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第三章 発展〜街から小さな国へ〜
3-25 家畜確保と家畜小屋はどこに?!
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私がドラしゃんから預かっていた笛を吹いたときのこと。
家の菜園から離れたギルドの会議室では、ドラしゃんが笛の音にしっかり反応していた。
ドラしゃんは、会議の内容を聞きながらも考えていた。
"なぜ今笛が鳴るのか?"
ドラしゃんは疑問だったが、私が笛を吹くから何かあったには間違いがないと確信はあった。
1人そわそわしているドラしゃんに気付いたムキじぃーちゃんは、そっと声をかける。
「おい。どうした?」
ムキじぃーちゃんの問いに、ドラしゃんは小声で返事した。
『お嬢様に渡した笛がなっているのだ。
何かあったら吹く様に言っていたんだが...』
ドラしゃんがせっかく小声で話したのに、ムキじぃーちゃんは思わず大声をあげた。
「なに!!リン達に何かあったのか?!」
ムキじぃーちゃんの声に、会議室に居た全員の視線が一気に集まる。
「あっ...。」
ムキじぃーちゃんは焦ったが無駄だった。時すでに遅し!!"私達に何かあった"と言うムキじぃーちゃんの言葉を聞いて、私の両親もそうだがアサくん達の両親も心配になっていた。
2組の両親は、何があったのか知りたくてムキじぃーちゃんに詰め寄って来た。
どうしようかと悩んでいる所に、私の伝言を持ったシルフがドラしゃんの前に現れる。
『よっ!話し合いの途中すまないね。主人からの伝言を預かってきたぜ。
家の菜園に、動物がたくさんいるから見にきて欲しいってさ。
笛を吹いたが、保険で僕もお使いだよ。
しっかり伝えたからね。』
シルフは、ドラしゃんに言うだけ言って消える。
突然の事に、会議室のメンバーは唖然としてドラしゃんを見ていた。
ドラしゃんは、溜息を吐き立ち上がり
『そう言う事ですので、私はお嬢様達の元へ行ってきます。
何かあれば、伝言を飛ばします。でわ。』
そう言うと、ドラしゃんは会議室から瞬時に姿をけした。
その頃菜園では、とりあえず笛も吹いたし、シルフにもお使いを頼んだので、動物達を離れた場所から見守りながらドラしゃんの到着をまっていた。
風邪をひかないようにと、イフリートが"暖炉の火"と言って保温魔法をかけてくれたのでほどよくぬくぬく状態。
シルフがお使いから戻って直ぐに、ドラしゃんが菜園に現れた。
そして、仲良く固まっている私達に声をかける。
『お嬢様。こんな夜遅くに...風邪をひきますよ?あと、何がありました?』
イフリートがかけてくれた保温魔法の上から、さらにドラしゃん特製の保温魔法をかけてくれたのでぬくぬくを通り越えて暑くなりつつあった。
お陰で様で、サウナに入っている感じになって来たので、上に羽織っていた上着を脱ぎながら説明する。
「あのね。おそとにきたらね、ゆきふって、あたらしい子がきて。きづいたら、あそこにいたの。」
そう言いながら、私は自分の腕輪と動物達がいる所を指す。
ドラしゃんは私の話を聞きながら、更に華やかになった腕輪に目を移し、溜息を吐きつつも、わたしが指をさした方を確認する。
私が指をさした所には、先程まで会議室で話題に上がっていた動物がいた。
それを見て、ドラしゃんは会議室へ伝言ドラゴンを直ぐ様飛ばす。
ドラしゃんが立ち去った会議室では、2組の両親と他のメンバーにムキじぃーちゃんが質問攻めにあっていた。
私達にいったい何が起きたのかと...。
しかし、詳しい事は全く知らないためムキじぃーちゃんは返事を上手く返せずに言葉を濁していた。
バンジキュウス!!そうムキじぃーちゃんが思った時だ。
会議室の窓口をコンコンと叩く音がした。
皆んなの視線は一度そちらの方へ。
窓の外には、伝言ドラゴンの姿が。
ロドじぃーちゃんが窓をすぐに開けると、伝言ドラゴンが中に入ってきて、ドラしゃんからの伝言を伝えだす。
『お嬢様達は、特に問題ない。菜園の奥に私達が望むいいものが"都合よく"現れたので問題は一つ解決した。
