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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜
4-31 特別編 別次元からの来訪者?
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これは、ある日の出来事。
私達の住む街が、街から国に変わりお引越しがすんだ頃にあった、とんでもない出来事のひとつである。
ある日、私はいつもの様に【大聖霊】達と花園館でのんびり過ごしている時の事だった。
花園館の花達に水やりをして、お花に話しかけていると...??
何かの気配を感じたの。
私はゆっくりと気配のする方を...真横に顔を向けたの。
横に向くと??いつの間にか、空間に裂け目ができていたの。
私は何も考えずに、その空間の裂け目を触ろうとしたら、それ気付いた【大聖霊】達に止めに入られた。
彼らが止めに入ったのと同時ぐらいに、裂け目から衝撃波の様なものが、私に向かって押し寄せて来た。
間一髪の所で、【大聖霊】達に護られて、私には怪我がなかったんだけど...ふと、裂け目があった所をみると...??!
何やら、白い塊が...。
それも以前どこかで見た事ある形をしていた。
でも、私が知る姿とはどうも大きさも色も違っていたからその塊が何なのか直ぐには思い出せずにいた。
(しかしよく似ているよね??)
私は【大聖霊】達の静止をあえて無視してその塊に近づいていく。
すると...。
塊が動きだし、目があったのだ。
(やっぱりそうだ!!)
私は目があった塊の姿を見て、思わず叫んだ。
「かわいい!!小さなドラゴンだ。それも、まっしろ!!はねさん、小さいね。目がくりくりしてる。どこからきたの?」
そうなんです。
白い塊は、ドラしゃんに似た真っ白な子供のドラゴンだったのです。
でも、纏っている雰囲気やオーラはドラしゃんとは全く違うものだし、香ってくる匂いもこの世界では嗅いだ事がないものだった。
私の声に驚いたのだろう。
小さな真っ白なドラゴンは、威嚇しだす。
それを見て、【大聖霊】達も通常サイズに戻り、私を護るように取り囲み出したので、私は慌てて【大聖霊】達にいつものサイズに戻るように伝えて、目の前ドラゴンに話しかけた。
「ごめんなさい。うるさかった?
私ね、リンっていいます。あなたは?」
私が笑顔でそう伝えると、周りを警戒や威嚇もしつつ、真っ白なドラゴンは小声で答えてくれた。
"私はスノー。こんな見た目でも、ドランゴンよ。
それより、ここどこ?なんで、人間と精霊が一緒にいるのよ?!"
目の前ドラゴンは、スノーと名乗った。
声からして、どうやら女の子の様だ。
彼女の言葉に、私が答える前に【大聖霊】達が答えた。
『失礼ね。精霊呼ばわりしないでくれるかしら?私たちは、【大聖霊】よ。
ちなみに、アナタが私たちの世界に突然現れたのよ。アナタこそ、何処から来たの?』
ドライアドがいつもより荒い口調で答える。
すると、スノーと名乗ったドラゴンは驚いて、その場にしゃがみ込んでしまった。
しかも、さっきまでしていた警戒も威嚇も解いてだ。
私はゆっくりと近づくと、何かに手が濡らされた。
よく見ると、スノーと名乗ったドラゴンは泣いていたのだった。
"どうしよう...。お母さんとはぐれちゃった。お父さんもいない。兄や弟とも...。
やだよ。おうちに帰りたいよぉ~。"
そう言って泣き出すドラゴン。
私は、【大聖霊】達の方を思わずみると、彼らも先程まで張っていた警戒を解いて、状況を整理していた。
私は、泣いているドラゴンを優しく撫でる。
「だいじょうぶよ。おうちに、かえらせてあげるから、そんなになかないで。」
私がそう言うと、涙一杯の目で見つめて来た。
そして。
"本当に?私、お家に帰れるの?"
