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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜
4-39 南側の街を作りにあっての問題が...
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ひと足先に出かけた先陣より連絡を受けたドムじぃーちゃんは、モッケしゃん達に見送られ、今回の旅の仲間を連れて中央の街から西側の街へと向かう。
移動道中メンバーに、どの様な街を造ってみたいかをドムじぃーちゃんなりに聞いていた。
今度のメンバーは、人魚と人間のハーフなので、人やドワーフとは違った発想があるのでという目論みと南側の街建設予定地は半分陸で半分海の様な地形なので彼らの方が、その地形を生かした案を出せるのでは?と目論んでいた。
そのもくろみがあり、ドラしゃんから預かった伝言を伝えに来たスカイの伝言をあらかじめ、皆で聞いていたのだ。
ドムじぃーちゃんの質問に、彼らから予想通りな答えと意外な返答の両方が返ってきた。
最初にドムじぃーちゃんに返事をしたのは、今年30歳になったばかりのリュモさん。
人魚族の人はハーフも含め中性的な見た目をしている。
リュモさんもぱっと見は女性??と思える容姿をしているが、しっかりとした男性だ。
「実際にその場所を見てみないとわかりませんが...海の中での住まいと地上での住まいの2種類あれば助かります。
海の中は、潮の流れとかも把握しておかないと強度に影響しますので、こればかりは実際に海に潜って確認しないとなんとも言えませんね。
地上の方はなんとかなるかと考えてます。」
その言葉を聞いて、ドムじぃーちゃんは移動の予定を少しばかり変更することにした。
本来なら西側の街で一泊してから南側へ向かう予定だったのだが...それを変更して、西側の街の港へ立ち寄り、海の中の状況を実際に彼らに確かめてもらってから宿泊せずに南側へ移動することにしたのだ。
何故なら、海の状況によったら街が完成したら西側と南側で住む人達の予定を変更しないといけないと感じたからだった。
「あと、私達は陸地でも十分生活出来ますが、できたら家の中に海と繋がる部分が欲しいです。」
そう答えたのは、28歳のリョセさん。
こちらも見た目は女性ぽいけど、がっしりとした体型をした男性だ。
元いた国では、B級冒険者をしていたそつで、パーティーのリーダーを不慮の事故で失ってしまいパーティーは解散してしまい、困っていた所私達の街へやって来たという。
「半分人魚なんで、真水より海水の方が体調の調節にはいいんです。
あと、子供時代はハーフも人魚も関係なく、陸地より海水で生活しないと命に関わります。」
そう話すリョセさんの言葉に、他のメンバーも頷く。
それは、彼ら人魚と人間のハーフだからこそ、気付いた点だった。
私達に真水が必要な様に、彼らには海水が必要なのだ。
「他にも必要な事や物があるなら言ってくれ。何せ、俺たちは陸地のことしか知らないからなぁー。お前さん達の意見が役立つんだ。
今回作る街は、お前さん達みたいな人種が住みやすい街にするからな。
だからお前さん達の意見は大事なんだ。」
そう、ドムじぃーちゃんが話すと皆は驚いていた。
そんな彼らの反応に首を傾げるドムじぃーちゃん。
「どうした?そんなに驚く様な事を言ったか?」
ドムじぃーちゃんがそう言うと、リュモさんが遠慮気にドムじぃーちゃんに話しかける。
「いいえ。まさかそこまで、私達の意思を尊重してもらえるとは思ってもいなかったもので...。」
リュモさんの言葉に、他のメンバーも頷く。
そんな彼らにドムじぃーちゃんは、大笑いする。
そんなドムじぃーちゃんに、彼らは不満そうな表情を浮かべる。
「いやいや、すまない。別にお前さん達の事を馬鹿にして笑ったんじゃーないんだ。お前さん達の反応が新鮮でなぁー。
そうだよな。普通ならそんな反応だな。うんうん。」
微妙な空気の中ひとり納得するドムじぃーちゃん。
ますます彼らは不審な表情になっていく。
「本当にすまない。俺たちと大概一緒にいる子供を連れた一家をお前さん達も知っているだろ?」
ドムじぃーちゃんは、まだ若干笑いながらそう話し出す。
「はい。私達を迎え入れてくれた御一家ですよね?」
リュモさんがドムじぃーちゃんの言葉に返事する。
「そう。その一家なんだが、異世界から来たんだが慣れない場所で生活しているんだが...。場慣れしているって言うか...図太いと言うか...な。
まぁ~それがアイツらのいい所なんだけどな、お前さん達のさっきの素直な反応をあまりみないもんだから、それが自分の中で普通になってたんだなぁーって思ったんだよ。