明日、ギルドへ連れて行く。今日は解散してくれ。
子供達は夜も遅いのでこちらで預かる。
お風呂にも入り、ご飯も食べているので休ませる。以上だ。』
そう伝言を告げると伝言ドラゴンは姿を消す。
あまりの急展開に、その場にいる人全員ついていけてなかった。
とりあえず、子供達が無事なのがわかり、側にはドラしゃんが居るので安心した。
ドラしゃんからの伝言にもあったので、今日は解散する事に。
ムキじぃーちゃんはというと...なんとか命拾いした。
アサくん達の両親は、私達の両親に子供達を迎えに行くと言ったが、寝ている子供を起こすのは忍びないのでこのまま預かるとおしきった。
「でも、子供を3人も...。」
アサくん達の両親は、遠慮して迎えに行こうと最後まで抵抗したが、お母さんが言いくるめた。
「あら?私の所は子供は2人よ。今さら増えても問題ないわ。
それに、新婚でしょ?たまには、夫婦水入らずでゆっくりしてよ。
それに、今度何かあったら家の子供達をお願いするわ。それでいいでしょ?」
話している顔はとてもいい笑顔なんだけど...目は全く笑っていない。それにここまで言われたら、諦めるしかなかった。
アサくん達の両親は、お母さん達に最後まで頭を下げて家路へ着いた。
そんな話し合いを両親達がしている事も知らず、私達はのんびりしていた。
ドラしゃんが、即席家畜小屋を作りその中へ動物達を捕獲した。
そのあと、私達はドラしゃんに連れられ再度お風呂へ。
小さなドラゴン姿のドラしゃんも一緒にお風呂に入った。
そして、また新しいパジャマに着替えて2階の寝室へ。
アサくん達のパジャマは、もちろんドラしゃんが用意した。
5人でお揃いの、クマさん着ぐるみパジャマだ。
私達の寝室でアサくん達も一緒に寝る事になった。
私とお兄ちゃんが寝ても十分広いベッドのため、5人で寝てもスペースは十分にあるからね。
私達が寝ついた頃にお父さん達が帰って来た。
お父さん達が帰って来た頃、ドラしゃんが私達のお風呂の後始末と洗濯をしていた。
私達が何処に居るのかドラしゃんから聞き、寝ているならと、あえて見に行かずに遅めの夕食を食べて、2人でお風呂に入りそのまま就寝する。
翌朝、お父さん達が部屋まで起こしに来てくれた。お揃いのくまさんパジャマを着ているのを見て両親のテンションは朝から高め。
そんな両親のテンションに押されつつも皆で朝食を食べた。
もちろん、アサくん達も一緒にだ。
我が家の朝食にアサくん達は驚いていた。
今日のメニューは、アサくん達が居る事もありかなり奮発していたから私とお兄ちゃんも普通に驚いた。
パン、コーンスープ、野菜サラダ、目玉焼きとベーコン、フルーツ、ポテトサラダ、フライドポテト。
その他にも沢山のおかずがテーブルの上にひしめいていた。
アサくん達は、本当に食べて良いのかと数回お母さん達に確認するので、その都度お母さんは優しく説明する。
「あら?食べてくれないと困るわ?嫌いなら無理に食べなくても大丈夫よ。
食べれそうなのだけでもいいから、食べて欲しいわ。」
お母さんに言われて、アサくん達は嬉しそうに朝食を食べていく。
私とお兄ちゃんも負けじと朝食を平らげていった。
朝ご飯の後、菜園へ皆で向かう。
昨日、急遽作った家畜小屋を確認しにいくと、ちゃんとそこには昨日の動物達がいた。
お父さんもお母さんもその光景を見て驚いていた。
久しぶりに見る懐かしい動物達。
「お父さん見て、鶏がいるわ。」
「母さん、牛や羊もいるよ。」
お父さん達は子供の私達よりはしゃいでいる。
「ドラしゃん。このこたちどうするの?」
私はドラしゃんを見上げながら聞くと、ドラしゃんは笑顔で返事をくれた。
『今日、ギルドへ連れて行きます。
他の人達にも見せないといけませんし、
これらを飼育する場所も用意をしないといけませんしね。』
そうドラしゃんが答えるも、...?さて、どうやってギルドまで?
そう疑問に思っていると、ドラしゃんが家畜小屋を浮かしただす。
もちろんだが、中には動物達が入ったままだ。
私達は呆然とその光景を眺めていると、ドラしゃんが平然と声をかけてきた。
『皆さん?ぼさっとしてどうしました?
ギルドへ行きますよ?
