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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜
4-10 驚きの話
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私は沢山の新しい【聖獣】と契約を結び、お兄ちゃんには初めての【聖獣】の卵を手にする事が出来た。
そのおかげ?で、周りの大人達は暫く胃を痛めたのは言うまでもなかった。
私の知恵熱もいつの間にか消えていて、身体もすっかり元気になっていた。
私が新しく契約した【聖獣】は、ソラ達みたいに体を小さく出来たので、私達の家にそのまま連れて帰得る事にした。
今回の事を同盟国にも知らせないといけなくなり、話し合いは中断してとりあえず明日からお城の再建築からスタートする事にして、その日はそのまま一度解散となった。
他の同盟国の国王様達への連絡は、セバしゃんと王様が行うことに。
セバしゃんと王様から連絡を受けた同盟国の国王様からは、全て"私"に任せると返事が返って来た。
【大聖霊】や【聖獣】に関しては、王様達では太刀打ちできないからだとドラしゃんが教えてくれた。
しかし、私やお兄ちゃんはまだ幼な子の為、私にはドラしゃんが、お兄ちゃんにはムキじぃーちゃんが常に付きっきり過ごすして、何かあれば対応する事になった。
その為、ムキじぃーちゃんは急遽私達家族と同居する事に。
我が家は元々大きく改築してあるので、部屋は直ぐに準備できた。
ムキじぃーちゃん用に建てた家は、そのままにして時々掃除や空気の入れ替えに行くことにした。
まぁ~ほとんど、今までの生活と対して変わりないのだけどね...。
ただ、ドラしゃんとムキじぃーちゃんの負担が増えただけのような気もするが...そこは...ねっ...。
今回お兄ちゃんが貰った【聖獣】の卵に関しては、【火の大聖霊】が産まれないことには、孵化する事がないので、【火の大聖霊】が産まれたら同盟国の王様達に報告する事になった。
その間は、卵は暫くお兄ちゃんの魔法鞄の中で眠る事に。
あと、【聖獣】達のご飯はどうなるの?と言うお母さんの疑問に、フウちゃんが答えてくれた。
基本【大聖霊】や【聖獣】は食事をしなくても大丈夫らしい。
特に主人が居る場合は、主人の魔力がご飯となるらしい。
あとは、新鮮な果物や木のみ。澄み切った水と空気で大丈夫らしい。
しかし、肉食系のクロくん、ホワイトとゴールドは、特定の生き物の肉が必要だった。
それに関しては、私では用意が出来ないので、同盟国の王様達に相談すると、交代で調達してくれる事になった。
その代わりに、お母さん手作りのお料理が一品贈呈の約束となった。
どうやら、以前ご馳走になった時の味が忘れられないとの事だ。
お母さんは、"別にいいですよ"って返事をしたので、交渉が成立した。
贈呈する料理は、その都度王様達が連絡するらしい。
そんなこんなが決まった事を、全て夕食時にムキじぃーちゃんから報告があった。
もちろん私達は、夕食を食べながらその話を聞いた。
「今回もエグかったわ。お前さん達頼むぜ。このままだったら、ワシら早死にしそうじゃわい。」
そう苦笑いしながらムキじぃーちゃんは話をする。
私達もわざとしたわけじゃないからなんとも言えないが...ムキじぃーちゃん達が早死にするのは嫌だから、頑張ってみることにすると返事をした。
その日は、早めに夕食を切り上げ私とお兄ちゃんは床に着いた。
私達が眠ったあと、一階のリビングでは、お父さん、お母さん、ドラしゃん、ムキじぃーちゃん。
そして、呼ばれて来たルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんがいた。
そして、今回の事で私達に内緒の話し合いが行われることに。
「今回の件で、リンやアキラには伏せて欲しい事がある。
