異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

文字の大きさ
77 / 219
第三章 発展〜街から小さな国へ〜

3-27 放牧場完成と

しおりを挟む
 ドラしゃん達がもやもやと考え込んでいる中、【大聖霊】達の作業は着々と完了して行っていた。

なぜそれがわかるかって?だって光の壁の透明度が最初に比べると薄くなってきていて、中の様子が少しずつだが見えるようになって来ていたからだ。

私は動物達とじっーと光の壁の中を見つめていたからそれに直ぐ気付くことができた。
もしかしたら、中が見えるかと思ってずっーと見ていたからね。

するとどうだろう...。
光の壁の奥の方に何かが見えた?気がした。
それも、こちらを伺うような感じの視線をだ。

ひと?

私は思わず首を傾げた。
人にしては、目の高さがおかしかった気が...。

一度目を擦り、再度見つめた。
確かあの辺りのはず...。

私は視線を感じた所をもう一度見つめる。
すると、まただ。
こちらを伺う視線を感じ、今度は目があった。

あれ?でもあれって...?

私はもう少しはっきり見たいと思い、光の壁に手を伸ばした時だった。
上から声がした。

『主人!できたよ♪』

シルフの声と共に、光の壁が一斉に消え、先程まで光の壁に包まれていた場所に、想像以上の場所が出来上がっていた。

四方は、ある程度の高さを持った丸太で作られた柵で覆われていて、その柵の中は、緑の草原が広がっていて、所々に日陰が作られる様に樹々も植えてある。

広さもかなりあり、以前、誕生日に連れて行ってもらった動物園のふれあい広場よりかなり広めな感じにみえた。
(まるで、サファーリーパークみたい。)

動物達が自由に水が飲めたり、水遊びができるように池も作られていた。

放牧タイプの仕様になっており、横にはそれなりの大きさの小屋が建っている。
小屋の横には、納屋や餌保管庫がきちんと作られていて、必要なものは既に全て揃えてくれている。
今直ぐにでも飼育できる状態にあった。

『小屋の中は、それぞれの動物事に寝床を用意してありますわ。』

『増えたら増えたらで、造築するから大丈夫だよ。』

『思ったより大きく作りすぎたから、少し外壁の位置もずらさせてもらったぜ』

『どうぜなら、増える事を想定して広めにしてやりたいからな。』

『外壁の微調整は後でよろしく♪』

『...他に...いるもの...あったら...教えて...』

『草木も無限に生え変わる様にしてあるからね♪』

『あとは、あなた達に任せるわ』

『それに、どうやらあの子も来たみたみたいだから、主人殿。あとはお願いしますね。』

彼らは、それぞれ言いたいことを告げると腕輪の中に帰って行った。
私は先程感じた視線の方をみたが、そこには何も感じなかった。

できた場所を見て、動物達は大喜びしていた。
とりあえず私は、最後のシヴァの言葉が気になったし、あの視線も気になったが、横で嬉しそうにしている動物達を中に入れる事にした。

 小屋に向かって動物達と歩き出す私の姿を見て、ドラしゃん達も慌てて後をついてきた。

小屋の入り口を開けると中は、見た目以上に広かった。
天井が高く造られていて、中は寒すぎず、温すぎず、適温に保たれていたのだ。

小屋の中は、それぞれの動物達事にスペースが限られていた。

それぞれの柱には、動物達の名前が書かれた札がかけられていて、世話する側にも優しい作りとなっている。

通路を動物達と歩き、それぞれの場所を私は動物達に教えていく。
動物達は、私の言葉を理解しているようで、きちんと反応してくれた。

広場に出る扉の前に着き扉を開けると、先程見た草原が広い空間一面に広がっていた。

私が、"いいよ"って言うと動物達はそれぞれゆっくりと広場の方へ歩み出し、それぞれ楽しそうに寛ぎだす。

「こりゃまた凄いのを創り出したもんだなぁー。いいのか?」

ロドじぃーちゃんは、側にいるドラしゃんに声を掛ける。
ドラしゃんは、ロドじぃーちゃんの質問を受け、小屋の中、そして広場を一通り見て周り返事をした。

『仕方がない。いいでしょう。後から、世話を担当する彼らを呼んで、説明が必要でしょうね。
 勿論ですが、ここのことを口外しないようにも伝えないといけませんがね。』

ドラしゃんの言葉に、ロドじぃーちゃんは頭をかき溜息を吐き、ラミィお兄ちゃんは苦笑いを浮かべていた。

「もし、口外しても誰も信じないでしょうけどね。」

確かにそうだと思った。
誰がこんな事を信じる人がいるだろうか。
自分の目で見て初めて信じる気になるのに...。
私もロドじぃーちゃんも密かにそう思ったのだ。

私達とは反対に、楽しそうに過ごす動物達を見て、ロドじぃーちゃんは大きな溜息を吐いて、ドラしゃんに声を掛けながら小屋を後にした。

「とりあえず、アイツらを呼んでくるよ。説明は、お前さんに任せるからなぁー!ちょっくら行ってくるわ。」

私とドラしゃん、ラミィお兄ちゃんは、ロドじぃーちゃんが、彼らを連れて来るのを動物達を見ながら待つ事にした。

すると、またあの視線を感じた。
それには、私の側にいたドラしゃんもラミィお兄ちゃんも感じた様で、私はドラしゃんの腕の中に再び抱えられた。

「気付きました?」

『あー。しかし、姿がない。敵意はないようだが、気をつけるに越した事はない。油断するな。』

ラミィお兄ちゃんとドラしゃんは、警戒モードに入る。
私はドラしゃんの腕の中で、視線の主を探した。

すると、私を見つめる4つの目と目が合った。
今度は、瞬きしても消えない。

ずっーと見つめていると、目の周りに輪郭が現れて、次第に姿がはっきりと浮き出てきた。

私が微動たりとせずに、一点ばかりを見つめているので、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは気になり、私と同じ視線になる様に身体を屈めて、同じ場所を見つめだす。