アサ達も親御さんの所へ戻さないといけませんしね。』
ドラしゃんの言葉に、私達はただ頷くしかできなかった。
(ドラしゃん。凄すぎるよ。)
心の中でドラしゃんを褒めて?私達の前を小屋を浮かしながら歩くドラしゃんの後に続いて行く。
ギルドへ向かって行くと、朝早いのにも関わらず街の皆が集まっていた。
ドラしゃんの行動に、一同唖然としていたが...それは仕方がない...。
アサくん達は無事に両親と再会する。
そして、私達からのプレゼントの話をした。
今回のお泊まりのお土産に、昨日着て寝たクマさんの着ぐるみパジャマをプレゼントしたのだ。
最初はアサくん達は遠慮したが、ドラしゃんが説得した。
『今後もこの様にお泊まりをされる機会があるかと思います。
その都度、用意するのも面倒ですのでこのままどうぞ。お嬢様達とお揃いですしね。
あー、断るのでしたらそうですね...今度お泊まりの際は、こちらのパジャマを着ていただく事になりますが...よろしいですか?』
ドラしゃんが提示した、パジャマは女の子は喜びそうなウサギさん着ぐるみパジャマだった。それもピンクだ。
それを見たアサくんは、"これでいいです。ありがとうございます。"と言ってすんなり受け取った。
アサくん達のお土産を見て、両親は驚いてお金を払うと言ったが、もちろんそちらもドラしゃんが丁重にお断りする。
アサくん達の両親は、何回も御礼を言って来たがお母さん達が止めた。
「これからも付き合って行くんだから、気にしないで。お互い様なんだから。」
お母さんの発言とそのやりとりを見ていた他の人達は、呆気に取られていた。
この世界では考えられない、おおらかな考え方をする私達一家。
それに、この街の人達は驚きが絶えなかった。
その都度、ルミばぁーちゃんやロドじぃーちゃん達が説明していく。
しかしその内容が...説明なのか...説得なのか...諦めなのかは分からない。
「いちいち気にしていたらきりないぜ。アイツらに、俺たちの感性は通用しないぜ。俺たちが、慣れるしかないぜ。」
「あくまでも、この街でのことさ。他の所では通用しないさ。
その時は、あんた達が助けてやればいいのさ。だから、この街ではあの一家の、あの性格と対応に慣れるしかないね。
嫌でも慣れてくるさ。」
そう説明されているとは知らずにいたのは私達一家だけだ。
アサくん一家と私達一家のやり取りの事はさて置き、他の皆も気になっているのが...ドラしゃんが浮かせているものだ。
私達も話を一旦切り上げて、ドラしゃんが浮かせているものの対応をする事にした。
とりあえず、集まっていた皆に声を掛けて小屋を降ろす場所を確保する事にした。
ロドじぃーちゃんが皆に声をかけて、場所を空けて貰い、そこへドラしゃんが浮かせていた小屋をおろす。
ドラしゃんが、小屋をおろすと離れていた人達が再び集まってくる。
「おい?これが昨日言ってたやつか?」
ロドじぃーちゃんが最初に、ドラしゃんに声をかけた。
ドラしゃんは、ロドじぃーちゃんを横目で見ながら、皆に聞こえるように説明する。
『昨日、お嬢様と子供が発見した動物がこの中に入っています。
今朝早めに、旦那様や奥様にも確認をとってもらってます。
この小屋の中には、鶏、羊、ヤギ、豚、牛、馬がそれぞれ4頭ずつ居ます。
もちろんですが、雌雄2頭ずつです。
こちらを、最初のこの街での家畜として育ってみるのがよろしいかと思います。』
ドラしゃんの説明に、どよめきが起きた。
昨日話し合っていた問題が瞬時に解決したからね無理もない。
あまりの出来事に不信感を抱く者もいた。
しかし、それもすぐドラしゃんによって消される。
『この街は、どの場所よりも神様の加護が強いです。そして、何よりこの御一家が慈愛に満ちております。
そんな、人を神様が見捨てるはずがないでしょう。これも何かの縁です。
大事にしていきましせんか?』
ドラしゃんの言葉と笑顔に、すっかり街の人達は納得していた。
勿論だが、一部の人間を除いてだ。
ロドじぃーちゃんやルミばぁーちゃん達は、胡散臭いものを見る様な目でドラしゃんを見つめていたのは内緒だ。
ものは言いようだ。
これで、街の皆が安心して生活できるならバチも当たらないだろう...。
街の皆が納得したのを確認して、お父さんが代表で小屋を開ける。
すると中から大人しく動物達が出てくるではないか。
特に暴れることもなくゆっくり出て来たと思ったら、なぜか私の周りに集まって来たのだ。
そして、出てきた動物達を見てカブさん達が不思議そうに見つめていた。
何かを確かめる様に見ているのだ。
私がキョトンとしていると声がした。
『主人。こちらは、私達からのプレゼントです。』
『どこかの町や村で飼われていたみたいですが、行き場を失ったそうです。
もし良ければお願いします。』
どうやら、この動物を連れて来たのはセルシウスとシヴァのようだ。
私は聞いた言葉をそのままドラしゃんに伝えた。
「ドラしゃん。この子たち、【大聖霊】たちがつれてきたみたい。
どこかで、かわれていた子らしいの。
いきばをうしなっていた?ところをみつけてつれてきたんだって。」
私のその言葉を聞いてカブさん達は確信を得た様だった。
そして、ロドじぃーちゃんに向かって話し出した。
「もしやと思ってたんですが、こいつらは、私らの村や町で飼ってたヤツらかもしれません。」
「やっぱりそうか?あの牛見た事あると思ったんだ!」
カブさんとモチさんがそう言いながら、動物達に近づこうとした。
すると、何故か動物達に警戒される。
それに気付き、カブさん達は近づくのをやめた。
「なんでだ?」
モチさんは、悔しそうに呟いていた。
そんなモチさんの事が可哀想になり、私は動物達に話しかけた。
「あのね、あの人たちがみんなをおせわしてくれる人よ。
わるいことする人、ここにはいないからだいじょうぶよ。」
私がそう話すと、動物達は渋々といった感じで警戒を緩めたが、私の側から離れようとしなかった。
このままでは、らちがあかないのでルミばぁーちゃんが、皆に声をかけた。
「とりあえず、一つ問題は解決したんだから、ぼさっとしてないで仕事するよ。
ドム、ラミィーでこいつらが生活するスペースを用意してやっておくれ。
カブさんに、モチつったかね。
あんたらで、こいつらの世話係を決めておいてくれ。
私らがやるより、慣れているあんたらが世話をする方がいいだろう?
