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第三章 発展〜街から小さな国へ〜
3-21 緊急会議と不思議な現象?!
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ヤカさん達の結婚式から数週間後、お父さん達がギルドで仕事をしていると、ロドじぃーちゃんが連絡をしていた外の知り合い(冒険者)から調査の報告書が届いた。
その報告書を読むと、彼らが居た町や村は予想を遥かに上回る悲惨なものだったそうだ。
町や村で生活していた人の生き残りはいった先では見つからず、亡骸の一部と朽ちた家屋があるだけだったそうだ。
その為、亡骸は調べに寄ってくれた冒険者達が埋葬したと追記で書かれていた。
そして、たまたまあの事件があった時に町や村を出ていた生存者と遭遇する事が出来たとも書かれていた。
それは...カブさんの息子さん夫婦とモチさんと幼馴染の女性だった。
彼らは、出先で自分達の住んでいた町や村が襲撃に遭っているのを聞いて、戻ってきたら悲惨な惨状を目にしたという。
残っていた亡骸などを確認して周り、自分達の身内のがないことを知り、諦めきれずに探していたのだと言う。
魔物に骨も残さず食べられていたらそれはそれで仕方がないが、少しでも可能性があるならという思いで必死に探していたそうだ。
調査にきて、亡骸を埋葬している冒険者達と遭遇して、話を聞いてそのことが分かったと書かれていた。
あと、今の所は他の小さな町や村では被害がないことや三つの町と村の惨劇が耳に入り、近隣の町や村の人達は早めに大きな街に避難していたらしく、これといって人災はなかったそうだ。
その上、ロドじぃーちゃんが連絡を取っていた冒険者達が、遭遇した彼らをわざわざ私達の街に連れてくるとも書かれていた。
すぐそれをカブさん達にお父さんが報告すると、カブさん夫妻とモチさんは泣いて喜んだ。
ロドじぃーちゃんから連絡を受けたドラしゃんは、王様に速達で追加報告をすると...王様からは全て私達に任せると即刻返事がきた。
そこで、ロドじぃーちゃんは冒険者達にこの街に来るように連絡を放った。
ロドじぃーちゃんが、連絡をしてから数日後。
私達の街に冒険者達と一緒に生存者が無事に訪ねて来た。
街に来た冒険者達を出迎えると、ムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんは驚いていた。
なんとその冒険者って言うのが、ムキじぃーちゃん達の昔の仲間だったからだ。
文字を見てまさかとは思っていたが、本当に彼らが来るとはおもっていなかったのだ。
ロドじぃーちゃんのお使いで、調べに回ってくれていた冒険者って言うのが、獣人族の中でも珍しいライオンと黒豹のハーフの獣人のララフィム(男性)と熊族のマプマ(女性)に、鳥人族のサファヤ(男性)の3人組。
3人ともS S級の冒険者で、この世界で彼らを知らない人はいないぐらいの有名な冒険者達だった。
勿論だが、私に一目見て懐かれたのは言うまでもない。
彼らは、私達の街の存在を知り驚いていたが、すぐにこの街を気に入ってくれた。
なにせ街には知り合いが多く、何より無条件で懐いてくる子ども(私)が居る為、嫌な気はしなかったという。
街に来て速攻、ここに住む事を決めたのは言うまでもなかった。
なにせ、自分達が良く連む後輩も連れて来たいと言って、生存者達を街に置いて数日出かけていったぐらいだかね。
彼らが置いて行った生存者はと言うと...カブさんの息子さん夫婦のカブラさん。60歳、男性。
カブラさんの奥さん、サシハさん。59歳、女性。