本当は、話しておいた方がいいんだろうが、暫くはワシらで対応して様子を見てからにしようかとおもってるだが...。」
と、言いにくそうにムキじぃーちゃんが話出す。
ムキじぃーちゃんの様子で、只事ではない事を察知した皆は、静かに次の言葉をまった。
皆の様子に答えるかのように、ムキじぃーちゃんは話の続きを語り出す。
「実はな、【大聖霊】と【聖獣】がほぼ全部ここに集まった事によって、ここの土地以外にも余波が及んでいるようなんだ。」
そう語るムキじぃーちゃん。
お父さんとお母さんは、どう言うことかわからず首を傾げる。
それ以外の人達は、やはりかって言う反応を示しめす。
「ワシもはっきりした事は、なんとも言えんのだが...まず、ここの島が二回り程大きくなっているそうなんだ...。
そして、島を取り囲む水域にも変化があって、水質がかなり良くなっておって...光ってるそうなんだ...。」
ムキじぃーちゃんの言葉に、さすがに皆驚く。
そんな反応を見ながらも、ムキじぃーちゃんは言葉を続けた。
「それだけにとどまらず...同盟国の環境も急に良くなっているとか...。
休火山になってしまった山が、活動再開したり...減っていた火の精霊が少しずつだが増えて来ているとか...。
減って来ていた鉱山資源が復活したり...新たな鉱山が誕生したり...。
死の海化していた場所が...急に復活したり...。消えていた魚などの水産資源が戻ってきたり...しているんだとか...。
同盟国の王様達から速達で連絡が来て、感謝の言葉を言われたよ...。
しかし、あまりに急過ぎて不信感を持つ民が出てきているのと...。」
そこまで、話してまた言い淀むムキじぃーちゃん。
すでにここまでの話でも、頭痛の種となっているのに、それなのにまだ言い淀むようなことが?!
ムキじぃーちゃんは、戸惑いながらも腹を括って続きを話す。
「実は、不信感を持つ民の中には、もしかしたら、この世界に【聖女】が現れたのではと言う声がでているらしいんだ。
しかも、伝説上の【神聖女】の方が現れたのでは?ってな噂がでているらしいんだ。」
ムキじぃーちゃんの言葉に、お父さんとお母さん以外は息を呑んだ。
まさか、そこまで話が膨らんでいるとは思わなかったからだ。
「あの~う?【神聖女】ってなんなんですか?」
お父さんが恐る恐る質問する。
その質問には、ルミばぁーちゃんが答えた。
「これは、私らが子供の頃。いやそれ以前から語り継がれている御伽噺みたいなものなんだけどね...。
異世界から人が来たりする様な世界だから、本当にあった話なのかもしれないけど...〔世界から環境を維持する神や大聖霊、聖獣が姿を消した時、別次元より神に近き力を宿したモノが現れる。
そのものは、誰よりも清く、優しき心の持ち主。誰よりも強く、誰よりも優れた力を持つモノ。
それが、男なら新たな神となり。この世界の新たな神となる。
もしそのモノが女なら、神聖女となり、消えた神や大聖霊、聖獣を呼び戻し、更に新たな神や大聖霊、聖獣を生み出し、この世界を新たなものへと変えるであろう。
そして、その世界は永遠の祝福を得るのである。〕と言う話さ。」
ルミばぁーちゃんが言う話を聞いて、お父さんとお母さんは少し嫌な予感が...。
「あの~う...もしかして...。」
お母さんが何かを言おうとすると、その場に居ないはずのヒトの声がした。
『あくまでもそれは、私がこの世界の神になる前の話だよ。
私がこの世界の神になる前に、一度この世界は滅びかけた。
その時、私は異世界よりこの世界に呼ばれて、その滅びかけたこの世界を救った。その恩賞で、私は死んだ後この世界の神になったんだけどね。
その時に、前の神がその話を当時の国々の王に、神からの伝言だと言って、言い残したものさ。』
なんとお母さんの背後より、神様声が?!!いつの間にか、神様が現れていた。
そして、神様の話もとんでもない事が含まれていた。
急な展開で一同何度目かの唖然状態。
『イヤァー数ヶ月振り?数日振りかなぁ?元気にしてたかい?
