異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第三章 発展〜街から小さな国へ〜

3-24食糧問題と新しい大聖霊?!

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 ギルドでの話し合いをした翌日、王様から連絡が街に届いた。
文句を言っていた隣国から、お詫びの連絡が来たという内容だった。

王様から手紙を受け取ったドラしゃんが内容を教えてくれた。
手紙の内容はというと......

〔お前達の元から戻って夕刻に、突然隣国連中より連絡が来た。
今回の非礼を詫びるという内容だ。
そして、これ以上そちらの国に関しては、首を突っ込まないとも記されていた。
 ただ、もし許されるなら...我々の国にも国益となる様なモノを考えて欲しいとの事だ。
 これに関しては、我が国だけが豊かになりすぎては、またいらぬ火種が出るかもしれないのでこちらの判断で了承した。
それぞれの国に、特選的に売り出せるモノを考えて欲しいのだ。
 それを元に、今後の国同士のやり取りをして、潤せたらと思うのだ。協力を頼む。〕

文面を読む限りでは、なんとか戦争は回避でき平和的に解決ができそうな感じ。
神様がどうにかしてくれたのだろう。

ほっと一息ついた。
そして、ドラしゃんはこの前皆で、ギルドで話し合った事についても王様に知らせる。

そして、他の国への品は後々考えるとして、この街が平和でいられる事を祝う事にした。

王様からの伝言は、直ぐに街の人達へと伝えられた。
伝言を聞いた皆はほっとした顔をしていた。

まだまだ、解決しないといけない問題もある様だが、この街でこのまま皆と平和に生活ができることは確定したのでよしとすべきだろう。

後々のことはどうにかなるだろうしね。
そう、誰しもが思ったのだ。

「へいわが1番よね。」

私の言葉に、お兄ちゃんもお父さんもお母さんも。そして、ドラしゃんも笑顔で頷いた。

それからは、普段と変わりない日々が続いた。
唯一変わった事と言えば、モッケしゃんがいついた事だ。

なんと行商人の仕事を引退してこの街に留まることになった。
今まで行商人として活用してきたものを他の若手の行商人に託したのだ。
つまり、自分の管轄ルートを受け渡したのだった。

そして、私達と一緒にこの街で暮らすことを自らの意思で選択したのだ。

本当に良いのかと確認したら、モッケしゃんから嬉しい返事が。

「ワテももう歳ですわ。これからのは、若いのに任せるのに限ります。
 それに、こないな素敵な家を用意してもらって、空き家にするのは罰当たりですわ。大事に住まわせて貰います。
それに、行商人辞めてここで店をしようかと思ってます。
 ロドムカはんにお願いして、ギルド近くに店を構えようかと思ってます。
ですから、安心して下さい。」

モッケしゃんの言葉に、お父さんもお母さんも喜んだ。
そして、ロドじぃーちゃんから依頼を受けてドムじぃーちゃんとお父さんが、モッケしゃん用のお店をマッハで建てて、店の名前はもちろん私とお兄ちゃんで考えた。

"モッケしゃんの何でも屋"
~なんでも引き受けます。家の修繕や物資の調達など。~
そう書かれた看板が店の入り口の軒先に飾られた。

その店には、今までモッケしゃんが行商で買い集めた物も売り出されることに。
これでまた一つ、この街が賑やかになっていった。


 街も少しずつ豊かになり、人も増えてきたのだが...良いことばかりではなかった。なんと?!新たな問題が発生したのだった。

家の菜園だけでは、食料が足りない疑惑が浮上してきたのだ。
菜園のスペースも当初よりは増えたのは増えたのだが....採れる食材も限られている。

しかも、菜園より人の人数の方が多いのだ。
それに、食材に偏りも出て来ている気がする。

そこで、この街名物になりつつある緊急会議が?!!
ギルド会議室にて、大人達が集まって食料問題の話し合いを行う事に。

もちろん私とお兄ちゃん。王子達や他の子供達はお留守番。
しかも、この街で1番安全な我が家でだ。

お留守番は、別に嫌ではないが...ちょっとね。
最近の菜園のお世話は、もっぱらわたしが担当していた。

菜園を作った当初は、お父さんもお母さんが主になって行なっていたが、街が大きくなるにつれて、ギルドでの仕事や工房での仕事が増えてきて、菜園まで手が足りない状況になってきてしまいこのままでは駄目だろうという事態に。

