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第一章 運命のはじまりと新たな出会い
1-3 新しいお家は魔法の家
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リビングの真ん中には柱?壁?があった。
私達4人はその前に集まった。
以前と同じ構造って言うなら...ここが2階への入り口になるからだ。
それは"階段がわからない様にして欲しい"と言うお母さんの希望でこの作りになったから。
だからぱっと見には我が家には階段がない様な構造になっているので初見では不思議な家にしか見えない。
子供達だけで階段を登り降りできない様にとお母さんの思いからこの作りにしたのだ。
リビングの真ん中にある柱?らしき物の真ん中付近に少し凸が見えた。
お父さんが躊躇(ちゅうちょ)せず凸部分を触ると"カチッ"と言う音がした。
目の前の柱らしき物の壁が動いて2階に繋がる扉としての機能を発動させた。
扉は自動スライド式に側面の壁に飲み込まれて行き扉が開くと目の前には壁と壁に挟まった階段が出てきた。
そして自然に階段に光りが灯された。
「以前はこんなシステムはなかった気がするのだが...。」
お父さんがぽつり呟いたが私達は余りの出来事に興奮して目を輝かせていた。
『はい。少し改良させて頂きました。』
ドラしゃんだけがお父さんの呟きに答えた。
「ですよね。こんな凄い仕組みはなかったので。」
お父さんは少しほっとした顔をした。が、すぐ驚きの表情になった。
『以前のは確か鍵を差し込んで回して開けるいう不便なものでしたので魔石を使わせて頂きました。
凸の部分に魔石を入れてありますので、触れると入り口が開き自然に灯りが付きます。
扉は自然に収納されるものにしまた。』
さすが!ドラしゃんです。
やる事にぬかりがなかった。
ドラしゃんはお父さんに告げると足元に居た私を抱き上げた。
『では、お嬢様は私が運びますのでどうぞお先にお上がり下さい。
今回は2階に着く前に上の扉が自然に開く仕組みにしております。
家の構造はお嬢様方の成長に合わせて変更可能なものにしておりますのでご安心ください。』
ドラしゃんは終始笑顔でお父さんに話していた。
お父さんは半ば諦めた顔をして黙ってお兄ちゃんを抱えて2階に向かって登り始めた。
(ドラしゃんに勝てる人は、いないなぁー。お父さんがんばれ!)
私はそっと目の前にあるお父さんの背中に向かって心の中で応援したのだった。
『私達も登りますよ。
お嬢様、大人しくお願いしますね。』
ドラしゃんは笑顔で私に話しかけてお父さんの後に続いて階段を登り出した。
ドラしゃんの腕の中は不思議と振動が全くないので安心して過ごせた。
階段を数段上がった時だった。
お兄ちゃんの嬉しそうな声が、前から響いてきた。
「お父さん、凄いよ!
階段広いね。それに灯りが綺麗だよ!虹の中を歩いてるみたいだよ」
お兄ちゃんが喜ぶのも分かる気がした。
階段のある空間は傍目(はため)狭そうに見えるのに中に入ると、大人が4~5人横に並んで歩いても充分余裕がある空間となっていた。
灯りも階段を登る度に橙色・黄色・青色・赤色・緑色・紫色・黄緑色等色んな色に変わるのだった。
前を歩いていたお父さんが急に足を止めた。
そして、ゆっくりと後ろに振り向きドラしゃんに確認するように話しかけた。
「階段にも何かしてますか?」
お父さんの予想は見事に的中するのだった。
『はい。お嬢様や坊っちゃまが飽きないようにと、灯りの色が変わる仕組みと安全に登りが出来るように少し空間をいじっております。
あと幾つか仕掛けがありますが後々お伝えします。
外からはまったく分かりませんので大丈夫です。』
ドラしゃんは素敵な笑顔で答えた。
お父さんはもう完全に負けた感じだった。
私はドラしゃんに他にどんな仕掛けがあるのかを聞いてみた。
『ご希望がありましたら壁紙や階段の色や柄が変わります。
あとは薫が漂うようにもできますよ。 他はお嬢様達が大きくなってからお教えします。』
ドラしゃんはなんでもできる人なんだ。
私はますますドラしゃんが好きになったのだった。
階段を順調に登っていくと頭上が開けてきて淡い光りがさしてきた。
すると先程まで色んな色に輝いていた灯りが消えた。
『もう少しで2階に着きます。
そのまま登って下さい。』
ドラしゃんは先を行くお父さんに伝えた。
お父さんはドラしゃんの言う通りに足を進めた。
お父さんの後に続いて私を抱っこしたドラしゃんも足を進めた。
淡い光の先には大きく広がった空間と部屋が見えた。
木製の床の上を数歩進むと私達が登ってきた階段は消えた。
(ほんとに凄いの!痕跡もなく消えたのよ!)
