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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜
2-13 緊急増設?!商業and冒険者ギルド
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お母さん達の作った3種の焼肉は思ってた以上に大盛況であっという間にお皿が空に。
一応いつもより多く作っていて山盛りになっていたはずなのにもうからだ。
余分に作ってあった分も残らず皆の胃袋に一瞬にして消えていった。
お腹も一杯になった私とお兄ちゃんは恒例のお昼寝タイムに突入し、いつものようにドラしゃんお手製の簡易ベッドでお昼寝する。
そのため今回お父さんとお母さんは家にお留守番し、ドラしゃん達だけでギルド作成に行く事になったが...。
私達の側からてこでも動こうとしない人物がひとり...。
それは言わずと知れたドラしゃんだ。
お昼寝する私達の側に座って動こうとしない。ムキじぃーちゃんが押しても引いても動かない。
ロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの3人が協力して動かそうとしてもぴくりともしない。
「無駄な体力使うんじゃないよ!まったく!もうこいつは置いて行くわよ!」
ルミばぁーちゃんの一言で仕方がなくドラしゃんを置いて行くとに。
その代わりにお父さんが手伝いに行く事になったのだが...お父さんは意外にもやる気まんまん。
ドラしゃんは満面の笑顔でお父さんを含めた一行を見送くる。
(お母さんが言うにはルミばぁーちゃんが相当キレてたけどドラしゃんの粘り勝ちだったって。)
ブチブチキレているルミばぁーちゃんを先頭にギルドを建設する予定の場所に向かって歩いて行く一行。
「あのクソドラゴンがぁ!いつかあの鱗全部ムシってやるよ!
誰のせいでこんな面倒臭い事になってると思ってんだい!!!」
ルミばぁーちゃんはかなりご立腹のようで、他の人たちはまぁーまぁーと言いながらルミばぁーちゃんを宥める。
ムキじぃーちゃんにいたっては"今に始まったことじゃーねのに。"などと呟くしまつ。
お父さんは本当に大丈夫なんだろうかと不安になり、地味にキリキリ痛む胃を押さえながら後を歩いていく。
「おい今更だろ。アイツがあーなのは。いい加減お前も諦めろよ。」
とうとうロドじぃーちゃんが声をあげてルミばぁーちゃんを説得にかかるが..."納得がいかないんだよ!"と逆に火に油を注ぐかたちになりロドじぃーちゃんはルミばぁーちゃんに脛を蹴られる。
ルミばぁーちゃんはロドじぃーちゃんを蹴って少しはスッキリしたのか言葉数が減ってきた。
お父さんは横を歩くロドじぃーちゃんに質問してみた。
「あの~、ギルドって大体は村や街の奥または中心に建っているものでないんですか?」
お父さんは昔自分がしていたゲームの内容を思い出しながら聞いてみた。
大体ゲームでは町の中心が町の奥まったところにあるのが定番だったはず。
しかし...ルミばぁーちゃんが向かっているのはどう見ても逆のような感じがしたからだ。
ロドじぃーちゃんはお父さんの質問内容に素直に驚く。
「凄いなぁー。お前。本当に異世界から来たのか疑いたくなるなぁ。
結構細けぇー事まで知ってるじゃねーか。
だから今向かってんだよ。この街になる場所の中心によ。」
ロドじぃーちゃんはそう言うと豪快に笑いお父さんの肩を叩く。
お父さんはいまいち状況が掴めない。
どう考えても町の中心というか入り口方面に向かってあるいているからだ。
しかしそんなお父さんの疑問を晴らすかのようにムキじぃーちゃんが補足説明をする。
「ここは今は小さいけどよ、数年後はデカい街になるぞ。下手したら数ヶ月後になるかもな。
そしたら中心はどこになると思う?
