異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第一章 運命のはじまりと新たな出会い

1-10 新しい家造り

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 ドラしゃんとムキじぃーちゃんの会話に思わず反応してしまったお父さんとお母さんは無意識下で声をあげていた。

自分達の存在がまさか忘れられてるとは思わなかったみたいで、中々返事をくれない事にお父さん達は焦りを見せる。

ドラしゃんとムキじぃーちゃんは不安そうに見つめるお父さん達の視線にハッと意識を戻す。

「やっぱり駄目なのか?」

ふたたびお父さん達はドラしゃんとムキじぃーちゃんに少し自信なさげに声をかける。
私とお兄ちゃんもドラしゃんとムキじぃーちゃんにダメなの?って質問してみた。

まさか私とお兄ちゃんまで問いかけてくるとは思ってもみなかったのだろう、ドラしゃんとムキじぃーちゃんは慌てて私達の問いかけに返答してくれた。

「いや、構わないぞ。だけどよ...」

『はい。構いませんよ。しかし...大丈夫ですか?増築するにしても改築をするにしても魔法を使って行いますよ?』

2人はとても心配そうな表情を浮かべて私達を見つめる。
この世界は魔法を使って物を作ったりするのでそこの所を気にかけてくれていたのだ。

前の世界みたいに大工さんなどの専門の職人さんが来て、トントンカンカンするものではない。

(まぁ~後になってドラしゃん達からこの世界にも大工さんみたいな職人がいるだと聞いたけどね。ただ、この世界の大工さんは特別なスキルを持った人の事を言うんだって。
 そして宮殿、神殿などの耐久性が必要な建物を建てるのが主な仕事なんだって。
スキルを持った人が作った建物はスキルのない人が作った建物より耐久性が数倍~数十倍も違うんだって。
凄いよねぇ~。
 だったら家もそうなのでは?と思うでしょう?
なんとこの世界での家の概念が私達の家の概念と違っていたのよ。異世界ってだけあるよね。)

お父さんは仕事が建築関係の仕事をしていたから多少の知識や経験はある。
あるといってもこの世界とは違っているからどこまで役にたつのかは分からない。
それに、元々工作等が好きで家の棚や椅子も自分で材料を購入して作っていた人だ。

お母さんも手芸やアクセサリー作りが得意でお父さんが作った棚に飾り付けをしたりしていた。あとは...簡単な食器類は手作りしていた気がするね。

そんなこともあるからだろうね、家を改築するなどの話を聞いて食いついちゃったの。

ドラしゃんとムキじぃーちゃんの話で一瞬悩んだお父さん達だかこれまた引かない。

「大丈夫です。たぶん...。イメージが大事なんですよね。」

「なら、なんとかなると思います。何か特別な事しますか?」

お父さん達の言葉にムキじぃーちゃんとドラしゃんはお互いの顔を見合わせ目配せをしている。

数分?いや、数秒だろうね。確認終えてお父さん達に向き直り

「まぁ~イメージが大事なだけだから特にコレと言って特別な事はないなぁー。
まぁ~、俺とコイツとで補強をすればなんとかなるだろうなぁードラしゃん。」

『まぁ~、練習も必要ですしいいでしょう。この際ですから増築と改装の両方しましょう。その方が何かと楽ですから。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんが改めてお父さん達に提案し直してくれた。

お父さんとお母さんはこの世界に来て一番って言っていいだろう、とても嬉しそうに飛び跳ねていた。
私とお兄ちゃんも喜んだ。
こうして皆で協力してお家を新しくする事に。

(といっても、私とお兄ちゃんは見るだけだけどね。)

ドラしゃんとムキじぃーちゃんは、私とお兄ちゃんを降ろして机の前に移動した。
今の家をどのように改造するかを話し合う。

話し合いの結果...皆の意見を纏めると以下のようになったのだった。

一つ、2階建の構造や内容はそのままにして横に広く同じ建物を2つ造り渡り廊下で繋ぐ感じにする。
(上から見たら凹の型になる感じになってた。)
一つ、どちらの建物からでも中に入れるようにする。あと、非常口は造る。
一つ、2つの家の玄関の壁の端と端を木の壁で覆うようにする。
これは外から家の中が見えないようにするための対策の一つだそうだ。
(凹←へこんだ部分の頭部分に木の壁を作ってたよ)
一つ、中庭を作くる。
(凹←へこんだ部分が中庭ね)
一つ、すでに建っている建物はそのままの構造で。
一つ、1階はキッチンの所から2階は私達子供部屋の近くから渡り廊下を繋ぐ。
一つ、1階の渡り廊下の裏手側に御風呂場を移動さす。
一つ、新しいく増築する家の1階の部分は工房兼作業場にして2階はムキじぃーちゃんの部屋を。
一つ、地下を広げる。
 ドラしゃんの部屋はそのままにして貯蔵庫、訓練場を追加する。