涙ながらに質問する彼女に、私はなんの確信もないが、笑顔で自信満々に答えた。
「だいじょうぶよ!わたしには、つよいみかたがたくさんいるから。わたしがダメでも、かれらがどうにかしてくれるから!!」
私の言葉にスノーと名乗ったドラゴンは泣きやむ。
【大聖霊】達は、えっ?!と言う表情に。
「ね?なんとかしてくれるよね?」
私の言葉に、【大聖霊】達は大きな溜息をつく。
『仕方がないなぁ~。』
『主人がそう言うんだから、どうにかしないとな。』
『まぁ~、まずは、アイツに報告しないとな。』
『そうですね。彼奴に報告しておかないと、後々面倒ですからね。』
【大聖霊】達はそう言うと、何かを決めた様だ。
『主人。とりあえず、その子を連れてアイツの所に行こうか?』
『アナタ、スノーと言いましたね?歩けます?その翼では、飛ぶのは難しいのは、見てわかりますからせめて歩いて下さい。』
『まず、僕が先に報告してくから、後から来て。』
そう私とスノーに言うと、シルフは姿を消した。
スノーは、不思議そうな表情に涙目で私のことを見つめる。
私は何のことか、やっと理解できて座り込んでいるスノーに声をかけた。
「あのね。わたしには、かれらいがいにも、すごいみかたが、いるの。
だから、アナタにもしょうかいしてあげるね。いっしょにいこう。」
私はそう言って、スノーの手を引っ張り立ち上がらせ、残っている【大聖霊】達と一緒に花園館から出る。
スノーは、私の手を不安気に握り返して一緒に歩いてくれた。
花園館から出ると、やはりスノーがいた世界と違うのか、彼女はキョロキョロ周りを見渡しながら歩いていた。
そんな姿を後ろから眺める【大聖霊】達。
『それにしても、あのドラゴンの雛。凄いわね。能力値、主人と変わらないって...。主人がとんでもない存在なのは、知ってるからいいとして、ねぇ?』
『確かに。あのドラゴンの雛、能力値半端ないぜ。主人と変わらないって...。しかしよ、どこから来たんだ?』
『ヤツの血族では、ないな。匂いが違う。』
『何より、見てアレ。』
『主人と、身長が一緒だぁー!』
『なんか、こうやってみると可愛ね。』
『...人形...みたい。』
『主人が、ドラゴンになったらあんな感じなのかしら?』
『それは、それで見てみたいわね。しかし、この状況を見て彼奴がどう出るか...。』
彼らは、またも大きな溜息を吐いていた。
私は彼らの話をそっちのけで、ニコニコ顔でスノーと手を繋いで歩いていた。
何せ、自分と同じ大きさの子と歩くなんて初めての出来事だから、そっちの方が嬉しくて仕方がなかった。
何より、彼女が心細そうにしているので、まるで自分がお姉ちゃんになった気分だったのだ。
歩いて、家の玄関近くまで来るとシルフから話を聞いたであろうメンバーが、勢揃いしていた。
そこには、予定外のメンバーが。
いや、予想内のメンバーがと言った方がいいのだろう...。
目的の人物であるドラしゃんを含め、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん、ムキじぃーちゃん、ラディじぃーちゃん、カシムじぃーちゃん、ナナばぁーちゃん、ロナばぁーちゃんが。
他にも来ようとしたが、止めたらしい。
いやぁー、それでも集まり過ぎでしょう。
彼らの姿を見て、スノーは驚き私の後ろに隠れてしまった。
隠れたと言っても、丸見えだったが...。
スノーの姿を見て、お父さん達も驚きだった。
特にドラしゃんなんかずっーっと凝視してたしね。
私は、自分の後ろで震えているスノーが可哀想で、皆に話した。
「あのね、この子まいごなの。お父さんやお母さん。兄弟ともはなればなれなんだって。かわいそうなの。どうにか、できない?」
私の声に、ハッとなったドラしゃん。
一瞬切なそうに見えたのは見間違え?と思ったが...。
『そうでしたか。粗方の事は、シルフより伺っています。
どうやら、"時空の亀裂"より迷い込んだのでしょう。
しかし、"時空の亀裂"はいつ、どのタイミングで出来るのかは、不明ですし。
もし、できたとして、その先がそのドラゴンの雛がいた世界と繋がっている保証はまったくないのですよ。』
ドラしゃんの言葉に、私の後ろに隠れていたスノーは、また泣き出してしまったのだ。
あまりにも悲痛な鳴き声に、みんな悲しそうな表情に。
「ドラしゃん。どうにかならないの?」
「ドラしゃんなら、どうにか出来るのでは?」
お母さんとお父さんがそう、ドラしゃんに声をかけるのも、ドラしゃんは渋い顔をしていた。
さすがのドラしゃんでも、お手上げ案件の様だった。
"帰りたいよぉ~。お母さん!!お父さん!!"
悲痛な鳴き声に、私も思わず泣き出してしまい、状況はカオス化してしまった。
その時だった。
『ピーピーうるさいなぁ~。
なんだい?!おっ!お前!!私の空間に向かって、衝撃波を放ったチビドラゴンじゃないか?!なんだでまた、この世界に?お前さんは、違う世界の生き物だろう?』
時空の狭間をくり抜いて、【時の大聖霊 オリジン】が姿を現したのだ。
そして、オリジンの言葉を聞いてドラしゃんの顔がまた一瞬、切なそうな表情に。
しかし、それに気付いたのは私だけの様だった。
『あっ!オリジン!お前だったら、この子を元の世界に戻せるんじゃねぇー?!』
イフリートの言葉に、オリジンはなんだ?と言う表情をした。
イフリートから説明を受けたオリジンは、なーるほどと、状況を理解したようす。
『それなら、問題ない。こいつは、神が管理してる他の世界の住人だから、私の力でも問題なく返せる。
ただ、多少の時間の変動はあるが、あっても1時間かそこらだから問題はないだろう。』
そう言い放つオリジン。
私はオリジンの言葉を聞いて、笑顔でスノーに声をかけた。
「よかったね。お家にかえれるって!お母さんたちにあえるよ!」
私の声に、スノーは反応して"本当?"
