少しずつだが暮れていっているのを思い出したからね。

お父さん達が動けるようになった事を確認するとドラしゃんは私を抱えて歩き出す。

お母さんは自分の側にいたお兄ちゃんを抱き抱えてドラしゃんの後ろについて歩き出した。

そしてその後ろをお父さんが。

「ドラしゃん?おうちいくの?とーいの?」

私はドラしゃんの腕の中から質問するとドラしゃんは黙々と歩きながらも答えてくれた。

『お嬢様、大丈夫ですよ。
お屋敷にはもう少しで着きますから。』

ドラしゃんがそう答えると目の前から森の木々が減り草原が見えてきたのだった。

(この時じつはドラしゃん魔法を使って近道したんだって♪)

そこには私達が生活していた場所では見ない風景がまた広がっていた。

どこまでも続く緑色の草原とこれまた見たことない植物や生き物が存在していた。

"ガードレール"や"アスファルトの道路"もないし"車"も走っていしもちろん"電柱"や"街灯"すらなかった。

草原の中には大小様々な石が転がる土の道があり道は整備されていないのでもちろんデコボコしていた。

所々に木の杭や柵がしてあっり完全によその世界って理解できる感じだ。

『この道を真っ直ぐ行きます。
すると、橋が見えてきます。
橋を渡ると小さな集落があります。』

ドラしゃんは歩きながらも説明を続けてくれた。

『私達が住む屋敷はその集落の外れのまた外れ。まぁ~、森の奥になりますかね。
そして側には大樹があります。
神様の結界が張られてますのでそこらの魔物は入ってこれない様になってます。』

草原の中の道を歩いていくと話していた通りに橋が見えてきた。

丸太を組み合わせた簡素な橋だ。
橋の下には小川が流れていた。

その橋を渡ると少し空気が変わった。

橋を渡った先には丸太を建てて紐で組み合わせた柵の様なモノが見えてきた。

どうやら集落のようだ。

その集落には入らず森に向かって歩いて行った。 

森を歩いて行くと少し視界が開けた。
そこには大樹が見えてきた。

『皆様、彼方に見えるのが今後皆様が過ごされるお屋敷です。』

ドラしゃんが足を止めて腕を上げる先を見ると大樹の側に田舎にしては豪華な家が建っていた。

木製の建物だが...軽○沢とか熱○とかにある様なセレブ御用達の別荘みたいな感じだった。

『元々こちらは皆様の前に転生してこられた方が建てた別荘です。
持ち主は既に他界してます。
朽ちかけていたのを神様が修繕してます。
十分に屋敷は使えるのでそのまま使わせてもらいましょう。
 木造の二階建てになっておりますが神の加護にて中は広々く使えるようになってます。
さぁーあともう少しです。』

ドラしゃんはそう言葉を発すると屋敷に向かってまた歩き出した。

お父さん達は驚き半分呆れ半分な面持ちで後について行った。

『さぁー着きました。どうぞお屋敷のなかへ。』

ドラしゃんは玄関のドアを開けてお父さん達を屋敷内に招き入れた。

ドラしゃんが玄関の扉を開けると扉から見た風景は...あれ?どこか見慣れた雰囲気のものだった。

日本家屋の様に土間があり靴を外靴と中靴に履き替えられる様になっていた。 

見慣れた靴箱もあった。
目の前には見慣れた木の壁がありそこには見覚えのある絵が飾られていた。

木の壁の横には花模様の入った引き戸があった。

それは私達が住んでいた家の内装と同じだった。
ドラしゃんは腕に抱えていた私を一度土間に降ろした。

私はドラしゃんと一緒に履いていた靴を脱ぎ、置いてあった自分用の猫柄の中靴に履き変えた。

そしていつもの様に私は花模様の入った引き戸を開けた。
引き戸を開けた先には予想通りリビングがあった。

リビングの真ん中には木で造られた大きなテーブルと椅子があった。
それはお父さんが作ったデーブルと椅子だった。

私は視界に入った自分の椅子に向かって歩いて行った。
その後ろからお兄ちゃんが走ってきた。

「凄い!家だ。
お父さん!お母さん!家だよ!」

お兄ちゃんは、興奮した声でまだ玄関先にいる両親に向かって叫んだ。

(しっかしよく叫ぶよ。私のお兄ちゃんは...。)

ドラしゃんははしゃぐお兄ちゃんの横を通り私の側に来て再度私を抱き上げた。
そしてまだ動こうとしない両親に向かって話しかけた。

『どうぞ。お入り下さい。ここが今日から住むお屋敷です。』

ドラしゃんの声にやっとお父さん達は動き出した。

玄関の扉を閉めて靴を脱ぎ中靴に履き替え順番に家の中に入ってきた。

「あのう、この家の内装ってまさか....。」

お母さんはドラしゃんに確認した。

『はい。神様より少しでも違和感なく過ごせる様にと指示がありました。
以前住んでいた家の内装をそのままにしております。
多少材料はこちらでも違和感の無いものに変えておりまが。』

