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第一章 運命のはじまりと新たな出会い
1-5 異世界での初めてのご飯は
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鳴り続ける私のお腹の音にせっつかれながらなんとか1階まで降りて行くと目の前に壁が立ちはだかっていた。
初めての事で階段はイメージできたが出口まではイメージができていなかったので壁が立ちはだかることになったのだ。
慌てふためくお父さんの後ろでドラしゃんは冷静に対処してくれた。
『落ち着いて下さい旦那様。はい。出口です。』
ドラしゃんがそう呟くと壁が消えて目の前にお母さんが。
「きゃつ!ビックリさせないでよ!」
お母さんの驚く声にお父さんはなぜか冷静さを取り戻していた。
「もうご飯の用意できたわよ。早く席について。」
そう私達に告げるとお母さんは沢山の料理の並んだテーブルへと向かっていく。
それに連なる様にお父さんとドラしゃんは私とお兄ちゃんを連れて向かう。
(いやぁ~、お母さん逞しいね。もっとなんか言ってもいいのに...。)
それぞれテーブルに着くと自然といつもの席に座って行く。
私とお兄ちゃんは専用の椅子に座らしてもらうと当然といわんばかりに私の両隣はお兄ちゃんとドラしゃんだ。
テーブルの上にはなんのお祝いだよ!って言うぐらい豪華な料理で溢れてた。
鳥や牛や豚肉をステーキ風に焼いたものが大皿に乗せられてテーブルの中心に鎮座していた。
それを取り囲む様にポテトサラダ、大根サラダ、コンソメスープ、フルーツポンチ、ご飯にパン。
厚焼き卵、ウインナー、ロールキャベツ等。
「母さん?この量多くないかい?」
お父さんは皆んなを代表してお母さんに尋ねてくれた。
「やっぱり?」
お母さんは言われるだろうとわかっていた様子でテヘッと舌を少し出して苦笑いしていた。
(可愛い♡)
私を含めてその場に居る家族はお母さんのそんな仕草に顔を緩め、お母さんは胸の前で小さく両人差し指をツンツンと合わせなが話しだす。
「あのね?新しい家のキッチン凄く便利なのよね。しかも食材もたっくさん用意してくれていたからつい張り切っちゃった。」
そんな仕草をされながら可愛く言われたら誰も怒れない。
食材には罪はないし皆んなお腹も空いているのでご飯を食べる事にした。
お父さんとお母さんは私の横に居るドラしゃんに声を掛けた。
「「ドラしゃんも勿論食べますよね?」」
見事にハモった両親の言葉にドラしゃんはいつもの笑顔で勿論ですと答えていた。
ドラしゃんはどうやら私達の世界の料理に興味津々だった。
どうやらパン1つでもこちらの物とは違うらしい。
私とお兄ちゃんのはそれぞれ食べやすい様に調理されて専用の食器に盛り付けられていたのでそれを食べはじめた。
ドラしゃんはお母さんに料理の説明を聞きながら自分の取り皿に料理を盛り付けていった。
「お口に合えばいいのだけど...。」
お母さんは不安そうにドラしゃんの様子を見ていた。
ドラしゃんはお母さんの得意料理の1つの厚焼き卵を選んでいた。
お母さんの作る厚焼き卵は凄くふわふわなので口の中に入れたらとろけてしまう。
ドラしゃんは器用にお箸を使って厚焼き卵を食べると...
『コレは!』
ドラしゃんは凄く驚いていた。
『今まで食べた事のない食感ですね。
凄く美味しいです。舌触りも悪くないどころかあっというまに消えました。卵料理にこの様なものがあったとは知りませんでした。』
あまりにも絶賛するのでお母さんはものすごく照れていた。
私もお母さんの卵料理は大好きなので嬉しかった。
私も、母さんの厚焼き卵を口にした。
凄く美味しい!!