あまりにも懐かしい話が聞こえて来たので、様子を見に来たよ。』
そう言って神様は、空いている場所へ腰を降ろす。
『この話については、私よりフレア...あー"ドラしゃん"の方が詳しいだろうね。
なんせ、私よりこの世界に居るのは長いからね。
前任の神が居る時代から生きているからね。彼は。』
そう言いながら、不敵な笑みを溢す神様。
神様の言葉を固定するかの様に、嫌な顔をするドラしゃん。
そんな事は気にせず、誰も喋らない事をいい事に、神様は喋り続ける。
『しかし、スティールミ...いや、"ルミばぁーちゃん"だったね。君が、話し出すまで、その話を私もすっかり忘れていたよ...。
しかし、前任の神は今回の件も見通していたのだろうね。
だから、そんな言葉を残したのだろうね...。
確かに、君達が感じている様にリンはこの伝説上の話にしっくり当てはまる。
でもね、よく考えてごらん。リンはまだ幼な子だ。これから先の未来の道は沢山あるよ。
リンだけじゃない。アキラもだ。
彼らの未来は、夢いっぱいだ。本人達の選択次第で、どうにでもなる。
もちろん、"御伽噺"みたいな結果になるとは限らない。
私もそれは望まない。ただ、本人達がそれを望むなら協力はする。
だから、彼らの未来への選択肢を狭めない様にしておくれよ。
そして、"御伽噺"を鵜呑みにして、彼らを悪用する様な輩がきっと現れるはずだ。
そんな奴らの手にリンとアキラが渡らないように頼むね。』
神様はそう皆に言い聞かせる様に話をする。
『あと、コレをリンに渡しておいてくれるかい?』
そう言って、神様はお母さんにある物を手渡した。
お母さんの手にしたものは、不思議な石が嵌め込まれた首輪だ。
「コレは一体?」
お母さんが神様に尋ねると、神様は微笑しながら答える。
『さすがに、今回の件は私も驚いたからね。このままリンの力を放置して置くと、新しい土地どころか、世界まで創りかねないからね特別に急いで作ったんだ。
それは、リンの力を抑えるものさ。
リンがしっかりと物事を判別して、力を上手に使える様になるまで、首にはめておいて欲しい。
必要以上の力が、リンから発せられるとそこに嵌め込んである石が吸収して抑える役目をしてくれる。
そして、ある程度力を吸収したら、またリンの体に戻る様にもしてある。
もちろん、リンの体の成長を妨げたり、負担を与えたりしないから心配しなくても大丈夫だよ。』
神様がそう説明し終えると、神様に向かって罵声が一気に飛んできた。
「「「「「そんなものがあるな、もっと早くからつくっておけよ!」」」」」
皆にそう言われて、神様はしょんぼり。
『お前、まさかこうなる事を見越して今まで作らなかったのか?』
ドラしゃんの言葉に、神様に一斉に冷たい視線が。
神様は全力で首を横に振った。
『まさか!そんなわけないよ。私だって、リンの力がここまで凄いとは、想定外だったんだから!
だから急いでコレを用意したんだよ!
失礼だね!
それに、もう少しリンの力のコントロールについて周りがフォローできると思っていたんだけどね...。
それがどうだい?皆メロメロになってさぁ~。甘やかしてるだからさぁ~。』
この神様の言葉に、お父さんお母さん以外の人達は言い逃れが出来なかった。
なにせ図星ですから...。
『でも、これ以上リンの力が溢れ出すと、リンの体にも今後大きな負担がかかるだろうから、丁度いい機会だったと思うよ。』
お母さんとお父さんは、神様から授かった首輪を見つめた。
『大丈夫だよ。リンが成長したら、その首輪は自然と消えるから。その首輪が消えたらもう心配ないからね。』
そう神様は、お父さんとお母さんに微笑みながら伝える。
この言葉を聞いて、お父さんとお母さんは少しホッとした表情を見せる。
『あと、この国全体に私の結果を張ってある。悪意あるモノは入れないが、油断は禁物だよ。
コレからも、きっとあの2人は私達の予想を超えた事を平然とやってのけるだろうが、ここに居るメンバーならそれを対処できると私は信じてるからね。
頼んだよ!』
そう言い切ると、神様は姿を消した。
「この世界に来てから、予想外の事ばかりだから、何が普通で、何が予想外なのかもうわからないわ。」
神様が消えたあと、お母さんは首輪を見つめながら言葉を口にする。
「でも、私はここに来た事を一度も後悔はしてないわ。
ここに来なかったら、リンやアキラのあんな元気な姿を見る事は二度と出来なかったし、皆にも会えなかったしね。」
そう言いながら、お母さんは顔を上げて皆の顔を見渡した。
「ここに来てから私達は、皆に迷惑ばかりかけて申し訳ないと思ってます。
しかし、もう暫く。せめて、この世界で与えられた寿命が尽きるまでは、あの子達とこの世界で生活をしたいんです。我儘な事を言ってるのは分かってます。でも、...。」
お母さんが、少し思い詰めた様に話していると、ルミばぁーちゃんが話を遮った。
「何言ってんだい。ここに居る連中の中で、誰か1人でも迷惑だって言った奴が居るかい?