以上が決まったことだ。

外観はこの世界に合わせたものにするが、内装は日本風の内装となった。
細かい部分は建てながら手直ししていく事に。

(今を思えば、すごい豪邸だよと思ったが後々この家が...。おっと、コレは後々の楽しみに取っておきましょうか。)

お父さんはムキじぃーちゃんに建築に必要な魔法の使い方を聞きながら家の増築と改造を一緒に作業する事になったようで、これまた嬉しそうな表情を浮かべる。

お母さんはドラしゃんと一緒に細々としたもの補強、飾り、内装、家具の作成をする事になった。
お母さん向きでホッとした表情を浮かべている。

私とお兄ちゃんは、 というと...お腹が一杯になったらする事は一つ!お昼寝タイムに突入よ!

ドラしゃんお手製のモフモフ簡易ベッドに仲良くお昼寝です。
周りにはムキじぃーちゃんとドラしゃんの協力(強力)結界を張っておりアリの子1匹も入れないようになっていた。

私達が眠っている間に作業開始!!

 まず、ドラしゃんが今の家の壁の一部を消した。もうそれは、綺麗に。
元からそこに何もなかったかのように...。
そこに、ムキじぃーちゃんが御手本を見せる為に両手をかざし

「ロジック」

と唱えると、渡り廊下と新しい家の枠組みを作り出したのだ。土と水の混合魔法だ。

 ムキじぃーちゃんが言うには、どんな魔法でも魔法を使う前に頭の中でイメージすることが重要で、その方が魔力が練り易く効果も上がるとお父さん達に実践しながら教える。

あと、作った物に強度をつけるには【建築の匠】と【耐震・耐性】のスキルがいることも教えた。
 魔力が強ければある程度の強度の強い建物が作れるから心配はいらないらしい。

お父さんとお母さんはムキじぃーちゃんの話を聞きながら何かを考えていた。
ドラしゃんは2人の姿をみて一瞬嫌な予感がしたのだが...。
(こんな時の嫌な予感って当たるのよね。)

ムキじぃーちゃんは一通り説明をするとお父さんとお母さんに実際やってみるように伝え、ドラしゃんもその言葉に賛同する。

『不足部分は私どもが直ぐに補いますので、まずは思うようにやってみて下さい。』

ドラしゃんの言葉を聞いて最初に行動したのはお父さんから。
お父さんはムキじぃーちゃんが作り出した渡り廊下と新しい家の枠組みに肉付けしていくことにしたみたいで
 
「イメージが大事だ。自分が住みたい家、住みたかった家でもいい。
しっかりイメージするだ。
イメージが固まったら魔力を練り出して"ロジッタ"って唱えるだ。」

ムキじぃーちゃんはお父さんにそう伝えると後は静かに見守ったのだった。

お父さんはムキじぃーちゃんの言葉を聞いて静かに目を閉じる。
お父さんは頭の中である建物をイメージしいく。
その建物はこの世界の外観にも違和感なく溶け込めるものを選び、イメージがしっかり固め自分の中の魔力を練り出した。

「ロジッタ!」

お父さんが目を開いて呪文を唱えるとムキじぃーちゃんが作った枠組みを青緑色の光が包んだ。

この状況を見てムキじぃーちゃんとドラしゃんは驚く。
特にドラしゃんはやっぱりと言った感じの顔をしてね。

お父さんはゆっくり手を下ろすとそれに合わせるかのうように包んでいた光もゆっくりと建物に吸収され消えていく。
そしてそこには予想以上の建物が完成していたのだった。

消えた壁も新しく作り替えられており、渡り廊下も家も造られていた。
元の外観を生かし旧校舎風の雰囲気を醸し出した木造の建物が姿を現す。
しかも、後から造る予定だった御風呂場の外装も造られていたのは予想外。

姿を表した建物をみてお父さんとお母さんは大喜び。
お父さんの魔法は大成功したのだからね。

ムキじぃーちゃんがドラしゃんに声を掛ける。

「おい、アレ大丈夫なのか?魔法は初めてなんだろう?おかしくないか?」

ムキじぃーちゃんは転生者なのでこの世界の住人より多少規格外の能力は持ち合わせているのだが...それにある程度の規格外の事は、自分もしてきたから驚きはしないがコレは別次元のことだったようだ。