ムキファーとチビどもで、コイツらの餌になりそうな物を集めておくれ。
後の連中は、通常の業務に戻るよ!」
さすがルミばぁーちゃんの鶴の一声だね。
ルミばぁーちゃんの指示に従って、皆それぞれ動き出す。
とりあえず、私は動物達といる様に言われた。
見張り役は、もちろんドラしゃんだ。
動物達の住む場所をどうするか、ドムじぃーちゃんとラミィお兄ちゃんが、ドラしゃんに確認を取っていた。
「こいつらの住処は、どこに作るかだなぁ~。」
「草木が多い所がいいでしょう。あと、動き回れるスペースがあるともっといいでしょうね。」
『それなら、菜園の周囲がいいが...あそこは、あまり人を近づけたくないしなぁー』
3人が、雁首揃えて悩んでいた。
私も何か出来ないかと思い、そっと腕輪に話しかけた。
「ねぇ~。どうにかできない?」
すると、腕輪から返事がすぐさま返ってきた。
『世話する人間の近くで、緑があって広いスペースがあればよろしいのでしょう?』
『だったら、世話人の家の近くに作ればいいじゃないか!』
『あと、水飲み場もいるな』
『暖もとれるようにしておかないとな。』
『風通しもよくしないとね。』
『適度な...湿度も...いるよね..』
『草花もあるといいよね』
『あら、じゃぁー番犬とかいるかしら?』
『なら、そろそろあの子が来るんじゃない?』
【大聖霊】達の言葉に、私は急いでドラしゃんに報告した。
「ドラしゃん!あのね、この子たちがどうにかしてくれるらしいよ!」
私は腕輪を見せながら話した。
すると、ドラしゃん達は少し驚いた顔をする。
「それは、ありがたいが...いいのか?」
ロドじぃーちゃんは、腰を屈めて私に話しかける。
私はロドじぃーちゃんの言葉に首を縦に振った。
「たぶん、だいじょうぶたよ。やる気まんまんだよ?」
私の言葉に、ドラしゃんはため息を吐きながら私を抱き上げた。
『それなら、どこに造るか案内してもらいましょうか?』
ドラしゃんの言葉に反応して、腕輪から【大聖霊】達がミニマムサイズで出てきた。
そして、動物達を先導しながら飛んでいいく。
『おーい!早く来いよ!置いていくよ?』
シルフが私達に向かって手を振りながら、声をかけて来た。
私はドラしゃんに抱き抱えられたまま、後を追った。
それに続く様な感じで、ロドじぃーちゃんとラミィお兄ちゃんも追って来た。
その様子を見ていた、カブさん達もそっと距離をとりながら私達の後をついてくるのだった。
リン:
鶏さん卵産むかな?雛とかもみたいなぁー!
アキラ:
僕は、牛の乳搾りしたいなぁー^ ^
ユイカ:
助かるわね^ ^
チーズやバターも手作りできるし^ ^
ユウダイ:
そしてら、特産品ができるね^ ^
リン:
なら、プリンとかもたくさんつくって、皆んなで食べようよ!
