異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜

5-23 無人島にいくのに

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 あっという間に仲間が増えた私達は、歩みを止めずに目的に向かって歩みを進めていた。
なんとか国の端に着いて海が見えてきたが、夜の海は真っ暗だった。

波の音が聞こえなかったら、地面との境が分からないぐらい真っ暗。

「凄い。真っ暗だ。なんか怖いね。」

「夜の海なんて初めてみた。こんなに暗いんだね。」

「昔、リュモさんと一緒に潜った海とはえらい違いだよね。」

「あの時は明るかったからね。」

昔、街づくりをした時リュモさんと一緒に潜った海は凄く明るくて綺麗だった。

同じ海のはずなのに...目の前の海はまったく違うものに見えたのだ。

『あの時は特別ですよ。人魚族であるリュモがいたからですよ。
本来の夜の海はこんなものですよ。』

ドラしゃんは私達の後ろに立ってそう教えてくれた。

『人魚族は海の聖霊の加護を持っているからね。自在に海の中の明るさを調節できるだよ。』

『人魚族が産まれながらにもった特別な能力の一部です。』

ウンディーナとドライアドも夜の海を見ながら教えてくれた。

しかしだ。

「ドラしゃん。どうやって渡るの?」

「そうだぜ。予定より大所帯になりすぎたぞ?」

そう。予定にはある程度組み込まれていたけど、予想以上に増えた仲間。

その為当初考えていた方法があらかた難しくなってしまった。

頭を抱えて悩んでいるとウンディーナとシルフが不思議そうに私達に声をかけてきた。

『なぁー何を悩んでいるだ?海を渡るなら水面を歩けるようにしてやろうか?』

『僕も力を貸してあげるから水面を歩いて行ったらいいんだよ。』

二人の思いがけない提案に私達は驚く。

「えっ?水面って歩けるの?」

「初めて聞いたよ。」

「普通は歩けんぞ。」

『ええ。私も聞いたことないですね。』

私達がそう言うと意外?!と言った驚いた表情で私達を見るウンディーナとシルフ。

他の【大聖霊】達も同じ反応をしていた。

『我々と契約しているから主人はある程度の事はできるぞ。他の連中も主人の仲間なんだから我々が多少力を貸せばある程度事はできるぞ。』

『そうそう。マグマの上を歩いたりもできるよ。』

「えっ?!それはさすがに怖くてできないよ!」

「うん。マグマなんて触れただけで僕達死んじゃうよ。」

「ああ。いくらリンやアキラだと言ってもそりゃそうだろうな。」

『ええ。いくら加護持ちと言って...。
まっ、まさか?!』

ドラしゃんはふと何かを思ったのだろう。

驚いた顔をして【大聖霊】達の方を向くと皆んな満面の笑顔だった。

それが意味することとは...。

『主人も主人の兄貴もマグマぐらいでは死なないぞ。』

『正確に言えば"不老不死"ですわね。』

『ああ。そうなるな。』

『属性的に私達寄りになって来てますからね。』

『そうそう。魔力量なんか下手したら俺たちを超えてるからなぁー。』

など楽しそうに話す【大聖霊】達。

しかし、その内容は楽し内容ではなかった。

いまいち彼らの話が飲み込めない私とお兄ちゃん。

しかし保護者二人は十分理解できたようで口を開けたまま固まってしまったのだ。

そんな二人に容赦なく言葉を投げかける【大聖霊】達。