居ないだろう?だったら変な心配はしなさんな。
私らも、毎日刺激的な日々が送れて"ボケ防止"になってるから助かってるよ。」
ルミばぁーちゃんが笑顔でそう言った。
その言葉に、その場にいる皆が頷いた。
「安心しな。頼りないかもしれんが、嫌だと言っても俺たちはとことん首を突っ込んでやるよ。」
「そうですね。のんびりした生活より、刺激的な方が飽きが来ないのでいいですね。」
「子供は、周りの大人に迷惑をかけながら育つもんだろう?
逆に、一つも迷惑をかけない子の方が気持ちが悪いわい。」
「そうでっせ。ワテら皆家族なんでっしゃろ?だったら助け合うのは当然!」
『私達は、...私はお嬢様やアキラ様。そして、旦那様や奥様と出会えて本当に良かったです。
ですので、コレからも頼って下さい。
迷惑だなんて思わないで下さい。』
皆からの暖かい言葉に、お父さんもお母さんも心底感謝をする。
『それに、あの"クソ"が残して言った伝承通りに、事を進める気は一切ありません。
お嬢様もアキラ様も、未来への選択肢は無数にあります。
ご本人が望まい道を絶対に進めさせません!!』
ドラしゃんはそう、宣言した。
宣言した言葉の中に多少のトゲの様な物を感じたが、誰も突っ込まなかった。
いや突っ込めなかったのだ。
なんせ、ドラしゃんが異様に燃えていたからだ。
今夜の話し合いで、朝から私が起きた時にこの首輪をはめる事で、一同同意した。
本当に、私の為になる物ならと。
そして、明日はお城の改築と同時進行で街の改装を行っていく事になった。
ムキじぃーちゃん:
久しぶりにまともな仕事をした感じだ。
ロドじぃーちゃん:
俺たちにまともな仕事ってあったか?
ムキじぃーちゃん:
....ないな。
ロドじぃーちゃん:
だろ?
ムキじぃーちゃん:
たいがい、魔獣退治か野党退治か、酔っ払いの相手だな。
ロドじぃーちゃん:
ならまっしじゃねぇーか。俺なんか、あのババァーの管理している区域の草むりとか、ゴミ拾いとか
あとは、書類ばっかりだぜ?!
ムキじぃーちゃん:
草抜きとかゴミ拾いは、別に良いけどよ、書類は嫌だなぁー~_~;
ロドじぃーちゃん:
だろ?
しかもあのババァーがよ、"ここの字が汚い!書き直し!""読める字で書いてこい!"とか文句付きだぜぇー!
ムキじぃーちゃん:
(OvO)そっ、それは...。Σ(゚д゚lll)
ロドじぃーちゃん:
しかもよ、文句を言うとさすぐに手が出るしよ。
よくあんなのを嫁に貰おうと思った奴がいたもんだよ。
ムキじぃーちゃん:
おっ、おい...それ以上は..:(;゙゚'ω゚'):
ロドじぃーちゃん:
必要以上にガミガミ言うもんだからよ、シワは増えるわ、白髪が増えるんだよ
ざまぁーみろって...グハッ!!
(*_*)
ルミばぁーちゃん:
言いたい事はそれだけかい?