「おいしちぃーね。」
ドラしゃんに笑顔で言うとドラしゃんも笑顔で答えてくれた。
この世界での初めての食事は大満足の結果で終えた。
ドラしゃんは食べる度に料理を絶賛してお母さんを悶絶させていた。
それだけ私達の世界の料理とこの世界の料理には違いがあったようだ。
料理を皆んなで談話しながら食べていった。
お母さんが料理している間に2階を見に行ったこと。
部屋の事や魔力の使い方についてとか。
お父さんから話を聞いてお母さんは2階を見に行く事が楽しみになっていた。
お母さんには私の2階での出来事は伏せた。
心配をさせないためだった。
ドラしゃんも理解しており何も言わなかった。
皆んなで夕食を食べ終えて片付けをした。
ドラしゃんも手伝うと言ったがお母さんがやんわり断り私達と一緒に食後のお茶を飲むことになった。
そのお茶は私達の世界のお茶で私はミルクを飲んだ。
全ての洗い物を終えてお母さんが戻ってきてきた。
その頃には私とお兄ちゃんはドラしゃんな出してくれた絵本に夢中になっていた。
落ち着いたところを見計らってドラしゃんが話出した。
『落ち着きましたので森での話の続きをしましょうか。』
そうだった。
話はまだ途中だったのだった。
『まず皆様は【異世界人】という立場になります。
この世界でも数十年から数百年に数名存在しますがやはり"稀なケース"です。
この世界の異世界人は基本何十人者の魔法使いが召喚して呼び出します。』
そのドラしゃんの言葉にお父さんとお母さんはピンと来ていた。
「「勇者や聖女召喚っていうやつですね!」」
2人は元々オタクなのでそういった類のゲームや漫画を知っているので飲み込みは早い。
『ええ。そうです。しかし、大概そういうケースは1人又は2人しか召喚されません。
皆様みたいに4人は前例がございませんし、召喚されたわけではございません。
特例処置にてこちらの世界で生活をし直して貰うのです。
その為召喚された異世界人とは違って何の後ろ盾もありませので昔存在していた貴族の末裔で亡命中の元貴族となっております。
その方が多少世間知らずでもどうにはなるかと思います。
あと使命とかは特にございません。
約2名を除いては...。』
そう言うと隣で絵本を夢中になって読んでいる私達の方を見た。
お父さん達もドラしゃんに続いて私達を見たが絵本に夢中で気づかなかった。
お父さん達は不安そうにドラしゃんに質問した。
それが現実であって欲しくはなかった。
「「もしかして、リンとアキラが...。」」
ドラしゃんは、頷いた。
『お二人ともステータスの出し方は覚えてますか?』
ドラしゃんの話に頷いて、ステータス画面を出した。
『お子様の所を触れて下さい。
大丈夫です。
ステータス画面は、開いた本人のみ触る事が可能です。』
お父さんとお母さんはドラしゃんのいう通りに画面を触った。
ステータス画面を触ったら私達の名前が出てきた。
「リンとアキラの名前が出ました。」
お父さんとお母さんはドラしゃんに伝えた。
『そしたら旦那様は坊っちゃまの方を。
奥様はお嬢様の名前を触って下さい。』
ドラしゃんの指示通りにそれぞれが、私達の名前を触った。
するととんでもないステータス画面が出てきた。
お父さんの方のステータス画面には、
名前:アキラ 年齢:5歳
性別:男 種族:人間(神に選ばれし者)
家族:父、母、妹
HP:45000/45000 MP:40000/40000
魔法属性:風、土、雷
スキル:リンの騎士、探究者、魔法騎士、
×××、×××
お母さんのステータス画面には、
名前:リン 年齢:3歳
性別:女
家族:父、母、兄
HP:∞/∞ MP:∞/∞
魔法属性:火、水、風、土、雷、氷、闇
光、時空、毒、無、×××
スキル:生物に愛され者、創生(錬金術)、
