異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜

4-47 不穏な影が見えるなか南側の街完成

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 その日の夜は、ドラしゃんの作ったご飯を皆で仲良く食べながら南側の街をどの様に作っていくか話をまとめていった。

ご飯を食べた後、テントでくつろいでいると...???何故か【聖獣】達がお腹を抱えて、腹痛を訴えだしたのだ。

他の皆も、同じ物を食べたが特に何もない。
もちろん私とお兄ちゃんもだ。
どうしたんだろう??と疑問を感じながらも腹痛に苦しむ【聖獣】達をさすりながら夜をあかした。

 翌朝、ドラしゃんは清々しい表情をしていたが、正反対に【聖獣】達はげっそりしていた。

【聖獣】達の腹痛が落ち着いたのは明け方近かったからだ。

今日から南側の街造りを本格的に開始しとなるのに大丈夫かなぁ??と私とお兄ちゃんは不安に感じたが、思っていたより早く【聖獣】達がいつもの様に元気になったので安心した。

ドムじぃーちゃんとカカンさん達は、しっかり話を煮詰めていたようで、作業への取り掛かりがスムーズだった。

朝食後に皆に、南側の街をどの様にするかをドムじぃーちゃんから伝えられた。

南側の街は、ファールト王国に生息している植物をこの街にも植えて、南国リゾート風な外観の街にするというのだ。

ファールト王国自体が、温泉を利用した観光地だ。
しかし、ここには温泉がない。
だが、海はある。
それを生かしてみては?となった。

しかし、何故リゾート風の?
この世界では当たり前のか?
そんな疑問をお兄ちゃんが質問すると、どうやらそれにはまたまた私達のお父さんが関わっていた。

カカンさん達がここに来る前に、お父さんと話をしたそうだ。

「私達の国では、南側の国や街。
特に海沿いなら、"リゾート地"として栄えてますね。
リゾート地って、言うのは...どう言ったらいいんでしょうか?
...あっ、南側の暖かい地域のみに生息する葉の大きな植物が生えていて、木で作られたログハウスで、海を見ながら満喫できるんです。
気候も穏やかで、食べ物も美味しくて、普段の生活とまた違った味わい...高級感があって、少しの間だけ自分がリッチになった気分が味わえるって言うか...そんな感じですね。」