しかし、良く喋る口だね^ ^
男なのにね^ ^もう暫く静かにしてようかね^ ^
ムキじぃーちゃん:
次回、無事でいる事を祈ってやって欲しい
そのおかげ?で、周りの大人達は暫く胃を痛めたのは言うまでもなかった。
私の知恵熱もいつの間にか消えていて、身体もすっかり元気になっていた。
私が新しく契約した【聖獣】は、ソラ達みたいに体を小さく出来たので、私達の家にそのまま連れて帰得る事にした。
今回の事を同盟国にも知らせないといけなくなり、話し合いは中断してとりあえず明日からお城の再建築からスタートする事にして、その日はそのまま一度解散となった。
他の同盟国の国王様達への連絡は、セバしゃんと王様が行うことに。
セバしゃんと王様から連絡を受けた同盟国の国王様からは、全て"私"に任せると返事が返って来た。
【大聖霊】や【聖獣】に関しては、王様達では太刀打ちできないからだとドラしゃんが教えてくれた。
しかし、私やお兄ちゃんはまだ幼な子の為、私にはドラしゃんが、お兄ちゃんにはムキじぃーちゃんが常に付きっきり過ごすして、何かあれば対応する事になった。
その為、ムキじぃーちゃんは急遽私達家族と同居する事に。
我が家は元々大きく改築してあるので、部屋は直ぐに準備できた。
ムキじぃーちゃん用に建てた家は、そのままにして時々掃除や空気の入れ替えに行くことにした。
まぁ~ほとんど、今までの生活と対して変わりないのだけどね...。
ただ、ドラしゃんとムキじぃーちゃんの負担が増えただけのような気もするが...そこは...ねっ...。
今回お兄ちゃんが貰った【聖獣】の卵に関しては、【火の大聖霊】が産まれないことには、孵化する事がないので、【火の大聖霊】が産まれたら同盟国の王様達に報告する事になった。
その間は、卵は暫くお兄ちゃんの魔法鞄の中で眠る事に。
あと、【聖獣】達のご飯はどうなるの?と言うお母さんの疑問に、フウちゃんが答えてくれた。
基本【大聖霊】や【聖獣】は食事をしなくても大丈夫らしい。
特に主人が居る場合は、主人の魔力がご飯となるらしい。
あとは、新鮮な果物や木のみ。澄み切った水と空気で大丈夫らしい。
しかし、肉食系のクロくん、ホワイトとゴールドは、特定の生き物の肉が必要だった。
それに関しては、私では用意が出来ないので、同盟国の王様達に相談すると、交代で調達してくれる事になった。
その代わりに、お母さん手作りのお料理が一品贈呈の約束となった。
どうやら、以前ご馳走になった時の味が忘れられないとの事だ。
お母さんは、"別にいいですよ"って返事をしたので、交渉が成立した。
贈呈する料理は、その都度王様達が連絡するらしい。
そんなこんなが決まった事を、全て夕食時にムキじぃーちゃんから報告があった。
もちろん私達は、夕食を食べながらその話を聞いた。
「今回もエグかったわ。お前さん達頼むぜ。このままだったら、ワシら早死にしそうじゃわい。」
そう苦笑いしながらムキじぃーちゃんは話をする。
私達もわざとしたわけじゃないからなんとも言えないが...ムキじぃーちゃん達が早死にするのは嫌だから、頑張ってみることにすると返事をした。
その日は、早めに夕食を切り上げ私とお兄ちゃんは床に着いた。
私達が眠ったあと、一階のリビングでは、お父さん、お母さん、ドラしゃん、ムキじぃーちゃん。
そして、呼ばれて来たルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんがいた。
そして、今回の事で私達に内緒の話し合いが行われることに。
「今回の件で、リンやアキラには伏せて欲しい事がある。
本当は、話しておいた方がいいんだろうが、暫くはワシらで対応して様子を見てからにしようかとおもってるだが...。」
と、言いにくそうにムキじぃーちゃんが話出す。