と呟いた。
『あー。ガキンチョ。連れて帰ってやる。ただしだ。二度と時空の亀裂に向かって、魔法を放つな?!
次は、どうなっで知らんからな。
今回、たまたま来たのがこの世界だったから助かったが、他の世界だとお前死んでたぜ。
お前の幸運と主人に感謝しな。』
オリジンは、そう言うとスノーを時計模様の幕で覆った。
『じぁー、こいつを元の世界に届けてくる。主人、悪いが少し付き合ってくれるか?大丈夫だって。ちゃんと主人もここに、連れ帰ってくるから。
このドラゴン。主人と波長が合いすぎてんだ。
魔力量も同じだしな。だから、主人が側にいる方が歪みも少なく安全に戻せるって話さ。
このドラゴンを元の世界に戻したら、ちゃんと主人は連れて帰ってくるから。
いいだろう?保護者のドラゴンさんよ?』
オリジンは、ドラしゃんにそう伝えた。
ドラしゃんは、何か言いたげだったが、渋々了承した。
『必ず、お嬢様は連れて帰って来い。』
ドラしゃんは、そうオリジンに言い放った。
オリジンは、ニカッと笑い私を抱っこすると、スノーと一緒に自分の管理する時の狭間に入って行った。
『そうか...やはりあの子ではなかったか...。』
ドラしゃんの呟いきは、誰にも聞かれていなかった。
そう...。
狭間に入っていく私は意外には。
オリジンと一緒に時の狭間に入った私は、入る間際に聞いたドラしゃんの呟きが気になった。
ドラしゃんの呟きを思い出しながら、スノーを見つめた。
そして、ある事を思い出した。
以前見た、ドラしゃんの過去の記憶。
確か、ドラしゃんの子供...。
あの時見た、ドラしゃんの過去の映像で見た、ドラしゃんの子供とスノーがどことなく似ていたのだった。
唯一違うのは、翼の大きさと纏う魔力だ。
ドラしゃんの子供は、翼が大きく、纏う魔力もスノー程大きくなかった。
だからか...。
ドラしゃんが、スノーを見た時のなんとも言えない表情の意味がわかった。
オリジンは、私の気持ちを察知したのか、独り言の様に呟き出した。
『大丈夫だ。このドラゴンは元の世界に戻れる。そして、彼奴の"子供"とも主人が今よりも、もっと強くなったら合わせてあげれるぜ。
詳しい事は、これ以上は言えないが...それだけは言える。
だから、そんな悲しそうな表情しなさんな。ほら、主人がそんな表情するから、この子も不安そうじゃないですか?』
ふと時計模様の幕に包まれたスノーをみると、不安そうな表情をしていた。
私は慌てて笑顔を向けた。
すると、スノーも笑顔に。
『本当に、この子と主人の波長は相性がいいみたいですな。
これなら、またいつか必ず会えますよ。
その時は、この子も主人も立派に成長しておかないといけませんがね。』
オリジンの言葉を聞いて、私もスノーも笑顔に。
そして。
"ありがとう。リン。助けてくれて。
私、アナタのこと忘れないわ。
絶対、また会いましょう。"
「うん。もちろんよ。わたしも、わすれないよ。ぜったい、またあいましょう。
だって、私とスノーは、もう"友だち"だから。」
私が、そう言うとスノーは、一瞬目を大きく見開いた。
そして、満面の笑顔に。
『どうやら、ここがこの子のいた世界の様だね。今から時の狭間を開けるよ。
次からは気をつけるんだよ。
ウチの主人も、とんでもない事をしでかすから周りの大人達は大変なんだ。
だから、君の親御さんもそうなんだろうね。
あんまり、親に心配かける様な事はするなよ。
この幕は、外に出たら自然と消えるから心配ないからな。
じゃぁーなぁー。』
オリジンは、そう言ってスノーの入った幕を狭間から放り出した。
私は慌ててスノーに手を振った。
スノーも同じように手を振ってくれた。
そして、あっという間に彼女の姿は消えていった。
「ぶじに、かえれたの?」
私は涙を堪えて、オリジンに聞いた。
オリジンは、そっとスノーを放り出した場所に、時計を出した。
そして、時計のガラスに映し出された映像は...。
そこには、家族と無事に再開するスノーの姿があった。
私は涙をこぼしながら、オリジンに抱きついた。
"ありがとう。"と呟きながら。
オリジンは、そっと私の背中をさすって、皆んなが待つ世界へと戻って行った。
私はいつの間にか、泣き疲れて眠っていたようだ。
目を覚ますと、いつもの家のベッドの中だった。
側には、眠るお兄ちゃんと不安そうに見つめるドラしゃんがいた。
どうやら、ドラしゃんは私の事が心配で、ずっと付き添ってくれてた様だった。
私は、ドラしゃんにそっと抱きついた。
ドラしゃんは、お兄ちゃんを起こさない様に、わたしを抱き抱えてくれた。
そして、私はドラしゃんにだけ、聞こえるように話をした。
「今日の白いドラゴンね。スノーって言うの。
ちゃんとね、お父さんやお母さん、兄弟に会えたよ。
お父さんはね、ドラしゃんみたいに大きくってがっしりしたドラゴンだったの。でも、ドラしゃんほどは、かっこよくなかったよ。
お母さんは、ドラしゃんの"おくさん"みたいに美人さんだったよ。
でも、ドラしゃんの"おくさん"の方がもっと美人さんだったね。
大丈夫だったよ。皆、元気そうだったよ。」
私がそう言うと、私を抱きしめるドラしゃんの腕の力が少し強くなった。
そして、頬に温かい雫が...。
さらに、珍しくぐぐもった声が降ってきた。
『そう...ですか...。良かったです。...。良かっ...た...。』
それ以上、ドラしゃんは何も言わなかった。
私も何も言わなかった。
ただ、ひたすら抱き合った。
そして、私はそっと心の中で、ドラしゃんに呟いた。
"私、絶対に。ドラしゃんに"娘さん"と合わせてあげるから!!"