分かりやすいのか、分かりにくいのか、なんとも言えない説明を聞いて来たのだった。

そのお父さんの意見も加えて、図案が完成されていた。
海側にはもちろん桟橋と船着場を設けられるようになっている。

建物は全てログハウス風になっていて、雰囲気が独特な感じになるようにしてあった。

地面から少し離して、高床式。
ハンモッグも設置されるなど、本当にリゾート地って感じになる様に図案に書かれていたのだ。
完全に、どこかで見た観光地の様だった。

必要なものは、ファールト王国に依頼済みだとか。

さすが、準備がお早い。
とりあえず今日は今できる事をする事に。
いつも通り外壁と海側から手を受ける事にした。

外壁は【大聖霊】達があらかた作っていたが、街の建物の外観と合わせるために少し工夫を加える事にするという。

【大聖霊】達はまだ眠っていた。
西側の街を作りながら、どうやら南側の土地も手直ししていたため、予想より遥かに魔力をかなり消費した様だ。

本来なら契約者である、私とお兄ちゃんが自分達の魔力を分け与えたら良いのだけど、彼らがソレを望まないから出来なかった。

ただ私達は、彼らが目覚めるのを待つのみだった。
だからこの街は、【大聖霊】達の力を借りる事は出来ない。

その為、ドムじぃーちゃん為の本領発揮となる。

忘れてはいたが、ドムじぃーちゃん達も【大聖霊】達程ではないが魔法は使える。
普通の大工さんではないのだ。

それでも【大聖霊】達が居るときよりは、作業効率は落ちるがやるしかなかった。

それぞれ使える魔法を駆使して、作業を行っていく。

もちろん私とお兄ちゃん、【聖獣】達もだ。

お兄ちゃんは、ムキじぃーちゃんと訓練をしているから魔力コントロールが上手だ。

特に大きなトラブルもなく魔法が使えていた。

しかし、私はというと...。

やらかしの連続だった。
木を運ぼうと思い見様見真似で風魔法を使うと、竜巻が発生。

土を運ぼうと土魔法を使うと、山ができた。
火魔法を使えば火事が起きて、水魔法を使うと津波が...。

街が造られる前に、壊れそうになっていた。
その為、私はここでも魔法を使うのを禁止にされた。

大人しくドラしゃんの手作り椅子に座って、皆の作業を見守らのが私の仕事となった。

もう少しで、振り出しに戻るところだった作業だが、私が大人しくしていたお陰でなんとか作業が進んだ。

時間は予定よりだいぶかかったが、海側の建設作業のみ終わった。
桟橋と大型船用の船着場と灯台のみなんとかできた。

あとは、翌日にする事に。

本来なら外壁も改修する予定だったが...
私が悪いので何も言えなかった。

皆は予定以上の作業をしたから、クタクタになっていた。

私が悪いので、何かしたくてある事を思いついた。
皆が一休みして集まっている所に、椅子ごと移動して願った。

「みんなのつかれがとれますように。」

そう言って、願うと皆の足元が光りだす。
光は皆の体に吸収されていき、光が消えると...何と皆の体から疲れが綺麗に取れていた。

作業する前、いやそれ以上の力がみなぎっていたのだ。

これには、皆喜んでくれた。
この時、初めてまともに回復魔法が使えたのだった。

しかし、それはたんなる回復魔法ではなかった。

回復魔法の中でも、かなり難易度の高い魔法の一つで、この魔法が使えると一生遊んで暮らせるぐらいの財が気づけるものだったのだ。

でも、そんな事を知っているのはごく一部の人間と、高位の生き物か【大聖霊】ぐらいだ。

そう。この中で言うと...ドラしゃんのみとなる。

それ以外の人は、全く気付いてなくたんなる回復魔法だと思っていた。
私が使った魔法の正体を知っているドラしゃんは1人頭を抱える事に。

とりあえずまぐれと言うこともあるので、様子を見る事にしたドラしゃん。

しかし、この光景を密かに見ていた"人物"がいた。

ドラしゃんにも気配を悟られずにひっそりと、街の外から見ていた"人物"がいたのだ。

『これは厄介な人間がいたものだ。まだ、幼児。側に居るドラゴンは...。
奴がいる限り手は出せんな。
 まぁ~、機会はいくらでもある。
まだ、奴らが蘇っていないしなぁー。
しばし様子を見るとするか...。』

その"人物"は、禍々しいオーラをみに纏っていて、影には無数の魔物が...。
その"人物"は、不敵な笑みを浮かべて闇に溶けこんでいった。

いったい誰なのか...。
この時、私達はまだ知らなかった。

皆の疲労が回復して、笑顔になっているのが嬉しくて、自分が...自分と家族の命が今後狙われる事になるとは思わなかったのだった。

 翌日から、皆の動きが見違えるように違った。

元々手際が良かったのだが...???
それ以前の...何かが違っていた。
普通に動いているはずなのに、何かが違った。

ジィーと見つめると、なぜか皆が複数人いる様にみえた。
まるで忍者が使う忍術の一つ、影分身の様に。

何より皆が清々しい、いい笑顔を浮かべながら作業をしているのだ。
(少しきみが悪い...。)