お前さんが思うの広さ的だともう少し後方だろう?でも"ちゃんとした街"としての規模だったらもっと前だな。」
ムキじぃーちゃんの言葉にもしかしたらと思いつつもイヤイヤと首を横に振るお父さん。
「そうだ。今ユウダイが思った事が正解だ。丁度"新しい門扉"がある当たりがそうなんだよ。
だからよ。フレアは屋敷に残って敷地内の結界の拡張をしてるんだよ。
でないとギルドが作れねぇーからなぁー。」
最初に作られた門扉は私達の家の数メートル手前に設置してあったのだが...それはそれである。
しかしルミばぁーちゃん達が来て建物を増やしてから実は新しい門扉を密かにドラしゃんは作っていたのだ。
新しく作ったのは門扉だけではなかった。
私達家族を守る結界も少しずつ拡張しより強力なものになっていたし、実は土地も最初の頃より広がっていている。
「お前さん一家の住む家を街の奥にしておく方が色々と安全だからなぁー。その為にお前さん達の家を囲う様にして建物を増やして行ってんだよ。」
ロドじぃーちゃんはお父さんに聞こえるぐらいの音量で呟く。
そしてムキじぃーちゃんの横を歩いているドムじぃーちゃんもお父さんに話しかける。
「今は左側を中心に建物を増やして行っているがきちんと右側も増築して行くからなぁー。
まだまだたりねぇーものばかりだからなここは。」
今でも十分な気がしていたのにまだ建てるものがあるのにお父さんはかなり驚く。
そんなお父さんの気持ちを知ってかドムじぃーちゃんは言葉を続ける。
「まず、街を囲む壁もいるしよ、街の警備棟や見張り台壁もつくらねぇーとなぁー。いくらあのフレアの結界があると言っても普通の人間には意味がないからなぁ。
あとは...家畜小屋とかもいるなぁ。
食料保存庫とかも別に建てた方がいい。」
「その他には民宿や軽食が食べれる店や訓練場もだなぁ。あとは広場みたいなのもあると人は集まりやすいしな。他にも色々建てていくぞ。」
ドムじぃーちゃんとロドじぃーちゃんは楽しそうにお父さんに豪語する。
色んな話をしているうちに目的の場所に近づいて来ていた。
結構歩いた気がして後ろを振り向くと家はいつの間にか見えなくなっていた。
えっ!と焦るお父さんとは裏腹に皆は平然としている。
「何を驚いてるんだ?言ったろう?
ここに街を作るだ。ラミィーの協力を得て森も既に拡張してある。」
「切り取った分は無駄にせずに素材として活用するしさぁー。」
「木々が減ったぶん乾燥地域を改善して植えなおしゃー問題ねぇーよ。」
ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ムキじぃーちゃんはそれぞれお父さんに説明するが...お父さんの頭はすでに容量オーバーに。
補足説明がつき工房を建てた側はあと少しで近隣の村と合併出来るほど拡張してあるというのだからまた驚きだ。
お父さんはスケールの大きい話で頭がショートしそうになっていた。
先に目的地に着いていたルミばぁーちゃんがお父さん達に声をかける。
「遅いよ!ちんたらさなさんな!で。どうすんだい?ギルドは?」
ルミばぁーちゃんの声にお父さん達は小走りで近寄って行き辺りを見渡す。
「どないするも造らんとあきまへんやろ?」
モッケしゃんがルミばぁーちゃんに返事すると睨まれる。
あまりの迫力にモッケしゃんはムキじぃーちゃんの背後に隠れる。
その姿があまりにも不憫でしかない。
「おめぇーもそんなにカリカリしてると皺よるぞ。
どうせよ今後人数が増えていくんだろうからよデカいのをドーンと建てとけばいいだろうよ。そんで中で区切りゃー楽だぜ。」
ロドじぃーちゃんはルミばぁーちゃんの睨みに負けずに平然と答えるが、ちゃんとルミばぁーちゃんからの反撃は受けた。
ロドじぃーちゃんの言葉にお父さんは質問してみた。
「ギルドって商業ギルドと冒険者ギルドですよね?」
その答えにルミばぁーちゃんがロドじぃーちゃんの腹に一発入れながら答える。
「一応そのつもりだよ。なんなら大工ギルドも作るかい?元ギルマスがいるから問題はないだろうよ。」
ルミばぁーちゃんは気持ち自分に対して怯えているお父さんに気付き怒気を抑えて答えてくれたが...怖いものは怖い。
「なら中は3つの区間でわけるか?それとも最初から分けておいて上から覆うか?どうふるぞ?」
ドムじぃーちゃんが案を出すとお父さんが遠慮しながらも提案をする。
「あの...もしよければなんですが、建物の入り口は大きめなのを正面に一つと側面に...左右に一つずつ作るのはどうでしょうか?