そう固く誓いつつ、その日は一晩、ドラしゃんと抱き合ってすごしたのだった。
~その頃、スノーの世界では~
"お母さん。私ね、友達ができたの"
別世界に行っていた私は、行った世界で、自分と似た雰囲気を持つ女の子と知り合い、助けてもらったこと、元の世界に戻してもらった。
その事を、私を探し回ってくれていた家族に話をした。
最初は信じなかった家族だが、自分達の目の前から忽然と姿を消したのを見ていたし。
必死に探し回っても、見つからなかったのに、突然目の前に姿を現したのを見たので、私の話を信じるしかなかったのだ。
"その子ね、人間なのに沢山の精霊...じゃなかった!【大聖霊】を従えてたの。
そして、お父さんみたいなドラゴンも仲間にいたの。"
興奮して、話す私の話をお父さんとお母さんは、ハイハイと聞いていた。
兄弟は疲れ切って眠っていた。
"その子ね、大きさも私とおんなじなの。可愛くて、私が泣くと一緒に泣いてくれたの。
でね、また会う約束したの。
だから、私のもっともっと頑張って、魔法を上手に使えるようにするの。
そしたら、その子が今度困ってた時助けてあげれるでしょ?"
私の言葉にお父さん達は、苦笑いしていた。
"まぁ~まぁ~。あなたがやる気なのはいい事よ。でも、今日はもう寝ましょ。
そして、約束よ。もう無茶はダメよ?
いい?"
"そうだそ?今回は運が良かった、だけなのかもしれないからな。
二度と会えなくなるのは、お父さんもお母さんも嫌だからな。"
私は、お父さんとお母さんの言葉に、頷いた。
そして、先に眠る兄弟の元に行き丸まった。
しばらくすると、眠気が襲ってきた。
せめて、もう一度夢の中でもいいから、あの子と会いたい。
そう思いながら眠りについた。
眠りについた私の姿を、両親は安心しきった顔で見つめていた。
"本当によかった。...二度と会えないかと思ってたから...。"
"そうだな。あの胡散臭い、"神"と名乗る奴が出てきた時は、どうしてくれようかと思ったが、奴の胡散臭い話を信じて良かった...んだよな?"
"そうね。そう言うことにしておきましょう。この子も無事に帰ってきたんだから"
両親はそういって、私達の寝顔をみつめてから、自分達も眠りに着いたのだった。
その様子を時の狭間より見つめる者が。
『よっ。胡散臭い奴って言われてるなぁ~。』
『ふん。いいさ。』
『しかし、これも何かの"縁"なのか?それとも、お前がワザとやったのか?』
時の狭間には、双方の世界を管理する"神様"と【時の大聖霊 オリジン】の姿があった。
『今回は、本当に偶然だ。まさか、"リン"と"スノー"が出会うとは、私も想定外だよ。
神様も万能でないってことだね!』
『開き直るなよ...。しかし、スノーとリン。あそこまで、魔力量が一緒って...やばいだろう?』
オリジンの言葉に、神様はとぼける。
ため息をつくオリジン。
『まぁ~いいけどよ。下手に彼奴だけは刺激しなさんなよ。今回は、リンが上手くやってくれたから良かったけどよ。
次も上手くいくとは限らんぞ?』
オリジンの言葉に神様は、平然としていた。
『大丈夫さ。リンがいれば。リンが居なくなれば、話はべつだが。
リンが居る間は、フレアも世界も問題ないよ。』
神様の言葉に、オリジンは人知れず自分の小さき主人に、同情するのだった。
作者:
どうも(*^▽^*)
気分転換に、書いてみました。
どうでしょか?
えっ?スノーって何?