すると、私より先にドラしゃんが目線の正体を見破ったのだった。

『アレは...まさか!フェンリルだと?!』

ドラしゃんが思わず声を上げると、目線の主が去ろうとしたので、私も慌てて声を上げた。

「ダメ!いっちゃだめ!」

私の声に反応して、ドラしゃんがフェンリルと言った生き物は、去るのを辞めて止まった。

そして、こちらを伺う様にまた、視線を向けてくる。
私はドラしゃんに声をかけた。

「フェンリルってなに?」

私の言葉に、ドラしゃんは顰めっ面をしながらも答えてくれた。

『フェンリルと言うのは、【大聖霊】セルシウスとシヴァの眷属であり、【幻の聖獣】と呼ばれる生き物です。
雪山や雪の深い場所に生息しておりまして、雪や凍りを操るのが得意なのです。
 そして、狩や見張りなども得意としています。
見た目は狼の様な姿をしていますが、狼より少しタチが悪いですね。
あまり、人に懐く様な性格はしていません。』

ドラしゃんの説明に、私は頷きながらある事を思い出していた。

 以前住んでいた隣近所の犬達を思い浮かべていたのだ。

右隣のおばぁーちゃんの家では、ラブラドールレトリバーって言う、人懐っこい犬を飼っていたのだ。
確か、名前はラブちゃんだ。

そして左隣のおじさんは、元警察犬訓練士をしていて、引退した犬を飼っていた。それがシベリアンハスキーの雄犬を飼っていた。
老犬だが、しっかりした犬で空き巣を何回か捕まえた事があるのだった。
名前は、ハスキーだ。

ドラしゃんの言うのを当てはめていくと、ラブちゃんよりハスキーに近いのだと理解した。

「わたし、かいたい!ダメ?」

私はドラしゃんにお願いした。

ドラしゃんは、どうやら私がこう言うのをわかっていたようで

『私がダメと言っても、飼いたいのでしょう?』

ドラしゃんの言葉に、私は首を縦に振った。

『では、反対しても無駄でしょう。
どうぞ。お嬢様のお好きにして下さい。旦那様達には、なんとか説明しますから。』

ドラしゃんの言葉に、ラミィお兄ちゃんは"ですよね"って諦めた表情をしていたが、私は無視して目の前のワンコに声をかけた。

「おいで!わたしの子になっていいって!」

私の言葉を理解したのだろう。
2匹のフェンリルは、尻尾を振りながら私の方へ駆けてきた。

よく見ると2匹ともまだ子供だった。

『この子達は、私達と一緒に眠りについていたフェンリルです。』

『まだ、力が完全には回復してませんが、私達が目覚めた事により気配を辿って目覚めたもの達です。
 他にも私達の気配を辿って来るかと思います。よろしくお願いします。』

腕輪の中から、セルシウスとシヴァの声が聞こえてきた。

私は聞こえて来た言葉をそのまま、ドラしゃんに伝えたえる。
すると、ドラしゃんだけでなく、ラミィお兄ちゃんも再び頭を抱えてしまった。

私は目の前に駆け寄ってきて、お座りをして可愛表情を浮かべている2匹のフェンリルと見つめ合って笑うしかなかったのだった。












リン:
放牧場できたよ!

ドラしゃん:
では、名前をつけなくてはいけませね。

ロドじぃーちゃん:
何にするんだ?

ラミィお兄ちゃん:
リンが決めて下さいね^ ^

リン:
私でいいの?

ドラしゃん:
もちろんです^ ^

ロドじぃーちゃん:
俺は、センスがないからなぁー?
俺が付けるとなると、「焼肉の元」とかになるぞ?

ラミィお兄ちゃん:
(๑•ૅㅁ•๑)それは、最低ですね。

リン:
じぃーちゃん。最低。

ロドじぃーちゃん:
Σ(゚д゚lll)(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
リンに言われると辛いのう~

リン:
じぁー、「ほのぼの牧場」だね。
のんびり過ごしてもらいたいから^ ^

ドラしゃん:
それでいきましょう^ ^

ラミィお兄ちゃん:
さすが、リンですね^ ^
どこぞのオヤジと違いますね

ロドじぃーちゃん:
( ;  ; )
次回も、見てくれ...(;ω;)





しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu
ファンタジー
聖女召喚に巻き込まれた普通のオバさんが無能なスキルと判断され追放されるが国から貰ったお金と隠されたスキルでお店を開き気ままにのんびりお気楽生活をしていくお話。 なるべく1日1話進めていたのですが仕事で不規則な時間になったり投稿も不規則になり週1や月1になるかもしれません。 不定期投稿になりますが宜しくお願いします🙇 感想、ご指摘もありがとうございます。 なるべく修正など対応していきたいと思っていますが皆様の広い心でスルーして頂きたくお願い致します。 読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。 お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

処理中です...