アキラ:
僕は、アイスがいい^ ^
ユイカ:
まぁ~^ ^
うちの子は食いしん坊ばかりね^ ^
ユウダイ:
お父さんは、パンケーキがいいなぁー♪
ドラしゃん:
皆さん。先程から食べ物の話ばかりですね^ ^
楽しそうで良かったです^ ^
次回も楽しみですね♪
家の菜園から離れたギルドの会議室では、ドラしゃんが笛の音にしっかり反応していた。
ドラしゃんは、会議の内容を聞きながらも考えていた。
"なぜ今笛が鳴るのか?"
ドラしゃんは疑問だったが、私が笛を吹くから何かあったには間違いがないと確信はあった。
1人そわそわしているドラしゃんに気付いたムキじぃーちゃんは、そっと声をかける。
「おい。どうした?」
ムキじぃーちゃんの問いに、ドラしゃんは小声で返事した。
『お嬢様に渡した笛がなっているのだ。
何かあったら吹く様に言っていたんだが...』
ドラしゃんがせっかく小声で話したのに、ムキじぃーちゃんは思わず大声をあげた。
「なに!!リン達に何かあったのか?!」
ムキじぃーちゃんの声に、会議室に居た全員の視線が一気に集まる。
「あっ...。」
ムキじぃーちゃんは焦ったが無駄だった。時すでに遅し!!"私達に何かあった"と言うムキじぃーちゃんの言葉を聞いて、私の両親もそうだがアサくん達の両親も心配になっていた。
2組の両親は、何があったのか知りたくてムキじぃーちゃんに詰め寄って来た。
どうしようかと悩んでいる所に、私の伝言を持ったシルフがドラしゃんの前に現れる。
『よっ!話し合いの途中すまないね。主人からの伝言を預かってきたぜ。
家の菜園に、動物がたくさんいるから見にきて欲しいってさ。
笛を吹いたが、保険で僕もお使いだよ。
しっかり伝えたからね。』
シルフは、ドラしゃんに言うだけ言って消える。
突然の事に、会議室のメンバーは唖然としてドラしゃんを見ていた。
ドラしゃんは、溜息を吐き立ち上がり
『そう言う事ですので、私はお嬢様達の元へ行ってきます。
何かあれば、伝言を飛ばします。でわ。』
そう言うと、ドラしゃんは会議室から瞬時に姿をけした。
その頃菜園では、とりあえず笛も吹いたし、シルフにもお使いを頼んだので、動物達を離れた場所から見守りながらドラしゃんの到着をまっていた。
風邪をひかないようにと、イフリートが"暖炉の火"と言って保温魔法をかけてくれたのでほどよくぬくぬく状態。
シルフがお使いから戻って直ぐに、ドラしゃんが菜園に現れた。
そして、仲良く固まっている私達に声をかける。
『お嬢様。こんな夜遅くに...風邪をひきますよ?あと、何がありました?』
イフリートがかけてくれた保温魔法の上から、さらにドラしゃん特製の保温魔法をかけてくれたのでぬくぬくを通り越えて暑くなりつつあった。
お陰で様で、サウナに入っている感じになって来たので、上に羽織っていた上着を脱ぎながら説明する。
「あのね。おそとにきたらね、ゆきふって、あたらしい子がきて。きづいたら、あそこにいたの。」
そう言いながら、私は自分の腕輪と動物達がいる所を指す。
ドラしゃんは私の話を聞きながら、更に華やかになった腕輪に目を移し、溜息を吐きつつも、わたしが指をさした方を確認する。
私が指をさした所には、先程まで会議室で話題に上がっていた動物がいた。
それを見て、ドラしゃんは会議室へ伝言ドラゴンを直ぐ様飛ばす。
ドラしゃんが立ち去った会議室では、2組の両親と他のメンバーにムキじぃーちゃんが質問攻めにあっていた。
私達にいったい何が起きたのかと...。
しかし、詳しい事は全く知らないためムキじぃーちゃんは返事を上手く返せずに言葉を濁していた。
バンジキュウス!!そうムキじぃーちゃんが思った時だ。
会議室の窓口をコンコンと叩く音がした。
皆んなの視線は一度そちらの方へ。
窓の外には、伝言ドラゴンの姿が。
ロドじぃーちゃんが窓をすぐに開けると、伝言ドラゴンが中に入ってきて、ドラしゃんからの伝言を伝えだす。
『お嬢様達は、特に問題ない。菜園の奥に私達が望むいいものが"都合よく"現れたので問題は一つ解決した。
明日、ギルドへ連れて行く。今日は解散してくれ。