『えぇ~。今日初級魔法を1回使っただけです。神様の助力である程度の能力は与えてありますが、ここ迄とは思っていなかった。
親の力がコレですからお嬢様と坊っちゃまはそれ以上の力をお待ちです。
コレは今後厄介ですね。
貴方も気を引き締め貰わないと困りますからね。』

ドラしゃんの話を聞いてムキじぃーちゃんは天を仰ぐ。
ドラしゃんも同じ気持ちだ。

そんな2人にお父さんは嬉しそうに声を掛ける。

「見て下さい!出来ました!」

あまりにも嬉しそうにしているお父さん達にドラしゃんもムキじぃーちゃんも駄目とは言えず、それぞれ良くやったと褒めたのだった。

今度はお母さんが細かい部分と内装、食器等を造る事になった。

お母さんの御手本に今度はドラしゃんが先に魔法を使って木の壁を作ってみた。
お父さんとお母さんから聞いた話でイメージを膨らませて

「ガーデナン」

と呪文を唱えた。これは土と光の混合魔法。
すると、家と家の間に約20㌢幅の木の壁ができていた。
低い木を母体にし色んな種類の草花が絡み合って、どこか洋風の雰囲気を醸し出した壁が現れる。

(バベの木の壁をイメージして造るはずが、モミの木サイズの木の壁になってたのには驚いたってお母さんがいってた。)

低い木と言っても高さは約2m強あった。
低いとはなんだ?ってつ込みを入れたいのだが、ドラしゃん的には十分低いとの事であえてそのままにした。

(ドラしゃん的には私達の姿を外から見えない様にしたかったとの事だ。)

『植物そのものを生かした物を造る時は、"ガーデナン"。
植物を模したものを造る時は、"ガーディナ"です。イメージをしっかり固めて使って下さい。』

ドラしゃんはお母さんに分かりやすく伝えるとお母さんはそれなら大丈夫!って言って
お父さんが完成させた家に向かって魔法を使う。

「ガーディナ」

お母さんが唱えると、黄色い光が家を包み消えていった。
光が消えたら、外壁、屋根の一部に蔦模様の彫刻がされていく。
中庭に向かって面した窓や扉の上に花柄の布製の屋根が付けられていった。

ドラしゃんとムキじぃーちゃんはどこか遠くを見る目をした。

新しい家の外装はあっという間に完成した。
あとは...内装と細々とした家具を造ることになったので、一度4人は家の中に戻ることにした。

家の中にはドラしゃんお手製のモフモフ簡易ベッドで私とお兄ちゃんはまだスヤスヤと眠っていた。
4人は私達の寝顔をしばらく堪能してから残りの作業にとりかかる。

今度は4人で協力してして作成していく。
ドラしゃんとムキじぃーちゃんが土台となる木材や素材を用意し、それをお父さんは机や棚類といった家具類に、お母さんが食器やカーテン等の小物類をつくっていく。

そして、2人が作ったものをドラしゃんとムキじぃーちゃんが確認を取りながら配置して行くという流れつくりどんどんと作業を進めていく。

作業を開始してどれくらい経っただろうか。
あと残すは、御風呂場のみとなった時だった。
お父さんとお母さんが急に魔法がつかえなくなったのだ。

その様子を見てムキじぃーちゃんがお父さん達に魔力が切れかかっていることを教えた。

「魔法が発動しねぇーのは、魔力が切れかかってる証拠だ。魔力が切れかかったら本能で魔法を発動させなくするんだ。
無理をすると命を落としかねんぞ。
自分の魔力の限界を覚えとくのは大事だ。
慣れたら自然とわかって来るさ。今は、ゆっくり休め。」

(そりゃそうですよ。
初めて、魔法を覚えて使ったのですから。)

ムキじぃーちゃんの言葉を聞きお父さんとお母さんは御風呂場の内装作業は断念する。

ドラしゃんはムキじぃーちゃんにお父さん達を私達の元に連れて行って休ませるように伝え、御風呂場を仕上げていった。

そして、家の最終仕上げの補強を行おうとしたが...、ある事に気付いた。

『コレは、...やれやれ、神もえらい事をしてくれましたよ。
コレは、御一家全てが国宝級になりかねないですね。予想以上に苦労しそうです。
一度相談しないとですね。』

ドラしゃんは誰かに聴こえるように呟く。


ドラしゃんが御風呂場を仕上げている間にムキじぃーちゃんはお父さん達を連れて私達の元に戻ってきた。
まだ、私達が寝ていたので内装を造り替えたリビングでお茶をしながら過ごす。