カブラさん夫妻の息子のココヤさん。19歳、男性。
そして、モチさんの幼馴染のランさん、55歳、女性。
それぞれ、カブさん夫妻とモチさんと再会を祝い、彼らもこの街に住む事になった。
カブラさん一家は、家が建つまでカブさんの家で過ごすことに。
ランさんはというと...モチさんの家で過ごす事になった。
冒険者達が、街を出てから数日後。なんと大所帯でもどってきてのだ。
ララフィムさん達の後輩の冒険者で、 S級冒険者、剣士のカイン(人間・男性)、魔法使いのシリン(ハーフエルフ・女性)、弓使いのタリント(エルフ・男性)、大剣使いのココマ(ドワーフ・男性)、短剣使いのママラ(人間・女性)、鍛治士見習いのカシ(ドワーフ・女性)、魔法使い見習いのナホマ(兎人族・女性)の計7人だ。
なぜ彼らがここに?と疑問が湧くが、どうやらこの街の外での冒険者に対する扱いは年々酷くなってくるモノがあるとの事だ。
一部として、仕事は無理難題の内容が多かったり、成功報酬が適正に払って貰えなかったりと色々あるそうだ。
その為、今後の生活に悩んでいる中ロドじぃーちゃんから連絡が来て、この依頼を最後に冒険者を辞めようと思っていたという。
しかしだ。
この街に来て、昔の仲間が生き生きと生活をしているのを間近で見て、羨ましくなったと話す。
そのため自分達だけでなく、自分達に懐いてくれている後輩も連れて来たくなったと、話してくれた。
そこまで言われたら、出て行けとは言えないのがこの街の人達。
特にわたしの両親はね。
何より、私とお兄ちゃんが速攻で懐いてしまったので、引き離すのがはなから無理だった。
ということは...取る手段は一つ。
速攻ドラしゃんが王様に伝え、返事の内容を予測して、ロドじぃーちゃんが彼らが所属していた冒険者ギルドに連絡を取ったりなんかをして、この街で生活していけるようにしてくれたのは言うまでもない。
あれよあれよと住人が増えていく私達の住む街。
それに合わせて、お父さんとドムじぃーちゃん、ムキじぃーちゃんとが力を合わせて住居建設に勤しむ事に。
あらかた落ち着いてから、また歓迎会をしようかと、お父さんとお母さんから提案がでた。
新しいメンバーの顔見せと、再度この街のあり方に着いて周知するのにどうかと言う事だ。
それに伴い、新しく増えた住人に仕事の割り振りをする事にした。
この状況を見て、もう街と言うより、国?になりつつあるなぁ~とドラしゃんが思った時だった。
突如私達の街に、王様と側近さんがやって来た。
なぜか重々し雰囲気...なのは...気のせいでないね。
王様と側近さんの来訪に喜んだのは、私とお兄ちゃん。そして、王子達だけだった。
もちろん私は、側近のセバしゃんに直行だ。
私達の嬉しそうな雰囲気とは真逆に、大人達は突如来た王様達に嫌な予感しかしていなかった。
私達とひとしきり遊んだ王様と側近のセバしゃんは、私達を街の人達に預けて、お父さん、お母さん、ムキじぃーちゃん、ドラしゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん、ラディじぃーちゃん、カシムじぃーちゃんを呼び集めて、ギルドの会議室に篭ってしまった。
そこで、私は【大聖霊】達にお願いして、会議室で何をしているのか探ってもらう事にした。
【大聖霊】達は、私の提案に乗ってくれ、さっそくドライアドとシルフ、ウンディーナが力を貸してくれた。
私とお兄ちゃん、王子達は、子守りをしてくれていたギルド職員さんに、【大聖霊】達と遊んで来るといい、噴水広場に向かった。
ウンディーナの力で、噴水の中に会議室の映像が浮かびあがる。
ドライアドとシルフの力で、音声も聴ける様になった。