久しぶりにあんな反応を見たもんだから...。だから、つい笑ってしまたっんだ。」
そう苦笑いを浮かべて、話すドムじぃーちゃん。
その言葉を聞いて、リュモさん達はますます不思議そうに首を傾げる。
なにせ、彼らとは私達一家はあまり関わりを持ってなかったから、ドムじぃーちゃんの言葉が理解できなかったのだ。
「今は分からなくてもいいさ。アイツらと生活していたら、嫌でもこの言葉の意味がわかるさ。」
そう言って、歩みを進めるドムじぃーちゃん。
そんなドムじぃーちゃんの後を、まだ疑問を抱きながらも彼らは必死に追って行った。
道中色々あったが、なんとか西側の街に予定より早く着いた後続部隊。
街に入ると彼らの前には、驚きの街が広がっていたため、ドムじぃーちゃん以外の人達の足取りはゆっくりとなる。
ドムじぃーちゃんは、すでに見ているので平然と街の中を歩いて行く。
しかし、リュモさん達は初めて見る光景なので、周りをキョロキョロ見渡しながら慎重に歩いて行く。
カカンさん達からどんな街かは、話を聞いていた様だが、話で聞くより実際に見た方が凄かったみたい。
時々感嘆の声を上げながらも、ドムじぃーちゃんの後を一生懸命追って移動する一行。
「素晴らしい街ですね。本当にこんな街を作ったんですか?」
リュモさんの言葉にドムじぃーちゃんは、楽しそうな声で答える。
「そうだぜ。と言っても、ほとんど【大聖霊】様方が作ってくれたんだけどなぁー。」
その答えに更に驚く彼ら。
自分達が住んでいた国の国王様から、チラッと話は聞いていたが、本当に【大聖霊】様が居るとは...。
しかも、街づくりなんかに協力するなんて...。
彼らの中の【大聖霊】様像が、色々変化していく。
とりあえず一行は、港へと足を進める。
港へ行くと、彼らは持っていた荷物をその場に置き、ドムじぃーちゃんが何かを言う前に一目散に海の中へ潜って行った。
ドムじぃーちゃんは、なすすべもなく彼らが置いていった荷物を一か所に集めて潜って行った海をひたすら眺める。
彼らが潜ってどのくらい経ったのだろか。
海から空気泡が現れる。
最初は立って海を見ていたドムじぃーちゃんだったが、港の桟橋で座って釣りをしながら過ごしていた、
空気泡が見えたので、釣りを中断して空気泡が見えた場所の近くまで行くと、潜っていた彼らが姿をあらわしていく。
そこには、陸地とは違った姿の彼らがいた。
本来の彼らの姿で水面から顔をだす。
「噂には聞いていたが...こりゃまた凄いなぁー。
リンとアキラ。それにユウダイとユイカが見たら大はしゃぎしそうだなぁ...。」
海の中から顔を出す彼らの姿は、髪の色が海の色と同化していて神秘的だ。
目も魚風に変わっていて水中でも不便のないように鼻がなくなって、首にエラが現れ肌も薄い緑色に近い色になって、手には水掻きがついている。
彼らは、ドムじぃーちゃんの居る桟橋まで近寄って来て、何かを一生懸命訴えるが、ドムじぃーちゃんには何を言っているか分からなかった。
何せ、ドムじぃーちゃんには"キッ、キッキー、ギッ"と言う音にしか聴こえていないからだ。
ドムじぃーちゃんが焦った表情で、居るのに気付いて1人が桟橋に飛び上がって来た。
飛び上がって来た彼の下半身には足はなく、魚の様な尾びれがついていた。
そして、暫くすると髪の色、肌、手、エラ、ヒレ等が変化していく。
そう。見覚えのある姿になってきた。
「失礼しました。久しぶりの海でしたので...。私達は、ハーフなので人魚ほど海の中に居ないと生きていけないと言うわけではないのですが...やはり、海はいい物です。
私達ハーフは、海水に触れると人魚の姿になる事が出来ます。
そして、こうして陸地に出れば人間の姿になる特殊な性質を持ってます。
ちなみに、私達は乾燥した環境が苦手です。下手をしたら命を失ってしまいます。ですので、この街の様な緑色溢れた場所でも十分生活はできます。
しかし、ハーフでも子供の時期は海が近い環境にないとダメです。できたらこの街の様な環境を陸地にお願いできますか?
あと、ここの海でしたら波もキツくないので、そこまで強度が強くなくても大丈夫かと...。
ただ造るのは南側の街ですよね...。
南側の海も環境が同じでしたら問題ないのですが、違えば作り直しになる可能性が高いです。」
そう話すリュモさん。
ドムじぃーちゃんは、何に対してどう反応していいのか分からず、唖然としたままだった。
そんなドムじぃーちゃんにお構いなく話し続けるリュモさん。
「こちらの海は、私達が住んでいた環境に近いので、海の中でも住居が作りやすいです。
しかし、南側の海は私達も初めてですので、海水の流れ、濃度や温度の違いで、体調を崩すだけならまだしも、即死する可能性もあるかと...。」
そのリュモさんの言葉で、我にかえったドムじぃーちゃん。
「そりゃーいかん!?南側に居る連中に至急連絡取る!