階段が消えると2階はますます広く大きな空間となっていた。
お父さんとドラしゃんは私とお兄ちゃんを床に降ろした。
私とお兄ちゃんは広くなった空間で走り回った。
そんな私達を見てお父さんは慌て出した。
「こら!危ないだろ走らない!
ドラしゃん、どうなってるんですか?
ここはいったい...階段も無くなって
どうやって、降りるんですか?」
お父さんは1人パニックになっていた。
そんなお父さんに対してドラしゃんは平静に対応していた。
『ここは、御一家の寝室兼プライベート空間となっております。
扉には、それぞれのネームプレートを掛けております。
御夫婦の寝室とお嬢様方の寝室は隣同士にしております。
あと、お嬢様と坊っちゃまの部屋はご一緒にしてあります。
その方が、よろしいかと思いまして。
お2人がある程度大きくなりましたら、部屋の構造や内装は変更可能です。
階段につきましては、見た目は消えたようになっておりますがきちんと存在しますので大丈夫です。
降りる際には、床に向かって階段をイメージして下さい。
階段への入り口が、開きますので御安心下さい。』
どうやらドラしゃんは事前に私達の世界の建築物について神様から学んだようだった。
建築構造は、素晴らしい物があるが安全性に欠ける物が多かったらしく、ドラしゃんなりに私達の事を思い色々改造してくれたみたいだ。
そう色々と。色々とね...。
(ドラしゃん凄い!)
お父さんはもう色々と諦めたようだった。
「子供達が寝てからでもいいので後で色々教えて欲しい。
この世界で私達がどのように過ごしたらいいのか...。
他にも、聞きたい事はやまほどあるが色々と私も頭の整理が追いつかないので...。」
お父さんは不安そうにドラしゃんに話していた。
『勿論です。色んな事が一気に降りかったのですから無理もありません。
焦る必要はありません。
私は、御一家と一緒に居ますから何時でも何でもお答えしますし対応もします。』
ドラしゃんはお父さんを落ち着かせるように話しをしているなか私とお兄ちゃんはそんな2人の足元に行った。
「「ねぇー。おへやみたい。」」
私達の声に、お父さんとドラしゃんは下を向きそれぞれに笑顔を向けてくれた。
どうやら2人はお話を一旦中断してくれたようだった。
私達4人は再度2階を見回した。
改めて見ても素敵な空間だった。
階段を上がってすぐに大きな扉の付いた部屋があり、その右隣には小さめの扉の付いた部屋があった。
その横は壁沿いに等間隔に円形の窪みがあり
窪みの上にはふわふわの花柄のカーテンがそれぞれに付いていた。どうやら窓の様だ。
その奥にはソファーや植物やらがあり背中側はガラス張りになっており外に出られる様にもなっていた。
その横はガラス張りの部屋があった。
そしてその横にまた小さな扉の付いた部屋が2つと大きな扉が1つ。
ドラしゃんは順番に部屋の説明をしてくれた。
まず階段を上がってすぐの大きな扉の部屋で扉は淡いオレンジ色をしていて、扉には♡型のプレートが掛かってプレートにはユウダイ・ユイカと書かれている。
どうやらお父さんとお母さんのお部屋の様で
それを見たお父さんのお顔は真っ赤っかに。
そんなお父さんを放置してドラしゃんは扉を開ける。
扉はアレだけど中は以前の家と同じ内装で床にはフカフカの絨毯が敷かれていて、いつもお父さんとお母さんが一緒に寝ていた大きなベッドが部屋の中央にあった。
ベッドの向かいにはお母さんの使っていた化粧棚もちゃんと置かれているしクローゼットまでそのままなので部屋の内装を見てお父さんは嬉しそうだった。
そんなお父さんを置いて私とお兄ちゃんとドラしゃんは次の部屋へ向う。
次の部屋は小さな扉でかなり思考を凝らされた造りになっていたのは...気にしないでおこう。
小さな扉には綺麗な彫刻が施されていて扉にするのは勿体無い感じで、その扉の上の方にはこの世界に来る前に会った鳥さんが彫られていた。
鳥さんの足元にはプレートが付いていて私とお兄ちゃんの名前が。
そして扉の下にはドラゴン姿のドラしゃんが彫られている。
私とお兄ちゃんは大喜びしドラしゃんの足にそれぞれがしがみついた。
「ありあとう。ドラしゃん!」
「ありがとう。ドラしゃん!
