異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

文字の大きさ
34 / 219
第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-12 国王陛下に初めの連絡?!

しおりを挟む
 頑丈な家をとんでもない揺れが襲ったのだが、揺れの原因がわかって問題が一つ解決したが新たな問題が発生してしまった。

今回の問題はさすがにドラしゃん達だけではらちがあかないらしい。
そこである人物に連絡を取る事になったのだがそれが誰なのかは私達一家は知らない。

(神様はすでに知ってるから連絡しなかったんだって。)

ドラしゃんはここに居てもどうにもならないと言うので一旦家に戻る事に。
育ってる野菜は...とりあえずそのままにして...。

家に戻って皆でリビングの椅子に座り一息つく...と言う名の現実逃避の時間に突入する。
ラミィお兄ちゃん以外の人は何故か一気に疲れた感が増しているような...。

そんな中でも私とお兄ちゃんのお腹の虫は素直に鳴く。
私とお兄ちゃんのお腹の虫に反応してお父さんとお母さんはキッチンに向かい急いでお昼ご飯の準備を開始する。

私はドラしゃんの腕の中でご飯が来るのをまつ。
お兄ちゃんはドラしゃんとムキじぃーちゃんの間に座って同じくご飯をまつ。

興奮して夢の世界中のラミィお兄ちゃんを放置してドラしゃん、ムキじぃーちゃん、ロドじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ドムじぃーちゃん、モッケしゃんで、今後どうするかを再確認するために話し合いを始めた。

「これからどするんだい?」

ルミばぁーちゃんはドラしゃんに声をかけるが変わらず渋い顔。
それもそのはず。誰も予想だにしなかった展開が起きたのだから。
色々と段取りが狂ってしまったのだろう。
しかしアレをそのまま放置もできない。

ドラしゃんは意を決して苦渋の選択をする。

『仕方がない。アイツに連絡するしかないだろうなぁー...。』

ドラしゃんはげんなりした感じで言葉を絞り出すとルミばぁーちゃん達は"やっぱりかぁー"と言いたげな表情をする。

ドラしゃんがそこまで嫌がる人って誰なんだろう?私とお兄ちゃんが考えていたらムキじぃーちゃんがドラしゃんに声をかける。

「お前...もしかして今までアイツに連絡してなかったのか?嘘だろう?!」

ムキじぃーちゃんは信じられないモノを見る目でドラしゃんを見つめる。
でもその反応はムキじぃーちゃんだけではなかった。

ロドじぃーちゃんやルミばぁーちゃん達もギョッとした表情でドラしゃんを見つめているので同じ感情なのだろう。

私とお兄ちゃんがドラしゃんを見るとドラしゃんは嫌々ながら頷く。

それを見てムキじぃーちゃんは頭を抱えだす。

「オイィ~。それは不味いだろう...。仮にもアイツはこの国の"国王"だぞ?普通コイツらが、この世界に来た時点で知らせるだろうがぁ~。」

ムキじぃーちゃんの口からとんでもない言葉(フレーズ)が聞こえたような???
それにはキッチンで昼ご飯の準備をしているお母さん達も思わず作業の手を止めてしまうぐらいだから、聞き間違いとかではないようす。

「えっ?ムキ、ムキじぃーちゃん?
へっ?こ、こ、こ、...。」

お父さんはなぜか鶏に。
それを見てモッケしゃんが代わりに答える。

「それコッコ(鶏のこと)やないですかぁ~。国王様ですよって。この国にはおるんですわ。ちなみに国王様は皆さんと同じ転生者でっせ。
 この国に来て前国王様の娘はんの危険を救ったかぁーなんかでお婿はんになったやでぇ~。」

国王様という存在がいることに驚いているのにさらにその国王様が転生者って...。
何に驚いたらいいのか分からなくなる。

お父さんとお母さんはもう考えるのを諦めてご飯を作る事に専念するのを選んだよう。
(現実逃避って奴ですよ。)

モッケしゃんの言葉に私はドラしゃんの服を引っ張って尋ねた。

「こくおうしゃまにあえるの?どんなひと?」

私が尋ねるとドラしゃんは溜息をついてから私の質問に答えてくれた。

『"アイツ"は確かに転生者です。分類的にはモッケロンに近いです。
"国王としては"いい仕事をするので問題はないですが...人としてとなるとこれはまた別問題です。
"アイツ"が国王になってから荒れていた国内情勢も一気に安泰しだし、さらに種族間の争いも無くなりましたからね。
そこは評価できる部分です。
 問題は...アイツ"個人"の性格が"クソ"なんです。できれば私は一生会いたくないですね。
あっ!お嬢様はこんな下品な言葉は覚えなくて大丈夫ですからね。』

ドラしゃんは笑顔で話してくれたがその内容は濃かった。

ドラしゃんの言葉にムキじぃーちゃん達はうんうんと頷き納得しているようす。
えっ?これってこの国の国王様の話なんだよね??
私とお兄ちゃんが不思議そうにしていると

「確かに"国王としては"優秀なんだよなぁー。でもよぉー...。」

「そうだね。"国王としてなら"私も許せるんだよ。しかし...。」

「剣の腕もいいし"国王として"の仕事振りは確かに文句のつけ何処がないんだがなぁー。でもよぉー...。」

「俺もアイツの"国王としては"頭があがらねぇーなぁー。しかしよ...。」

「「「「個人の性格がなぁー...。」」」」

皆して同じ事を言うのだから気になって仕方がない。
国王様としては優秀。でも個人としては...な人ってどんなの??