とりあえず、気の済むまで海で過ごしてくれて構わん。
今日はやはりここで泊まってから明日移動することにするぞ!日が暮れる前には、宿屋に移動するから陸地に上がってきてくれ!」
そう言い残して、その場を去るドムじぃーちゃん。
海に残されるリュモさん達。
とりあえず、久しぶりの海を堪能しつつ夕飯の材料の確保をする事にした。
リュモさんから、人魚と人間のハーフの特徴を改めて聞いたドムじぃーちゃんは、大慌てで宿に行き、以前置いて来たドラしゃんとの連絡手段..."リンミニマム"と名付けられた私のミニマム姿の人形に念をこめながら魔法をかけて空に放つ。
それは、【大聖霊】とお母さんが協力して作ったドラしゃん対応型の伝書鳩的な物。
念を込めながら魔法をかけて空に放つだけで、自動的にドラしゃんの所へ向かう代物だ。
ドラしゃんの所へ着くと、私の声で念を伝えると言う仕組み。
他のだと無視される場合があるが、これなら絶対無視する事はあり得ないと言う、【大聖霊】とお母さんの太鼓判付きの品だ。
(ちなみにこの事はドラしゃんは知りません。)
無事に連絡がつく事を祈りながら空を見上げるドムじぃーちゃん。
その頃、南側の街予定地では...海ではしゃぐ私とお兄ちゃんの姿があった。
陸地に近い海は、底が見えて波もなく安全だと判断され保護者代理達の監視の元遊んでいた。
もちろん水着は、ドラしゃんが即席で作成してくれた。
私の着ている水着は、アヒルさん風の水着で、お尻の部分にアヒルさんのお尻が立体になっていて、浮き袋の役割を担っていた。
お兄ちゃんの水着は、亀さん風水着。
水着というか、もう着ぐるみの様な造りだった。
亀さんの首の部分からお兄ちゃんの顔が出ているだけで、顔を水面につけて浮いていたら完全に亀にしか見えない。
それでも楽しく遊ぶ私達。
そんな中、西側から何かがお空からやって来た。
ドラしゃんが攻撃を仕掛けようとしたが、何故か動きを止めた。
それどころか、両手を広げてウエルカム状態に...?!
あまりの状況に怯える私達。
すると、そんなドラしゃん目掛けて見覚えのある姿のもが...?!
「あっ!リンだ!」
お兄ちゃんが亀の姿で、ドラしゃんの方を指をさして声を上げる。
なんとドラしゃんに向かって、私そっくりの人形が飛んできていたのです。
そして、ドラしゃんの前まで来ると喋り出したのです!!
「ドラしゃん。大変なの。大至急、西側の街に皆を連れて戻って来て欲しいの。お願いね。」
私の声で喋る人形。
伝言を伝えると魔法が解けて、地面に落下する人形。
寸前の所で、ドラしゃんが大事そうにキャッチして懐にしまった。
えっ?!!!
皆は驚いたが、声には出さなかった。
満足そうに微笑んでいるドラしゃん。
さすがのムキじぃーちゃんも、何も言わずドラしゃんの出方を待っていた。
私とお兄ちゃん。
トオルお兄ちゃん達も静かに見守った。
すると...!!?
私とお兄ちゃんは、海水ごと。
ムキじぃーちゃんとトオルお兄ちゃん達は、そのままドラしゃんの魔法の球体に包まれて、宙に浮かされた。
私達がドラしゃんの方を見ると、満面の笑みのドラしゃんが。
『可愛らしい伝言をいただいたので、"大至急"西側の街へ戻りますよ。
皆さんはそのままじっとしていて下さいね。』
そう言うと、ドラしゃんは仮設住宅を解体して荷物を全て鞄の中へしまうと何やら呪文を唱えて....。
気づくと西側の街のドムじぃーちゃんの元へきていたのだった。
南側の街では、【聖獣】達が取り残されていた。
一瞬の出来事で固まっていたが、瞬時に正気を取り戻し西側の街へとダッシュする【聖獣】達だった。
伝言の"リンミニマム"を飛ばして数分後、目の前に私達の姿が現れて驚くドムじぃーちゃん。
しかも、私達は透明な球体に包まれているし、私とお兄ちゃんなんか水着姿だしで、超恥ずかしかった。
西側の街へついても、ムキじぃーちゃんやトオルお兄ちゃん達は球体から出したのに、私とお兄ちゃんは何故かそのままだった。
「ドラしゃんだちて。」
「ドラしゃん、僕達もお外出たいです。」
私とお兄ちゃんがお願いするが、ドラしゃんは笑顔で拒否。
それどころか...