『だって考えご覧よ。そうじゃなかったらこんな事起きないよ?』

『主人達は今や【大聖霊】や【大聖獣】、【聖獣】だけでは飽きたらずに高ランクの魔獣まで使役してるんだよ?』

『そうそう。普通はありえないから。』

『"聖なるもの"と、"邪悪なるもの"。両方を仲間にできるなんてね。』

『主人達は特別なんだよね。』

『わかる。なんでも許しちゃう懐の広さが違うからね。』

《そうだな。匂いにつられて来たものの、周りには"聖なる"ものが多くて驚いた。間違ったのかとおもったぐらいだ。》

《そうそう。でも嗅いだ匂いは間違いなく主人から匂ってくるのよね。》

《虜にされた匂いに抗えるわけなくなるように身を任せるしかないからなぁー。》

《意外にも今の環境は悪くないと来たものだ。》

楽しそうに話すが、確かに言われてみたら聖属性に分類される【大聖霊】、【聖獣】や【大聖獣】。

闇属性に分類される魔獣。しかも高ランクのものばかり...。

普通こんな風景は生涯を通して見ることができるのか?と言われたら見る事はできないものだ。

しかし、現在それが当たり前かのように今この状況があるのだった。

目の前に彼らの話を納得せざるえない条件が揃いすぎていたのだった。

「はぁー。もうワシ頭がパンクしそうじゃ。」

『私もですよ。もしかして旦那様達もですか?』

思わずドラしゃんが【大聖霊】達に質問したらもちろんと返事が返って来た。

『あっ!ちなみに主人達の周りでいる連中も少なからず影響は受けてるからな。』

『そうそう。多分他の連中より"そっち"寄りになってるぞ。』

あまりの言葉に完全に考える事を放棄した保護者二人。

「とりあえず、この海をどうするかだ。」

『そうですね。』

『あ、こいつら考えるのやめたな。』

『まぁ~いいんじゃないですか?今だけですよ。』

微笑しながらも私達が海を渡れる様に細工をする【大聖霊】達。

私達を薄い幕が覆った。

契約した魔獣達は私とお兄ちゃんの影に一度入ってもらうことにした。

『準備は完了したよ。歩いてごらんよ。』

シルフに言われて私とお兄ちゃんはおそるおそる水面に足を乗せたのだった。

 【大聖霊】の力を借りて私達はなんと水面を歩いて渡る事になった。

最初は恐る恐る水面に足を持っていった。

沈む!と思いきや...???!!!
なんと地面を歩く様に水面の上に立ってしまったのだ。

飛んだり跳ねたりしても沈む事がないのだ。

私とお兄ちゃんの反応を見て保護者二人と【聖獣】達も後に続いた。

皆沈む事なく水面を歩く事ができたのだ。

しかし目の前も足元闇でしかない。
どの方面にどこを歩いたら??

不安に駆られているとこれまた【大聖霊】達が。

私達が進むべき方向の水面を淡く光輝かせてくれた。

そして目の前には蛍火の様な淡い光の玉が目の前を明るく照らしてくれる。
私達が歩けば光の玉も進み、歩みを止めれば光の玉も止まる。

とても不思議な仕組みだがありがたい事だった。

「お兄ちゃん、綺麗だね。」

「そうだね。」

「とりあえず進むか?」

『そうですね。朝日が登る前には島に着きたい所ですね。』

『なら、光る道を踏み外さずに進めば大丈夫だ。』

『でも気をつけろ。海の中にも魔物は居るからな。』

「えっ!」

「本当に?」

「ああ。いるなぁ~。」

『出てきたら出てきたらで処理していけば問題ないです。』

平然と怖いことを言いのけるドラしゃん。

心強い反面...いや。うん。
とりあえず道を進もう!