子供達は夜も遅いのでこちらで預かる。
お風呂にも入り、ご飯も食べているので休ませる。以上だ。』
そう伝言を告げると伝言ドラゴンは姿を消す。
あまりの急展開に、その場にいる人全員ついていけてなかった。
とりあえず、子供達が無事なのがわかり、側にはドラしゃんが居るので安心した。
ドラしゃんからの伝言にもあったので、今日は解散する事に。
ムキじぃーちゃんはというと...なんとか命拾いした。
アサくん達の両親は、私達の両親に子供達を迎えに行くと言ったが、寝ている子供を起こすのは忍びないのでこのまま預かるとおしきった。
「でも、子供を3人も...。」
アサくん達の両親は、遠慮して迎えに行こうと最後まで抵抗したが、お母さんが言いくるめた。
「あら?私の所は子供は2人よ。今さら増えても問題ないわ。
それに、新婚でしょ?たまには、夫婦水入らずでゆっくりしてよ。
それに、今度何かあったら家の子供達をお願いするわ。それでいいでしょ?」
話している顔はとてもいい笑顔なんだけど...目は全く笑っていない。それにここまで言われたら、諦めるしかなかった。
アサくん達の両親は、お母さん達に最後まで頭を下げて家路へ着いた。
そんな話し合いを両親達がしている事も知らず、私達はのんびりしていた。
ドラしゃんが、即席家畜小屋を作りその中へ動物達を捕獲した。
そのあと、私達はドラしゃんに連れられ再度お風呂へ。
小さなドラゴン姿のドラしゃんも一緒にお風呂に入った。
そして、また新しいパジャマに着替えて2階の寝室へ。
アサくん達のパジャマは、もちろんドラしゃんが用意した。
5人でお揃いの、クマさん着ぐるみパジャマだ。
私達の寝室でアサくん達も一緒に寝る事になった。
私とお兄ちゃんが寝ても十分広いベッドのため、5人で寝てもスペースは十分にあるからね。
私達が寝ついた頃にお父さん達が帰って来た。
お父さん達が帰って来た頃、ドラしゃんが私達のお風呂の後始末と洗濯をしていた。
私達が何処に居るのかドラしゃんから聞き、寝ているならと、あえて見に行かずに遅めの夕食を食べて、2人でお風呂に入りそのまま就寝する。
翌朝、お父さん達が部屋まで起こしに来てくれた。お揃いのくまさんパジャマを着ているのを見て両親のテンションは朝から高め。
そんな両親のテンションに押されつつも皆で朝食を食べた。
もちろん、アサくん達も一緒にだ。
我が家の朝食にアサくん達は驚いていた。
今日のメニューは、アサくん達が居る事もありかなり奮発していたから私とお兄ちゃんも普通に驚いた。
パン、コーンスープ、野菜サラダ、目玉焼きとベーコン、フルーツ、ポテトサラダ、フライドポテト。
その他にも沢山のおかずがテーブルの上にひしめいていた。
アサくん達は、本当に食べて良いのかと数回お母さん達に確認するので、その都度お母さんは優しく説明する。
「あら?食べてくれないと困るわ?嫌いなら無理に食べなくても大丈夫よ。
食べれそうなのだけでもいいから、食べて欲しいわ。」
お母さんに言われて、アサくん達は嬉しそうに朝食を食べていく。
私とお兄ちゃんも負けじと朝食を平らげていった。
朝ご飯の後、菜園へ皆で向かう。
昨日、急遽作った家畜小屋を確認しにいくと、ちゃんとそこには昨日の動物達がいた。
お父さんもお母さんもその光景を見て驚いていた。
久しぶりに見る懐かしい動物達。
「お父さん見て、鶏がいるわ。」
「母さん、牛や羊もいるよ。」
お父さん達は子供の私達よりはしゃいでいる。
「ドラしゃん。このこたちどうするの?」
私はドラしゃんを見上げながら聞くと、ドラしゃんは笑顔で返事をくれた。
『今日、ギルドへ連れて行きます。
他の人達にも見せないといけませんし、
これらを飼育する場所も用意をしないといけませんしね。』
そうドラしゃんが答えるも、...?さて、どうやってギルドまで?
そう疑問に思っていると、ドラしゃんが家畜小屋を浮かしただす。
もちろんだが、中には動物達が入ったままだ。
私達は呆然とその光景を眺めていると、ドラしゃんが平然と声をかけてきた。
『皆さん?ぼさっとしてどうしました?
ギルドへ行きますよ?