私達の周りに、【大聖霊】達がいるので誰も近寄って来ない。
私達は、噴水の中の皆の様子をじっーと見つめる。
その頃、ギルドの会議室では私達に覗かれている事にも気付かずに、話し合いが行われていた。
王様を中心にして、両脇に皆分かれて座っていた。
お父さんとお母さんも少し緊張している様子だった。
司会進行はいつも通り、セバしゃん。
「お忙しい中、申し訳ありません。突然の来訪申し訳ありません。
しかし、少々こちらの街の事で問題が発生しましたので、急いで参りました。」
セバしゃんの言葉に、皆驚き半分、やはりかって感じの半分の様子。
皆は黙ってセバしゃんの次の言葉を待つ。
「あなた方には、非がない事を先にお伝えしておきます。本来なら、私共が片付けしないといけない案件を引き受けてくれたり、珍しい物を献上して頂いているので、私と王にとってはありがたい程です。」
どうやらドラしゃんやムキじぃーちゃん達で、この街のって言うか私達の家の菜園で収穫した物や、お母さんが作った珍しい食べ物を献上していたのだ。
抜け目がないなぁーと思わずお兄ちゃん達は感心していた。
でも、セバしゃんの言葉で気になる事があった。
それは、私達だけでなく会議室に居る皆も同じだった。
『お前と王がありがたがっているのは、良しとしよう。
では、どこのどいつが反感を持っているんだ?』
ドラしゃんが皆の心を代弁してくれた。
ドラしゃんの質問には、ずっと黙っていた王様が答えた。
「我が国の者は誰も文句は言っていない。それどころが、この街の存在を心よく思い、交流を持ちたがっている者が多いため、制御するのが大変な方だ。
文句を言っているのは隣国の連中だ。
"なぜ、お前の国には、"国"がもう一つあるのだ"と。」
その王様の言葉に、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんはやはりかって顔になっていた。
(あっ!あの顔あの時の...)
私は教会を作る時に見た、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんの顔を思い出した。
王様の言葉にセバしゃんが付け足しをする。
「私達は特にどうこう思いませんが、やはり隣国の者共は納得していない様子でした。
この街は、街にしては住人は少ないですが、規模的には国になりつつあります。
その為、この街のあり方について再度考えないといけなくなりました。」
セバしゃんの言葉に、ドラしゃんが食ってかかっる。
『馬鹿を言う奴らをなぜ野放しにしている?黙らせたらいいじゃないか!
この街が、何の迷惑をかけたと言うんだ!』
ドラしゃんの言い分はごもっともだ。
私達は、楽しくのんびり家族で生活をしているだけなのだ。
私は不安な気持ちになり、隣にいるお兄ちゃんの腕にしがみつく。
お兄ちゃんは、私の気持ちに気付き優しく頭を撫でてくれた。
そんなお兄ちゃんも不安そうだ。
私達は、じっと噴水の中に映し出された光景を見つめるしかなかった。
ドラしゃんの言葉に、王様とセバしゃんは困っていた。
重苦し雰囲気の中、お父さんとお母さんが手を挙げて声をあげた。
「あのうー。発言いいでしょうか?」
お父さんとお母さんの声に、王様とセバしゃんはどうぞと発言を促す。
「まず、お聞きしたいのですが。なぜ隣国の人達がそんなにこの国の事を気にかけるのですか?」
「しかも、私達の街に対して何でそんなに警戒するのかしら?」
お父さんとお母さんの素朴な質問だった。
その質問には、ロドじぃーちゃんが答えた。
「この世界には、いくつかの国がある。昔戦争があったのも話したよな?
