異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜

5-52 宴会にて

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 私達が宴会場に着く頃には街の皆が勢揃いしていた。
街の住人だけでなく、立ち寄った冒険者とかも集まっていたみたいでいつも以上に賑わっていた。

何より行商人とかもいて露店まで出ていたので、完全にお祭り状態。
そこかしこからお腹を刺激するいい匂いが?!

私とお兄ちゃんのお腹は素直に反応を示していた。
私達が宴会場に姿を見せると皆は手を振りながらも大笑いする。

それに関しては私とお兄ちゃんとはなから予想していたので文句も言わなかった。

何故なら、私とお兄ちゃんが来ている服が原因だからだ。

私とお兄ちゃんが来ているのは色違いの懐かしの着ぐるみパジャマだから。
しかも可愛いうさぎ耳付きの。

幼い頃は嬉々としてきていた服。
新作をドラしゃんが作るたびに街の皆んなにお披露目していた着ぐるみパジャマ。

だが、最近は家でいる時しか着なくなった懐かしの着ぐるみパジャマ。
さすがにこの年になると抵抗があったが、あんなに嬉しそうにドラしゃんが用意してくれたものだから断る事ができなかったのだ。

もちろんこの着ぐるみパジャマはただの着ぐるみパジャマではない。

ドラしゃんの愛情がなり込められた着ぐるみパジャマで、何をこぼしても弾くのでけっして汚れない上に疲労回復はもちろんのこと、気温が寒ければ保温機能が働き、暑ければ冷房機能が働く。

何より、下手な防具より頑丈でふわふわなファンシーな見た目に反して全ての魔法や物理攻撃まで弾く超優れものなのだ。

ちなみに、スペシャルセコム(防犯機能付き)は言うまでもないのだ。

「おっ!リン!アキラ!遅かったな!
それにしてもえらく懐かしい服じゃないか?!」

ムキじぃーちゃんがそう言って酒瓶片手に声をかけてきた。

「ムキじぃーちゃん!もう飲んでるの!!早いよ!」

「ドラしゃんが用意してくれたからね。」

私達が側に行くとムキじぃーちゃんはすでに酒臭かった。

見知った顔が皆んなお帰りと声をかけてくれる。

中には出来立ての料理が乗ったお皿まで持ってきてくれる人もいた。

やっぱりこの街最高!!と思いながら私とお兄ちゃんは皆んなに挨拶をしていった。

すると...

「あ、あっ。よし!皆んな揃ったか?」

噴水前にロドじぃーちゃんが立てって何やら話し出した。

「今日は久しぶりに可愛い孫達が長い冒険から帰ってきた。何より、タチの悪い組織を見つけて退治までしてきたって話だ。
この国にとっても、他の国にとっても他に被害が出る前で大助かりだ。
それに、街を一つ新たに改革までして帰ってきたって話だ。立派になってよぉ~。」