カッコいいよ!」
私達の言葉にドラしゃんも嬉しそうでドラしゃんに部屋の扉を開けてもらった。
そこには以前のお部屋より遥かに豪華な仕様になっていたのには驚いた。
お部屋の真ん中には木彫りの大きなドラゴン姿のドラしゃんが丸くなっているのだ。
ドラしゃんの中心にふかふかのお布団があり
布団には鳥さんが刺繍されていた。
枕は2つ。それは以前のものだ。
多分それが私達の新しいベッドなんだと悟った。
ドラしゃんの周りにはカラフルな卵のクッションが幾つも置いてあっり、以前の家にあった私の大好きなぬいぐるみたちも置かれていた。
そして壁に沿って低めの木の棚が2つ。
1つはお兄ちゃんのおもちゃが入っていて、もう1つは..私達の絵本が。
私達はドラしゃんの顔を見た。
ドラしゃんはどうぞっと言ってくれたので私とお兄ちゃんは手を繋いで部屋の中に入ってゆっくりと歩き散策する。
床はお父さん達の部屋のものよりふかふかの絨毯が敷かれていてまるで綿菓子のよう。
あまりの感触に私とお兄ちゃんは思わず床に寝転がった。
予想以上にふかふかのふわふわのためしばらく床の上をゴロゴロしふわふわ加減を満喫。
ゴロゴロした後は木のドラしゃんの所に向かう。
「ドラしゃん、カックイイね。」
私は木のドラしゃんのお顔に自分の顔を付けてお兄ちゃんに話しかけるとお兄ちゃんも私と同じようにドラしゃんのお顔に自分の顔を付けていた。
「うん。カッコいいね。」
そんな私達の様子を扉の所でドラしゃんは見守っていて顔は変わらず笑顔だったがどうやら私達の姿にドラしゃんなりに悶えてたらしい。
(大きくなって、ドラしゃんが教えくれた。)
木のドラしゃんにしばらく頬ずりしているとお父さんがようやくやってきた。
そして私達の部屋を見てお父さんはまた驚いていた。
多分...今日1番の驚きではないだろうか。
私達4人はその前に集まった。
以前と同じ構造って言うなら...ここが2階への入り口になるからだ。
それは"階段がわからない様にして欲しい"と言うお母さんの希望でこの作りになったから。
だからぱっと見には我が家には階段がない様な構造になっているので初見では不思議な家にしか見えない。
子供達だけで階段を登り降りできない様にとお母さんの思いからこの作りにしたのだ。
リビングの真ん中にある柱?らしき物の真ん中付近に少し凸が見えた。
お父さんが躊躇(ちゅうちょ)せず凸部分を触ると"カチッ"と言う音がした。
目の前の柱らしき物の壁が動いて2階に繋がる扉としての機能を発動させた。
扉は自動スライド式に側面の壁に飲み込まれて行き扉が開くと目の前には壁と壁に挟まった階段が出てきた。
そして自然に階段に光りが灯された。
「以前はこんなシステムはなかった気がするのだが...。」
お父さんがぽつり呟いたが私達は余りの出来事に興奮して目を輝かせていた。
『はい。少し改良させて頂きました。』
ドラしゃんだけがお父さんの呟きに答えた。
「ですよね。こんな凄い仕組みはなかったので。」
お父さんは少しほっとした顔をした。が、すぐ驚きの表情になった。
『以前のは確か鍵を差し込んで回して開けるいう不便なものでしたので魔石を使わせて頂きました。
凸の部分に魔石を入れてありますので、触れると入り口が開き自然に灯りが付きます。
扉は自然に収納されるものにしまた。』
さすが!ドラしゃんです。
やる事にぬかりがなかった。
ドラしゃんはお父さんに告げると足元に居た私を抱き上げた。
『では、お嬢様は私が運びますのでどうぞお先にお上がり下さい。
今回は2階に着く前に上の扉が自然に開く仕組みにしております。
家の構造はお嬢様方の成長に合わせて変更可能なものにしておりますのでご安心ください。』
ドラしゃんは終始笑顔でお父さんに話していた。
お父さんは半ば諦めた顔をして黙ってお兄ちゃんを抱えて2階に向かって登り始めた。
(ドラしゃんに勝てる人は、いないなぁー。お父さんがんばれ!)
