異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜

4-20 新たな街づくり開始します

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 どれだけ寝ていたのだろうか。
目が覚めると私とお兄ちゃんは家の中で寝ていた。

辺りをキョロキョロと見渡していると外からワイワイと人の声が聞こえてきた。
私がふわふわの綿クッションから降りると、反動で一緒に寝ていた【聖獣】達も起きて来た。

声がする方に向かい移動すると窓があったので、その窓から外を見るて確認する。

すると...いつのまにか数軒家やお店などの建物ができあり、なかには建設中のものもあった。

あれ?
私達が来た時は...?更地でしたよね??
首を傾げながら外を見ていると、お兄ちゃんも起きようで、背後で動く気配がする。

そして、私の姿を探してクッションから降りて来た。

「お兄ちゃん。おきた?あのねへんなの。みて!」

私は起きて来たお兄ちゃんに声をかけると、まだ眠たいのだろう。
目を擦りながらお兄ちゃんが向かって来る。

お兄ちゃんは、私にせかされながらも窓から外を見る。

すると先程まで眠たそうにしていたお兄ちゃんの目が一気に覚めて、食い入る様に窓にへばりついて外の風景を見つめる。

「ねえ?へんでしょ?」

私の声にお兄ちゃんは、窓にへばりついたまま首を縦に振る。
しばらくふたりで窓から外を見ていると、空中を飛んで移動するシルフと目が合った。

シルフは、私達に気付くと誰かを呼ぶ。
すると...勢いよく部屋の扉が開いて、ドラしゃんとムキじぃーちゃんが入って来た。

そして、窓にへばりつく私とお兄ちゃんを抱きしめる。

「くっ、くるしぃー....。」

私とお兄ちゃんが苦情を訴えると、抱きしめていた腕の力を緩めてくれた。

「良かったぜ。なかなか目が覚めないから心配したんだぞ。」

『そうですよ。初めての旅でしたので、私達が思っている以上におふたりの身体には負担があったのですね。申し訳ありません。』

ドラしゃんとムキじぃーちゃんが涙目で語る。
私とお兄ちゃんは、??な感じ。

『おふたりは3日ほど眠ったままでしたのう。』

ドラしゃんの後ろから、後続部隊に連絡しに行ったフウちゃんが姿を見せた。
えっ?3日?3日ってあの3日?

私とお兄ちゃんは目が点状態で驚く。
だって、たった一晩寝ていたつもりだったのが、3日って...。

困惑している私達にムキじぃーちゃんとドラしゃんが苦笑いしながら話しかてくる。

「お前さん達は寝ているがよ、飯の匂いを嗅がせたら寝ながらも飯を食ってたぞ。」

『何か悪い病気かと思い調べましたが、至って健康で疲労回復中としか結果が出なかったので、様子をみていたんです。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんの言葉に私とお兄ちゃんは顔を真っ赤にする。