そこで、私と【大聖霊】達で菜園のお世話をすることをかってでたのだが...。
それなのに...。話し合いに参加できないのは、納得いかない。

ムスッとしていると、お兄ちゃんが声をかけて来た。
なぜ私がムスッとしているか、理解しているからだ。

「リン。いい加減、機嫌直しなよ。
仕方がないよ。僕達では、細かい事までむりだよ?」

お兄ちゃんは、なるべく私の機嫌がこれ以上悪くならないように、機嫌を伺いながら話しかけて来たのだ。

「でも、おせわしてるの、リンなのに!」

お兄ちゃんの言っている事はわかるが、やはり納得できなかった。

私が家でむくれている頃、ギルドの会議室で食料問題について話し合いが行われている。

ロドじぃーちゃんを中心にして、話し合いが進んでいた。

「この街の食料問題なんだが、今すぐにどうこう言う程の事ではないんだが、今後ぶち当たる問題だ。
 今の所、ユウダイの菜園から野菜を中心とした食料は提供されている。
あとは、果物もだったな。
それ以外の食料品に関しては、王宮より今の所援助があるが、いつまでもそれに頼ってばかりではいかない。
 そこでだ、この街で全ての食料品を自給自足できないかと考えている。
それについて、皆から意見が貰いたい。」

お肉や保存食系は、定期的に王宮から送られて来ていた。
肉食のラディじぃーちゃん達がいるからだ。

外にも、お兄ちゃん達の剣の練習がてらに、狩等もしに行っているが量が知れていた。

街の住人も増えて来たので、早めに解決しておきたい問題だ。

そこで、お父さんから提案が出た。

「あのう、穀物を栽培できないかと考えてます。私達のいた世界では、"米"や"麦"と言った穀物が主食でした。保存も効きますし、ある程度の量も確保出来るかと思います。」

お父さんの提案に、ムキじぃーちゃんが賛同した。
元々農民の出なので、畑や田んぼ仕事は得意なムキじぃーちゃん。
知識もあるので、手伝ってくれると言ってくれたのだった。