私とお兄ちゃんは互いの手を繋いで光の道をなるべく駆け足で進んだ。

だいぶ街から離れてきたがなぜかこの日に限っては疲れがこなかった。

初めて尽くしでテンションが上がっているからだろう。

二人仲良く駆け足で進んでいくとお兄ちゃん側の海の奥が少し波だった気がする。

それはお兄ちゃんもムキじぃーちゃん達も気付いていた。

しかし今は少しでも前に進みたい気持ちが強く気にしない様にして進む事にした。

どれくらい進んだろうか。
私達が来た国がもうかなり小さくなってきた。

するとだ。

今度は私側の海の奥からも少し波が立っている事にも気づいた。

お兄ちゃん側も変わらず波がたっている。

「お兄ちゃん。あれって...。」

「リン。とりあえず前に進むだ。止まった方が危険だ!」

「そうだな。アキラのいう通りだ。とりあえず前だけむいて進め!」

『後の事は我々にお任せ下さい!』

皆に励まされて不安ながらもお兄ちゃんの手を強く握ってひたすら前に向かって前進をした。

するとだ。
嫌な予感とはよく当たるもので両サイドより魔物が現れたのだ。

しかもサメ型の大きな魔物だ。

駆け足から全速力に切り替えて私とお兄ちゃんはひたすら前に進んだ。

しかし魔物も諦めずにこちらに向かって来ていた。

私とお兄ちゃんは後ろを振り向かずにただ前だけを見て足を進めた。

すると前方に陸地が見えて来た。

「お兄ちゃん!あれ!」

「し、島です!!」

「よし!そこへ迎え!」

『大丈夫です!前だけ向いて進んで下さい!』

大きな波音がするが皆の言葉を信じて前に向かって進んだ。

するとだ、両サイドから大きな魔物がこちらに向かって飛びかかって来た。

さすがにこれは!!
そう思ったらウンディーナの魔法で魔物が水の玉に包まれて空中で身動きがとれなくなっていた。

『今のうちです!早く!』

ウンディーナにせかされて私とお兄ちゃんは残りの力を出し切って目の前に見える陸地へと。

私達が陸地へ無事に着いたのを確認して捕らえていた魔獣を海へと戻そうとした時だった。

「そいつら飯の材料にするからこっちに投げろ!」

武器を構えてムキじぃーちゃんがウンディーナに向かって叫けんだのだ。

戸惑いながらもウンディーナはムキじぃーちゃんの方に向かってサメ型の魔獣をなげた。

するとムキじぃーちゃんは構えていた武器を一振りして魔獣を真っ二つにしたのだ。

それを地面につく前にドラしゃんが神技加工をしていくのだ。

私とお兄ちゃんは乱れた呼吸を整えながらその光景を見つめていた。

二匹の魔獣の解体と加工作業が終わる頃には私とお兄ちゃんは眠たくなっており半分寝かけていた。

それに気付いたムキじぃーちゃんとドラしゃんは急いで仮住まいの準備をしだした。

二人が仮住まいを建てている間、【大聖霊】達で私とお兄ちゃんの護衛をしてくれていたのだが...。

もふもふの護衛達に囲まれたのもあり気力を振り絞って寝ない様にしていた私とお兄ちゃんは虚しくもものの数秒で陥落した。

ムキじぃーちゃんとドラしゃんが仮住まいを完成させる頃には、【大聖霊】や【聖獣】達を枕やお布団にして心地よい寝息をたてて熟睡をかましていたのだ。

そんな私達を見て二人はと言うと...。

「よく今まで無事だったよな。」

『ええ。これでは安心して冒険なんて出せませんよ。』

「こまった奴らだなぁー。」

『とりあえず二人を運びましょうか。』

そう呆れつつも私達を安全な仮住まいへと移動してくれた。

私とお兄ちゃんを運び入れると周囲に結界を張るドラしゃん。

ムキじぃーちゃんは念のためにと建物の周りに罠を数カ所仕掛けら事にした。

姿は見えないが魔物の気配がするからだ。

ドラしゃんの結界があるからそこまで警戒する必要はないと思いもする。

罠の設置も完了してムキじぃーちゃんも建物の中へ戻った。

 目を開けると私とお兄ちゃんは知らない建物の中で寝ていた。

私は横で寝ているお兄ちゃんに声をかけて揺り起した。

「お、お兄ちゃん!起きてよ!」

「うーん。眠いよぉ~。」

「お兄ちゃん!起きてよ!とにかく起きて!!」

つい大きな声を出すと部屋の扉がいきなり開いた。

思わずヒッ!て声を出してお兄ちゃんにしがみついた。

「リン!どうした!」

『お嬢様!何事ですか?!』

聞こえて来たのは馴染みの声。
私は抱きしめていたお兄ちゃんに対しての力を緩めて振り返った。

やはりそこにいたのはムキじぃーちゃんとドラしゃんだ。

「良かった。二人ともいたんだぁー。」

「リン?」

『お嬢様?』

「り、リン...く、首っ!」

ホッとした私の腕をパシパシ叩くお兄ちゃん。

よく見るとお兄ちゃんの首を絞めていたのだった。

「あっ!お兄ちゃん!ごめん!」

急いで腕をのけたらお兄ちゃんはむせ出した。

「お前。兄貴を殺す気だったのか?」

「違うよ!驚いたから...。」