ドラしゃんはそう穏やかに語った。

玄関の扉は違えども入ってすぐの土間の造り...壁...壁に飾ってあった絵。
壁横の花模様の引き戸。
そしてリビングにテーブル。
そしてこの椅子。

住んでいた家にあった物ばかりだ。
玄関の靴箱はお父さんが作った物だ。

壁に飾られた絵は私とお兄ちゃんが描いた物。

花の模様の入った引き戸は家族で散歩した時に積んだ花々を、お母さんが和紙を使用して押し花にして作った物だ。

だから見間違えるはずがなかった。
驚く両親に更にドラしゃんは言葉を続けた。

『電化製品というものは、こちらの世界にはありませんので申し訳ありませんが持ってくる事は不可能でした。
それ以外のものは全てそのまま再現させて頂いてます。』

ドラしゃんの言葉を疑う必要はなかった。
目の前に広がる風景が見慣れたものだったからだ。

リビング以外にも私達が昼寝に使っていた、ふかふか絨毯が敷かれたプレイスペース。

1階に改装して作った引き戸付き物置部屋も簡易サンルームも。

お父さんの書斎やトイレに食料庫もそのまま丸ごと全て再現されていたのだった。

お父さん達はそれぞれドラしゃんの話を確認する為に左右に分かれて家の散策を開始した。

お父さんは左の引き戸の方へ。
お母さんは...右手のキッチンへと。
お兄ちゃんはお父さんの後ろをついていった。


お父さんが引き戸を開けるとサンルーム兼物置部屋があった。

お兄ちゃんが乗っていた自転車や私が使っていたベビーカーはなかった。

代わりに...木製の押し車や荷馬車らしきモノがあった。

家庭菜園用に取り置きしてあった肥料等もあったが、ビニール袋ではなく皮製の布袋に入って置かれていた。

お父さんの書斎兼プライベートルームの方は組み立て式のアクリル机と椅子が木製の物に変わっていた。

机の上にあったはずのパソコンや電気スタンドは無かったが、代わりにランプとタイプライターが置かれていた。

部屋の本棚と集めていた書物類はそのままだった。


 お母さんが行ったキッチンスペースは以前の家と同じ作りだった。

シンク部分が薄い石製だが構造は以前のと殆ど同じだった。

ただ蛇口がなかった。 

そして電化製品は勿論なかった。
電化製品の代わりに他のモノが置かれていた。

炊飯器は魔法具で作られた蒸し釜に。

食器洗浄機は透明な結晶石で作られたケースに魔法石が埋め込まれた物に。

オーブンは小型の石窯に。
冷蔵庫と思われる物は木の箱に。

食器棚はそのままだったが、食器類は木製の物に変わっていた。

陶器や貴金属の物は危険物と判断されなくなっていた。

一通り見回したお母さんはドラしゃんに確認した。

「水とかでますの?蛇口が...ないんですけど...。それに食材とかは?火はどの様にしてつかいますの?」

リビングに私といたはずのドラしゃんがお母さんの側にいつの間にか行っていた。

そしてこれらの使い方の説明をしだした。

『こちらのシンクの所にあります"宝石"に手をかざして下さい。
こちらはただの宝石ではありません。
"魔石"とよばれるものです。
手をかざして水をイメージして下さい。』

お母さんはドラしゃんの指示通りに石に手をかざして水が流れるイメージをした。

すると...魔石より水が出てきた。

『止める時は水が止まるのをイメージして下さい。
火も同じ様な要領で扱えます。』

再度お母さんは石に手をかざし水が止まるイメージをした。

すると、水が止まった。

『こちらの木の箱は冷蔵庫の代わりとなっております。
扉の所に魔石が埋め込んであり...。』

「冷やすをイメージしたら冷蔵庫になるのね。」

ドラしゃんが喋り終わる前にお母さんは嬉しそうに話した。

『左様ございます。見込みが早いので助かります。
一通り食材は入れております。
私の方で魔石に魔力を留めておりますので、いつでも使える様にしてあります。
 調理器具も似た様な物を取揃えております。
使い方には不自由しないかと思われます。』

ドラしゃんがそう説明を終えると、お母さんはいつものように料理をしだした。

その様子を確認するとドラしゃんは私の元に戻ってきた。

リビングのプレイスペースでドラしゃんと遊んでいたらお父さんとお兄ちゃんが戻ってきた。

お父さんは私と遊んでいるドラしゃんに声を掛けた。

「色々気遣って頂きありがとうございます。
もう、二度と帰って来れなかった"我が家"に帰ってこれました。
どう感謝すれば...。どうしても御礼を言わせて欲しい。ありがとう。」

お父さんは本当に嬉しそうにドラしゃんに感謝の言葉を告げた。

ドラしゃんは特に表情を変えずに返事をした。

『いいえ。御礼の必要はございません。神様の面倒事に巻き込まれたのは旦那様達の方です。
怨まれこそすれ感謝される謂れはございません。
 私は皆様が安心して、そして安全にこの世界で過ごせる様にサポートするのがお役目です。
お気になさらないで下さい。
他に御要望がありましたら可能な限り対応させて頂きます。』

ドラしゃんの言葉にお父さんは泣きそうになっていた。

そんな親達の状況を理解せず?まぁー気にせずの方だろうなぁ~。

お兄ちゃんは、ドラしゃんに声をかけた。

「ねえ?2階ってある?みれる?探検したい!」

(サスガ、お兄ちゃん!我が道を行くんダネ。)

目を輝かせたお兄ちゃんはドラしゃんの顔を見上げていた。

そんなお兄ちゃんに動じる事なくドラしゃんは普通に対応したのだった。

『はい。勿論お2階は、ありますよ。 坊っちゃま。ご覧になりますか?』

ドラしゃんの言葉にお兄ちゃんはちぎれんばかりに首を縦に振った。

お兄ちゃんの言葉にさっきまで泣きそうになっていたお父さんの顔はいつのまにか呆れ顔に変わっていた。

キッチンで料理をしているお母さんの様子をお父さんが確認するとお母さんの声がした。

「まだ、時間がかかるから楽しんできてね。」

どうやら料理が完成するにはまだまだ時間がかかりそうだった。

私、お兄ちゃん、お父さん、ドラしゃんの4人で2階の探索へと向かう事にした。

(しかし、階段あったかなぁ?
 壁はあったけど?まぁー大丈夫か!)






















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