私はそっと目の前にあるお父さんの背中に向かって心の中で応援したのだった。
『私達も登りますよ。
お嬢様、大人しくお願いしますね。』
ドラしゃんは笑顔で私に話しかけてお父さんの後に続いて階段を登り出した。
ドラしゃんの腕の中は不思議と振動が全くないので安心して過ごせた。
階段を数段上がった時だった。
お兄ちゃんの嬉しそうな声が、前から響いてきた。
「お父さん、凄いよ!
階段広いね。それに灯りが綺麗だよ!虹の中を歩いてるみたいだよ」
お兄ちゃんが喜ぶのも分かる気がした。
階段のある空間は傍目(はため)狭そうに見えるのに中に入ると、大人が4~5人横に並んで歩いても充分余裕がある空間となっていた。
灯りも階段を登る度に橙色・黄色・青色・赤色・緑色・紫色・黄緑色等色んな色に変わるのだった。
前を歩いていたお父さんが急に足を止めた。
そして、ゆっくりと後ろに振り向きドラしゃんに確認するように話しかけた。
「階段にも何かしてますか?」
お父さんの予想は見事に的中するのだった。
『はい。お嬢様や坊っちゃまが飽きないようにと、灯りの色が変わる仕組みと安全に登りが出来るように少し空間をいじっております。
あと幾つか仕掛けがありますが後々お伝えします。
外からはまったく分かりませんので大丈夫です。』
ドラしゃんは素敵な笑顔で答えた。
お父さんはもう完全に負けた感じだった。
私はドラしゃんに他にどんな仕掛けがあるのかを聞いてみた。
『ご希望がありましたら壁紙や階段の色や柄が変わります。
あとは薫が漂うようにもできますよ。 他はお嬢様達が大きくなってからお教えします。』
ドラしゃんはなんでもできる人なんだ。
私はますますドラしゃんが好きになったのだった。
階段を順調に登っていくと頭上が開けてきて淡い光りがさしてきた。
すると先程まで色んな色に輝いていた灯りが消えた。
『もう少しで2階に着きます。
そのまま登って下さい。』
ドラしゃんは先を行くお父さんに伝えた。
お父さんはドラしゃんの言う通りに足を進めた。
お父さんの後に続いて私を抱っこしたドラしゃんも足を進めた。
淡い光の先には大きく広がった空間と部屋が見えた。
木製の床の上を数歩進むと私達が登ってきた階段は消えた。
(ほんとに凄いの!痕跡もなく消えたのよ!)
階段が消えると2階はますます広く大きな空間となっていた。
お父さんとドラしゃんは私とお兄ちゃんを床に降ろした。
私とお兄ちゃんは広くなった空間で走り回った。
そんな私達を見てお父さんは慌て出した。
「こら!危ないだろ走らない!
ドラしゃん、どうなってるんですか?
ここはいったい...階段も無くなって
どうやって、降りるんですか?」
お父さんは1人パニックになっていた。
そんなお父さんに対してドラしゃんは平静に対応していた。
『ここは、御一家の寝室兼プライベート空間となっております。
扉には、それぞれのネームプレートを掛けております。
御夫婦の寝室とお嬢様方の寝室は隣同士にしております。
あと、お嬢様と坊っちゃまの部屋はご一緒にしてあります。
その方が、よろしいかと思いまして。
お2人がある程度大きくなりましたら、部屋の構造や内装は変更可能です。
階段につきましては、見た目は消えたようになっておりますがきちんと存在しますので大丈夫です。
降りる際には、床に向かって階段をイメージして下さい。
階段への入り口が、開きますので御安心下さい。』
どうやらドラしゃんは事前に私達の世界の建築物について神様から学んだようだった。
建築構造は、素晴らしい物があるが安全性に欠ける物が多かったらしく、ドラしゃんなりに私達の事を思い色々改造してくれたみたいだ。
そう色々と。色々とね...。
(ドラしゃん凄い!)