「はずかしいです。」

そんな私達にドラしゃんもムキじぃーちゃんもホッとした表情を浮かべる。

そして、それぞれ私達を抱えて家の外へ向かう。
外に出ると、後続部隊と【大聖霊】達が協力してまちづくりをしていた。

【大聖霊】達の協力のおかげで、3日間で街の半分が完成していた。

本当なら2日ぐらいで完成させるつもりだったが、私とお兄ちゃんが目を覚さなかったので、力を抑えてくれたみたい。

私達の姿を見ると、作業していた人達は手を止めて集まって来た。

「良かった。目が覚めたんだなぁー!」

「心配したぞ!」

「どうだ?凄いだろう??」

など、笑顔で口々に声をかけてくれた。

『主人。おはようございます。ゆっくり休めたようで良かったです。
初めての旅でしたからね、お疲れでしたのでしょう。』

『街は半分できてるよ。主人が目が覚めたから、残りは一気に仕上げるからな。』

『造って欲しいものがあれば言えよ。』

『まだ間に合うからな。』

【大聖霊】達集まってきてそれぞれ声をかけてくれた。

私とお兄ちゃんは、照れながらも皆に挨拶をした。

「おはようございます。」

「おはようございます。長いこと寝ていたみたいで、すみません。今日から僕たちも手伝います。」

私とお兄ちゃんの声を聞いて、皆の顔に満面の笑顔が浮かぶ。

「2人も起きたことだし、皆!残りの作業も頑張るぞ!」

ムキじぃーちゃんの言葉に、皆は"おー!!"と声を上げ、それぞれまた持ち場に戻っていった。

【大聖霊】達も抑えていた力を少しずつ解放して、残り半分の街の土台を造っていく。

「しゅご?!」

【大聖霊】達が力を振るい出すと、まるで早送りされているかのように、目の前の景色が変わっていく。

建物しかなかった場所に、道がくられ、街灯やベンチ、井戸なんかも次々と作られていく。
建物だけでなく、草木や花も植えられていき、一気に景色が変わる。

街の中心には噴水ではなく石像が置かれて、周りを花壇で囲っていた。
ちなみに石像は、ドラゴンと戯れる私とお兄ちゃんだ。

街の建物は、石造りのものがメインだった。
石造りといてもレンガを使用していたので、カラフルだ。

どうやらこれもお父さんの本から学んだ知識のようで、土地柄的にも、北側は岩山や鉱石山が多くあり、材料に事欠かなかった。

そして、皆からの意見も集めて、この国に作る街は全て違うものにしようと言う事にしたみたいで、それぞれ特色のある街の方が面白いのでは?という事だった。

その為、メインの私達が住む街が"和"で統一したので、北側の街は"北欧風の石造り"の街で統一したみたい。

それぞれの家には、暖炉が設置されていたので、屋根には煙突が造られていた。

なぜ?と疑問に感じていたら、【大聖霊】達が凄い事を教えてくれた。

なんとこの国限定で、他の国ない"四季"が存在し出しているというのだ。

【大聖霊】が復活したのもあるが、国全体に私とお兄ちゃんの魔力が行き渡り潤いだしたのが誘因だと、【大聖霊】達が教えてくれた。

その為、"春"には国全体が緑豊かに、色とりどりの花が咲くようになり、気候も過ごしやすく、暖かいという。

"夏"には、珍しい昆虫や動物達が姿を見せる様になるらしい。
春に比べて、太陽の日照時間が長く少し蒸し暑い日々が続くらしい。
時々雨が降る日が続き、蒸し暑くなる日もあるという。

"秋"には、木々や草花の色も変わり紅葉して、気候も涼しくかつ、少し肌寒くなる。
作物も多く育つ時期になるという。

"冬"には、木々の葉も落ち辺りは静まり返る。気候も冷えだし、雪が降る。
そして、他の気候に比べて作物が育ちにくくなるそうだ。

私達が住んでいた"日本"にますます似た環境になっていっていた。

その為、今はいいが北側は他の場所に比べて、雪が降りやすく積もりやすくなる。
その上溶けにくい為、防寒設備が必要だと言うのだった。

この世界で住む人にとっては、初めての体験になるだろうと、満面の笑顔で話す【大聖霊】達。

この世界にも雪が降る場所はあるし、灼熱の暑さが続く地域も存在するので、そこまで気に留めていない人達だった。

しかし、徐々に【大聖霊】達の力が回復していき、私も成長しきった時、この国は皆が、私達が想像するよりもっと素晴らしいものになってるだろうなぁーと、ひょっこり現れたオリジンが呟く。

「わぁ!びっくりした。」

『おや?それはすまないね。
しかし、この国はとても素晴らしいよ。
この世界で初めてのとんでもない国になるだろうね。
それこそ、模範的素晴らしい国として...
楽しみだよ。』

言うだけ言って、またオリジンは静かに消えていった。

私もお兄ちゃんもドラしゃん達も...??