ムキじぃーちゃんの様子で、只事ではない事を察知した皆は、静かに次の言葉をまった。
皆の様子に答えるかのように、ムキじぃーちゃんは話の続きを語り出す。
「実はな、【大聖霊】と【聖獣】がほぼ全部ここに集まった事によって、ここの土地以外にも余波が及んでいるようなんだ。」
そう語るムキじぃーちゃん。
お父さんとお母さんは、どう言うことかわからず首を傾げる。
それ以外の人達は、やはりかって言う反応を示しめす。
「ワシもはっきりした事は、なんとも言えんのだが...まず、ここの島が二回り程大きくなっているそうなんだ...。
そして、島を取り囲む水域にも変化があって、水質がかなり良くなっておって...光ってるそうなんだ...。」
ムキじぃーちゃんの言葉に、さすがに皆驚く。
そんな反応を見ながらも、ムキじぃーちゃんは言葉を続けた。
「それだけにとどまらず...同盟国の環境も急に良くなっているとか...。
休火山になってしまった山が、活動再開したり...減っていた火の精霊が少しずつだが増えて来ているとか...。
減って来ていた鉱山資源が復活したり...新たな鉱山が誕生したり...。
死の海化していた場所が...急に復活したり...。消えていた魚などの水産資源が戻ってきたり...しているんだとか...。
同盟国の王様達から速達で連絡が来て、感謝の言葉を言われたよ...。
しかし、あまりに急過ぎて不信感を持つ民が出てきているのと...。」
そこまで、話してまた言い淀むムキじぃーちゃん。
すでにここまでの話でも、頭痛の種となっているのに、それなのにまだ言い淀むようなことが?!
ムキじぃーちゃんは、戸惑いながらも腹を括って続きを話す。
「実は、不信感を持つ民の中には、もしかしたら、この世界に【聖女】が現れたのではと言う声がでているらしいんだ。
しかも、伝説上の【神聖女】の方が現れたのでは?ってな噂がでているらしいんだ。」
ムキじぃーちゃんの言葉に、お父さんとお母さん以外は息を呑んだ。
まさか、そこまで話が膨らんでいるとは思わなかったからだ。
「あの~う?【神聖女】ってなんなんですか?」
お父さんが恐る恐る質問する。
その質問には、ルミばぁーちゃんが答えた。
「これは、私らが子供の頃。いやそれ以前から語り継がれている御伽噺みたいなものなんだけどね...。
異世界から人が来たりする様な世界だから、本当にあった話なのかもしれないけど...〔世界から環境を維持する神や大聖霊、聖獣が姿を消した時、別次元より神に近き力を宿したモノが現れる。
そのものは、誰よりも清く、優しき心の持ち主。誰よりも強く、誰よりも優れた力を持つモノ。
それが、男なら新たな神となり。この世界の新たな神となる。
もしそのモノが女なら、神聖女となり、消えた神や大聖霊、聖獣を呼び戻し、更に新たな神や大聖霊、聖獣を生み出し、この世界を新たなものへと変えるであろう。
そして、その世界は永遠の祝福を得るのである。〕と言う話さ。」
ルミばぁーちゃんが言う話を聞いて、お父さんとお母さんは少し嫌な予感が...。
「あの~う...もしかして...。」
お母さんが何かを言おうとすると、その場に居ないはずのヒトの声がした。
『あくまでもそれは、私がこの世界の神になる前の話だよ。
私がこの世界の神になる前に、一度この世界は滅びかけた。
その時、私は異世界よりこの世界に呼ばれて、その滅びかけたこの世界を救った。その恩賞で、私は死んだ後この世界の神になったんだけどね。
その時に、前の神がその話を当時の国々の王に、神からの伝言だと言って、言い残したものさ。』
なんとお母さんの背後より、神様声が?!!いつの間にか、神様が現れていた。
そして、神様の話もとんでもない事が含まれていた。
急な展開で一同何度目かの唖然状態。
『イヤァー数ヶ月振り?数日振りかなぁ?元気にしてたかい?