『もう少しそのままでお願いしますね。
ちゃんとお外に出しますから。』
と言って中々出してくれないのだ。
球体の中の小さな海で、私とお兄ちゃんはチャプチャプと浮いて過ごすことに。
そんな私達を気にしながらもドムじぃーちゃんは、ドラしゃんに話しかけた。
「すまんな。せっかく南に行っていたのに、戻って来てもらって。」
そうドムじぃーちゃんが言うと、ドラしゃんは特に怒る素振りもせず、ドムじぃーちゃんに返事をした。
『別に問題はないですよ。それより、"彼ら"はどこに?ここにはいない様ですが?』
そう言って、周りを確かめるドラしゃん。
ドラしゃんの言う"彼ら"とは、ドムじぃーちゃんと一緒に後陣で出発した人達の事だ。
ドラしゃんの言葉で、ハッとしたドムじぃーちゃんは、ドラしゃん達を港へ行くよう急かした。
私とお兄ちゃんは、球体のままドラしゃんに運ばれて港へと向かうことに。
私達が港へ行くと、桟橋の上に大量の海産物が打ち上げられていた。
一体誰が?
そう思っていると、海の中から知らない人達が。
うん???
私達がじっと海の中を移動する彼らを見つめていると、視線を感じてかこちらを向いた。
そして、なぜか笑顔で手を振ってくるのだ。
あげくに...。
「あっ?!ドムさん!これ、良かったら夕飯にと思って皆でとって来たんです。」
と、海の中から出てきた人魚が...喋った?!
てか、えっ?!姿かわってません?!
ドラしゃんとドムじぃーちゃん以外のメンバーは、目が点状態。
驚きすぎて、突っ込む暇もない感じ。
そんな私達に視線を送るお兄さん?人魚さん?
「ドムさん。なんで球体の中に子供が閉じ込められているんですか?」
私達の方を指差して、ドムじぃーちゃんに質問するしまつ。
その質問で、ドラしゃんは思い出したかの様に、私達を球体の中から引き出した。
文字通り、浮かしてスポッと抜き出したのだ。
球体の中には南側の海の水のみが入った状態になった。
そして、その球体をドムじぃーちゃんと親しげに話すお兄さんの方へ持っていくドラしゃん。
「あのう...それはなんですか?」
恐る恐る質問するお兄さん。
『これは、南側の海の水です。あなた方は、人魚と人間のハーフとお見受けしました。
人魚もそうですが、ハーフであるあなた方はには、海の水は必須のはず。
しかし、生まれ育った海の水と水質が同じまたは、近い物でないと皮膚が爛れて火傷するか、命を落とすと昔お伺いした事がありまして。
もし良ければと、南側の海の水を持ってきました。』
そう言って球体の上部分のみ開けて、目の前のお兄さんの前に差し出した。
「えっ?!お前それ知ってたんか?
てっきり知らないのかと思って、急遽お前さん達を呼び戻したんだよ。」
ドムじぃーちゃんは、頭を掻きながらドラしゃんに向かって話しかけた。
『いいえ。ドムからの連絡が届いてふと思い出したんです。
南側が地形的に彼ら人魚と人間のハーフには住みやすい環境ですが、もし水質が合わないとなると...西側の街を全面的にやり直しになると思いましてね。
なら、西側に戻るついでに南側の海の水も持ってくる方が良いかと思いまして。
まぁ~何よりお嬢様達の水着姿をお前にも見せてやろうと思っただけなんだがね。』
最後には本音をポロリと吐く、ドラしゃん。
その場に居た人達が呆気にとられたのは言うまでもない。
とりあえず気を取り直して、お兄さんはドラしゃんが差し出した南側の海の水が入った球体に手を入れた。
すると...。
「いっ...!!?」
なんとお兄さんの手が、海水に触れた部分だけが一瞬にして焼け爛れたのだ。
それを見てすぐに球体に蓋をして、回復魔法をかけるドラしゃん。
どうやらドラしゃんの勘は当たった様だった。
なんとか回復魔法が効いて、綺麗な肌に戻ったお兄さん。
とりあえず、予定が変更となるのでその事も含めて話し合いをしないといけないので、一同は宿泊場所へ戻る事にした。
ドラしゃんは、戻る前にルミばぁーちゃん宛にこっそりと伝言を飛ばしていたのだった。
リン:
めっちゃ恥ずかしかった...
アキラ:
あれは...確かに恥ずかしかった。
リン:
まさか...ねえ?
アキラ:
うん。
ドラしゃん:
えっ?そうですか?
私は微笑ましくてよかったですが?