「他には何かないか?」

ロドじぃーちゃんの言葉に、モッケしゃんが挙手した。

「ワテ、行商で色んな所回ってたんは、皆さん知ってはると思いますけど、大概の村や町で家畜を飼ってましたわ。
この街でもどうでっか?と思ってますのや。」

モッケしゃんの言葉に、他の人達も賛同した。
特に、元々外の町や村で住んでたカブさん達からの賛同は凄かった。

「それなら、私らも手伝えます。元々してた事ですし。力になれると思います。」

「しかし、肝心の家畜はどうするよ?」

そうなのだ。この街に、家畜になる生き物がいないのだ。
居るのは、ドラゴンと獣人とエルフとドワーフと人間だ。

せっかく盛り上がっていたのに、沈黙が襲う。


 ギルドで、大人達が話し合いをしている間、家で留守番中の私達。
晩御飯は、お母さんが用意してくれた物を皆で協力して、準備して食べて、お風呂も皆で入った。

我が家のお風呂でなく、大浴場の方で入ったので、皆大喜びだった。

着替えは、それぞれの親が用意してくれていたのを着替えた。

お風呂から出て、1階のプレイスペースにドラしゃんが今日の為に用意してくれた、大きなお布団に潜り込んだ。

初めてのお泊まり会なので、皆テンションが上がっていた。
その頃には、私のご機嫌もだいぶ良くなって来ていた。

アサくんとお兄ちゃんは、いつの間にか大の仲良しになっていた。
もちろん王子達とも仲良しで、ムキじぃーちゃんの訓練場に一緒に通う様になったぐらいだ。

ナナちゃんとナサちゃんは、お母さんの作るアクセサリーに興味を示し、時々工房に手伝いに行っていたのだ。

年上ばかりなんだけど、皆んな最年少の私にも優しくしてくれ、私は皆の妹の位置にいる。

皆でお布団に入って、たわいもない話をしていたら私を呼ぶ声がした。

私は、声のする方へ歩いていく。
誰にも気づかれる事なく...。

声は菜園からしていた。
裏口から外に出ると、雪が降っていた。
そして、私のポケットに入れたままになっていた、石が光ったのだった。

私はポケットから光モノを取り出した。
すると、それに雪が吸い込まれる様に次々と入っていった。

手の中の石が一気に冷たくなった。
もう持っているの無理だ...。

そう思った瞬間だった。
光の石が砕けたのだった。

砕けたと同時に、人影が現れ

『ありがとう。今まで大事にしてくれて。やっと会えたわね。小さな主人殿。
私は、【雪の大聖霊  セルシウス】以後お見知りおきを。』

『初めまして。アナタに会えるのを楽しみにしてたわ。【氷の大聖霊 シヴァ】よ。よろしくね。』

青髪で、青い目をしたお姉さんと、透き通った氷の様なキラキラした長い髪をなびかせた、雪女みたいなお姉さんが現れたのだった。

私は、いつもの様に自己紹介をした。

「リンです。4歳になりました。よろしくおねがいします。」

私の自己紹介に、2人のお姉さんは笑顔で対応してくれた。
すると、私の腕輪が光ると同時に他の【大聖霊】達が私を取り囲むように現れた。

『久しぶりね。セルシウスにシヴァ。元気にしてた?』

『姐さん方!お久しぶりですね♪』

『相変わらず、スタイル良いなぁー♪』

『いい女に磨きがかかっているじゃないか?』

『姐さん!お久しぶりです♪』

『久しぶり...姐さん...』

『初めまして。華の大聖霊 サク・フラワーです。よろしくお願いします。』

それぞの言葉に、2人のお姉さん達はそれぞれの対応をしたのだった。

『ドライアド!お久しぶりね。会えて嬉しいわ。
ノーム。"姐さん"じゃなくて、"お姉さん"っていつも言ってるでしょ?
ウンディーナ、イフリート。後で覚えときな...。
シルフ。少し大きくなったんじゃない?
ミスト。相変わらずね。
まぁ~あなたは、珍しい子ね。こちらこそ宜しくね。』

この瞬間。【大聖霊】達の力関係がわかった様な気がした。

『私達も主人と契約するわ。これからよろしくね。』

『私も。あと、私達がいるからもしかしてら、あの子達も来るかも。
そうなったらよろしくね。』

そう言うと2人は、私の腕輪に入っていったのだった。
さっきまで居た【大聖霊】達もいつの間にか、腕輪の中に戻っていた。

また、私の腕輪がいつの間にか華やかになった。

「??まぁー。いっか。」

腕輪を眺めて、家に入ろうとしたら花園館の近くで何か動く気配を感じた。
感じたが悪意は感じ取れなかったのでこれといって恐怖感は湧かなかった。

私は、気配のする方をじっーーとみつめると。
なんとそこには、見たことある生き物が数匹居た。

私はゆっくり後ろにさがり、家に入りお兄ちゃんを呼びに行った。

「お兄ちゃん!!きて!」

私の声に、お兄ちゃんの他にもその場に居る皆も反応した。

「どうしたんだリン?うわっ!お前めちゃくちゃ手が冷たいじゃないか?!
もしかして外にいたのか?
風邪をひくじゃないか!」

「そんなの、いまいいの。とにかくきて。」

私は、私の手を握ってお説教をするお兄ちゃんを無理矢理引きずって外に連れ出そうとした。

とりあえず、お兄ちゃんも他の人も一緒に外に出た。
アサくん達は、初めてみる私達の菜園に驚いていたが、それどころではなかった。

「お兄ちゃん。あそこみて!」

お兄ちゃんに、こそっとそう言って、ある場所を指差したのだ。

お兄ちゃんは、私の指を刺した場所をじっとーーと見つめた。
アサくん達も一緒に見た。

そこには、動く固まりが。

「あっ!」

「わかった?」

そう。私が指をさした先には、見覚えのある生き物が固まりでいたのだ。
それは、何かと言うと...。

「リン?あれって、牛に豚にニワトリだよね?あと、馬?もいる?」

「あとね、ひつじさんに、やぎさんもいるよ!」

そうなのだ。
花園館の周りにある草むらに、牛、豚、鶏、馬、羊にヤギがそれぞれの4頭ずつ居たのだった。

いつのまに?
そんな疑問はさておき、どうしたものか。

アサくん達も驚いていた。
動物達を怯えさせはいよう静かに驚いていた。

「とりあえず、ドラしゃんよぶ?」

私はお兄ちゃんに確認してみた。

「それしかないよね?」

私達子供だけでは、どうにもならないので、ドラしゃんを呼ぶ事にした。

私は、前にドラしゃんから貰った笛を吹いて見ることにした。
それは、ドラしゃんにしか聞こえない特殊な笛だった。

『もし、何か困ったことがありましたらこれを吹いてください。
他の人には全くきこえませんが、私にはどんなに離れていても聞こえますので、吹いて下さったら、すぐ駆けつけますから。』

そう言われて、もらった笛だ。
これだったら、あの動物達も怯えないだろう。

そう思い私は、笛を吹いたのだった。
でも、念のためにシルフにもお願いして、ギルドへドラしゃんを呼びに行ってもらった。











アキラ:
リン?それ何?

リン:
これ?笛だよ。ドラしゃんがくれたの。
なんか、ドラしゃんにしか聞こえないらしいよ。

アキラ:
へぇー。ムキじぃーちゃんがくれた笛みたいだね。

リン:
お兄ちゃんも貰ったの?

アキラ:
うん。ムキじぃーちゃんからだけど。
これだよ。

リン:
私のと少し違うね。

アキラ:
これは変な音がするだ。
パーティー仲間同士の合図の時につかうらしいよ。

リン:
ヘェ~。
リンのは、ドラしゃんがくるだよ。
ほら。

ドラしゃん:
呼びましたか?

アキラ:
すごい!

ドラしゃん:
これは、アキラ様。何かありましたか?

リン:
うんうん。笛の説明してたの。

ドラしゃん:
なる程^ ^
では、私はこれにて。

アキラ:
なんか、凄い笛だね。

リン:
うん^ ^
あっ!次回もよろしく^ ^
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