あと建物の裏にも出入り口を作るんです。
裏手側の出入り口は緊急時と職員専用にしておくのです。
あと、素材の買取窓口は1箇所に集めたらどうでしょうか?物によったらギルドで被ると思うんです。
それを何箇所も持っていく手間を省けたらと思いまして...。
そして買取窓口の裏手に広めの解体場所を設置すれば良いかと思います。」
お父さんは自分がゲームや漫画で培ってきたオタク知識を総動員しながら次から次へと案を出していく。
「それと同じ要領でなんですが...受付も総合受付と個々の目的に応じた受付を用意して方が便利だと思います。
あと、基本の登録窓口を1箇所に設置して訪れた人の要望を確認するのはどうですか?
要望の内容に応じてそれぞれの窓口に案内するのも、初めて訪れた人には助かるかと思うんです。
あと、ぱっと見は沢山の窓口がある様に見えますが窓口一つ一つに担当を振り分けていますが、内側では大勢の職員で手分けして業務にあたれるように対応して...すればと...思います。
混雑を少しでも避けれるかと...思うんです...はい。」
お父さんは夢中で話をしていたが、いつの間にか自分に視線が集まっているのに気付いてオドオドしだす。
そんなお父さんの提案を聞きルミばぁーちゃん達は普通に驚いていて、真剣にお父さんの話をきいていたのだった。
お父さんの案は斬新で、今までそんな考えをして建てられたギルドがなかったのだ。
同じ建物内でギルドを造ってもそれぞれの窓口、解体場所、買取窓口などを設置して対応している。
そのため混雑やトラブルが日々当たり前でそれが日常化しているため特に改善しようなどという意見すら思い浮かばないぐらい。
ルミばぁーちゃんは最も詳しく話すようにお父さんを促す。
お父さんは地面に石で建物の見取り図を書きながら説明をしていく。
「例えばですよ?これが建物とします。ここをメインの出入り口にします。
こことここに横の出入り口を...で、ここの裏手側にも出入り口をこことここにと...。
で、入ってすぐに総合受付場をつくります。そこにはそれぞれのギルドの受付の人を1名ずつ振り当てます。
そこでは"新規冒険者登録"や"商業者の登録"のみ行う様にします。後は、それ以外の案件で来られた人や困っている人の対応をしてそれぞれの目的にあった窓口に行くように案内するんです。
総合受付の右手側には素材買い取り場と解体場所を設置。
左手側には用途に応じた窓口を設置するんです。
依頼受付場。それも冒険者用と依頼主用と別々にします。
あと...登録更新や変更手続きの窓口。相談窓口やトラブル解決窓口なんかも設置するです。
それぞれの窓口にそれぞれのギルドのスタッフを数名ずつ配置します。
それぞれのギルドの内容に応じた人が窓口で対応します。
1階スペースで足りなければ2階、3階と足していけばと思います。どうでしょうか?」
お父さんは地面に分かりやすく説明した内容を絵に描いていたのだが...それがまた素晴らしい出来栄え。
ルミばぁーちゃんをはじめロドじぃーちゃん、ムキじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんは真剣な表情で終始きいていた。
そしてお父さんの発想に感心していて
「アンタ...コレは凄いよ。こんな考え出来るなんて...。」
ルミばぁーちゃんは驚きのあまりに言葉がなかなか出てこなかったし、それはルミばぁーちゃんだかではなかったみい。
その場にいた全員が同じだったようで、誰もお父さんの提案に反対する人がいなかった。
ここに建てるギルドはお父さんの意見を全て採用して世界初の新しいギルドを建設する事に。
それに合わせて人員がいるためルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃんは、ドラしゃんに至急自分達の元ギルドに連絡する様伝書鳥を飛ばした。
「よし!建てる建物は決まった。さぁー皆んな気合を入れていくよ!