パワーバランスを崩さない様に、国の政情は均等になる様にしてるんだ。
しかし、お前さん達一家の出現で...この街ができた事によって少しずつだが、パワーバランスが崩れてきていんるだ。他の国に比べて、この街があるこの国の政情の方がよくなって来ているんだよ。
それを他の国の王族や貴族達が面白く思ってないってやつだ。」
ロドじぃーちゃんの言葉に、お父さんとお母さんはめちゃくちゃ驚く。
まさか、自分達の存在がそこまで大きく影響しているとは思っていなかったからだ。
お父さん達の反応に、今度はルミばぁーちゃんが声をあげた。
「本当はね、前から薄々分かっていた事なんだよ。しかし、私らもここまでこの街が大きくなるとは思わんかったからね。それに、あんたらに外の状況が伝わらない様にしていた私らの所為でもあるからね。」
その言葉に、ドムじぃーちゃんやラミィお兄ちゃん達も気不味そうな顔になっていた。
そこで、初めてお父さんとお母さん、私とお兄ちゃんも気付いた。
"私達は、本当にずっと守られていたんだ。なんて、世間知らずなんだ。"
てね。
神様以外に、これ程の人達に自分達が護られていたんだと言う事に...。
お父さんとお母さんは、恥ずかしく...いや悔しい気持ちになっていた。
私やお兄ちゃんは子供だから仕方がないとして、お父さんとお母さんは大人だ。
それなのに...って言う気持ちが強かった。
それに気付いたドラしゃんが怒りに震えていた。
そんなドラしゃんの様子に気付いた周りの人達は、かなり焦っていた。
私は思わず噴水の中のドラしゃんに手を伸ばす。
すると私は、噴水の中に吸い込まれて行った。
そして濡れるはずなのに濡れずに私は、会議室のドラしゃんの前になぜか座っていた。
あまりの出来事に私はもちろん、会議室にいた皆も固まっていた。
怒っていたドラしゃんも、私の出現に怒りがどこか行ってしまった様子だ。
私はキョトンと目をパチクリしながら、ドラしゃんの顔を机の上に座って眺める。
そんな私に初めに声をかけたのが、お父さんとお母さんだった。
「えっ?!リン?えっ?なんで?」
「リン?!どこから来たの?」
お父さんとお母さんの声に、ムキじぃーちゃん達も大慌て。
会議室の扉を開けて他に誰かいないか確かめたり、天井を調べたりしだす。
私はとりあえず、目の前のドラしゃんに声をかけた。
「ドラしゃん。おこっちゃイヤよ?
ドラしゃん、おこったらまちがなくなっちゃう。」
私の言葉に、ドラしゃんはグッと気まずそうな顔をする。
私もなぜそんな言葉を言ったのか、わからなかった。
ドラしゃんの顔を見たらその言葉が自然とでた...としか言えなかった。
そして、私は言葉をさらに続ける。
「ありがとうね。わたしたちをまもってくれてたもんね。
へいわにくらせるように。
このせかいのことに。とくに、このくにのめんどうごとに、まきこまないようにしてくれてたんもね。
でもね。わたしやお兄ちゃんはともかく、お父さんとお母さんには教えてあげてね。
でないと、わたしとお兄ちゃんが大きくなったときにこまるよね。」
私の言葉に、ドラしゃんを含めて周囲の大人達は愕然とした。
たった4歳の子供が言う台詞では、なかったからだ。
すると、どうだろうか。
私の身体が光に包まれたかと思ったら私は成長した姿になった。
「私はまだまだ子供だけど、いずれは大人になるのよ?
その時は、今皆が護ってくれた分、私が皆を護ってあげるわ。
だからね?ドラしゃん。私達をこの世界の住人にして。ちゃんとこの世界の揉め事に、巻き込んでくれて大丈夫よ。
だって、私達はこの街で、この世界で生活する事を覚悟して、生活してるんだよ。
ちゃんと私もお兄ちゃんも成長するんだから。」
そう言うと、また私は光に包まれて元の姿に戻った。
私はドラしゃんに笑顔を向けると一気に睡魔に襲われてそのまま眠ってしまったのだった。
ユウダイ:
リン!いったい、我が子はどんな事をするんだ?
親の私達でもらわからないよ。
ユイカ:
特にリンは、行動予測が不可能よね。
悪戯っ子なんだから。
ムキじぃーちゃん:
Σ(゚д゚lll)お前達、あの出来事を悪戯ですませるのか?
ロドじぃーちゃん:
それは無理があるだろう...。
ルミばぁーちゃん:
本当に、リンはとんでもない子だね。
心臓がいくつあっても追いつかないね。
ドムじぃーちゃん:
突然現れて、しかも大きくなるなんざぁー。
どうなってんだ?
ラミィお兄ちゃん:
しかし、大きくなったリンも可愛かったですね^ ^
ラディじぃーちゃん:
ありゃ~モテるぞ♪
カシムじぃーちゃん:
確かに。あの姿が、本当に大人になったリンの姿なら危ないですね。
ユウダイ:
_:(´ཀ`」 ∠):リン...まだ子供でいてくれぇー!!!