あーー。
もう一つ、のんびり書いている作品の登場人物とコラボしてみました。
興味がある方は、良かったらそちらも覗いて見て下さい(*^▽^*)
そろそろ、本編...頑張ります。゚(゚´Д`゚)゚。
私達の住む街が、街から国に変わりお引越しがすんだ頃にあった、とんでもない出来事のひとつである。
ある日、私はいつもの様に【大聖霊】達と花園館でのんびり過ごしている時の事だった。
花園館の花達に水やりをして、お花に話しかけていると...??
何かの気配を感じたの。
私はゆっくりと気配のする方を...真横に顔を向けたの。
横に向くと??いつの間にか、空間に裂け目ができていたの。
私は何も考えずに、その空間の裂け目を触ろうとしたら、それ気付いた【大聖霊】達に止めに入られた。
彼らが止めに入ったのと同時ぐらいに、裂け目から衝撃波の様なものが、私に向かって押し寄せて来た。
間一髪の所で、【大聖霊】達に護られて、私には怪我がなかったんだけど...ふと、裂け目があった所をみると...??!
何やら、白い塊が...。
それも以前どこかで見た事ある形をしていた。
でも、私が知る姿とはどうも大きさも色も違っていたからその塊が何なのか直ぐには思い出せずにいた。
(しかしよく似ているよね??)
私は【大聖霊】達の静止をあえて無視してその塊に近づいていく。
すると...。
塊が動きだし、目があったのだ。
(やっぱりそうだ!!)
私は目があった塊の姿を見て、思わず叫んだ。
「かわいい!!小さなドラゴンだ。それも、まっしろ!!はねさん、小さいね。目がくりくりしてる。どこからきたの?」
そうなんです。
白い塊は、ドラしゃんに似た真っ白な子供のドラゴンだったのです。
でも、纏っている雰囲気やオーラはドラしゃんとは全く違うものだし、香ってくる匂いもこの世界では嗅いだ事がないものだった。
私の声に驚いたのだろう。
小さな真っ白なドラゴンは、威嚇しだす。
それを見て、【大聖霊】達も通常サイズに戻り、私を護るように取り囲み出したので、私は慌てて【大聖霊】達にいつものサイズに戻るように伝えて、目の前ドラゴンに話しかけた。
「ごめんなさい。うるさかった?
私ね、リンっていいます。あなたは?」
私が笑顔でそう伝えると、周りを警戒や威嚇もしつつ、真っ白なドラゴンは小声で答えてくれた。
"私はスノー。こんな見た目でも、ドランゴンよ。
それより、ここどこ?なんで、人間と精霊が一緒にいるのよ?!"
目の前ドラゴンは、スノーと名乗った。
声からして、どうやら女の子の様だ。
彼女の言葉に、私が答える前に【大聖霊】達が答えた。
『失礼ね。精霊呼ばわりしないでくれるかしら?私たちは、【大聖霊】よ。
ちなみに、アナタが私たちの世界に突然現れたのよ。アナタこそ、何処から来たの?』
ドライアドがいつもより荒い口調で答える。
すると、スノーと名乗ったドラゴンは驚いて、その場にしゃがみ込んでしまった。
しかも、さっきまでしていた警戒も威嚇も解いてだ。
私はゆっくりと近づくと、何かに手が濡らされた。
よく見ると、スノーと名乗ったドラゴンは泣いていたのだった。
"どうしよう...。お母さんとはぐれちゃった。お父さんもいない。兄や弟とも...。
やだよ。おうちに帰りたいよぉ~。"
そう言って泣き出すドラゴン。
私は、【大聖霊】達の方を思わずみると、彼らも先程まで張っていた警戒を解いて、状況を整理していた。
私は、泣いているドラゴンを優しく撫でる。
「だいじょうぶよ。おうちに、かえらせてあげるから、そんなになかないで。」
私がそう言うと、涙一杯の目で見つめて来た。
そして。
"本当に?私、お家に帰れるの?"