お父さんはもう色々と諦めたようだった。
「子供達が寝てからでもいいので後で色々教えて欲しい。
この世界で私達がどのように過ごしたらいいのか...。
他にも、聞きたい事はやまほどあるが色々と私も頭の整理が追いつかないので...。」
お父さんは不安そうにドラしゃんに話していた。
『勿論です。色んな事が一気に降りかったのですから無理もありません。
焦る必要はありません。
私は、御一家と一緒に居ますから何時でも何でもお答えしますし対応もします。』
ドラしゃんはお父さんを落ち着かせるように話しをしているなか私とお兄ちゃんはそんな2人の足元に行った。
「「ねぇー。おへやみたい。」」
私達の声に、お父さんとドラしゃんは下を向きそれぞれに笑顔を向けてくれた。
どうやら2人はお話を一旦中断してくれたようだった。
私達4人は再度2階を見回した。
改めて見ても素敵な空間だった。
階段を上がってすぐに大きな扉の付いた部屋があり、その右隣には小さめの扉の付いた部屋があった。
その横は壁沿いに等間隔に円形の窪みがあり
窪みの上にはふわふわの花柄のカーテンがそれぞれに付いていた。どうやら窓の様だ。
その奥にはソファーや植物やらがあり背中側はガラス張りになっており外に出られる様にもなっていた。
その横はガラス張りの部屋があった。
そしてその横にまた小さな扉の付いた部屋が2つと大きな扉が1つ。
ドラしゃんは順番に部屋の説明をしてくれた。
まず階段を上がってすぐの大きな扉の部屋で扉は淡いオレンジ色をしていて、扉には♡型のプレートが掛かってプレートにはユウダイ・ユイカと書かれている。
どうやらお父さんとお母さんのお部屋の様で
それを見たお父さんのお顔は真っ赤っかに。
そんなお父さんを放置してドラしゃんは扉を開ける。
扉はアレだけど中は以前の家と同じ内装で床にはフカフカの絨毯が敷かれていて、いつもお父さんとお母さんが一緒に寝ていた大きなベッドが部屋の中央にあった。
ベッドの向かいにはお母さんの使っていた化粧棚もちゃんと置かれているしクローゼットまでそのままなので部屋の内装を見てお父さんは嬉しそうだった。
そんなお父さんを置いて私とお兄ちゃんとドラしゃんは次の部屋へ向う。
次の部屋は小さな扉でかなり思考を凝らされた造りになっていたのは...気にしないでおこう。
小さな扉には綺麗な彫刻が施されていて扉にするのは勿体無い感じで、その扉の上の方にはこの世界に来る前に会った鳥さんが彫られていた。
鳥さんの足元にはプレートが付いていて私とお兄ちゃんの名前が。
そして扉の下にはドラゴン姿のドラしゃんが彫られている。
私とお兄ちゃんは大喜びしドラしゃんの足にそれぞれがしがみついた。
「ありあとう。ドラしゃん!」
「ありがとう。ドラしゃん!
カッコいいよ!」
私達の言葉にドラしゃんも嬉しそうでドラしゃんに部屋の扉を開けてもらった。
そこには以前のお部屋より遥かに豪華な仕様になっていたのには驚いた。
お部屋の真ん中には木彫りの大きなドラゴン姿のドラしゃんが丸くなっているのだ。
ドラしゃんの中心にふかふかのお布団があり
布団には鳥さんが刺繍されていた。
枕は2つ。それは以前のものだ。
多分それが私達の新しいベッドなんだと悟った。
ドラしゃんの周りにはカラフルな卵のクッションが幾つも置いてあっり、以前の家にあった私の大好きなぬいぐるみたちも置かれていた。
そして壁に沿って低めの木の棚が2つ。
1つはお兄ちゃんのおもちゃが入っていて、もう1つは..私達の絵本が。
私達はドラしゃんの顔を見た。
ドラしゃんはどうぞっと言ってくれたので私とお兄ちゃんは手を繋いで部屋の中に入ってゆっくりと歩き散策する。
床はお父さん達の部屋のものよりふかふかの絨毯が敷かれていてまるで綿菓子のよう。
あまりの感触に私とお兄ちゃんは思わず床に寝転がった。
予想以上にふかふかのふわふわのためしばらく床の上をゴロゴロしふわふわ加減を満喫。
ゴロゴロした後は木のドラしゃんの所に向かう。
「ドラしゃん、カックイイね。」
私は木のドラしゃんのお顔に自分の顔を付けてお兄ちゃんに話しかけるとお兄ちゃんも私と同じようにドラしゃんのお顔に自分の顔を付けていた。
「うん。カッコいいね。」
そんな私達の様子を扉の所でドラしゃんは見守っていて顔は変わらず笑顔だったがどうやら私達の姿にドラしゃんなりに悶えてたらしい。
(大きくなって、ドラしゃんが教えくれた。)
木のドラしゃんにしばらく頬ずりしているとお父さんがようやくやってきた。
そして私達の部屋を見てお父さんはまた驚いていた。
多分...今日1番の驚きではないだろうか。
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