リン・アキラ:
∑(゚Д゚)(ーー;)
ドラしゃん:
お2人が何が恥ずかしかったのかは、次回のお楽しみに^ ^
移動道中メンバーに、どの様な街を造ってみたいかをドムじぃーちゃんなりに聞いていた。
今度のメンバーは、人魚と人間のハーフなので、人やドワーフとは違った発想があるのでという目論みと南側の街建設予定地は半分陸で半分海の様な地形なので彼らの方が、その地形を生かした案を出せるのでは?と目論んでいた。
そのもくろみがあり、ドラしゃんから預かった伝言を伝えに来たスカイの伝言をあらかじめ、皆で聞いていたのだ。
ドムじぃーちゃんの質問に、彼らから予想通りな答えと意外な返答の両方が返ってきた。
最初にドムじぃーちゃんに返事をしたのは、今年30歳になったばかりのリュモさん。
人魚族の人はハーフも含め中性的な見た目をしている。
リュモさんもぱっと見は女性??と思える容姿をしているが、しっかりとした男性だ。
「実際にその場所を見てみないとわかりませんが...海の中での住まいと地上での住まいの2種類あれば助かります。
海の中は、潮の流れとかも把握しておかないと強度に影響しますので、こればかりは実際に海に潜って確認しないとなんとも言えませんね。
地上の方はなんとかなるかと考えてます。」
その言葉を聞いて、ドムじぃーちゃんは移動の予定を少しばかり変更することにした。
本来なら西側の街で一泊してから南側へ向かう予定だったのだが...それを変更して、西側の街の港へ立ち寄り、海の中の状況を実際に彼らに確かめてもらってから宿泊せずに南側へ移動することにしたのだ。
何故なら、海の状況によったら街が完成したら西側と南側で住む人達の予定を変更しないといけないと感じたからだった。
「あと、私達は陸地でも十分生活出来ますが、できたら家の中に海と繋がる部分が欲しいです。」
そう答えたのは、28歳のリョセさん。
こちらも見た目は女性ぽいけど、がっしりとした体型をした男性だ。
元いた国では、B級冒険者をしていたそつで、パーティーのリーダーを不慮の事故で失ってしまいパーティーは解散してしまい、困っていた所私達の街へやって来たという。
「半分人魚なんで、真水より海水の方が体調の調節にはいいんです。
あと、子供時代はハーフも人魚も関係なく、陸地より海水で生活しないと命に関わります。」
そう話すリョセさんの言葉に、他のメンバーも頷く。
それは、彼ら人魚と人間のハーフだからこそ、気付いた点だった。
私達に真水が必要な様に、彼らには海水が必要なのだ。
「他にも必要な事や物があるなら言ってくれ。何せ、俺たちは陸地のことしか知らないからなぁー。お前さん達の意見が役立つんだ。
今回作る街は、お前さん達みたいな人種が住みやすい街にするからな。
だからお前さん達の意見は大事なんだ。」
そう、ドムじぃーちゃんが話すと皆は驚いていた。
そんな彼らの反応に首を傾げるドムじぃーちゃん。
「どうした?そんなに驚く様な事を言ったか?」
ドムじぃーちゃんがそう言うと、リュモさんが遠慮気にドムじぃーちゃんに話しかける。
「いいえ。まさかそこまで、私達の意思を尊重してもらえるとは思ってもいなかったもので...。」
リュモさんの言葉に、他のメンバーも頷く。
そんな彼らにドムじぃーちゃんは、大笑いする。
そんなドムじぃーちゃんに、彼らは不満そうな表情を浮かべる。
「いやいや、すまない。別にお前さん達の事を馬鹿にして笑ったんじゃーないんだ。お前さん達の反応が新鮮でなぁー。
そうだよな。普通ならそんな反応だな。うんうん。」
微妙な空気の中ひとり納得するドムじぃーちゃん。
ますます彼らは不審な表情になっていく。
「本当にすまない。俺たちと大概一緒にいる子供を連れた一家をお前さん達も知っているだろ?」
ドムじぃーちゃんは、まだ若干笑いながらそう話し出す。
「はい。私達を迎え入れてくれた御一家ですよね?」
リュモさんがドムじぃーちゃんの言葉に返事する。
「そう。その一家なんだが、異世界から来たんだが慣れない場所で生活しているんだが...。場慣れしているって言うか...図太いと言うか...な。
まぁ~それがアイツらのいい所なんだけどな、お前さん達のさっきの素直な反応をあまりみないもんだから、それが自分の中で普通になってたんだなぁーって思ったんだよ。
久しぶりにあんな反応を見たもんだから...。だから、つい笑ってしまたっんだ。」
そう苦笑いを浮かべて、話すドムじぃーちゃん。
その言葉を聞いて、リュモさん達はますます不思議そうに首を傾げる。