涙ながらに質問する彼女に、私はなんの確信もないが、笑顔で自信満々に答えた。
「だいじょうぶよ!わたしには、つよいみかたがたくさんいるから。わたしがダメでも、かれらがどうにかしてくれるから!!」
私の言葉にスノーと名乗ったドラゴンは泣きやむ。
【大聖霊】達は、えっ?!と言う表情に。
「ね?なんとかしてくれるよね?」
私の言葉に、【大聖霊】達は大きな溜息をつく。
『仕方がないなぁ~。』
『主人がそう言うんだから、どうにかしないとな。』
『まぁ~、まずは、アイツに報告しないとな。』
『そうですね。彼奴に報告しておかないと、後々面倒ですからね。』
【大聖霊】達はそう言うと、何かを決めた様だ。
『主人。とりあえず、その子を連れてアイツの所に行こうか?』
『アナタ、スノーと言いましたね?歩けます?その翼では、飛ぶのは難しいのは、見てわかりますからせめて歩いて下さい。』
『まず、僕が先に報告してくから、後から来て。』
そう私とスノーに言うと、シルフは姿を消した。
スノーは、不思議そうな表情に涙目で私のことを見つめる。
私は何のことか、やっと理解できて座り込んでいるスノーに声をかけた。
「あのね。わたしには、かれらいがいにも、すごいみかたが、いるの。
だから、アナタにもしょうかいしてあげるね。いっしょにいこう。」
私はそう言って、スノーの手を引っ張り立ち上がらせ、残っている【大聖霊】達と一緒に花園館から出る。
スノーは、私の手を不安気に握り返して一緒に歩いてくれた。
花園館から出ると、やはりスノーがいた世界と違うのか、彼女はキョロキョロ周りを見渡しながら歩いていた。
そんな姿を後ろから眺める【大聖霊】達。
『それにしても、あのドラゴンの雛。凄いわね。能力値、主人と変わらないって...。主人がとんでもない存在なのは、知ってるからいいとして、ねぇ?』
『確かに。あのドラゴンの雛、能力値半端ないぜ。主人と変わらないって...。しかしよ、どこから来たんだ?』
『ヤツの血族では、ないな。匂いが違う。』
『何より、見てアレ。』
『主人と、身長が一緒だぁー!』
『なんか、こうやってみると可愛ね。』
『...人形...みたい。』
『主人が、ドラゴンになったらあんな感じなのかしら?』
『それは、それで見てみたいわね。しかし、この状況を見て彼奴がどう出るか...。』
彼らは、またも大きな溜息を吐いていた。
私は彼らの話をそっちのけで、ニコニコ顔でスノーと手を繋いで歩いていた。
何せ、自分と同じ大きさの子と歩くなんて初めての出来事だから、そっちの方が嬉しくて仕方がなかった。
何より、彼女が心細そうにしているので、まるで自分がお姉ちゃんになった気分だったのだ。
歩いて、家の玄関近くまで来るとシルフから話を聞いたであろうメンバーが、勢揃いしていた。
そこには、予定外のメンバーが。
いや、予想内のメンバーがと言った方がいいのだろう...。
目的の人物であるドラしゃんを含め、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん、ムキじぃーちゃん、ラディじぃーちゃん、カシムじぃーちゃん、ナナばぁーちゃん、ロナばぁーちゃんが。
他にも来ようとしたが、止めたらしい。
いやぁー、それでも集まり過ぎでしょう。
彼らの姿を見て、スノーは驚き私の後ろに隠れてしまった。
隠れたと言っても、丸見えだったが...。
スノーの姿を見て、お父さん達も驚きだった。
特にドラしゃんなんかずっーっと凝視してたしね。
私は、自分の後ろで震えているスノーが可哀想で、皆に話した。
「あのね、この子まいごなの。お父さんやお母さん。兄弟ともはなればなれなんだって。かわいそうなの。どうにか、できない?」
私の声に、ハッとなったドラしゃん。
一瞬切なそうに見えたのは見間違え?と思ったが...。
『そうでしたか。粗方の事は、シルフより伺っています。
どうやら、"時空の亀裂"より迷い込んだのでしょう。
しかし、"時空の亀裂"はいつ、どのタイミングで出来るのかは、不明ですし。
もし、できたとして、その先がそのドラゴンの雛がいた世界と繋がっている保証はまったくないのですよ。』
ドラしゃんの言葉に、私の後ろに隠れていたスノーは、また泣き出してしまったのだ。
あまりにも悲痛な鳴き声に、みんな悲しそうな表情に。
「ドラしゃん。どうにかならないの?」
「ドラしゃんなら、どうにか出来るのでは?」
お母さんとお父さんがそう、ドラしゃんに声をかけるのも、ドラしゃんは渋い顔をしていた。
さすがのドラしゃんでも、お手上げ案件の様だった。
"帰りたいよぉ~。お母さん!!お父さん!!"
悲痛な鳴き声に、私も思わず泣き出してしまい、状況はカオス化してしまった。
その時だった。
『ピーピーうるさいなぁ~。
なんだい?!おっ!お前!!私の空間に向かって、衝撃波を放ったチビドラゴンじゃないか?!なんだでまた、この世界に?お前さんは、違う世界の生き物だろう?』
時空の狭間をくり抜いて、【時の大聖霊 オリジン】が姿を現したのだ。
そして、オリジンの言葉を聞いてドラしゃんの顔がまた一瞬、切なそうな表情に。
しかし、それに気付いたのは私だけの様だった。
『あっ!オリジン!お前だったら、この子を元の世界に戻せるんじゃねぇー?!』
イフリートの言葉に、オリジンはなんだ?と言う表情をした。
イフリートから説明を受けたオリジンは、なーるほどと、状況を理解したようす。
『それなら、問題ない。こいつは、神が管理してる他の世界の住人だから、私の力でも問題なく返せる。
ただ、多少の時間の変動はあるが、あっても1時間かそこらだから問題はないだろう。』
そう言い放つオリジン。
私はオリジンの言葉を聞いて、笑顔でスノーに声をかけた。
「よかったね。お家にかえれるって!お母さんたちにあえるよ!」
私の声に、スノーは反応して"本当?"