神の子・使者、特別テイマー、魅了、×××
と出ていた。
お父さんと、お母さんは画面を見て固まっていた。
『言っておきますが、嘘ではありまん。
元々、お二人は特別です。
特にお嬢様は、こちらの世界でもずば抜けて能力値は高いです。
以前の世界で過ごしていたら偉業を成し遂げれいたそうです。
そしてその能力は今のこの世界でなくてはならないものです。
神様から特別に加護や能力を与えられていると言っても異例なケースです。』
お父さんとお母さんは画面から顔を上げてドラしゃんを見た。
そこには真剣な顔をしたドラしゃんがいた。
『もしこの事が心ない者達に知れたらお2人は狙われてしまいます。
勿論、そうならない様に私も全力を尽くします。
その為にはご両親であるお2人には御苦労お掛けするハメになるかと思いますが...。』
ドラしゃんが話を言い切る前に
「苦労なんて!」
「私達の子供の事よ。私がお腹を痛めて産んだ子供達よ。
私達が守らなくて誰が守るのよ。」
「そうだ。子供達が元気に問題なく過ごしてくれるならなんでもする。」
お父さんとお母さんはドラしゃんに宣言したのだった。
その言葉にドラしゃんは嬉しそうに微笑んだ。
『勿論、おふたりも規格外の能力をお持ちです。
お嬢様達が大きくなるまでご両親であるお二人にはみっちり魔力操作や魔法の使い方この世界の事を学んで頂きます。』
ドラしゃんの誠心誠意のある言葉にホッとした顔になりつつも新たに気を引き締めた2人だった。
私とお兄ちゃんは自分達の話をされているにも関わらずドラしゃんが出してくれた絵本に夢中になっていた。
『それでは今日はここまでにしましょう。』
意外なドラしゃんの言葉にお父さん達は驚いていた。
お父さん達はそのまま力の使い方を教わるつもりでいたのだった。
『気持ちはわかりますが本日は色んな出来事が一気にありました。
それに、日もかなりくれてます。
身体をまず休める事をお勧めします。』
ドラしゃんの言葉にハッとした両親。
窓の外を見るとすでに真っ暗になっていた。
部屋の中が明るいので気づかなかった。
確かに今日は色々あった。
リンの誕生日祝いの為に朝から動物園に行き閉園まで過ごした。
その帰りには事故にあい一度死んで、
神様に会ってまた新しい命を貰った。
そして、この世界に来た。
改めて思うと一気に体にどっと疲れが2人をおそった。
『2階に御風呂があります。
本日は、ゆっくり皆様で御風呂に浸かって体の疲れを癒やして下さい。
先に私が上に行き御風呂の準備をしておきますので後ほど皆様で上がって来て下さい。』
そうドラしゃんが話を終えるとゆっくり立ち上がり2階へと向かって行った。
ドラしゃんを見送ったお父さん達はお茶の片付けをした。
片付けを終えたらまだ夢中で絵本を読んでいる私達に声をかけお父さんはお兄ちゃんをお母さんは私を抱えてあの壁の所まで行った。
「じゃぁーいくぞ。」
お父さんは私達の顔を見つめた。
私達が頷くとお父さんは壁の凸に手を翳した。
壁は消えて階段が見えた。
「凄いわ!」
驚くお母さん。
「もっとすごいの。」
私はお母さんに笑顔で話しかけた。
私の言葉にワクワク顔になったお母さんは私を再度抱き直して階段を登り出した。
そんなお母さんの後ろからお兄ちゃんを抱いたお父さんが登ってきた。
今回の階段は登る度に壁紙が変わった。
最初はチューリップ。次にガーベラ。
向日葵にマリーゴールド、紫陽花、朝顔、パンジーに百合。
階段を一段登る度にかわるのだった。
灯りは淡い白のまんまだった。
「あれ?さっきとちがうね。」
私の声にお父さんとお兄ちゃんも賛同した。
「何が違うの?」
お母さんは階段発体験のため最初の階段は知らないのだ。
そんなお母さんに後ろからお兄ちゃんが答えた。