あまりにも懐かしい話が聞こえて来たので、様子を見に来たよ。』
そう言って神様は、空いている場所へ腰を降ろす。
『この話については、私よりフレア...あー"ドラしゃん"の方が詳しいだろうね。
なんせ、私よりこの世界に居るのは長いからね。
前任の神が居る時代から生きているからね。彼は。』
そう言いながら、不敵な笑みを溢す神様。
神様の言葉を固定するかの様に、嫌な顔をするドラしゃん。
そんな事は気にせず、誰も喋らない事をいい事に、神様は喋り続ける。
『しかし、スティールミ...いや、"ルミばぁーちゃん"だったね。君が、話し出すまで、その話を私もすっかり忘れていたよ...。
しかし、前任の神は今回の件も見通していたのだろうね。
だから、そんな言葉を残したのだろうね...。
確かに、君達が感じている様にリンはこの伝説上の話にしっくり当てはまる。
でもね、よく考えてごらん。リンはまだ幼な子だ。これから先の未来の道は沢山あるよ。
リンだけじゃない。アキラもだ。
彼らの未来は、夢いっぱいだ。本人達の選択次第で、どうにでもなる。
もちろん、"御伽噺"みたいな結果になるとは限らない。
私もそれは望まない。ただ、本人達がそれを望むなら協力はする。
だから、彼らの未来への選択肢を狭めない様にしておくれよ。
そして、"御伽噺"を鵜呑みにして、彼らを悪用する様な輩がきっと現れるはずだ。
そんな奴らの手にリンとアキラが渡らないように頼むね。』
神様はそう皆に言い聞かせる様に話をする。
『あと、コレをリンに渡しておいてくれるかい?』
そう言って、神様はお母さんにある物を手渡した。
お母さんの手にしたものは、不思議な石が嵌め込まれた首輪だ。
「コレは一体?」
お母さんが神様に尋ねると、神様は微笑しながら答える。
『さすがに、今回の件は私も驚いたからね。このままリンの力を放置して置くと、新しい土地どころか、世界まで創りかねないからね特別に急いで作ったんだ。
それは、リンの力を抑えるものさ。
リンがしっかりと物事を判別して、力を上手に使える様になるまで、首にはめておいて欲しい。
必要以上の力が、リンから発せられるとそこに嵌め込んである石が吸収して抑える役目をしてくれる。
そして、ある程度力を吸収したら、またリンの体に戻る様にもしてある。
もちろん、リンの体の成長を妨げたり、負担を与えたりしないから心配しなくても大丈夫だよ。』
神様がそう説明し終えると、神様に向かって罵声が一気に飛んできた。
「「「「「そんなものがあるな、もっと早くからつくっておけよ!」」」」」
皆にそう言われて、神様はしょんぼり。
『お前、まさかこうなる事を見越して今まで作らなかったのか?』
ドラしゃんの言葉に、神様に一斉に冷たい視線が。
神様は全力で首を横に振った。
『まさか!そんなわけないよ。私だって、リンの力がここまで凄いとは、想定外だったんだから!
だから急いでコレを用意したんだよ!
失礼だね!
それに、もう少しリンの力のコントロールについて周りがフォローできると思っていたんだけどね...。
それがどうだい?皆メロメロになってさぁ~。甘やかしてるだからさぁ~。』
この神様の言葉に、お父さんお母さん以外の人達は言い逃れが出来なかった。
なにせ図星ですから...。
『でも、これ以上リンの力が溢れ出すと、リンの体にも今後大きな負担がかかるだろうから、丁度いい機会だったと思うよ。』
お母さんとお父さんは、神様から授かった首輪を見つめた。
『大丈夫だよ。リンが成長したら、その首輪は自然と消えるから。その首輪が消えたらもう心配ないからね。』
そう神様は、お父さんとお母さんに微笑みながら伝える。
この言葉を聞いて、お父さんとお母さんは少しホッとした表情を見せる。
『あと、この国全体に私の結果を張ってある。悪意あるモノは入れないが、油断は禁物だよ。
コレからも、きっとあの2人は私達の予想を超えた事を平然とやってのけるだろうが、ここに居るメンバーならそれを対処できると私は信じてるからね。
頼んだよ!』
そう言い切ると、神様は姿を消した。
「この世界に来てから、予想外の事ばかりだから、何が普通で、何が予想外なのかもうわからないわ。」
神様が消えたあと、お母さんは首輪を見つめながら言葉を口にする。
「でも、私はここに来た事を一度も後悔はしてないわ。
ここに来なかったら、リンやアキラのあんな元気な姿を見る事は二度と出来なかったし、皆にも会えなかったしね。」
そう言いながら、お母さんは顔を上げて皆の顔を見渡した。
「ここに来てから私達は、皆に迷惑ばかりかけて申し訳ないと思ってます。
しかし、もう暫く。せめて、この世界で与えられた寿命が尽きるまでは、あの子達とこの世界で生活をしたいんです。我儘な事を言ってるのは分かってます。でも、...。」
お母さんが、少し思い詰めた様に話していると、ルミばぁーちゃんが話を遮った。
「何言ってんだい。ここに居る連中の中で、誰か1人でも迷惑だって言った奴が居るかい?