なんとしても今日中に建ててしまうんだよ!」
ルミばぁーちゃんの気合いの一言で作業開始となった。
一応いつもより多く作っていて山盛りになっていたはずなのにもうからだ。
余分に作ってあった分も残らず皆の胃袋に一瞬にして消えていった。
お腹も一杯になった私とお兄ちゃんは恒例のお昼寝タイムに突入し、いつものようにドラしゃんお手製の簡易ベッドでお昼寝する。
そのため今回お父さんとお母さんは家にお留守番し、ドラしゃん達だけでギルド作成に行く事になったが...。
私達の側からてこでも動こうとしない人物がひとり...。
それは言わずと知れたドラしゃんだ。
お昼寝する私達の側に座って動こうとしない。ムキじぃーちゃんが押しても引いても動かない。
ロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの3人が協力して動かそうとしてもぴくりともしない。
「無駄な体力使うんじゃないよ!まったく!もうこいつは置いて行くわよ!」
ルミばぁーちゃんの一言で仕方がなくドラしゃんを置いて行くとに。
その代わりにお父さんが手伝いに行く事になったのだが...お父さんは意外にもやる気まんまん。
ドラしゃんは満面の笑顔でお父さんを含めた一行を見送くる。
(お母さんが言うにはルミばぁーちゃんが相当キレてたけどドラしゃんの粘り勝ちだったって。)
ブチブチキレているルミばぁーちゃんを先頭にギルドを建設する予定の場所に向かって歩いて行く一行。
「あのクソドラゴンがぁ!いつかあの鱗全部ムシってやるよ!
誰のせいでこんな面倒臭い事になってると思ってんだい!!!」
ルミばぁーちゃんはかなりご立腹のようで、他の人たちはまぁーまぁーと言いながらルミばぁーちゃんを宥める。
ムキじぃーちゃんにいたっては"今に始まったことじゃーねのに。"などと呟くしまつ。
お父さんは本当に大丈夫なんだろうかと不安になり、地味にキリキリ痛む胃を押さえながら後を歩いていく。
「おい今更だろ。アイツがあーなのは。いい加減お前も諦めろよ。」
とうとうロドじぃーちゃんが声をあげてルミばぁーちゃんを説得にかかるが..."納得がいかないんだよ!"と逆に火に油を注ぐかたちになりロドじぃーちゃんはルミばぁーちゃんに脛を蹴られる。
ルミばぁーちゃんはロドじぃーちゃんを蹴って少しはスッキリしたのか言葉数が減ってきた。
お父さんは横を歩くロドじぃーちゃんに質問してみた。
「あの~、ギルドって大体は村や街の奥または中心に建っているものでないんですか?」
お父さんは昔自分がしていたゲームの内容を思い出しながら聞いてみた。
大体ゲームでは町の中心が町の奥まったところにあるのが定番だったはず。
しかし...ルミばぁーちゃんが向かっているのはどう見ても逆のような感じがしたからだ。
ロドじぃーちゃんはお父さんの質問内容に素直に驚く。
「凄いなぁー。お前。本当に異世界から来たのか疑いたくなるなぁ。
結構細けぇー事まで知ってるじゃねーか。
だから今向かってんだよ。この街になる場所の中心によ。」
ロドじぃーちゃんはそう言うと豪快に笑いお父さんの肩を叩く。
お父さんはいまいち状況が掴めない。
どう考えても町の中心というか入り口方面に向かってあるいているからだ。
しかしそんなお父さんの疑問を晴らすかのようにムキじぃーちゃんが補足説明をする。
「ここは今は小さいけどよ、数年後はデカい街になるぞ。下手したら数ヶ月後になるかもな。
そしたら中心はどこになると思う?