「さっきは、灯りが色んな色になったんだ。」
お兄ちゃんの言葉にお母さんは面白いわねって喜んでいた。
「今度のお家は福袋みたいね。」
「福袋?」
お母さんの言葉に私、お兄ちゃん、お父さんは首をかしげた。
「福袋って袋によって中身が違うじゃない。
しかも、毎回何が入ってるかお楽しみでしょ?」
あーなるほどっと私達3人は納得した。
お母さんは、基本前向きな性格なのだ。
どんな逆境でもプラス思考に考えるので、私達家族はどんな困難にも負けじと来れたのだった。
「大丈夫よ。家族皆んなで力を合わせたらなんとかなるわ。
せっかく、もう一度人生を歩めるのよ。
お得だわ。
しかも、魔法とか使えるのよ。
そんなのゲームや漫画の世界の話だったのよ。楽しみだわ!」
お母さんは凄く嬉しそうに話していた。
「そうだな。家族皆んなで力を合わせたらなんとかなるな。
お母さんがいると心強いよ。
お母さんも、アキラも魔法使い好きだもんなぁー。」
そうなんです。
お父さんもお母さんも、オタクなのだ。
子供の頃から、アニメや漫画、ゲームが好きで大人になってもそれは変わらなかった。
お父さんとお母さんが出会ったのもあるゲームのオフ会っていうのに参加してだった。
そんな両親の影響を受けて私もお兄ちゃんもアニメやゲームが大好き。
特に魔法使いの出るアニメが大好きで良くお兄ちゃんと見ていた。
「大丈夫よ。何があっても私達が守るから。」
お母さんは私を見つめてた。
「もちろん僕も守るよ。大事な家族だ。」
お父さんも私達を見つめてた。
私とお兄ちゃんはそんな両親の子供に産まれてなんて幸せ者なんだろう。
私とお兄ちゃんはお父さんとお母さんに
「「わたち、ぼくも、まもるゅよ。まもるよ。」」
って伝えた。
お父さんとお母さんは笑顔で私達に頬擦りしてきた。
なんやかんやで楽しみながら階段を登って行くと今度はちゃんと出口があった。
初めての事で階段はイメージできたが出口まではイメージができていなかったので壁が立ちはだかることになったのだ。
慌てふためくお父さんの後ろでドラしゃんは冷静に対処してくれた。
『落ち着いて下さい旦那様。はい。出口です。』
ドラしゃんがそう呟くと壁が消えて目の前にお母さんが。
「きゃつ!ビックリさせないでよ!」
お母さんの驚く声にお父さんはなぜか冷静さを取り戻していた。
「もうご飯の用意できたわよ。早く席について。」
そう私達に告げるとお母さんは沢山の料理の並んだテーブルへと向かっていく。
それに連なる様にお父さんとドラしゃんは私とお兄ちゃんを連れて向かう。
(いやぁ~、お母さん逞しいね。もっとなんか言ってもいいのに...。)
それぞれテーブルに着くと自然といつもの席に座って行く。
私とお兄ちゃんは専用の椅子に座らしてもらうと当然といわんばかりに私の両隣はお兄ちゃんとドラしゃんだ。
テーブルの上にはなんのお祝いだよ!って言うぐらい豪華な料理で溢れてた。
鳥や牛や豚肉をステーキ風に焼いたものが大皿に乗せられてテーブルの中心に鎮座していた。
それを取り囲む様にポテトサラダ、大根サラダ、コンソメスープ、フルーツポンチ、ご飯にパン。
厚焼き卵、ウインナー、ロールキャベツ等。
「母さん?この量多くないかい?」
お父さんは皆んなを代表してお母さんに尋ねてくれた。
「やっぱり?」
お母さんは言われるだろうとわかっていた様子でテヘッと舌を少し出して苦笑いしていた。
(可愛い♡)
私を含めてその場に居る家族はお母さんのそんな仕草に顔を緩め、お母さんは胸の前で小さく両人差し指をツンツンと合わせなが話しだす。
「あのね?新しい家のキッチン凄く便利なのよね。しかも食材もたっくさん用意してくれていたからつい張り切っちゃった。」