アサ達も親御さんの所へ戻さないといけませんしね。』
ドラしゃんの言葉に、私達はただ頷くしかできなかった。
(ドラしゃん。凄すぎるよ。)
心の中でドラしゃんを褒めて?私達の前を小屋を浮かしながら歩くドラしゃんの後に続いて行く。
ギルドへ向かって行くと、朝早いのにも関わらず街の皆が集まっていた。
ドラしゃんの行動に、一同唖然としていたが...それは仕方がない...。
アサくん達は無事に両親と再会する。
そして、私達からのプレゼントの話をした。
今回のお泊まりのお土産に、昨日着て寝たクマさんの着ぐるみパジャマをプレゼントしたのだ。
最初はアサくん達は遠慮したが、ドラしゃんが説得した。
『今後もこの様にお泊まりをされる機会があるかと思います。
その都度、用意するのも面倒ですのでこのままどうぞ。お嬢様達とお揃いですしね。
あー、断るのでしたらそうですね...今度お泊まりの際は、こちらのパジャマを着ていただく事になりますが...よろしいですか?』
ドラしゃんが提示した、パジャマは女の子は喜びそうなウサギさん着ぐるみパジャマだった。それもピンクだ。
それを見たアサくんは、"これでいいです。ありがとうございます。"と言ってすんなり受け取った。
アサくん達のお土産を見て、両親は驚いてお金を払うと言ったが、もちろんそちらもドラしゃんが丁重にお断りする。
アサくん達の両親は、何回も御礼を言って来たがお母さん達が止めた。
「これからも付き合って行くんだから、気にしないで。お互い様なんだから。」
お母さんの発言とそのやりとりを見ていた他の人達は、呆気に取られていた。
この世界では考えられない、おおらかな考え方をする私達一家。
それに、この街の人達は驚きが絶えなかった。
その都度、ルミばぁーちゃんやロドじぃーちゃん達が説明していく。
しかしその内容が...説明なのか...説得なのか...諦めなのかは分からない。
「いちいち気にしていたらきりないぜ。アイツらに、俺たちの感性は通用しないぜ。俺たちが、慣れるしかないぜ。」
「あくまでも、この街でのことさ。他の所では通用しないさ。
その時は、あんた達が助けてやればいいのさ。だから、この街ではあの一家の、あの性格と対応に慣れるしかないね。
嫌でも慣れてくるさ。」
そう説明されているとは知らずにいたのは私達一家だけだ。
アサくん一家と私達一家のやり取りの事はさて置き、他の皆も気になっているのが...ドラしゃんが浮かせているものだ。
私達も話を一旦切り上げて、ドラしゃんが浮かせているものの対応をする事にした。
とりあえず、集まっていた皆に声を掛けて小屋を降ろす場所を確保する事にした。
ロドじぃーちゃんが皆に声をかけて、場所を空けて貰い、そこへドラしゃんが浮かせていた小屋をおろす。
ドラしゃんが、小屋をおろすと離れていた人達が再び集まってくる。
「おい?これが昨日言ってたやつか?」
ロドじぃーちゃんが最初に、ドラしゃんに声をかけた。
ドラしゃんは、ロドじぃーちゃんを横目で見ながら、皆に聞こえるように説明する。
『昨日、お嬢様と子供が発見した動物がこの中に入っています。
今朝早めに、旦那様や奥様にも確認をとってもらってます。
この小屋の中には、鶏、羊、ヤギ、豚、牛、馬がそれぞれ4頭ずつ居ます。
もちろんですが、雌雄2頭ずつです。
こちらを、最初のこの街での家畜として育ってみるのがよろしいかと思います。』
ドラしゃんの説明に、どよめきが起きた。
昨日話し合っていた問題が瞬時に解決したからね無理もない。
あまりの出来事に不信感を抱く者もいた。
しかし、それもすぐドラしゃんによって消される。
『この街は、どの場所よりも神様の加護が強いです。そして、何よりこの御一家が慈愛に満ちております。
そんな、人を神様が見捨てるはずがないでしょう。これも何かの縁です。
大事にしていきましせんか?』
ドラしゃんの言葉と笑顔に、すっかり街の人達は納得していた。
勿論だが、一部の人間を除いてだ。
ロドじぃーちゃんやルミばぁーちゃん達は、胡散臭いものを見る様な目でドラしゃんを見つめていたのは内緒だ。
ものは言いようだ。
これで、街の皆が安心して生活できるならバチも当たらないだろう...。
街の皆が納得したのを確認して、お父さんが代表で小屋を開ける。
すると中から大人しく動物達が出てくるではないか。
特に暴れることもなくゆっくり出て来たと思ったら、なぜか私の周りに集まって来たのだ。
そして、出てきた動物達を見てカブさん達が不思議そうに見つめていた。
何かを確かめる様に見ているのだ。
私がキョトンとしていると声がした。
『主人。こちらは、私達からのプレゼントです。』
『どこかの町や村で飼われていたみたいですが、行き場を失ったそうです。
もし良ければお願いします。』
どうやら、この動物を連れて来たのはセルシウスとシヴァのようだ。
私は聞いた言葉をそのままドラしゃんに伝えた。
「ドラしゃん。この子たち、【大聖霊】たちがつれてきたみたい。
どこかで、かわれていた子らしいの。
いきばをうしなっていた?ところをみつけてつれてきたんだって。」
私のその言葉を聞いてカブさん達は確信を得た様だった。
そして、ロドじぃーちゃんに向かって話し出した。
「もしやと思ってたんですが、こいつらは、私らの村や町で飼ってたヤツらかもしれません。」
「やっぱりそうか?あの牛見た事あると思ったんだ!」
カブさんとモチさんがそう言いながら、動物達に近づこうとした。
すると、何故か動物達に警戒される。
それに気付き、カブさん達は近づくのをやめた。
「なんでだ?」
モチさんは、悔しそうに呟いていた。
そんなモチさんの事が可哀想になり、私は動物達に話しかけた。
「あのね、あの人たちがみんなをおせわしてくれる人よ。
わるいことする人、ここにはいないからだいじょうぶよ。」
私がそう話すと、動物達は渋々といった感じで警戒を緩めたが、私の側から離れようとしなかった。
このままでは、らちがあかないのでルミばぁーちゃんが、皆に声をかけた。
「とりあえず、一つ問題は解決したんだから、ぼさっとしてないで仕事するよ。
ドム、ラミィーでこいつらが生活するスペースを用意してやっておくれ。
カブさんに、モチつったかね。
あんたらで、こいつらの世話係を決めておいてくれ。
私らがやるより、慣れているあんたらが世話をする方がいいだろう?
