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第三章 発展〜街から小さな国へ〜
3-28 【幻の聖獣】現れる?!!
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私の前では、2匹のフェンリルが尻尾を振りながら嬉しそうな顔をして座っている。
見た目は、普通の仔犬に見えるが彼らが纏っているオーラはあきらかに普通の仔犬ではないことを証明している。
愛くるしい見た目と違って、凛とした獰猛さがちゃんと隠されていた。
楽しげに広場で過ごしていた動物達も、フェンリルの姿を見て、1箇所に固まってこちらの様子を伺いだす。
ドラしゃんもラミィお兄ちゃんも、頭を抱えて動かなくなったし...。
どうしたらいいのか考えたあげく、私は目の前の仔犬に名前を付けることにした。
名無しは可哀想だからね。
私は2匹のフェンリルを見つめる。
何が良いかなぁーって思いながら見つめていると、"なんでもいいよ。好きな名前をつけてよ"と頭に響く声が聞こえてきた。
私は思わず、えっ?と瞬きをする。
目の前の2匹が私と同じ様に瞬きをして私を見つめる。
「さっきのあなたたち?」
私は2匹にそう小声で確認すると、"ワン"と鳴いて返事を返してくれた。
「あのね、なまえつけるまえに、おとこの子か、おんなの子か、おしえて?」
また、小声で2匹に声をかけてみた。
すると、また頭に直接響く様に声が聞こえてきた。
"私はメスよ。隣がオスよ。"
どうやら、少し小柄な方がおんなの子で、大きめの子がおとこの子の様だ。
「じぁー、あなたが"ホワイト"で、君が"ゴールド"ね。」
少し小柄な方が白みかがった毛をしているから、ホワイトにした。
そして、大きめの子は、金と蒼のオッドアイをしていて、金色の瞳が綺麗だったからゴールドにしたのだ。
私が2匹にそれぞれの名前を言うと、尻尾をちぎれんばかりに振っているではないか?!
(めちゃくちゃ可愛い!!)
2匹の仕草に思わずテンションが上がってしまった私。
そんな私と正反対のテンションの人達にも報告することに。
「ねぇ~ねぇー。この子たちのなまえ、きまったよ!小さい子がおんなの子で、"ホワイト"。大きい子が、おとこの子で、"ゴールド"だよ。」
私が笑顔でふたりに話すと、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは素で驚く。
「もう名前つけちゃったの?」
『お嬢様...【聖獣】に名前を付けるという事は、契約するという事ですよ。』
ふたりの驚きに、私も若干驚いたが名前を付けてしまったから仕方がない。
ていうか、可愛くてもふもふするものは増えても大丈夫!
てへっ。私は舌を小さく出して、ドラしゃんに笑いかける。
ドラしゃんは、グッと言葉を詰まらせたと思ったらため息を吐いた。
『仕方がありません。最初からこうなる事は予想していましたから。
では、このフェンリル達に契約の印として何かを付けなければいけませんね。
お嬢様どうします?』
ドラしゃんの言葉に、私の頭上には大きな?マークが沢山浮かぷ。
それに気付いたドラしゃんは、分かりやすく説明してくれた。
『お嬢様は、【聖獣】のフェンリルと契約を結びました。その為、フェンリルは「契約魔獣」の一種になります。
野生の魔獣と区別をするために、「契約魔獣」には主人の力の満ちた物を身に付けさせます。
例えば、耳飾りや首飾り等ですが。
このフェンリル達にも、それを付けさせる必要があるのです』
ドラしゃんの説明を聞きながら、ふと昔聴いた隣のおじちゃんの話を思い出した。
「ねぇ~おぢちゃん。わんわん、クビななに?」
隣のおじちゃんの家のハスキーには、首輪が付けられていた。
それは、もうお隣のラブちゃんもだ。
なんで付けているのかと尋ねた事があったのだ。
すると、おじちゃんは教えてくれた。
「これはな、この犬がおじちゃんの犬だって証だ。これがないと、ノラ犬と間違われて連れてかれてしまって、この家には帰って来なくなるんだよ。
だから、飼い犬には、首輪が必要なんだよ。」
そうだ!