お前さんが思うの広さ的だともう少し後方だろう?でも"ちゃんとした街"としての規模だったらもっと前だな。」
ムキじぃーちゃんの言葉にもしかしたらと思いつつもイヤイヤと首を横に振るお父さん。
「そうだ。今ユウダイが思った事が正解だ。丁度"新しい門扉"がある当たりがそうなんだよ。
だからよ。フレアは屋敷に残って敷地内の結界の拡張をしてるんだよ。
でないとギルドが作れねぇーからなぁー。」
最初に作られた門扉は私達の家の数メートル手前に設置してあったのだが...それはそれである。
しかしルミばぁーちゃん達が来て建物を増やしてから実は新しい門扉を密かにドラしゃんは作っていたのだ。
新しく作ったのは門扉だけではなかった。
私達家族を守る結界も少しずつ拡張しより強力なものになっていたし、実は土地も最初の頃より広がっていている。
「お前さん一家の住む家を街の奥にしておく方が色々と安全だからなぁー。その為にお前さん達の家を囲う様にして建物を増やして行ってんだよ。」
ロドじぃーちゃんはお父さんに聞こえるぐらいの音量で呟く。
そしてムキじぃーちゃんの横を歩いているドムじぃーちゃんもお父さんに話しかける。
「今は左側を中心に建物を増やして行っているがきちんと右側も増築して行くからなぁー。
まだまだたりねぇーものばかりだからなここは。」
今でも十分な気がしていたのにまだ建てるものがあるのにお父さんはかなり驚く。
そんなお父さんの気持ちを知ってかドムじぃーちゃんは言葉を続ける。
「まず、街を囲む壁もいるしよ、街の警備棟や見張り台壁もつくらねぇーとなぁー。いくらあのフレアの結界があると言っても普通の人間には意味がないからなぁ。
あとは...家畜小屋とかもいるなぁ。
食料保存庫とかも別に建てた方がいい。」
「その他には民宿や軽食が食べれる店や訓練場もだなぁ。あとは広場みたいなのもあると人は集まりやすいしな。他にも色々建てていくぞ。」
ドムじぃーちゃんとロドじぃーちゃんは楽しそうにお父さんに豪語する。
色んな話をしているうちに目的の場所に近づいて来ていた。
結構歩いた気がして後ろを振り向くと家はいつの間にか見えなくなっていた。
えっ!と焦るお父さんとは裏腹に皆は平然としている。
「何を驚いてるんだ?言ったろう?
ここに街を作るだ。ラミィーの協力を得て森も既に拡張してある。」
「切り取った分は無駄にせずに素材として活用するしさぁー。」
「木々が減ったぶん乾燥地域を改善して植えなおしゃー問題ねぇーよ。」
ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ムキじぃーちゃんはそれぞれお父さんに説明するが...お父さんの頭はすでに容量オーバーに。
補足説明がつき工房を建てた側はあと少しで近隣の村と合併出来るほど拡張してあるというのだからまた驚きだ。
お父さんはスケールの大きい話で頭がショートしそうになっていた。
先に目的地に着いていたルミばぁーちゃんがお父さん達に声をかける。
「遅いよ!ちんたらさなさんな!で。どうすんだい?ギルドは?」
ルミばぁーちゃんの声にお父さん達は小走りで近寄って行き辺りを見渡す。
「どないするも造らんとあきまへんやろ?」
モッケしゃんがルミばぁーちゃんに返事すると睨まれる。
あまりの迫力にモッケしゃんはムキじぃーちゃんの背後に隠れる。
その姿があまりにも不憫でしかない。
「おめぇーもそんなにカリカリしてると皺よるぞ。
どうせよ今後人数が増えていくんだろうからよデカいのをドーンと建てとけばいいだろうよ。そんで中で区切りゃー楽だぜ。」
ロドじぃーちゃんはルミばぁーちゃんの睨みに負けずに平然と答えるが、ちゃんとルミばぁーちゃんからの反撃は受けた。
ロドじぃーちゃんの言葉にお父さんは質問してみた。
「ギルドって商業ギルドと冒険者ギルドですよね?」
その答えにルミばぁーちゃんがロドじぃーちゃんの腹に一発入れながら答える。
「一応そのつもりだよ。なんなら大工ギルドも作るかい?元ギルマスがいるから問題はないだろうよ。」
ルミばぁーちゃんは気持ち自分に対して怯えているお父さんに気付き怒気を抑えて答えてくれたが...怖いものは怖い。
「なら中は3つの区間でわけるか?それとも最初から分けておいて上から覆うか?どうふるぞ?」
ドムじぃーちゃんが案を出すとお父さんが遠慮しながらも提案をする。
「あの...もしよければなんですが、建物の入り口は大きめなのを正面に一つと側面に...左右に一つずつ作るのはどうでしょうか?