なにせ、彼らとは私達一家はあまり関わりを持ってなかったから、ドムじぃーちゃんの言葉が理解できなかったのだ。
「今は分からなくてもいいさ。アイツらと生活していたら、嫌でもこの言葉の意味がわかるさ。」
そう言って、歩みを進めるドムじぃーちゃん。
そんなドムじぃーちゃんの後を、まだ疑問を抱きながらも彼らは必死に追って行った。
道中色々あったが、なんとか西側の街に予定より早く着いた後続部隊。
街に入ると彼らの前には、驚きの街が広がっていたため、ドムじぃーちゃん以外の人達の足取りはゆっくりとなる。
ドムじぃーちゃんは、すでに見ているので平然と街の中を歩いて行く。
しかし、リュモさん達は初めて見る光景なので、周りをキョロキョロ見渡しながら慎重に歩いて行く。
カカンさん達からどんな街かは、話を聞いていた様だが、話で聞くより実際に見た方が凄かったみたい。
時々感嘆の声を上げながらも、ドムじぃーちゃんの後を一生懸命追って移動する一行。
「素晴らしい街ですね。本当にこんな街を作ったんですか?」
リュモさんの言葉にドムじぃーちゃんは、楽しそうな声で答える。
「そうだぜ。と言っても、ほとんど【大聖霊】様方が作ってくれたんだけどなぁー。」
その答えに更に驚く彼ら。
自分達が住んでいた国の国王様から、チラッと話は聞いていたが、本当に【大聖霊】様が居るとは...。
しかも、街づくりなんかに協力するなんて...。
彼らの中の【大聖霊】様像が、色々変化していく。
とりあえず一行は、港へと足を進める。
港へ行くと、彼らは持っていた荷物をその場に置き、ドムじぃーちゃんが何かを言う前に一目散に海の中へ潜って行った。
ドムじぃーちゃんは、なすすべもなく彼らが置いていった荷物を一か所に集めて潜って行った海をひたすら眺める。
彼らが潜ってどのくらい経ったのだろか。
海から空気泡が現れる。
最初は立って海を見ていたドムじぃーちゃんだったが、港の桟橋で座って釣りをしながら過ごしていた、
空気泡が見えたので、釣りを中断して空気泡が見えた場所の近くまで行くと、潜っていた彼らが姿をあらわしていく。
そこには、陸地とは違った姿の彼らがいた。
本来の彼らの姿で水面から顔をだす。
「噂には聞いていたが...こりゃまた凄いなぁー。
リンとアキラ。それにユウダイとユイカが見たら大はしゃぎしそうだなぁ...。」
海の中から顔を出す彼らの姿は、髪の色が海の色と同化していて神秘的だ。
目も魚風に変わっていて水中でも不便のないように鼻がなくなって、首にエラが現れ肌も薄い緑色に近い色になって、手には水掻きがついている。
彼らは、ドムじぃーちゃんの居る桟橋まで近寄って来て、何かを一生懸命訴えるが、ドムじぃーちゃんには何を言っているか分からなかった。
何せ、ドムじぃーちゃんには"キッ、キッキー、ギッ"と言う音にしか聴こえていないからだ。
ドムじぃーちゃんが焦った表情で、居るのに気付いて1人が桟橋に飛び上がって来た。
飛び上がって来た彼の下半身には足はなく、魚の様な尾びれがついていた。
そして、暫くすると髪の色、肌、手、エラ、ヒレ等が変化していく。
そう。見覚えのある姿になってきた。
「失礼しました。久しぶりの海でしたので...。私達は、ハーフなので人魚ほど海の中に居ないと生きていけないと言うわけではないのですが...やはり、海はいい物です。
私達ハーフは、海水に触れると人魚の姿になる事が出来ます。
そして、こうして陸地に出れば人間の姿になる特殊な性質を持ってます。
ちなみに、私達は乾燥した環境が苦手です。下手をしたら命を失ってしまいます。ですので、この街の様な緑色溢れた場所でも十分生活はできます。
しかし、ハーフでも子供の時期は海が近い環境にないとダメです。できたらこの街の様な環境を陸地にお願いできますか?
あと、ここの海でしたら波もキツくないので、そこまで強度が強くなくても大丈夫かと...。
ただ造るのは南側の街ですよね...。
南側の海も環境が同じでしたら問題ないのですが、違えば作り直しになる可能性が高いです。」
そう話すリュモさん。
ドムじぃーちゃんは、何に対してどう反応していいのか分からず、唖然としたままだった。
そんなドムじぃーちゃんにお構いなく話し続けるリュモさん。
「こちらの海は、私達が住んでいた環境に近いので、海の中でも住居が作りやすいです。
しかし、南側の海は私達も初めてですので、海水の流れ、濃度や温度の違いで、体調を崩すだけならまだしも、即死する可能性もあるかと...。」
そのリュモさんの言葉で、我にかえったドムじぃーちゃん。
「そりゃーいかん!?南側に居る連中に至急連絡取る!