私はおじちゃんとの会話を思い出して、ドラしゃんに伝えた。
「"クビワ"がいい!」
私の言葉に、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんはこれまたキョトンとした表情を浮かべて私を見つめる。
私は首輪の説明をするために、ドラしゃんにお願いして降ろしてもらい地面に絵を描いていく。
「うんとね、こうー丸くって、こんなかざりがあって、ここにね、なまえをかくの。このうらには、リンのなまえをかいて、この子たちがリンのって印をつけるの。」
地面に、ハスキーやラブちゃんが付けていた首輪の絵を描いて説明すると、ドラしゃんもラミィお兄ちゃんも理解してくれた。
そして、ドラしゃんが私の絵を参考に首輪を2つ作り出していく。
『こんな感じでしょうか?』
ドラしゃんの手の中には、地面に描いた絵に似た首輪が2つあった。
「いっこは、あかにして!おんなの子だから!」
私の言葉を聞いて、ドラしゃんは1つは蒼色の首輪を。
もう一つは、紅色の首輪に色を変更してくれた。
『では、お嬢様こちらに来て、私の言う通りにしてみて下さい。』
ドラしゃんに言われて、私はドラしゃんの元へ。
ドラしゃんの元に行くと、ドラしゃんは作った首輪を宙に浮かせて、私の両手を後ろから支える。
私は両手を広げて、首輪の前に立つ感じになった。
『では、お嬢様。この首輪にお嬢様の魔力を流します。その時に、あの飾りの表には、彼らの名前を。裏にはお嬢様の名前を刻んで下さい。
よろしいですね。魔力の流し方は、私がサポートしますので、同じようにして下さい。』
そう言って、ドラしゃんは私の両手を支えながら魔力を流すので、私も同じ様にした。
目の前の首輪めがけて流していく。
すると、目の前の首輪は、私の魔力に反応して光輝き出したかと思ったら、何も書かれていなかった首輪の飾りに名前が彫られていくではないか。
「しゅごい!」
思わず私は興奮して、首輪に流す魔力を増やしてしまった。
それに気付いたドラしゃんは、急いで抑えようとしたが、寸前で間に合わなかった。
私の魔力は、ドラしゃんが作った首輪に付加魔法を付けてしまったのだ。
『お嬢様!止めて下さい!』
ドラしゃんの大きな声に驚き、私は慌てて魔力を流すのをやめた。
すると宙に浮いていた首輪は、自動で2匹のフェンリルの元へ。
どつなるのかと見ていると...それぞれの首にすっぽりと嵌められた。
『まずった...。』
ドラしゃんの慌てぶりに、状況を見守っていたラミィお兄ちゃんは、困惑の表情をしながらドラしゃんに尋ねる。
「何があったのですか?いきなり、光が強くなって驚きましたが...。」
ドラしゃんは、何度目かの溜息を吐きながら、ラミィお兄ちゃんに説明をする。
『お嬢様の魔力が、予定以上の量が流れてしまった。
お陰で、あの首輪にはとんでもない付加魔法が付きましたよ。』
ドラしゃんの言葉に、ラミィお兄ちゃんは絶句した。
「いったいどんな...。」
ドラしゃんは、"鑑定瞳"を使い首輪を確認すると何故かはっきり見えなかった。
どうやら、それも私の付加魔法の1つの様だ。
『わかる範囲では、鑑定妨害、不死、鉄壁、そして、お嬢様の愛玩動物ですね。それ以外にも付いてそうですが、鑑定妨害があるため分からないのが正直な話ですね。』
ドラしゃんのドラゴンの瞳の能力の一つである、"鑑定瞳"。
どんな鑑定魔法より精密で、性能な瞳。
この世で彼の瞳にはみやぶれないものは無いと言われている、"鑑定瞳"でも見抜けない...。
「リンの魔力は、と言うか魔法は貴方を凌駕するものなのですか?!」
ラミィお兄ちゃんの言葉に、ドラしゃんは返事ができなかった。
まさかここまでとは、ドラしゃんも思わなかったからだ。
しかし、実際にフェンリルに付けられている首輪がそうなのだから、そうなのだろう。
ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは、言葉を失ったまま私と、仲良く戯れるフェンリルを見つめていた。
『これは、これでまた一つ大問題になりそうですね。』
ドラしゃんの呟きに、ラミィお兄ちゃんは頷くしかなかった。
そんな大人ふたりをよそに、私は首輪を嵌めた2匹のフェンリルとモフリあっていた。
「よかったね。クビワにあってるね。」
私が嬉しそうに言うと、2匹のフェンリルも嬉しそうに尻尾を振りながら、私の顔を舐めながらじゃれついてくる。
「ドラしゃん、フェンリルはひとになちゅかないって、いってたけど。
こんかいばかりは、ドラしゃんもまちがったね。」
私にこんなにも、愛想良く振舞う2匹のフェンリル。
ヒトに懐かないと言った、ドラしゃんの言葉が間違いだとその時は思った。
しかし、本当にフェンリルは、人に懐かないのだと言うことを後から知るのだった。
"正確"には、私以外の人には懐かないということをね...。
リン:
わぁーい♪可愛いワンコだぁー!