とりあえず、オリジンの事は気せずこの街を作り上げる事に集中する事にした。


 私とお兄ちゃんが目覚めてから、一気に街づくりが進んだ。
【大聖霊】達が張り切ってくれたおかげで、北欧風の街並みが完成した。

街の道は、私とサクラちゃんの意見を採用してくれて、花柄や植物柄のタイルをドムじぃーちゃんとノーム、イフリートで作ってくれた。

それを見た目綺麗に嵌め込んでいき、足元も華やかにした。

完成した道には、ノーム達が耐久性を持たせる様に魔法をかけてくれて、割れにくくしてくれた。

街の中心にギルドも作った。
ギルドの前には、もちろん石像を設置してあった。

この街のギルドは、四方から出入りができる仕組みにしたみたい。
建物を円形にして、縦長くした。

あと、街の数カ所に大型の薪置き場を設置することにした。
その他にも民宿や酒場を多めに作った。

いつでも人が住める様に、家も同じデザインでカラーだけ変えて、たくさん作った。
皆の頑張りにより、予定の日数より遥かに短い日数で新しい街が完成した。

あとは、街の名前を決めて掲示するだけとなった。
あまりの急な展開に、後続部隊も驚いていた。

本当なら、先発待機の私達が大まかな道を作り、そこに後続部隊が手直ししながら来ると言う段取りだった。

しかし、街から街への道は完成してるは、休憩所や街灯まで作られているわで、やる事がほとんど...??いや、全くなかったのだった。

しまいには、街に来たら外壁は完成してるし、街も半分はほぼ完成していたしね。

不完全燃焼気味で、ドムじぃーちゃん達はムスッとしていた。

「もう少し俺らにも仕事を残してくれたらよかったのによ...。」

そうブツブツ呟くドムじぃーちゃんに、ドラしゃんが呆れ顔で話しかける。

『まだ、やる事は沢山ある。出だしゆっくりした分、他で実力を発揮すればいい。
 それに、細かい細工や作業に関しては、殆どがお前達でしたではないか。
なんの不服があるんだ?』

【大聖霊】達は、ざっくりした大まかな作業は得意として手早く出来るが、細かい作業に関しては、直ぐに根を上げてしまうのだった。

その為、今回街を作るにあたっても素材や材料の準備、建物などの大まかな組み立てに関しては、【大聖霊】達がした。

それ以外の、屋根や壁、煙突や家財道具、街の中の道などの細かい部分は、ドムじぃーちゃん達がした。

だから、全くドムじぃーちゃん達の活躍の場がなかったわけではないのだが....。
そこは、職人。納得いかない部分があるのだろう。

しかし、予定していたより短時間かつ、頑丈な街が造れて良かった部分もある。
その為、悶々としたものがドムじぃーちゃんの中であったのだ。

『何を揉めてんるんだい?この街はなとか完成したけど、まだ足りない物があるから作って欲しいんだけどいけるかい?
こればっかりは、僕たちでは無理そうだから...。』

ドラしゃんとドムじぃーちゃんの会話に、ノームが割って入ってきた。

ノームの言葉に2人は不思議そうな表情をする。

『街はできたけど、街の外がまだなんだよ。同盟国側の船着場と入国検査場なんかもいるだろう?
それに、船着場なんか桟橋を浮かべてるだけだからすぐ壊れるぞ。
なんとかして欲しいんだ。』

そうなのです。
この街もそうだが、四方に建設する街は、海に面している為船着場を設置することにしてあった。

船着場がなくても、同盟国とを結ぶ橋を神様が作っているから問題はないが、船がある方が便利と同盟国の王様達に言われて、作る事に決めていたのだ。

お父さんの本の中には、その船着場に関しての資料がなかった為、【大聖霊】達もお手上げ状態だった。

ノームの言葉を聞いて、ドムじぃーちゃんを始めとする後続部隊のメンバーがヤル気に満ち出した。

そして、一目散に船着場予定地に走って行った。

置いていかれた私達は、しばらくその場でぼーっとしていたが、ハッとしてドムじぃーちゃん達の後を追った。

 
 ドムじぃーちゃん達を追って行くと、すでに作業が始まっていた。

【大聖霊】達が作った桟橋は、綺麗に解体されていて、ドムじぃーちゃんの指示に従って【大聖霊】達が必要な材料を用意していた。

今回の旅で、私は【大聖霊】達に必要に応じてドムじぃーちゃんやドラしゃんの言う事も聞く様にお願いしてあった。

私が動けない時(寝てたり)に何かあった時、力になって欲しいと。

【大聖霊】達は渋々許可してくれたが、早速その現場に居合すことになるとは思わなかった。

ウンディーナに頼んで、海水のない状態にして海の中での作業をしていた。
どうやら、街に近い場所はそこまで底が深くないみたい。
沖に行くほどに地面が見えなくなっていた。