そんな仕草をされながら可愛く言われたら誰も怒れない。
食材には罪はないし皆んなお腹も空いているのでご飯を食べる事にした。
お父さんとお母さんは私の横に居るドラしゃんに声を掛けた。
「「ドラしゃんも勿論食べますよね?」」
見事にハモった両親の言葉にドラしゃんはいつもの笑顔で勿論ですと答えていた。
ドラしゃんはどうやら私達の世界の料理に興味津々だった。
どうやらパン1つでもこちらの物とは違うらしい。
私とお兄ちゃんのはそれぞれ食べやすい様に調理されて専用の食器に盛り付けられていたのでそれを食べはじめた。
ドラしゃんはお母さんに料理の説明を聞きながら自分の取り皿に料理を盛り付けていった。
「お口に合えばいいのだけど...。」
お母さんは不安そうにドラしゃんの様子を見ていた。
ドラしゃんはお母さんの得意料理の1つの厚焼き卵を選んでいた。
お母さんの作る厚焼き卵は凄くふわふわなので口の中に入れたらとろけてしまう。
ドラしゃんは器用にお箸を使って厚焼き卵を食べると...
『コレは!』
ドラしゃんは凄く驚いていた。
『今まで食べた事のない食感ですね。
凄く美味しいです。舌触りも悪くないどころかあっというまに消えました。卵料理にこの様なものがあったとは知りませんでした。』
あまりにも絶賛するのでお母さんはものすごく照れていた。
私もお母さんの卵料理は大好きなので嬉しかった。
私も、母さんの厚焼き卵を口にした。
凄く美味しい!!
「おいしちぃーね。」
ドラしゃんに笑顔で言うとドラしゃんも笑顔で答えてくれた。
この世界での初めての食事は大満足の結果で終えた。
ドラしゃんは食べる度に料理を絶賛してお母さんを悶絶させていた。
それだけ私達の世界の料理とこの世界の料理には違いがあったようだ。
料理を皆んなで談話しながら食べていった。
お母さんが料理している間に2階を見に行ったこと。
部屋の事や魔力の使い方についてとか。
お父さんから話を聞いてお母さんは2階を見に行く事が楽しみになっていた。
お母さんには私の2階での出来事は伏せた。
心配をさせないためだった。
ドラしゃんも理解しており何も言わなかった。
皆んなで夕食を食べ終えて片付けをした。
ドラしゃんも手伝うと言ったがお母さんがやんわり断り私達と一緒に食後のお茶を飲むことになった。
そのお茶は私達の世界のお茶で私はミルクを飲んだ。
全ての洗い物を終えてお母さんが戻ってきてきた。
その頃には私とお兄ちゃんはドラしゃんな出してくれた絵本に夢中になっていた。
落ち着いたところを見計らってドラしゃんが話出した。
『落ち着きましたので森での話の続きをしましょうか。』
そうだった。
話はまだ途中だったのだった。
『まず皆様は【異世界人】という立場になります。
この世界でも数十年から数百年に数名存在しますがやはり"稀なケース"です。
この世界の異世界人は基本何十人者の魔法使いが召喚して呼び出します。』
そのドラしゃんの言葉にお父さんとお母さんはピンと来ていた。
「「勇者や聖女召喚っていうやつですね!」」
2人は元々オタクなのでそういった類のゲームや漫画を知っているので飲み込みは早い。
『ええ。そうです。しかし、大概そういうケースは1人又は2人しか召喚されません。
皆様みたいに4人は前例がございませんし、召喚されたわけではございません。
特例処置にてこちらの世界で生活をし直して貰うのです。
その為召喚された異世界人とは違って何の後ろ盾もありませので昔存在していた貴族の末裔で亡命中の元貴族となっております。
その方が多少世間知らずでもどうにはなるかと思います。
あと使命とかは特にございません。
約2名を除いては...。』
そう言うと隣で絵本を夢中になって読んでいる私達の方を見た。