ドラしゃん:
お嬢様。犬では、ありません。
フェンリルです。
リン:
えっ?ワンコだよ?
ラミィお兄ちゃん:
ヴーン。見た目は、そうだけどね。
でも、違うんだよね。
リン:
???でも、ワンコだよ?
ほら、おすわり!
ホワイト・ゴールド:
ワン♪
リン:
ほら!お座りしたよ?!
ロドじぃーちゃん:
いや~。そりゃ~座れって言われたら座るだろう?
リン:
じぁー、お手!
ホワイト・ゴールド:
ワン♪
リン:
ほら!やっぱりワンコだよ!
ドラしゃん:
お嬢様の中の犬のイメージは、どの様なものなんですか?
ラミィお兄ちゃん:
もう、リンが犬って言うんだから良いじゃないかい?
本人達も、怒ってない様だし。ね?
ロドじぃーちゃん:
こりゃまた、リンの信者が増えたな。
ドラしゃん:
はー。
困りましたね。
これは、一度話し合いをしなければいけませんね。
ラミィお兄ちゃん:
なんの話し合いを?
ドラしゃん:
もちろん、誰が上かを教える話し合いですよ。
ロドじぃーちゃん:
(O_O)
ラミィお兄ちゃん:
(O_O)
ドラしゃん:
1番上は、誰かを教えないとね。
特に新参者には...
では、次回も良ければ^ ^
見た目は、普通の仔犬に見えるが彼らが纏っているオーラはあきらかに普通の仔犬ではないことを証明している。
愛くるしい見た目と違って、凛とした獰猛さがちゃんと隠されていた。
楽しげに広場で過ごしていた動物達も、フェンリルの姿を見て、1箇所に固まってこちらの様子を伺いだす。
ドラしゃんもラミィお兄ちゃんも、頭を抱えて動かなくなったし...。
どうしたらいいのか考えたあげく、私は目の前の仔犬に名前を付けることにした。
名無しは可哀想だからね。
私は2匹のフェンリルを見つめる。
何が良いかなぁーって思いながら見つめていると、"なんでもいいよ。好きな名前をつけてよ"と頭に響く声が聞こえてきた。
私は思わず、えっ?と瞬きをする。
目の前の2匹が私と同じ様に瞬きをして私を見つめる。
「さっきのあなたたち?」
私は2匹にそう小声で確認すると、"ワン"と鳴いて返事を返してくれた。
「あのね、なまえつけるまえに、おとこの子か、おんなの子か、おしえて?」
また、小声で2匹に声をかけてみた。
すると、また頭に直接響く様に声が聞こえてきた。
"私はメスよ。隣がオスよ。"
どうやら、少し小柄な方がおんなの子で、大きめの子がおとこの子の様だ。
「じぁー、あなたが"ホワイト"で、君が"ゴールド"ね。」
少し小柄な方が白みかがった毛をしているから、ホワイトにした。
そして、大きめの子は、金と蒼のオッドアイをしていて、金色の瞳が綺麗だったからゴールドにしたのだ。
私が2匹にそれぞれの名前を言うと、尻尾をちぎれんばかりに振っているではないか?!
(めちゃくちゃ可愛い!!)