居ないだろう?だったら変な心配はしなさんな。
私らも、毎日刺激的な日々が送れて"ボケ防止"になってるから助かってるよ。」
ルミばぁーちゃんが笑顔でそう言った。
その言葉に、その場にいる皆が頷いた。
「安心しな。頼りないかもしれんが、嫌だと言っても俺たちはとことん首を突っ込んでやるよ。」
「そうですね。のんびりした生活より、刺激的な方が飽きが来ないのでいいですね。」
「子供は、周りの大人に迷惑をかけながら育つもんだろう?
逆に、一つも迷惑をかけない子の方が気持ちが悪いわい。」
「そうでっせ。ワテら皆家族なんでっしゃろ?だったら助け合うのは当然!」
『私達は、...私はお嬢様やアキラ様。そして、旦那様や奥様と出会えて本当に良かったです。
ですので、コレからも頼って下さい。
迷惑だなんて思わないで下さい。』
皆からの暖かい言葉に、お父さんもお母さんも心底感謝をする。
『それに、あの"クソ"が残して言った伝承通りに、事を進める気は一切ありません。
お嬢様もアキラ様も、未来への選択肢は無数にあります。
ご本人が望まい道を絶対に進めさせません!!』
ドラしゃんはそう、宣言した。
宣言した言葉の中に多少のトゲの様な物を感じたが、誰も突っ込まなかった。
いや突っ込めなかったのだ。
なんせ、ドラしゃんが異様に燃えていたからだ。
今夜の話し合いで、朝から私が起きた時にこの首輪をはめる事で、一同同意した。
本当に、私の為になる物ならと。
そして、明日はお城の改築と同時進行で街の改装を行っていく事になった。
ムキじぃーちゃん:
久しぶりにまともな仕事をした感じだ。
ロドじぃーちゃん:
俺たちにまともな仕事ってあったか?
ムキじぃーちゃん:
....ないな。
ロドじぃーちゃん:
だろ?
ムキじぃーちゃん:
たいがい、魔獣退治か野党退治か、酔っ払いの相手だな。
ロドじぃーちゃん:
ならまっしじゃねぇーか。俺なんか、あのババァーの管理している区域の草むりとか、ゴミ拾いとか
あとは、書類ばっかりだぜ?!
ムキじぃーちゃん:
草抜きとかゴミ拾いは、別に良いけどよ、書類は嫌だなぁー~_~;
ロドじぃーちゃん:
だろ?
しかもあのババァーがよ、"ここの字が汚い!書き直し!""読める字で書いてこい!"とか文句付きだぜぇー!
ムキじぃーちゃん:
(OvO)そっ、それは...。Σ(゚д゚lll)
ロドじぃーちゃん:
しかもよ、文句を言うとさすぐに手が出るしよ。
よくあんなのを嫁に貰おうと思った奴がいたもんだよ。
ムキじぃーちゃん:
おっ、おい...それ以上は..:(;゙゚'ω゚'):
ロドじぃーちゃん:
必要以上にガミガミ言うもんだからよ、シワは増えるわ、白髪が増えるんだよ
ざまぁーみろって...グハッ!!
(*_*)
ルミばぁーちゃん:
言いたい事はそれだけかい?
しかし、良く喋る口だね^ ^
男なのにね^ ^もう暫く静かにしてようかね^ ^
ムキじぃーちゃん:
次回、無事でいる事を祈ってやって欲しい
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