ドラしゃん:
(O_O)
ルミばぁーちゃん:
こりゃしばらくコイツは使い物にならないわね。
次回もよかったら見てきな。
その報告書を読むと、彼らが居た町や村は予想を遥かに上回る悲惨なものだったそうだ。
町や村で生活していた人の生き残りはいった先では見つからず、亡骸の一部と朽ちた家屋があるだけだったそうだ。
その為、亡骸は調べに寄ってくれた冒険者達が埋葬したと追記で書かれていた。
そして、たまたまあの事件があった時に町や村を出ていた生存者と遭遇する事が出来たとも書かれていた。
それは...カブさんの息子さん夫婦とモチさんと幼馴染の女性だった。
彼らは、出先で自分達の住んでいた町や村が襲撃に遭っているのを聞いて、戻ってきたら悲惨な惨状を目にしたという。
残っていた亡骸などを確認して周り、自分達の身内のがないことを知り、諦めきれずに探していたのだと言う。
魔物に骨も残さず食べられていたらそれはそれで仕方がないが、少しでも可能性があるならという思いで必死に探していたそうだ。
調査にきて、亡骸を埋葬している冒険者達と遭遇して、話を聞いてそのことが分かったと書かれていた。
あと、今の所は他の小さな町や村では被害がないことや三つの町と村の惨劇が耳に入り、近隣の町や村の人達は早めに大きな街に避難していたらしく、これといって人災はなかったそうだ。
その上、ロドじぃーちゃんが連絡を取っていた冒険者達が、遭遇した彼らをわざわざ私達の街に連れてくるとも書かれていた。
すぐそれをカブさん達にお父さんが報告すると、カブさん夫妻とモチさんは泣いて喜んだ。
ロドじぃーちゃんから連絡を受けたドラしゃんは、王様に速達で追加報告をすると...王様からは全て私達に任せると即刻返事がきた。
そこで、ロドじぃーちゃんは冒険者達にこの街に来るように連絡を放った。
ロドじぃーちゃんが、連絡をしてから数日後。
私達の街に冒険者達と一緒に生存者が無事に訪ねて来た。
街に来た冒険者達を出迎えると、ムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんは驚いていた。
なんとその冒険者って言うのが、ムキじぃーちゃん達の昔の仲間だったからだ。
文字を見てまさかとは思っていたが、本当に彼らが来るとはおもっていなかったのだ。
ロドじぃーちゃんのお使いで、調べに回ってくれていた冒険者って言うのが、獣人族の中でも珍しいライオンと黒豹のハーフの獣人のララフィム(男性)と熊族のマプマ(女性)に、鳥人族のサファヤ(男性)の3人組。
3人ともS S級の冒険者で、この世界で彼らを知らない人はいないぐらいの有名な冒険者達だった。
勿論だが、私に一目見て懐かれたのは言うまでもない。
彼らは、私達の街の存在を知り驚いていたが、すぐにこの街を気に入ってくれた。
なにせ街には知り合いが多く、何より無条件で懐いてくる子ども(私)が居る為、嫌な気はしなかったという。
街に来て速攻、ここに住む事を決めたのは言うまでもなかった。
なにせ、自分達が良く連む後輩も連れて来たいと言って、生存者達を街に置いて数日出かけていったぐらいだかね。
彼らが置いて行った生存者はと言うと...カブさんの息子さん夫婦のカブラさん。60歳、男性。
カブラさんの奥さん、サシハさん。59歳、女性。
カブラさん夫妻の息子のココヤさん。19歳、男性。
そして、モチさんの幼馴染のランさん、55歳、女性。
それぞれ、カブさん夫妻とモチさんと再会を祝い、彼らもこの街に住む事になった。
カブラさん一家は、家が建つまでカブさんの家で過ごすことに。
ランさんはというと...モチさんの家で過ごす事になった。
冒険者達が、街を出てから数日後。なんと大所帯でもどってきてのだ。
ララフィムさん達の後輩の冒険者で、 S級冒険者、剣士のカイン(人間・男性)、魔法使いのシリン(ハーフエルフ・女性)、弓使いのタリント(エルフ・男性)、大剣使いのココマ(ドワーフ・男性)、短剣使いのママラ(人間・女性)、鍛治士見習いのカシ(ドワーフ・女性)、魔法使い見習いのナホマ(兎人族・女性)の計7人だ。
なぜ彼らがここに?と疑問が湧くが、どうやらこの街の外での冒険者に対する扱いは年々酷くなってくるモノがあるとの事だ。
一部として、仕事は無理難題の内容が多かったり、成功報酬が適正に払って貰えなかったりと色々あるそうだ。
その為、今後の生活に悩んでいる中ロドじぃーちゃんから連絡が来て、この依頼を最後に冒険者を辞めようと思っていたという。