『二人とも良く寝ていましたね。夜は明けてますよ。ご飯の支度もできてますから外へどうぞ。』

ドラしゃんはそう言うと部屋から出て行ったので、私とお兄ちゃんは後を追う様に着いて行った。

部屋から出ると周りは大きな木々ばかりだった。

見たことない風景で思わず感嘆の声が出てしまった。
私とお兄ちゃんがいた建物は二階建てだった。

階段を降りて行くと【聖獣】や【大聖霊】達がいた。

『主人おはよう!』

『主人!こっちこっち!』

彼らが案内された場所には木で作られた椅子とキャンプファイヤーがあった。

思わずテンションが上がる私とお兄ちゃん。

どうやら全て私とお兄ちゃんが寝ている間に皆んなで作った様だ。

『主人無防備すぎるよ。』

『今回は保護者がいたから大丈夫だったけど。』

『そうだぞ。いなかったら今頃主人達は魔獣の胃袋のなかだぞ。』

など色々な事を朝ごはんを食べながら皆んなに注意された。

それに関しては異論が言えないので素直に反省した。

これはある意味冒険なのでどんな状況においても油断は禁物なのだ。

それなのに...。

「ごめんなさい。」

「ごめんなさい。」

二人で素直に謝ったのでムキじぃーちゃんもドラしゃん達もそこからは必要以上には何も言ってこなかった。

「これからどうしたらいいの?」

私はしっかりご飯を食べた後ムキじぃーちゃんとドラしゃんに質問した。

ちなみに朝ごはんは昨日私達を襲って来たサメ型の魔獣だ。

フカヒレスープに焼き魚?、魚?の炊き込みご飯、キャビアなどだ。
臭みもなく食べやすかった。

「とりあえずここにお前さんらの匂いに反応する魔獣を集めないといけないんだが...方法は知らんぞ?」

『まぁ~この周りには結界も罠も仕掛けてあるのでどうにでもなりますよ。
誘き寄せ方はお二人にお任せしますよ。』

私はまだ食べているお兄ちゃんを見つめたらお兄ちゃんは首を傾げる。

とりあえず、お兄ちゃんがご飯を食べ終えるのを待つ事にした。

お兄ちゃんが食べ終えるのを待つ間小腹が空いて来たので、何か食べ物がないかと周りを見渡していると...???

あれ?

私は一ヶ所を見つめて首を傾げてしまった。

どっからどう見ても...あれは魔獣かなぁ?

視線の先にふわふわの毛を持ったトナカイ風の生き物がいた。

威嚇をするわけでもなくただ静かに佇んでいる感じだ。

しかし視線は私からそらさないのだ。

しかしあの首周りの毛!
真っ白でふわふわしてて、なんか手触りも良さそう。

思わずヨダレが...。
そんな私の様子に気付かない人達がここにいないわけがない。

私が一人で百面相をしているのを周りの人達は静かに見守っていた。

「あれってもしかして...。」

『多分そうでしょう。昨晩から居ましたからね。』

「えっ?!そうなのか?知らんかった。」

私に聞こえない様にコソコソ話をするムキじぃーちゃんとドラしゃん。

『主人って本当にもふもふしたもの好きだよね。』

『私達もよく毛繕いをしてもらってます。』

『私達の毛繕いしてる時の主人って幸せそうなの。』

『そうそう。だから俺たちはあえて自分で毛繕いせずにおいておくよなぁー。』

『兄上様は元から面倒くさがってしないじゃないですか。』

【聖獣】達もコソコソと話をしているのだが、目の前のもふもふに夢中になっている私の耳には何も入ってこなかった。

どうやってあのもふもふの毛に触れようかとしか私の頭は稼働していなかった。

私がひたすらじっと見つめているとトナカイ風の魔獣は少しずつこちらの方へ近いて来た。

しかしこの建物の周りには罠やドラしゃんの結界がある。

下手したらこのもふもふした生き物が死んでしまうのでは?!

そう思ったら私は思わず体が動いていた。

するとどうだろう。
私とトナカイ風の魔獣の足元に例の光が。

そして気づいたら私とトナカイ風の魔獣は契約を結んでいたのだ。

ホッとした束の間、私はムキじぃーちゃんが仕掛けた罠に自らかかってしまい、竹槍が敷き詰められた落とし穴に落ちそうになってしまった。

「リン!」

「リーン!」

『お嬢様!』

見ていたお兄ちゃん達は慌てていたが間に合うはずがなく、私串刺し?!と思った時だった。

ふわっとした感触が全身に感じだと思ったら宙を浮いて気付いたらお兄ちゃんの横に私は降ろされたのだ。

なんと私の方に向かって来ていたトナカイ風の魔獣に私は助けられたのだ。

私と契約を結んだおかげでドラしゃんの結界には弾かれることもなかった様だ。










リン:
私サンタさんになった!

アキラ:
サンタさん?
あっ!トナカイだから??

リン:
そうよ!

アキラ:
なら、冬にしないと!

リン:
?!そっか?!

















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