そう感じるぐらい、皆の様子が変だったのだ。

私は、そっと作業しているドムじぃーちゃんの側に行って話を聞いてみた。
すると...とんでもない返事が返ってきたのだった。

「朝起きたら、体の疲れが一気に取れていたんだよ!?
しかも、身軽でよぉ~。若かりし頃に戻った感じなんだよなぁー。
今なら、徹夜の2、3日ぐらいへっちゃらだぜ。」

輝く笑顔で話すドムじぃーちゃん。
それは、ムキじぃーちゃん達も同じ様な感じだった。

「それは、ワシも同じだなぁー!!
こんな身軽なのは、何十年振りだろうなぁー。
今なら、どんな事でも出来るぜぇ!
お前専用の城でも建ててやろうかぁー?!」

など、冗談も上機嫌で話せ、木材も片手で軽々と持ち上げて歩くぐらい余裕があった。

すると、私の後ろで控えていたドラしゃんがとんでもない事を平然と話しだした。

『おや?皆さん、昨日よりステータスがかなり回復している上に、気持ち身体能力が若返っていますね。
 これなら、一気に色んな事が終わりそうですね。』

どうやらドラしゃんは、しれっと皆んなのステータスを鑑定していた様だ。

ドラしゃんが言うには、皆んな身体機能が今の年齢より平均-10歳程若返っているとの事だった。

そうなる原因と言えば...。
私とドラしゃんは、見つめ合った。

そして...。

『まぁ~いいでしょう。またには、こういう事があっても。』

「だね。」

という事になった。

この日は、元気になった皆の働きにより、昨日できなかった外壁の改修と全ての建物の土台部分のみ全て終わらせる事ができた。

成果としては、上々の進み具合だった。

建物の土台が全てできているので、それに沿って建物を造っていくだけ。

建物に関しては、最初に予定していたものとは別に、デザインを変えて他にも3種類ぐらい建てることにしたそうだ。

カカンさんが、今日思いついたものとムキじぃーちゃんが建ててみたいと言ったものと、リュモさんが提案したものを追加した様だった。

夕食時に、ドムじぃーちゃんからドラしゃんと一緒に見せてもらったが、どれも良さそうな建物ばかりだった。

「なぜかよ、頭が変にさえてさぁー。ドムほど建築に詳しくないがよ、これが思い浮かんだんだよ。」

「それは、俺も同じです。ドム師匠ほどではありませんが、なぜかこれが思い浮かんだもので。」

「私も皆さんと同じです。今日は体も軽いし、頭も冴えて気分がいいです。
街の完成が楽しみです。」

満面の笑顔で話す皆んなの様子を見て、私はふとある事を思いついた。

夕食が終わって寝る前に、自分の腕輪とお兄ちゃんの腕輪にある事をしてみた。

それは、ドムじぃーちゃん達にした回復魔法をかけてみたのだった。

 すると、...翌日。
朝一誰よりも早く【大聖霊】達が街づくりの作業を行っていた。

思っていた予想が的中した様だった。
しかも動きが以前より数段良くなっていたのだった。

ドムじぃーちゃん達が起きて作業に取り掛かる頃には、ほぼ街づくりが終わりかかっていた。

しかも予定していた街がガッツリ造られていた。

どうやら【大聖霊】達は、腕輪の中で休んでいる間にしっかり私達の話を聞いていたみたいだった。

その為その場にいなくても、キチンと図案通りの街が造られているのだった。

「こりゃ~たまげた。また、してやられたなぁー。」

ドムじぃーちゃんは、頭を掻きながら完成しつつある街をみて呟いていた。

【大聖霊】達は楽しそうにテキパキと魔法を駆使して、作業を行っていた。

『あっ?!主人!起きたぁー?
昨日はありがとうね♪助かったよ』

『おっ?!主人!ありがとうなぁー!』

『主人!ありがとうございます』

と、次々と感謝の言葉を受け取った。
その光景を不思議そうに見つめるドラしゃん。

私はドラしゃんにそっと教えた。

「ドムじぃーちゃんたちに、きいたなら、あの子たちもきくかなぁーっておもってためちたの。」

私のその言葉に驚きと呆れの複雑な感情が顔に浮かんでいた。

『まぁ~予測はしておりましたよ。お嬢様は、本当にお優しいですね。
でも、無理は駄目ですよ?
今、お体で違和感を感じる部分はありますか?』

そう言って私を抱き上げるドラしゃん。

全くないと笑顔で答えると、優しく頭を撫でてくれた。

そんなほっこりする中南側の街は完成したのだった。

火や熱に強い耐性を持つ植物を中心に、変わった木のみがなる木々を植えて緑あるある街に。

家は全て高床式にして、ロッジ風の家。
全て火や熱に強い耐性のたる木を組み合わせて作られていた。

街の中心に温泉までとはいかないが、温めの水が湧く湖を作ってくれた。

そこで、足湯や水遊びが出来るように屋根なしのくつろぎ場も設けてくれていた。

その近くにはこの街のギルドも作成まで行ってくれていた。
ギルドも街の建物から浮かない様な佇まいに。

キルトは、どちらかと言うとどこかのリゾート地のホテルのロビー風に仕上がっていた。

「こりゃー想像以上だなぁー。」

「凄いです!師匠。できれば、これだけのものを自分達で造れるようになりたいです。」

「右に同じです。」

ドムじぃーちゃんとカカンさん達は、少し興奮気味に話していたのだった。

作業が終わると【大聖霊】達が、皆んな私の元へ集まって来た。

そして再度御礼をそれぞれ言うと、腕輪の中へ戻って行った。

私も彼らに御礼を言った。
あとは、朝ご飯を食べてから完成した街を見て回る事にした。

街の手直しが、必要か否かを確認する為だ。

【大聖霊】達が造り上げた残りの街部分は、さほど大きく手直しをする必要はなかった。

細かな部分のみで、ほとんど文句の付けようがなかった。

西側の街での街づくりでのノウハウが、ちゃんと南側の街でも生かされていたのだった。

その為、手直し部分も短時間でさっと終わった。

こうして、南側の街がようやく完成し、あとは東側の街のみとなった。

この日は、もう1日ここにとどまり一晩様子を見て、本当に問題がない事を再確認してから、中央の街へ戻り東側の街づくりを行う事にしたのだった。

「予定より本当に早くすみそうだな。」

「そうですね、師匠。」

「しかし、こうも順調だといや予感がせんでもないけどなぁー。」

「演技でもない事を言わないでくださいよ。」

「そうだぞ!本当になったらどうする。ここには、リンとアキラ居るんだ。
大丈夫だ。何も起きないさ。」

ドムじぃーちゃん達は、私とお兄ちゃんに聞こえない様に真剣な話をしていた様だが、ちゃんと聞こえていた。

しかし、ムキじぃーちゃんが言った通りら何か嫌な予感がする。

すると、ドラしゃんが満面の笑顔で真っ黒なオーラを出しながら何かを言っていた。

『大丈夫ですよ。お2人に危害を加えようものなら...このフレア。全身全霊かけて、トドメをさしますよ。』

ドラしゃんのその台詞に、その場にいる人皆んなが凍り付いたのだった。

できればそんな事態にならない事を皆んなで祈った。









リン:
私の魔法いがいに万能だね。

アキラ:
でも、無理はだめだよ?

リン:
わかっております。

アキラ:
ならよろしい。

リン:
世界が滅亡しない...頑張ります。

アキラ:
それだね。













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