しかしだ。
この街に来て、昔の仲間が生き生きと生活をしているのを間近で見て、羨ましくなったと話す。
そのため自分達だけでなく、自分達に懐いてくれている後輩も連れて来たくなったと、話してくれた。
そこまで言われたら、出て行けとは言えないのがこの街の人達。
特にわたしの両親はね。
何より、私とお兄ちゃんが速攻で懐いてしまったので、引き離すのがはなから無理だった。
ということは...取る手段は一つ。
速攻ドラしゃんが王様に伝え、返事の内容を予測して、ロドじぃーちゃんが彼らが所属していた冒険者ギルドに連絡を取ったりなんかをして、この街で生活していけるようにしてくれたのは言うまでもない。
あれよあれよと住人が増えていく私達の住む街。
それに合わせて、お父さんとドムじぃーちゃん、ムキじぃーちゃんとが力を合わせて住居建設に勤しむ事に。
あらかた落ち着いてから、また歓迎会をしようかと、お父さんとお母さんから提案がでた。
新しいメンバーの顔見せと、再度この街のあり方に着いて周知するのにどうかと言う事だ。
それに伴い、新しく増えた住人に仕事の割り振りをする事にした。
この状況を見て、もう街と言うより、国?になりつつあるなぁ~とドラしゃんが思った時だった。
突如私達の街に、王様と側近さんがやって来た。
なぜか重々し雰囲気...なのは...気のせいでないね。
王様と側近さんの来訪に喜んだのは、私とお兄ちゃん。そして、王子達だけだった。
もちろん私は、側近のセバしゃんに直行だ。
私達の嬉しそうな雰囲気とは真逆に、大人達は突如来た王様達に嫌な予感しかしていなかった。
私達とひとしきり遊んだ王様と側近のセバしゃんは、私達を街の人達に預けて、お父さん、お母さん、ムキじぃーちゃん、ドラしゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん、ラディじぃーちゃん、カシムじぃーちゃんを呼び集めて、ギルドの会議室に篭ってしまった。
そこで、私は【大聖霊】達にお願いして、会議室で何をしているのか探ってもらう事にした。
【大聖霊】達は、私の提案に乗ってくれ、さっそくドライアドとシルフ、ウンディーナが力を貸してくれた。
私とお兄ちゃん、王子達は、子守りをしてくれていたギルド職員さんに、【大聖霊】達と遊んで来るといい、噴水広場に向かった。
ウンディーナの力で、噴水の中に会議室の映像が浮かびあがる。
ドライアドとシルフの力で、音声も聴ける様になった。
私達の周りに、【大聖霊】達がいるので誰も近寄って来ない。
私達は、噴水の中の皆の様子をじっーと見つめる。
その頃、ギルドの会議室では私達に覗かれている事にも気付かずに、話し合いが行われていた。
王様を中心にして、両脇に皆分かれて座っていた。
お父さんとお母さんも少し緊張している様子だった。
司会進行はいつも通り、セバしゃん。
「お忙しい中、申し訳ありません。突然の来訪申し訳ありません。
しかし、少々こちらの街の事で問題が発生しましたので、急いで参りました。」
セバしゃんの言葉に、皆驚き半分、やはりかって感じの半分の様子。
皆は黙ってセバしゃんの次の言葉を待つ。
「あなた方には、非がない事を先にお伝えしておきます。本来なら、私共が片付けしないといけない案件を引き受けてくれたり、珍しい物を献上して頂いているので、私と王にとってはありがたい程です。」
どうやらドラしゃんやムキじぃーちゃん達で、この街のって言うか私達の家の菜園で収穫した物や、お母さんが作った珍しい食べ物を献上していたのだ。
抜け目がないなぁーと思わずお兄ちゃん達は感心していた。
でも、セバしゃんの言葉で気になる事があった。
それは、私達だけでなく会議室に居る皆も同じだった。
『お前と王がありがたがっているのは、良しとしよう。
では、どこのどいつが反感を持っているんだ?』
ドラしゃんが皆の心を代弁してくれた。
ドラしゃんの質問には、ずっと黙っていた王様が答えた。
「我が国の者は誰も文句は言っていない。それどころが、この街の存在を心よく思い、交流を持ちたがっている者が多いため、制御するのが大変な方だ。
文句を言っているのは隣国の連中だ。
"なぜ、お前の国には、"国"がもう一つあるのだ"と。」
その王様の言葉に、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんはやはりかって顔になっていた。
(あっ!あの顔あの時の...)