お父さん達もドラしゃんに続いて私達を見たが絵本に夢中で気づかなかった。
お父さん達は不安そうにドラしゃんに質問した。
それが現実であって欲しくはなかった。
「「もしかして、リンとアキラが...。」」
ドラしゃんは、頷いた。
『お二人ともステータスの出し方は覚えてますか?』
ドラしゃんの話に頷いて、ステータス画面を出した。
『お子様の所を触れて下さい。
大丈夫です。
ステータス画面は、開いた本人のみ触る事が可能です。』
お父さんとお母さんはドラしゃんのいう通りに画面を触った。
ステータス画面を触ったら私達の名前が出てきた。
「リンとアキラの名前が出ました。」
お父さんとお母さんはドラしゃんに伝えた。
『そしたら旦那様は坊っちゃまの方を。
奥様はお嬢様の名前を触って下さい。』
ドラしゃんの指示通りにそれぞれが、私達の名前を触った。
するととんでもないステータス画面が出てきた。
お父さんの方のステータス画面には、
名前:アキラ 年齢:5歳
性別:男 種族:人間(神に選ばれし者)
家族:父、母、妹
HP:45000/45000 MP:40000/40000
魔法属性:風、土、雷
スキル:リンの騎士、探究者、魔法騎士、
×××、×××
お母さんのステータス画面には、
名前:リン 年齢:3歳
性別:女
家族:父、母、兄
HP:∞/∞ MP:∞/∞
魔法属性:火、水、風、土、雷、氷、闇
光、時空、毒、無、×××
スキル:生物に愛され者、創生(錬金術)、
神の子・使者、特別テイマー、魅了、×××
と出ていた。
お父さんと、お母さんは画面を見て固まっていた。
『言っておきますが、嘘ではありまん。
元々、お二人は特別です。
特にお嬢様は、こちらの世界でもずば抜けて能力値は高いです。
以前の世界で過ごしていたら偉業を成し遂げれいたそうです。
そしてその能力は今のこの世界でなくてはならないものです。
神様から特別に加護や能力を与えられていると言っても異例なケースです。』
お父さんとお母さんは画面から顔を上げてドラしゃんを見た。
そこには真剣な顔をしたドラしゃんがいた。
『もしこの事が心ない者達に知れたらお2人は狙われてしまいます。
勿論、そうならない様に私も全力を尽くします。
その為にはご両親であるお2人には御苦労お掛けするハメになるかと思いますが...。』
ドラしゃんが話を言い切る前に
「苦労なんて!」
「私達の子供の事よ。私がお腹を痛めて産んだ子供達よ。
私達が守らなくて誰が守るのよ。」
「そうだ。子供達が元気に問題なく過ごしてくれるならなんでもする。」
お父さんとお母さんはドラしゃんに宣言したのだった。
その言葉にドラしゃんは嬉しそうに微笑んだ。
『勿論、おふたりも規格外の能力をお持ちです。
お嬢様達が大きくなるまでご両親であるお二人にはみっちり魔力操作や魔法の使い方この世界の事を学んで頂きます。』
ドラしゃんの誠心誠意のある言葉にホッとした顔になりつつも新たに気を引き締めた2人だった。
私とお兄ちゃんは自分達の話をされているにも関わらずドラしゃんが出してくれた絵本に夢中になっていた。
『それでは今日はここまでにしましょう。』
意外なドラしゃんの言葉にお父さん達は驚いていた。
お父さん達はそのまま力の使い方を教わるつもりでいたのだった。
『気持ちはわかりますが本日は色んな出来事が一気にありました。
それに、日もかなりくれてます。
身体をまず休める事をお勧めします。』
ドラしゃんの言葉にハッとした両親。
窓の外を見るとすでに真っ暗になっていた。
部屋の中が明るいので気づかなかった。
確かに今日は色々あった。
リンの誕生日祝いの為に朝から動物園に行き閉園まで過ごした。
その帰りには事故にあい一度死んで、
神様に会ってまた新しい命を貰った。