とりあえず、気の済むまで海で過ごしてくれて構わん。
今日はやはりここで泊まってから明日移動することにするぞ!日が暮れる前には、宿屋に移動するから陸地に上がってきてくれ!」
そう言い残して、その場を去るドムじぃーちゃん。
海に残されるリュモさん達。
とりあえず、久しぶりの海を堪能しつつ夕飯の材料の確保をする事にした。
リュモさんから、人魚と人間のハーフの特徴を改めて聞いたドムじぃーちゃんは、大慌てで宿に行き、以前置いて来たドラしゃんとの連絡手段..."リンミニマム"と名付けられた私のミニマム姿の人形に念をこめながら魔法をかけて空に放つ。
それは、【大聖霊】とお母さんが協力して作ったドラしゃん対応型の伝書鳩的な物。
念を込めながら魔法をかけて空に放つだけで、自動的にドラしゃんの所へ向かう代物だ。
ドラしゃんの所へ着くと、私の声で念を伝えると言う仕組み。
他のだと無視される場合があるが、これなら絶対無視する事はあり得ないと言う、【大聖霊】とお母さんの太鼓判付きの品だ。
(ちなみにこの事はドラしゃんは知りません。)
無事に連絡がつく事を祈りながら空を見上げるドムじぃーちゃん。
その頃、南側の街予定地では...海ではしゃぐ私とお兄ちゃんの姿があった。
陸地に近い海は、底が見えて波もなく安全だと判断され保護者代理達の監視の元遊んでいた。
もちろん水着は、ドラしゃんが即席で作成してくれた。
私の着ている水着は、アヒルさん風の水着で、お尻の部分にアヒルさんのお尻が立体になっていて、浮き袋の役割を担っていた。
お兄ちゃんの水着は、亀さん風水着。
水着というか、もう着ぐるみの様な造りだった。
亀さんの首の部分からお兄ちゃんの顔が出ているだけで、顔を水面につけて浮いていたら完全に亀にしか見えない。
それでも楽しく遊ぶ私達。
そんな中、西側から何かがお空からやって来た。
ドラしゃんが攻撃を仕掛けようとしたが、何故か動きを止めた。
それどころか、両手を広げてウエルカム状態に...?!
あまりの状況に怯える私達。
すると、そんなドラしゃん目掛けて見覚えのある姿のもが...?!
「あっ!リンだ!」
お兄ちゃんが亀の姿で、ドラしゃんの方を指をさして声を上げる。
なんとドラしゃんに向かって、私そっくりの人形が飛んできていたのです。
そして、ドラしゃんの前まで来ると喋り出したのです!!
「ドラしゃん。大変なの。大至急、西側の街に皆を連れて戻って来て欲しいの。お願いね。」
私の声で喋る人形。
伝言を伝えると魔法が解けて、地面に落下する人形。
寸前の所で、ドラしゃんが大事そうにキャッチして懐にしまった。
えっ?!!!
皆は驚いたが、声には出さなかった。
満足そうに微笑んでいるドラしゃん。
さすがのムキじぃーちゃんも、何も言わずドラしゃんの出方を待っていた。
私とお兄ちゃん。
トオルお兄ちゃん達も静かに見守った。
すると...!!?
私とお兄ちゃんは、海水ごと。
ムキじぃーちゃんとトオルお兄ちゃん達は、そのままドラしゃんの魔法の球体に包まれて、宙に浮かされた。
私達がドラしゃんの方を見ると、満面の笑みのドラしゃんが。
『可愛らしい伝言をいただいたので、"大至急"西側の街へ戻りますよ。
皆さんはそのままじっとしていて下さいね。』
そう言うと、ドラしゃんは仮設住宅を解体して荷物を全て鞄の中へしまうと何やら呪文を唱えて....。
気づくと西側の街のドムじぃーちゃんの元へきていたのだった。
南側の街では、【聖獣】達が取り残されていた。
一瞬の出来事で固まっていたが、瞬時に正気を取り戻し西側の街へとダッシュする【聖獣】達だった。
伝言の"リンミニマム"を飛ばして数分後、目の前に私達の姿が現れて驚くドムじぃーちゃん。
しかも、私達は透明な球体に包まれているし、私とお兄ちゃんなんか水着姿だしで、超恥ずかしかった。
西側の街へついても、ムキじぃーちゃんやトオルお兄ちゃん達は球体から出したのに、私とお兄ちゃんは何故かそのままだった。
「ドラしゃんだちて。」
「ドラしゃん、僕達もお外出たいです。」
私とお兄ちゃんがお願いするが、ドラしゃんは笑顔で拒否。
それどころか...