私は教会を作る時に見た、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんの顔を思い出した。
王様の言葉にセバしゃんが付け足しをする。
「私達は特にどうこう思いませんが、やはり隣国の者共は納得していない様子でした。
この街は、街にしては住人は少ないですが、規模的には国になりつつあります。
その為、この街のあり方について再度考えないといけなくなりました。」
セバしゃんの言葉に、ドラしゃんが食ってかかっる。
『馬鹿を言う奴らをなぜ野放しにしている?黙らせたらいいじゃないか!
この街が、何の迷惑をかけたと言うんだ!』
ドラしゃんの言い分はごもっともだ。
私達は、楽しくのんびり家族で生活をしているだけなのだ。
私は不安な気持ちになり、隣にいるお兄ちゃんの腕にしがみつく。
お兄ちゃんは、私の気持ちに気付き優しく頭を撫でてくれた。
そんなお兄ちゃんも不安そうだ。
私達は、じっと噴水の中に映し出された光景を見つめるしかなかった。
ドラしゃんの言葉に、王様とセバしゃんは困っていた。
重苦し雰囲気の中、お父さんとお母さんが手を挙げて声をあげた。
「あのうー。発言いいでしょうか?」
お父さんとお母さんの声に、王様とセバしゃんはどうぞと発言を促す。
「まず、お聞きしたいのですが。なぜ隣国の人達がそんなにこの国の事を気にかけるのですか?」
「しかも、私達の街に対して何でそんなに警戒するのかしら?」
お父さんとお母さんの素朴な質問だった。
その質問には、ロドじぃーちゃんが答えた。
「この世界には、いくつかの国がある。昔戦争があったのも話したよな?
パワーバランスを崩さない様に、国の政情は均等になる様にしてるんだ。
しかし、お前さん達一家の出現で...この街ができた事によって少しずつだが、パワーバランスが崩れてきていんるだ。他の国に比べて、この街があるこの国の政情の方がよくなって来ているんだよ。
それを他の国の王族や貴族達が面白く思ってないってやつだ。」
ロドじぃーちゃんの言葉に、お父さんとお母さんはめちゃくちゃ驚く。
まさか、自分達の存在がそこまで大きく影響しているとは思っていなかったからだ。
お父さん達の反応に、今度はルミばぁーちゃんが声をあげた。
「本当はね、前から薄々分かっていた事なんだよ。しかし、私らもここまでこの街が大きくなるとは思わんかったからね。それに、あんたらに外の状況が伝わらない様にしていた私らの所為でもあるからね。」
その言葉に、ドムじぃーちゃんやラミィお兄ちゃん達も気不味そうな顔になっていた。
そこで、初めてお父さんとお母さん、私とお兄ちゃんも気付いた。
"私達は、本当にずっと守られていたんだ。なんて、世間知らずなんだ。"
てね。
神様以外に、これ程の人達に自分達が護られていたんだと言う事に...。
お父さんとお母さんは、恥ずかしく...いや悔しい気持ちになっていた。
私やお兄ちゃんは子供だから仕方がないとして、お父さんとお母さんは大人だ。
それなのに...って言う気持ちが強かった。
それに気付いたドラしゃんが怒りに震えていた。
そんなドラしゃんの様子に気付いた周りの人達は、かなり焦っていた。
私は思わず噴水の中のドラしゃんに手を伸ばす。
すると私は、噴水の中に吸い込まれて行った。