と呟いた。
『あー。ガキンチョ。連れて帰ってやる。ただしだ。二度と時空の亀裂に向かって、魔法を放つな?!
次は、どうなっで知らんからな。
今回、たまたま来たのがこの世界だったから助かったが、他の世界だとお前死んでたぜ。
お前の幸運と主人に感謝しな。』
オリジンは、そう言うとスノーを時計模様の幕で覆った。
『じぁー、こいつを元の世界に届けてくる。主人、悪いが少し付き合ってくれるか?大丈夫だって。ちゃんと主人もここに、連れ帰ってくるから。
このドラゴン。主人と波長が合いすぎてんだ。
魔力量も同じだしな。だから、主人が側にいる方が歪みも少なく安全に戻せるって話さ。
このドラゴンを元の世界に戻したら、ちゃんと主人は連れて帰ってくるから。
いいだろう?保護者のドラゴンさんよ?』
オリジンは、ドラしゃんにそう伝えた。
ドラしゃんは、何か言いたげだったが、渋々了承した。
『必ず、お嬢様は連れて帰って来い。』
ドラしゃんは、そうオリジンに言い放った。
オリジンは、ニカッと笑い私を抱っこすると、スノーと一緒に自分の管理する時の狭間に入って行った。
『そうか...やはりあの子ではなかったか...。』
ドラしゃんの呟いきは、誰にも聞かれていなかった。
そう...。
狭間に入っていく私は意外には。
オリジンと一緒に時の狭間に入った私は、入る間際に聞いたドラしゃんの呟きが気になった。
ドラしゃんの呟きを思い出しながら、スノーを見つめた。
そして、ある事を思い出した。
以前見た、ドラしゃんの過去の記憶。
確か、ドラしゃんの子供...。
あの時見た、ドラしゃんの過去の映像で見た、ドラしゃんの子供とスノーがどことなく似ていたのだった。
唯一違うのは、翼の大きさと纏う魔力だ。
ドラしゃんの子供は、翼が大きく、纏う魔力もスノー程大きくなかった。
だからか...。
ドラしゃんが、スノーを見た時のなんとも言えない表情の意味がわかった。
オリジンは、私の気持ちを察知したのか、独り言の様に呟き出した。
『大丈夫だ。このドラゴンは元の世界に戻れる。そして、彼奴の"子供"とも主人が今よりも、もっと強くなったら合わせてあげれるぜ。
詳しい事は、これ以上は言えないが...それだけは言える。
だから、そんな悲しそうな表情しなさんな。ほら、主人がそんな表情するから、この子も不安そうじゃないですか?』
ふと時計模様の幕に包まれたスノーをみると、不安そうな表情をしていた。
私は慌てて笑顔を向けた。
すると、スノーも笑顔に。
『本当に、この子と主人の波長は相性がいいみたいですな。
これなら、またいつか必ず会えますよ。
その時は、この子も主人も立派に成長しておかないといけませんがね。』
オリジンの言葉を聞いて、私もスノーも笑顔に。
そして。
"ありがとう。リン。助けてくれて。
私、アナタのこと忘れないわ。
絶対、また会いましょう。"
「うん。もちろんよ。わたしも、わすれないよ。ぜったい、またあいましょう。
だって、私とスノーは、もう"友だち"だから。」
私が、そう言うとスノーは、一瞬目を大きく見開いた。
そして、満面の笑顔に。
『どうやら、ここがこの子のいた世界の様だね。今から時の狭間を開けるよ。
次からは気をつけるんだよ。
ウチの主人も、とんでもない事をしでかすから周りの大人達は大変なんだ。
だから、君の親御さんもそうなんだろうね。
あんまり、親に心配かける様な事はするなよ。
この幕は、外に出たら自然と消えるから心配ないからな。
じゃぁーなぁー。』
オリジンは、そう言ってスノーの入った幕を狭間から放り出した。
私は慌ててスノーに手を振った。
スノーも同じように手を振ってくれた。
そして、あっという間に彼女の姿は消えていった。
「ぶじに、かえれたの?」
私は涙を堪えて、オリジンに聞いた。
オリジンは、そっとスノーを放り出した場所に、時計を出した。
そして、時計のガラスに映し出された映像は...。
そこには、家族と無事に再開するスノーの姿があった。
私は涙をこぼしながら、オリジンに抱きついた。
"ありがとう。"と呟きながら。
オリジンは、そっと私の背中をさすって、皆んなが待つ世界へと戻って行った。
私はいつの間にか、泣き疲れて眠っていたようだ。
目を覚ますと、いつもの家のベッドの中だった。
側には、眠るお兄ちゃんと不安そうに見つめるドラしゃんがいた。
どうやら、ドラしゃんは私の事が心配で、ずっと付き添ってくれてた様だった。
私は、ドラしゃんにそっと抱きついた。
ドラしゃんは、お兄ちゃんを起こさない様に、わたしを抱き抱えてくれた。
そして、私はドラしゃんにだけ、聞こえるように話をした。
「今日の白いドラゴンね。スノーって言うの。
ちゃんとね、お父さんやお母さん、兄弟に会えたよ。
お父さんはね、ドラしゃんみたいに大きくってがっしりしたドラゴンだったの。でも、ドラしゃんほどは、かっこよくなかったよ。
お母さんは、ドラしゃんの"おくさん"みたいに美人さんだったよ。
でも、ドラしゃんの"おくさん"の方がもっと美人さんだったね。
大丈夫だったよ。皆、元気そうだったよ。」
私がそう言うと、私を抱きしめるドラしゃんの腕の力が少し強くなった。
そして、頬に温かい雫が...。
さらに、珍しくぐぐもった声が降ってきた。
『そう...ですか...。良かったです。...。良かっ...た...。』
それ以上、ドラしゃんは何も言わなかった。
私も何も言わなかった。
ただ、ひたすら抱き合った。
そして、私はそっと心の中で、ドラしゃんに呟いた。
"私、絶対に。ドラしゃんに"娘さん"と合わせてあげるから!!"