2匹の仕草に思わずテンションが上がってしまった私。
そんな私と正反対のテンションの人達にも報告することに。
「ねぇ~ねぇー。この子たちのなまえ、きまったよ!小さい子がおんなの子で、"ホワイト"。大きい子が、おとこの子で、"ゴールド"だよ。」
私が笑顔でふたりに話すと、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは素で驚く。
「もう名前つけちゃったの?」
『お嬢様...【聖獣】に名前を付けるという事は、契約するという事ですよ。』
ふたりの驚きに、私も若干驚いたが名前を付けてしまったから仕方がない。
ていうか、可愛くてもふもふするものは増えても大丈夫!
てへっ。私は舌を小さく出して、ドラしゃんに笑いかける。
ドラしゃんは、グッと言葉を詰まらせたと思ったらため息を吐いた。
『仕方がありません。最初からこうなる事は予想していましたから。
では、このフェンリル達に契約の印として何かを付けなければいけませんね。
お嬢様どうします?』
ドラしゃんの言葉に、私の頭上には大きな?マークが沢山浮かぷ。
それに気付いたドラしゃんは、分かりやすく説明してくれた。
『お嬢様は、【聖獣】のフェンリルと契約を結びました。その為、フェンリルは「契約魔獣」の一種になります。
野生の魔獣と区別をするために、「契約魔獣」には主人の力の満ちた物を身に付けさせます。
例えば、耳飾りや首飾り等ですが。
このフェンリル達にも、それを付けさせる必要があるのです』
ドラしゃんの説明を聞きながら、ふと昔聴いた隣のおじちゃんの話を思い出した。
「ねぇ~おぢちゃん。わんわん、クビななに?」
隣のおじちゃんの家のハスキーには、首輪が付けられていた。
それは、もうお隣のラブちゃんもだ。
なんで付けているのかと尋ねた事があったのだ。
すると、おじちゃんは教えてくれた。
「これはな、この犬がおじちゃんの犬だって証だ。これがないと、ノラ犬と間違われて連れてかれてしまって、この家には帰って来なくなるんだよ。
だから、飼い犬には、首輪が必要なんだよ。」
そうだ!
私はおじちゃんとの会話を思い出して、ドラしゃんに伝えた。
「"クビワ"がいい!」
私の言葉に、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんはこれまたキョトンとした表情を浮かべて私を見つめる。
私は首輪の説明をするために、ドラしゃんにお願いして降ろしてもらい地面に絵を描いていく。
「うんとね、こうー丸くって、こんなかざりがあって、ここにね、なまえをかくの。このうらには、リンのなまえをかいて、この子たちがリンのって印をつけるの。」
地面に、ハスキーやラブちゃんが付けていた首輪の絵を描いて説明すると、ドラしゃんもラミィお兄ちゃんも理解してくれた。
そして、ドラしゃんが私の絵を参考に首輪を2つ作り出していく。
『こんな感じでしょうか?』
ドラしゃんの手の中には、地面に描いた絵に似た首輪が2つあった。
「いっこは、あかにして!おんなの子だから!」
私の言葉を聞いて、ドラしゃんは1つは蒼色の首輪を。
もう一つは、紅色の首輪に色を変更してくれた。
『では、お嬢様こちらに来て、私の言う通りにしてみて下さい。』
ドラしゃんに言われて、私はドラしゃんの元へ。
ドラしゃんの元に行くと、ドラしゃんは作った首輪を宙に浮かせて、私の両手を後ろから支える。
私は両手を広げて、首輪の前に立つ感じになった。
『では、お嬢様。この首輪にお嬢様の魔力を流します。その時に、あの飾りの表には、彼らの名前を。裏にはお嬢様の名前を刻んで下さい。
よろしいですね。魔力の流し方は、私がサポートしますので、同じようにして下さい。』
そう言って、ドラしゃんは私の両手を支えながら魔力を流すので、私も同じ様にした。
目の前の首輪めがけて流していく。
すると、目の前の首輪は、私の魔力に反応して光輝き出したかと思ったら、何も書かれていなかった首輪の飾りに名前が彫られていくではないか。
「しゅごい!」
思わず私は興奮して、首輪に流す魔力を増やしてしまった。
それに気付いたドラしゃんは、急いで抑えようとしたが、寸前で間に合わなかった。