そして濡れるはずなのに濡れずに私は、会議室のドラしゃんの前になぜか座っていた。
あまりの出来事に私はもちろん、会議室にいた皆も固まっていた。
怒っていたドラしゃんも、私の出現に怒りがどこか行ってしまった様子だ。
私はキョトンと目をパチクリしながら、ドラしゃんの顔を机の上に座って眺める。
そんな私に初めに声をかけたのが、お父さんとお母さんだった。
「えっ?!リン?えっ?なんで?」
「リン?!どこから来たの?」
お父さんとお母さんの声に、ムキじぃーちゃん達も大慌て。
会議室の扉を開けて他に誰かいないか確かめたり、天井を調べたりしだす。
私はとりあえず、目の前のドラしゃんに声をかけた。
「ドラしゃん。おこっちゃイヤよ?
ドラしゃん、おこったらまちがなくなっちゃう。」
私の言葉に、ドラしゃんはグッと気まずそうな顔をする。
私もなぜそんな言葉を言ったのか、わからなかった。
ドラしゃんの顔を見たらその言葉が自然とでた...としか言えなかった。
そして、私は言葉をさらに続ける。
「ありがとうね。わたしたちをまもってくれてたもんね。
へいわにくらせるように。
このせかいのことに。とくに、このくにのめんどうごとに、まきこまないようにしてくれてたんもね。
でもね。わたしやお兄ちゃんはともかく、お父さんとお母さんには教えてあげてね。
でないと、わたしとお兄ちゃんが大きくなったときにこまるよね。」
私の言葉に、ドラしゃんを含めて周囲の大人達は愕然とした。
たった4歳の子供が言う台詞では、なかったからだ。
すると、どうだろうか。
私の身体が光に包まれたかと思ったら私は成長した姿になった。
「私はまだまだ子供だけど、いずれは大人になるのよ?
その時は、今皆が護ってくれた分、私が皆を護ってあげるわ。
だからね?ドラしゃん。私達をこの世界の住人にして。ちゃんとこの世界の揉め事に、巻き込んでくれて大丈夫よ。
だって、私達はこの街で、この世界で生活する事を覚悟して、生活してるんだよ。
ちゃんと私もお兄ちゃんも成長するんだから。」
そう言うと、また私は光に包まれて元の姿に戻った。
私はドラしゃんに笑顔を向けると一気に睡魔に襲われてそのまま眠ってしまったのだった。
ユウダイ:
リン!いったい、我が子はどんな事をするんだ?
親の私達でもらわからないよ。
ユイカ:
特にリンは、行動予測が不可能よね。
悪戯っ子なんだから。
ムキじぃーちゃん:
Σ(゚д゚lll)お前達、あの出来事を悪戯ですませるのか?
ロドじぃーちゃん:
それは無理があるだろう...。
ルミばぁーちゃん:
本当に、リンはとんでもない子だね。
心臓がいくつあっても追いつかないね。
ドムじぃーちゃん:
突然現れて、しかも大きくなるなんざぁー。
どうなってんだ?
ラミィお兄ちゃん:
しかし、大きくなったリンも可愛かったですね^ ^
ラディじぃーちゃん:
ありゃ~モテるぞ♪
カシムじぃーちゃん:
確かに。あの姿が、本当に大人になったリンの姿なら危ないですね。
ユウダイ:
_:(´ཀ`」 ∠):リン...まだ子供でいてくれぇー!!!
ドラしゃん:
(O_O)
ルミばぁーちゃん:
こりゃしばらくコイツは使い物にならないわね。
次回もよかったら見てきな。
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