『もう少しそのままでお願いしますね。
ちゃんとお外に出しますから。』
と言って中々出してくれないのだ。
球体の中の小さな海で、私とお兄ちゃんはチャプチャプと浮いて過ごすことに。
そんな私達を気にしながらもドムじぃーちゃんは、ドラしゃんに話しかけた。
「すまんな。せっかく南に行っていたのに、戻って来てもらって。」
そうドムじぃーちゃんが言うと、ドラしゃんは特に怒る素振りもせず、ドムじぃーちゃんに返事をした。
『別に問題はないですよ。それより、"彼ら"はどこに?ここにはいない様ですが?』
そう言って、周りを確かめるドラしゃん。
ドラしゃんの言う"彼ら"とは、ドムじぃーちゃんと一緒に後陣で出発した人達の事だ。
ドラしゃんの言葉で、ハッとしたドムじぃーちゃんは、ドラしゃん達を港へ行くよう急かした。
私とお兄ちゃんは、球体のままドラしゃんに運ばれて港へと向かうことに。
私達が港へ行くと、桟橋の上に大量の海産物が打ち上げられていた。
一体誰が?
そう思っていると、海の中から知らない人達が。
うん???
私達がじっと海の中を移動する彼らを見つめていると、視線を感じてかこちらを向いた。
そして、なぜか笑顔で手を振ってくるのだ。
あげくに...。
「あっ?!ドムさん!これ、良かったら夕飯にと思って皆でとって来たんです。」
と、海の中から出てきた人魚が...喋った?!
てか、えっ?!姿かわってません?!
ドラしゃんとドムじぃーちゃん以外のメンバーは、目が点状態。
驚きすぎて、突っ込む暇もない感じ。
そんな私達に視線を送るお兄さん?人魚さん?
「ドムさん。なんで球体の中に子供が閉じ込められているんですか?」
私達の方を指差して、ドムじぃーちゃんに質問するしまつ。
その質問で、ドラしゃんは思い出したかの様に、私達を球体の中から引き出した。
文字通り、浮かしてスポッと抜き出したのだ。
球体の中には南側の海の水のみが入った状態になった。
そして、その球体をドムじぃーちゃんと親しげに話すお兄さんの方へ持っていくドラしゃん。
「あのう...それはなんですか?」
恐る恐る質問するお兄さん。
『これは、南側の海の水です。あなた方は、人魚と人間のハーフとお見受けしました。
人魚もそうですが、ハーフであるあなた方はには、海の水は必須のはず。
しかし、生まれ育った海の水と水質が同じまたは、近い物でないと皮膚が爛れて火傷するか、命を落とすと昔お伺いした事がありまして。
もし良ければと、南側の海の水を持ってきました。』
そう言って球体の上部分のみ開けて、目の前のお兄さんの前に差し出した。
「えっ?!お前それ知ってたんか?
てっきり知らないのかと思って、急遽お前さん達を呼び戻したんだよ。」
ドムじぃーちゃんは、頭を掻きながらドラしゃんに向かって話しかけた。
『いいえ。ドムからの連絡が届いてふと思い出したんです。
南側が地形的に彼ら人魚と人間のハーフには住みやすい環境ですが、もし水質が合わないとなると...西側の街を全面的にやり直しになると思いましてね。
なら、西側に戻るついでに南側の海の水も持ってくる方が良いかと思いまして。
まぁ~何よりお嬢様達の水着姿をお前にも見せてやろうと思っただけなんだがね。』
最後には本音をポロリと吐く、ドラしゃん。
その場に居た人達が呆気にとられたのは言うまでもない。
とりあえず気を取り直して、お兄さんはドラしゃんが差し出した南側の海の水が入った球体に手を入れた。
すると...。
「いっ...!!?」
なんとお兄さんの手が、海水に触れた部分だけが一瞬にして焼け爛れたのだ。
それを見てすぐに球体に蓋をして、回復魔法をかけるドラしゃん。
どうやらドラしゃんの勘は当たった様だった。
なんとか回復魔法が効いて、綺麗な肌に戻ったお兄さん。
とりあえず、予定が変更となるのでその事も含めて話し合いをしないといけないので、一同は宿泊場所へ戻る事にした。
ドラしゃんは、戻る前にルミばぁーちゃん宛にこっそりと伝言を飛ばしていたのだった。
リン:
めっちゃ恥ずかしかった...
アキラ:
あれは...確かに恥ずかしかった。
リン:
まさか...ねえ?
アキラ:
うん。
ドラしゃん:
えっ?そうですか?
私は微笑ましくてよかったですが?
リン・アキラ:
∑(゚Д゚)(ーー;)
ドラしゃん:
お2人が何が恥ずかしかったのかは、次回のお楽しみに^ ^
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