ムキファーとチビどもで、コイツらの餌になりそうな物を集めておくれ。
後の連中は、通常の業務に戻るよ!」
さすがルミばぁーちゃんの鶴の一声だね。
ルミばぁーちゃんの指示に従って、皆それぞれ動き出す。
とりあえず、私は動物達といる様に言われた。
見張り役は、もちろんドラしゃんだ。
動物達の住む場所をどうするか、ドムじぃーちゃんとラミィお兄ちゃんが、ドラしゃんに確認を取っていた。
「こいつらの住処は、どこに作るかだなぁ~。」
「草木が多い所がいいでしょう。あと、動き回れるスペースがあるともっといいでしょうね。」
『それなら、菜園の周囲がいいが...あそこは、あまり人を近づけたくないしなぁー』
3人が、雁首揃えて悩んでいた。
私も何か出来ないかと思い、そっと腕輪に話しかけた。
「ねぇ~。どうにかできない?」
すると、腕輪から返事がすぐさま返ってきた。
『世話する人間の近くで、緑があって広いスペースがあればよろしいのでしょう?』
『だったら、世話人の家の近くに作ればいいじゃないか!』
『あと、水飲み場もいるな』
『暖もとれるようにしておかないとな。』
『風通しもよくしないとね。』
『適度な...湿度も...いるよね..』
『草花もあるといいよね』
『あら、じゃぁー番犬とかいるかしら?』
『なら、そろそろあの子が来るんじゃない?』
【大聖霊】達の言葉に、私は急いでドラしゃんに報告した。
「ドラしゃん!あのね、この子たちがどうにかしてくれるらしいよ!」
私は腕輪を見せながら話した。
すると、ドラしゃん達は少し驚いた顔をする。
「それは、ありがたいが...いいのか?」
ロドじぃーちゃんは、腰を屈めて私に話しかける。
私はロドじぃーちゃんの言葉に首を縦に振った。
「たぶん、だいじょうぶたよ。やる気まんまんだよ?」
私の言葉に、ドラしゃんはため息を吐きながら私を抱き上げた。
『それなら、どこに造るか案内してもらいましょうか?』
ドラしゃんの言葉に反応して、腕輪から【大聖霊】達がミニマムサイズで出てきた。
そして、動物達を先導しながら飛んでいいく。
『おーい!早く来いよ!置いていくよ?』
シルフが私達に向かって手を振りながら、声をかけて来た。
私はドラしゃんに抱き抱えられたまま、後を追った。
それに続く様な感じで、ロドじぃーちゃんとラミィお兄ちゃんも追って来た。
その様子を見ていた、カブさん達もそっと距離をとりながら私達の後をついてくるのだった。
リン:
鶏さん卵産むかな?雛とかもみたいなぁー!
アキラ:
僕は、牛の乳搾りしたいなぁー^ ^
ユイカ:
助かるわね^ ^
チーズやバターも手作りできるし^ ^
ユウダイ:
そしてら、特産品ができるね^ ^
リン:
なら、プリンとかもたくさんつくって、皆んなで食べようよ!
アキラ:
僕は、アイスがいい^ ^
ユイカ:
まぁ~^ ^
うちの子は食いしん坊ばかりね^ ^
ユウダイ:
お父さんは、パンケーキがいいなぁー♪
ドラしゃん:
皆さん。先程から食べ物の話ばかりですね^ ^
楽しそうで良かったです^ ^
次回も楽しみですね♪
30
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