お茶をしながらムキじぃーちゃんは簡単にこの世界の事と自分がこの世界に来るきっかけをお父さん達に話出した。

今のこの世界はあらかた落ち着いているが、ムキじぃーちゃんが来た時はどこの国も荒れすさんでいたという。
治安も悪く、おちおち子供1人にして外で遊ばす事も出来ないくらいだと話す。

種族同士の争いや凶暴化した魔物が絶えず、国が幾つか滅んだ。
このままでは、この世界ごと滅んでしまうと感じた神様がこの世界を救うために、異世界から人を連れて来てどうにかして貰おとした。
そして、呼ばれた1人がムキじぃーちゃんだのだ。

ムキじぃーちゃんは、日本で10歳の頃に家に押し入った強盗に殺されたと淡々と語る。
そして、魂となった自分をこの世界の神様が拾ってくれて、この世界の住人として生まれ変わらしてくれたと。
 
しかも、以前の記憶を持ったままで、神の加護も与えられてお父さん達と同じで魔力属性は複数持ちだというのだから驚きだ。
 
転生先は、この世界で冒険者をしていたユウーサとムキファーの息子としだった。ムキじぃーちゃんは、5歳で冒険者になった。

(当時として異例だったが、神様が色々したらしくすんなりなれたんだって。)

両親とパーティーを組み、色んな国に行って争い事を止めて行った。
あと、魔物も何体も倒した。
旅の道中に自分以外にこの世界に来た転生者や転移者とも出会った。

その中の、1人の転生者がその当時の"イザコザ"の元を絶ったのだった。
そして、種族間のイザコザも少しずつ落ち着いてきてホッとしていたのだが...世の中はそう上手くない。

その後すぐぐらいだった。この世界で大きな戦争が起きた。その時にムキじぃーちゃんは両親を亡くした。

その後は、他の種族の人達と協力して生活してきたのだった。
親を亡くした後も冒険者は続け、色んな人とパーティーを組んだ。
その中にはドワーフやエルフ、虎人族なんかもいたのだという。
あと、ドラしゃんとも数回パーティーを組んだ事があったと笑いながら話す。

今は種族間の争いはなく、場所によっては国同士が争いをしている所があるのだが、以前ほどではない。

それより、一度減った魔物が年々増え、凶暴化しているのが悩みだとムキじぃーちゃんは語る。

それなら何故、冒険者を引退したのかとお父さんが尋ねると、両親の死後一緒にパーティーを組んでいたメンバーもそれぞれいい歳が来たので、パーティーを解散したそうだ。

1人で冒険者するより残りの人生をのんびり過ごす事にしたのだとムキじぃーちゃんは答えた。

「ワシでなくても、腕の立つ冒険者はおる。まぁ~隠居してからも昔のよしみで、魔物退治を時々は受けておるけど昔のようにはいかんわ。」

ムキじぃーちゃんが少し寂しそうに語る。
お父さん達は、どうムキじぃーちゃんに声をかけようか悩んでいた。
すると、先程とは打って変わって嬉しそうな声でムキじぃーちゃんは話し出す。

「それでもよ、ワシにはまた仲間を家族を持つ機会を与えられた。
こんな老ぼれでもまだあんたらの役に立つならワシは最期まで力をだすわ。」

そう照れ臭そうに言うとコップに残っていたお茶を一気に飲み干した。

ムキじぃーちゃんがお茶を飲み干した頃に、御風呂場を完成させたドラしゃんが戻ってきた。

「早いじゃないかぁー。手抜きしてないだろうなぁー?」

ムキじぃーちゃんは揶揄うようにドラしゃんに話しかけたが、ドラしゃんは

『私がそんな事するわけがない。旦那様、奥様、少しはゆっくりできましたか?』

ムキじぃーちゃんの言葉を適当にあしらい、お父さん達の様子を確認した。

お父さん達はムキじぃーちゃんの話を聞きながらゆっくりした甲斐もあり、疲れがだいぶとれていた。

「あー、だいぶ楽になりました。
ドラしゃんすみません。最後まで手伝えなくて。」

お父さんは申し訳なさそうにドラしゃんに謝ると、それに続いてお母さんもドラしゃんに頭をさげたのだが

『お二人とも、頭をあげて下さい。初めて魔法を使ったのですから無理もありません。
それに予想以上の出来ですよ。
本来ならもう少しかかるかと思ってましたが、ほんの数時間で完成したのですから。お疲れ様でした。』