そして、この世界に来た。
改めて思うと一気に体にどっと疲れが2人をおそった。
『2階に御風呂があります。
本日は、ゆっくり皆様で御風呂に浸かって体の疲れを癒やして下さい。
先に私が上に行き御風呂の準備をしておきますので後ほど皆様で上がって来て下さい。』
そうドラしゃんが話を終えるとゆっくり立ち上がり2階へと向かって行った。
ドラしゃんを見送ったお父さん達はお茶の片付けをした。
片付けを終えたらまだ夢中で絵本を読んでいる私達に声をかけお父さんはお兄ちゃんをお母さんは私を抱えてあの壁の所まで行った。
「じゃぁーいくぞ。」
お父さんは私達の顔を見つめた。
私達が頷くとお父さんは壁の凸に手を翳した。
壁は消えて階段が見えた。
「凄いわ!」
驚くお母さん。
「もっとすごいの。」
私はお母さんに笑顔で話しかけた。
私の言葉にワクワク顔になったお母さんは私を再度抱き直して階段を登り出した。
そんなお母さんの後ろからお兄ちゃんを抱いたお父さんが登ってきた。
今回の階段は登る度に壁紙が変わった。
最初はチューリップ。次にガーベラ。
向日葵にマリーゴールド、紫陽花、朝顔、パンジーに百合。
階段を一段登る度にかわるのだった。
灯りは淡い白のまんまだった。
「あれ?さっきとちがうね。」
私の声にお父さんとお兄ちゃんも賛同した。
「何が違うの?」
お母さんは階段発体験のため最初の階段は知らないのだ。
そんなお母さんに後ろからお兄ちゃんが答えた。
「さっきは、灯りが色んな色になったんだ。」
お兄ちゃんの言葉にお母さんは面白いわねって喜んでいた。
「今度のお家は福袋みたいね。」
「福袋?」
お母さんの言葉に私、お兄ちゃん、お父さんは首をかしげた。
「福袋って袋によって中身が違うじゃない。
しかも、毎回何が入ってるかお楽しみでしょ?」
あーなるほどっと私達3人は納得した。
お母さんは、基本前向きな性格なのだ。
どんな逆境でもプラス思考に考えるので、私達家族はどんな困難にも負けじと来れたのだった。
「大丈夫よ。家族皆んなで力を合わせたらなんとかなるわ。
せっかく、もう一度人生を歩めるのよ。
お得だわ。
しかも、魔法とか使えるのよ。
そんなのゲームや漫画の世界の話だったのよ。楽しみだわ!」
お母さんは凄く嬉しそうに話していた。
「そうだな。家族皆んなで力を合わせたらなんとかなるな。
お母さんがいると心強いよ。
お母さんも、アキラも魔法使い好きだもんなぁー。」
そうなんです。
お父さんもお母さんも、オタクなのだ。
子供の頃から、アニメや漫画、ゲームが好きで大人になってもそれは変わらなかった。
お父さんとお母さんが出会ったのもあるゲームのオフ会っていうのに参加してだった。
そんな両親の影響を受けて私もお兄ちゃんもアニメやゲームが大好き。
特に魔法使いの出るアニメが大好きで良くお兄ちゃんと見ていた。
「大丈夫よ。何があっても私達が守るから。」
お母さんは私を見つめてた。
「もちろん僕も守るよ。大事な家族だ。」
お父さんも私達を見つめてた。
私とお兄ちゃんはそんな両親の子供に産まれてなんて幸せ者なんだろう。
私とお兄ちゃんはお父さんとお母さんに
「「わたち、ぼくも、まもるゅよ。まもるよ。」」
って伝えた。
お父さんとお母さんは笑顔で私達に頬擦りしてきた。
なんやかんやで楽しみながら階段を登って行くと今度はちゃんと出口があった。
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異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
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