私とお兄ちゃんはますますその国王様に会ってみたくなった。
キッチンで昼ごはん作っているお父さん達も私とお兄ちゃんと同じ意見だったみたい。

「えっ?大丈夫なんだろうか?」

「だって国王様としては優秀なんだから...大丈夫なんじゃないの?」

と言う会話が聞こえてきたからね。
お父さん達の会話もちゃんと聞きながらルミばぁーちゃん達は話をすすめる。

「アンタが連絡取りたがらないのもわかるがこればっかりは無理だよ。
この一家が来た事も伝えないといけないしね。」

ルミばぁーちゃんはドラしゃんを説得しだす。

「そうだぞ。今後の手続きとかも有利になるし諦めて連絡しちまえよ。」

ムキじぃーちゃんがそう言うとロドじぃーちゃんもドムじぃーちゃんも頷く。

しかしドラしゃんはとても嫌そうな表情を崩さない。
ドラしゃんは再度大きい溜息をついて私の前で左手を出して何かをしだす。

ドラしゃんは急に左手に魔力を練りだしたかと思ったらそれは段々と小さなドラゴンの姿になってくるではないか。
ドラゴンの姿に完全になると外に向かって飛んで行った。

とても小さく可愛いドラゴン。
私はドラしゃんに"アレは何?"と尋ねると

『あれは私の魔力を込めて作り上げだ伝言を運ぶものです。あれには私からの伝言を練り込んでありますので、伝言相手の元へ飛んで行って託した伝言を伝えてくれます。
そのため形状をドラゴンにしてあります。
まぁ...伝言を聞いて相手がどうするかは分かりませんが...きっとアイツの事だからここへ来るでしょう。』

前半は私へ。後半はムキじぃーちゃん達へ向けて話すドラしゃん。
それを聞いてルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんはある事に気づく。

「フレア!しまったよ。私とした事が忘れてたよ。アイツが来るならアレがないと不味いじゃないかい!」

「そうだ!飯食ったらアレを造るぞ!」

「「商業、冒険者ギルドだよ!を!」」

ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんは同じタイミングでドラしゃんに訴える。

めちゃくちゃ息のあった2人の言葉にあーといった感じの表情を浮かべるドラしゃん。

商業ギルドと冒険者ギルドは村や街の窓口的な役割を担っているとムキじぃーちゃんがこそっと教えてくれた。
日本で言うと市役所や職業斡旋所に近い役割をしているらしい。

国の重役等を迎えるにあたってギルドがないと不味いのだとルミばぁーちゃん達は言う。
が、いつくるかも分からないのにどうするんだろう?

ドラしゃんは"別にいいのでは?"と言うし、ルミばぁーちゃん達は"いくらなんでもそれはまずい!"と一喝するわで、昼から急遽ギルドを作る事にした。

昼からの予定も決まった頃お父さんとお母さんが作った昼ご飯が運ばれてきた。

ムキじぃーちゃんやドムじぃーちゃんもお父さん達の手伝いをして配膳を行う。

「今日の昼ご飯は3種の焼肉にしてみました。」

お母さんは説明しながらお肉の乗ったお皿を皆んなの前に置いていく。
そこには、鳥、牛、豚の3種類の肉がタレ焼きと塩焼きでそれぞれ用意されている。

私とお兄ちゃんはコレが密かに大好き。
ドラしゃん達は初めて見るためお母さんに詳しく材料を聞いていた。

『コレは何の肉を使用しているのですか?そして肉にかかっているのは何ですか?凄くいい匂いがしますね。』

それはドラしゃん以外の人も思っていたらしくお母さんの説明を待っている。

お母さんは一つ一つ説明していく。

「これは私達の世界の食材を利用してます。鶏の肉にこっちが豚の肉。これは牛の肉を使用してます。リンとアキラの好物でもあるんです。
 かかってるのは"焼肉のタレ"って言うものです。いつもは市販のものって言ってもわかりませんよね?
お店で売っている物を使ってるんですがそれがないから私のお手製です。
 ベースは擦った林檎と蜂蜜にニンニクと味噌など色々混ぜてつくってます。
 お口に合えばいいんですが食べてみて下さい。」

お母さんが説明し終わる頃には皆んなの前にはあつあつのご飯もお汁も全て揃っていていつでも食べれる状態に。

お父さんもお母さんも席につき皆で昼ご飯を食べる。

「では、頂きます。」

お父さんがご飯の前の挨拶をすると皆後に続いて挨拶をしてご飯を食べていく。













しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu
ファンタジー
聖女召喚に巻き込まれた普通のオバさんが無能なスキルと判断され追放されるが国から貰ったお金と隠されたスキルでお店を開き気ままにのんびりお気楽生活をしていくお話。 なるべく1日1話進めていたのですが仕事で不規則な時間になったり投稿も不規則になり週1や月1になるかもしれません。 不定期投稿になりますが宜しくお願いします🙇 感想、ご指摘もありがとうございます。 なるべく修正など対応していきたいと思っていますが皆様の広い心でスルーして頂きたくお願い致します。 読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。 お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

処理中です...