ドラしゃんは素直な感想を述べてお父さん達を労った。

そんな、3人のやり取りを眺めていたムキじぃーちゃんは背後で動く私達の気配を感じ取った。

「やっと起きたかい。よく寝たなぁー。こんだけねりゃ~、夜はねれんだろう。
まぁー、寝る子は育つって言うぐらいだから丁度いいかぁ。」

豪快に言いながら昼寝から目覚めた私達の元にやってくるムキじぃーちゃん。

私とお兄ちゃんは、ドラしゃんお手製のフカフカベッドから抜け出していると、側に来ていたムキじぃーちゃんに抱き抱えられた。

「いい夢は見れたか?」

ムキじぃーちゃんは私とお兄ちゃんに笑顔で話しかけて来た。

私とお兄ちゃんは半分寝ぼけながら

「鳥さんにあって、お空飛んだの」

「鳥さん、またくるからよろしくってゆってたよ。」

と話すとムキじぃーちゃんとドラしゃんは、ゲッという顔を一瞬したような??

ムキじぃーちゃんは、私とお兄ちゃんをお父さん達の所まで連れて行って、私をお母さんにお兄ちゃんをお父さんに渡すと、家の不備がないか再度確認してくると言って奥に消えて行く。

消えた2人を見送るかたちとなったお母さんは私をお父さんに預けて、新しくなったキッチンに向かう。

2人が帰ってきたら直ぐ食べれるようにと夕飯の準備をするとお母さんがいうので、それなら皆んなで準備をしようとお父さんが提案をした。

私とお兄ちゃんも頑張るといってお父さんと一緒にお母さんのいるキッチンに向かった。

私とお兄ちゃんをお母さん達に預けた後、家の奥に消えたムキじぃーちゃんとドラしゃんは御風呂場の前に来ていた。

「あの夢の鳥の話、どう思う?」

ムキじぃーちゃんが最初に口を開くと

『そのままの意味でしょうね』

ドラしゃんはなんとなく今後起こる展開が読めていた様子。

『まぁ~今晩は、ゆっくり寝る事はできないと思って間違い無いでしょうね。』

ドラしゃんの台詞にムキじぃーちゃんはやっぱりかぁ~と呟き苦笑いを浮かべる。

「所でよ、気付いたか?」

『勿論ですよ。まさかここ迄とは思いもしませんでした。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんは真剣な顔付きになり話だす。

「ステータスの確認はしたのか?」

ムキじぃーちゃんはドラしゃんにそれとなく尋ねる。

『えぇー。貴方が荷物を取りに行っている間にしてますよ。』

「その時スキルは?確認したんだろう?」

ムキじぃーちゃんは何か嫌な予感を抱きながらドラしゃんに確認する。

『えぇ、勿論。しかし、あの時点ではあの項目はありませんでしたよ。
ですから私も驚いています。』

ドラしゃんの返事にムキじぃーちゃんは、マジかぁ~と何度目か分からない溜息をついたのだった。

そんなムキじぃーちゃんにドラしゃんは恐ろしい事を言い出す。

『もしかしたら、彼等はとんでもない一家かも知れません。
神の加護がありますから能力値が高いのは貴方もご存知の通りですが、私達が思うより桁外れなのだと思います。』

ドラしゃんの言葉にムキじぃーちゃんは完全にノックアウトしかけた。

『考えたくもありませんが、そうとしか思えないですよ。知識の吸収率は勿論の事、魔力の使い方、魔法の精度も桁外れです。
何よりスキルの修得率もだと思いますよ。
 でないと可笑しいですよ。私達が指導したと言ってもこれ程の家は簡単には作れません。しかも、スキル持ち以上の強度と耐性、そして何よりあの初期魔法でここ迄精密な物は作り出せません。』

「だろうなぁー。アイツは何を考えてるだろうか?絶対ワシ達貧乏クジ引かされたぞ。」

2人は、再度深い溜息を互いにつくしかなかった。

(なんと、この家はこの世界にいるスキル持ちの大工さんでも作る事が不可能な、家だった。
もはや、国宝級レベル以上なんだとか。
流石に、そんな物が田舎の外れにあるのはまずいので、ドラしゃんはカモフラージュをするのが大変だったと後に私達に苦笑いを浮かべながら語ってくれたのだった。)

「一度しっかり奴にきかねぇとだなぁ。」

『ええー勿論です。そして、後日改めてステータスの確認をしないとですね。
これは、色々と予定が大幅に狂いそうです。』

「まぁ~ワシも手伝うから。」

ドラしゃんとムキじぃーちゃんは、気を取り直して私達の待つリビングに戻って行ったのだった。






























 










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