私の魔力は、ドラしゃんが作った首輪に付加魔法を付けてしまったのだ。
『お嬢様!止めて下さい!』
ドラしゃんの大きな声に驚き、私は慌てて魔力を流すのをやめた。
すると宙に浮いていた首輪は、自動で2匹のフェンリルの元へ。
どつなるのかと見ていると...それぞれの首にすっぽりと嵌められた。
『まずった...。』
ドラしゃんの慌てぶりに、状況を見守っていたラミィお兄ちゃんは、困惑の表情をしながらドラしゃんに尋ねる。
「何があったのですか?いきなり、光が強くなって驚きましたが...。」
ドラしゃんは、何度目かの溜息を吐きながら、ラミィお兄ちゃんに説明をする。
『お嬢様の魔力が、予定以上の量が流れてしまった。
お陰で、あの首輪にはとんでもない付加魔法が付きましたよ。』
ドラしゃんの言葉に、ラミィお兄ちゃんは絶句した。
「いったいどんな...。」
ドラしゃんは、"鑑定瞳"を使い首輪を確認すると何故かはっきり見えなかった。
どうやら、それも私の付加魔法の1つの様だ。
『わかる範囲では、鑑定妨害、不死、鉄壁、そして、お嬢様の愛玩動物ですね。それ以外にも付いてそうですが、鑑定妨害があるため分からないのが正直な話ですね。』
ドラしゃんのドラゴンの瞳の能力の一つである、"鑑定瞳"。
どんな鑑定魔法より精密で、性能な瞳。
この世で彼の瞳にはみやぶれないものは無いと言われている、"鑑定瞳"でも見抜けない...。
「リンの魔力は、と言うか魔法は貴方を凌駕するものなのですか?!」
ラミィお兄ちゃんの言葉に、ドラしゃんは返事ができなかった。
まさかここまでとは、ドラしゃんも思わなかったからだ。
しかし、実際にフェンリルに付けられている首輪がそうなのだから、そうなのだろう。
ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは、言葉を失ったまま私と、仲良く戯れるフェンリルを見つめていた。
『これは、これでまた一つ大問題になりそうですね。』
ドラしゃんの呟きに、ラミィお兄ちゃんは頷くしかなかった。
そんな大人ふたりをよそに、私は首輪を嵌めた2匹のフェンリルとモフリあっていた。
「よかったね。クビワにあってるね。」
私が嬉しそうに言うと、2匹のフェンリルも嬉しそうに尻尾を振りながら、私の顔を舐めながらじゃれついてくる。
「ドラしゃん、フェンリルはひとになちゅかないって、いってたけど。
こんかいばかりは、ドラしゃんもまちがったね。」
私にこんなにも、愛想良く振舞う2匹のフェンリル。
ヒトに懐かないと言った、ドラしゃんの言葉が間違いだとその時は思った。
しかし、本当にフェンリルは、人に懐かないのだと言うことを後から知るのだった。
"正確"には、私以外の人には懐かないということをね...。
リン:
わぁーい♪可愛いワンコだぁー!
ドラしゃん:
お嬢様。犬では、ありません。
フェンリルです。
リン:
えっ?ワンコだよ?
ラミィお兄ちゃん:
ヴーン。見た目は、そうだけどね。
でも、違うんだよね。
リン:
???でも、ワンコだよ?
ほら、おすわり!
ホワイト・ゴールド:
ワン♪
リン:
ほら!お座りしたよ?!
ロドじぃーちゃん:
いや~。そりゃ~座れって言われたら座るだろう?
リン:
じぁー、お手!
ホワイト・ゴールド:
ワン♪
リン:
ほら!やっぱりワンコだよ!
ドラしゃん:
お嬢様の中の犬のイメージは、どの様なものなんですか?
ラミィお兄ちゃん:
もう、リンが犬って言うんだから良いじゃないかい?
本人達も、怒ってない様だし。ね?
ロドじぃーちゃん:
こりゃまた、リンの信者が増えたな。
ドラしゃん:
はー。
困りましたね。
これは、一度話し合いをしなければいけませんね。
ラミィお兄ちゃん:
なんの話し合いを?
ドラしゃん:
もちろん、誰が上かを教える話し合いですよ。
ロドじぃーちゃん:
(O_O)
ラミィお兄ちゃん:
(O_O)
ドラしゃん:
1番上は、誰かを教えないとね。
特に新参者には...
では、次回も良ければ^ ^
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