あと建物の裏にも出入り口を作るんです。
裏手側の出入り口は緊急時と職員専用にしておくのです。
あと、素材の買取窓口は1箇所に集めたらどうでしょうか?物によったらギルドで被ると思うんです。
それを何箇所も持っていく手間を省けたらと思いまして...。
そして買取窓口の裏手に広めの解体場所を設置すれば良いかと思います。」
お父さんは自分がゲームや漫画で培ってきたオタク知識を総動員しながら次から次へと案を出していく。
「それと同じ要領でなんですが...受付も総合受付と個々の目的に応じた受付を用意して方が便利だと思います。
あと、基本の登録窓口を1箇所に設置して訪れた人の要望を確認するのはどうですか?
要望の内容に応じてそれぞれの窓口に案内するのも、初めて訪れた人には助かるかと思うんです。
あと、ぱっと見は沢山の窓口がある様に見えますが窓口一つ一つに担当を振り分けていますが、内側では大勢の職員で手分けして業務にあたれるように対応して...すればと...思います。
混雑を少しでも避けれるかと...思うんです...はい。」
お父さんは夢中で話をしていたが、いつの間にか自分に視線が集まっているのに気付いてオドオドしだす。
そんなお父さんの提案を聞きルミばぁーちゃん達は普通に驚いていて、真剣にお父さんの話をきいていたのだった。
お父さんの案は斬新で、今までそんな考えをして建てられたギルドがなかったのだ。
同じ建物内でギルドを造ってもそれぞれの窓口、解体場所、買取窓口などを設置して対応している。
そのため混雑やトラブルが日々当たり前でそれが日常化しているため特に改善しようなどという意見すら思い浮かばないぐらい。
ルミばぁーちゃんは最も詳しく話すようにお父さんを促す。
お父さんは地面に石で建物の見取り図を書きながら説明をしていく。
「例えばですよ?これが建物とします。ここをメインの出入り口にします。
こことここに横の出入り口を...で、ここの裏手側にも出入り口をこことここにと...。
で、入ってすぐに総合受付場をつくります。そこにはそれぞれのギルドの受付の人を1名ずつ振り当てます。
そこでは"新規冒険者登録"や"商業者の登録"のみ行う様にします。後は、それ以外の案件で来られた人や困っている人の対応をしてそれぞれの目的にあった窓口に行くように案内するんです。
総合受付の右手側には素材買い取り場と解体場所を設置。
左手側には用途に応じた窓口を設置するんです。
依頼受付場。それも冒険者用と依頼主用と別々にします。
あと...登録更新や変更手続きの窓口。相談窓口やトラブル解決窓口なんかも設置するです。
それぞれの窓口にそれぞれのギルドのスタッフを数名ずつ配置します。
それぞれのギルドの内容に応じた人が窓口で対応します。
1階スペースで足りなければ2階、3階と足していけばと思います。どうでしょうか?」
お父さんは地面に分かりやすく説明した内容を絵に描いていたのだが...それがまた素晴らしい出来栄え。
ルミばぁーちゃんをはじめロドじぃーちゃん、ムキじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんは真剣な表情で終始きいていた。
そしてお父さんの発想に感心していて
「アンタ...コレは凄いよ。こんな考え出来るなんて...。」
ルミばぁーちゃんは驚きのあまりに言葉がなかなか出てこなかったし、それはルミばぁーちゃんだかではなかったみい。
その場にいた全員が同じだったようで、誰もお父さんの提案に反対する人がいなかった。
ここに建てるギルドはお父さんの意見を全て採用して世界初の新しいギルドを建設する事に。
それに合わせて人員がいるためルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃんは、ドラしゃんに至急自分達の元ギルドに連絡する様伝書鳥を飛ばした。
「よし!建てる建物は決まった。さぁー皆んな気合を入れていくよ!
なんとしても今日中に建ててしまうんだよ!」
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