そう固く誓いつつ、その日は一晩、ドラしゃんと抱き合ってすごしたのだった。
~その頃、スノーの世界では~
"お母さん。私ね、友達ができたの"
別世界に行っていた私は、行った世界で、自分と似た雰囲気を持つ女の子と知り合い、助けてもらったこと、元の世界に戻してもらった。
その事を、私を探し回ってくれていた家族に話をした。
最初は信じなかった家族だが、自分達の目の前から忽然と姿を消したのを見ていたし。
必死に探し回っても、見つからなかったのに、突然目の前に姿を現したのを見たので、私の話を信じるしかなかったのだ。
"その子ね、人間なのに沢山の精霊...じゃなかった!【大聖霊】を従えてたの。
そして、お父さんみたいなドラゴンも仲間にいたの。"
興奮して、話す私の話をお父さんとお母さんは、ハイハイと聞いていた。
兄弟は疲れ切って眠っていた。
"その子ね、大きさも私とおんなじなの。可愛くて、私が泣くと一緒に泣いてくれたの。
でね、また会う約束したの。
だから、私のもっともっと頑張って、魔法を上手に使えるようにするの。
そしたら、その子が今度困ってた時助けてあげれるでしょ?"
私の言葉にお父さん達は、苦笑いしていた。
"まぁ~まぁ~。あなたがやる気なのはいい事よ。でも、今日はもう寝ましょ。
そして、約束よ。もう無茶はダメよ?
いい?"
"そうだそ?今回は運が良かった、だけなのかもしれないからな。
二度と会えなくなるのは、お父さんもお母さんも嫌だからな。"
私は、お父さんとお母さんの言葉に、頷いた。
そして、先に眠る兄弟の元に行き丸まった。
しばらくすると、眠気が襲ってきた。
せめて、もう一度夢の中でもいいから、あの子と会いたい。
そう思いながら眠りについた。
眠りについた私の姿を、両親は安心しきった顔で見つめていた。
"本当によかった。...二度と会えないかと思ってたから...。"
"そうだな。あの胡散臭い、"神"と名乗る奴が出てきた時は、どうしてくれようかと思ったが、奴の胡散臭い話を信じて良かった...んだよな?"
"そうね。そう言うことにしておきましょう。この子も無事に帰ってきたんだから"
両親はそういって、私達の寝顔をみつめてから、自分達も眠りに着いたのだった。
その様子を時の狭間より見つめる者が。
『よっ。胡散臭い奴って言われてるなぁ~。』
『ふん。いいさ。』
『しかし、これも何かの"縁"なのか?それとも、お前がワザとやったのか?』
時の狭間には、双方の世界を管理する"神様"と【時の大聖霊 オリジン】の姿があった。
『今回は、本当に偶然だ。まさか、"リン"と"スノー"が出会うとは、私も想定外だよ。
神様も万能でないってことだね!』
『開き直るなよ...。しかし、スノーとリン。あそこまで、魔力量が一緒って...やばいだろう?』
オリジンの言葉に、神様はとぼける。
ため息をつくオリジン。
『まぁ~いいけどよ。下手に彼奴だけは刺激しなさんなよ。今回は、リンが上手くやってくれたから良かったけどよ。
次も上手くいくとは限らんぞ?』
オリジンの言葉に神様は、平然としていた。
『大丈夫さ。リンがいれば。リンが居なくなれば、話はべつだが。
リンが居る間は、フレアも世界も問題ないよ。』
神様の言葉に、オリジンは人知れず自分の小さき主人に、同情するのだった。
作者:
どうも(*^▽^*)
気分転換に、書いてみました。
どうでしょか?
えっ?スノーって何?
あーー。
もう一つ、のんびり書いている作品の登場人物とコラボしてみました。
興味がある方は、良かったらそちらも覗いて見て下さい(*^▽^*)
そろそろ、本編...頑張ります。゚(゚´Д`゚)゚。
20
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