船着場建設予定地部分の海水を無くして、地面が見える様にして、地面部に土台となる岩の塊を設置していた。

それには、ノームも力を貸してまるで元々そこに埋め込まれていたかの様に地面と土台が一体化していた。

この世界には"コンクリート"がないので、"コンクリート"の代わりは全て頑丈な岩か、鉱石だった。

今回は、海水にも強い性質を持つ岩をつかっていた。
それを船着場予定地に、等間隔で岩を設置。

その岩の中心部分は穴が空いていた。

土台が設置されたら、その穴部分にドライアドが用意した丸太を嵌め込んでいった。

丸太は、岩の穴にすっぽり入っていた。

そして、丸太にウンディーナが腐蝕防止魔法をかけていた。

ウンディーナが使ったものは、海水や水の中でも腐蝕しやすい物の周りに透明なベールをかけて、海水や水に直接触れない様にする魔法だった。

これをしているのと、していないのでは朽ち方が全然違うんだって。

作業を見ながらドラしゃんが教えてくれた。

土台全てに丸太が置かれて、その上に分厚い板が置かれていった。

もちろん板同士とそうだが、丸太と板が外れない様に、職人技で幾つかの板や細かく切った丸太を組み合わせて繋ぎ合わせていた。

少し手間はかかったが、約2時間で1本目の船着場が完成した。

大型船は無理だが、小型から中型船までなら利用出来る様にした。
それを後、2本作ると言う。
それを聞いて私もお兄ちゃんも驚いた。

ドラしゃんは平然としていたけどね...。

体力が有り余ってるから平気だと、ドムじぃーちゃん達は言う。

【大聖霊】達も問題なしと言うので、作業を続行していた。

私とお兄ちゃん、ドラしゃんと【聖獣】達は、邪魔にならない所で見学をしていた。

マジマジとみる職人姿のドムじぃーちゃん。

初めて一緒に作業する人達ばかりなのに、何年も一緒に作業してきたかの様な連携だった。

「なんで、あんなに作業がテキパキ出来るんだろう?」

お兄ちゃんがそう呟くと、ドラしゃんが教えてくれた。

『それは、ドムの職人としての技量が素晴らしいからですよ。
技だけでなく、初見の人の得手不得手を見抜く"目"が備わってますから。
どんな場所でも、どんな人相手でもスムーズに作業をするのがドムの特技です。
 出ないと、この世界一の"建築ギルドマスター"には慣れないんです。』

普段は、大酒飲みの気のいいおじぃーちゃんって感じなのに...。

私達の目の前に居るドムじぃーちゃんは、別人の様に見えた。

作業している人の中で1番小柄なドムじぃーちゃんだけど、この時は1番大きく見えたのだった。

私とお兄ちゃんは、飽きる事なくひたすら作業するドムじぃーちゃんを見つめていたのだ。


 最後の船着場が完成する頃には、日が暮れ出していた。
そこで、もう一つ足りないものがある事に気付いた。
船着場なのに、灯りがひとつもなかったのだ。

前の世界では、船着場がある所には"灯台"があって、日が暮れると灯りが灯されていたんだけど、この街の港にはそれがなかった。

夜の海でも安全に運行出来る様にと。
しかし、ここには何もない。

【大聖霊】達が自らを光らせてくれているから、日が暮れかけていても明るいが、彼らが居なかったら真っ暗になってしまう。

とりあえず、今日の作業はここまでにして、灯台と街灯については明日作る事にした。

さすがにみんなクタクタで、お腹の虫も鳴いていたのだった。

海の水も元に戻して、皆んなで仮住まいに戻って夕食を取る事にした。













リン:
ドムじぃーちゃん。
かっこよかった(*´◒`*)

アキラ:
そうだね^ ^
あんなにカッコいいドムじぃーちゃんは、初めてだよ(*´◒`*)

ドムじぃーちゃん:
えっ?!そうか?普段からカッコいいだろう?

リン・アキラ:
えっ??(OvO)

ドラしゃん:
寝言は寝て言いましょうね^ ^
では、夕食をしっかり食べて、お風呂に入って、明日の為にしっかり寝ましょうね^ ^

リン・アキラ:
はーい(*´◒`*)

ドムじぃーちゃん:
T^T













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