そう言って涙ぐむロドじぃーちゃん。

大袈裟だよ!!と私とお兄ちゃんは恥ずかしくなり止めに入ろうとしたが、他の人達に阻まれてできなかった。

「これからの孫達の活躍と他の連中や街の人達の幸せを願って、今日は飲み食いするぞ!!!」

ロドじぃーちゃんの言葉に皆んなおーー!!!と言って手をあげて宴会がスタートとなった。

私とお兄ちゃんは用意しれている席へと案内された。

そこには先に出かけていた父さん達やパーティーメンバーがいた。

ドラしゃんに連れられて席へ行くと、呼んでもないの次々と美味しそうな料理がくるではないか。

私とお兄ちゃんは挨拶もそこそこに

「「いただきます!!」」

と手を合わせると用意される料理を食べていく。

「うーーん!!美味しい!」

「そうだね!」

私とお兄ちゃんが満面の笑顔で料理を食べていると皆んなも笑顔に。

「リン、アキラ。お帰り。たくさん食べなさい。」

「今日はゆっくりしなさい。」

両親の言葉に頷きながら私とお兄ちゃんは料理を堪能する。

南側の街での料理も美味しかったが、食べ慣れたこの街の料理が一番美味しかった。

何より、量が最適なのだ。

私とお兄ちゃんがあらかた料理を食べ尽くし、お腹の虫も落ち着いた頃を見計らって席に集まって来ていたメンバーから声をかけられた。

メンバーといっても気の知れた顔ぶればかりだ。

街の重要人物ばかりで、側から見たら浮いた空間に見えるのだろうが、私達からしたら慣れた顔ぶれなので特に気にもしていない。

「リン、アキラ。お前さんらは運がいいのか悪いのかわからんなぁー。」

「普通に依頼をこなすって事を知らんのか?」

「何いってんだい。これがこの子達の普通なんだろうがね。今までとなんの大差があるんだい?変わらないだろう??」

「確かになぁー。トラブルあるところにコイツらありだからなぁ~。」

「ホンマでっせ。たいがいのトラブルの中心にはお二人がいますからねぇ~。生まれ持った才能でっしゃろう?」

「将来大物確定だな。」

と、皆んな好き好きに物を言うのだ。
失礼な連中だなぁ~と言えないのが事実。

皆んなが話している事全てが当てはまるから何も言い返せない。

「しかし、リン。アキラ。無理だけはしてはいけないよ。」

「そうよ。あなた達の命に変わるものなんてこの世にはないいのだからね。」

心配そうな表情で私とお兄ちゃんを見つめる両親。

私達は素直に頷いた。

今回、南側の街で起こったことは全て両親の耳にも入っていた様だ。

お母さんなんて話を聞いて二、三日寝込んだそうだ。

私としてはそこまで心配かけるような事はしてないと思っていたのだが...今の両親の顔を見ているとそうも言ってられなかったのだ。

それは両親だけでなかった。

幼い頃から側に寄り添ってくれただけでなく、大きくなっても保護者として側に居てくれる皆んなが同じ気持ちの様だった。

過保護すぎると言われるほど私とお兄ちゃんを溺愛してくれるのでありがたい話だ。

私とお兄ちゃんは今回ばかりは一言も反論することなく保護者達の小言に付き合った。

 いつもながら私達の街の宴会は...派手と言うか...無法地帯??みたいな感じだった。

ある所では説教が始まり。
ある所では上半身裸で踊り出す人もいれば、ある所では力自慢の腕相撲大会が開かれていたりと...。

同じ場所で宴会が行われているはずなのに、これだけの人が集まり酒も入れば無法地帯となるのだった。

しかし、説教をされている私達を除けば皆の顔には笑顔が溢れていて、笑い声も絶えなかった。

それは私達がこの世界に来てからずっと見ている光景。

どんなに辛いことがあっても、凹む事があっても皆んな私やお兄ちゃんの前では常に笑顔でいてくれた。

笑顔だけでなく前向きな発言ばかりを聞いていた気がする。

そなせいなのだろうか?
私達兄妹も常に前向きな思考なのだ。
多少の弱音を吐く事があっても諦めずに今までやってきた。

魔法の訓練でも失敗して街のシンボルのお城の屋根を吹き飛ばしても。

畑を広げようとして魔法をかけたら畑でなく野菜が大きく広がったりしても。

家を建てようと見様見真似で作ってみたらダンジョンができたりした。
(これはロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんの管理下に置かれて、冒険者達の訓練施設として使われてるらしいよ。)

まぁ~色々やらかしてきたけどめげなかったよね。

そんな事を思いながら説教を聞いていると先程までぐちぐち言っていた保護者達はいつの間にか笑い出していた。

私とお兄ちゃんがキョトンとしていると...。

「まぁ~何を言っても相手はリンとアキラよ。」

「そうだな。その親がユイカとユウダイだ。諦めるしかないな。」

「えっ?!なんで?!」

「えっ?!なんでですか?!」

「だってそうだろう?子供は親を見て育つもんなんだろう?」

「なら諦めるしかないだろう。」

「えっ!それはなんかおかしくないですか?!」

「そうですよ!確かに、リンとアキラは私達の子供です。私達が親です。
でも、そんな私達の親は皆さんなんですよ!」

「そうよ!」

お母さんとお父さんの言葉にいつメンが大笑いし出す。

「これは一本取られたな!!」

『そうですね。それなら私達は何も言えませんね。』

「そうだね。そうか、私達は親の親かね。それなら仕方がないね。」

「ワテらの負けですなぁー。」

「ああ。そう言われたらそうだな。」

なぜか皆んな自然と納得して笑っているのだった。

お父さんとお母さんも"そうでしょ?!"と言わんばかりに胸を張っている。

なぜそうなったのか状況が掴めない私とお兄ちゃんだが、この気を逃すとダメだと本能が伝えるのでコソッと抜け出して料理が並べられているテーブルへと移動した。

私達がコソッと抜け出したのに気付きながらも皆んなあえて何も言わずに話の続きをそれぞれしていた。

私とお兄ちゃんはまだバレてないと思い料理をそれぞれお皿に取っていき空きスペースで食べる事に。

もちろん魔獣や【聖獣】達も一緒にだ。

仲良く大量の料理を笑顔で食べている姿を街の人達皆んなが密かに微笑みながら見ていた。

「平和ね。」

「ああ。平和だ。」

「安心するわね。」

「そうだな。」

なんて事を私達の姿を見ながら言っているなんて気付きもせず、私とお兄ちゃんは次から次へと料理を平らげていった。

「お兄ちゃん。これ美味しいよ。はい。あーんして。」

「あーん。?!!美味しい!!」

「でしょ!」

「リン。これも美味しいよ。ほら!」

「あーん?!!ほいひぃー!!」

「だろう?!」

《主人。これも美味しですよ。》

《不味いのが一つもない。》

『この街の料理どれも最高だよね!』

『そうそう!この木のみのフライもいけるわ!』

そう話しながら食べていると目の前にとてつもなく大きな皿が置かれたのだった。

それを持ってきたのはナナばぁーちゃん達だった。

「あんたらそれだけじゃー足りないだろう?そう思って特製メニューを作ってきたよ。しっかりお食べ!」

一つの大皿に沢山の料理が載せられていた。
どの料理も美味しそうだったので、私とお兄ちゃんは笑顔でナナばぁーちゃん達にお礼を伝えて特大サイズの大皿にのった料理を平らげていった。

平らげたと言ってもほとんど私と一人で食べたんだけどね...。

食べ終えたあとにおかわりを言うとさすがに皆んな驚いて"はぁーーーー!!!"と叫けばれた。

料理を作ったナナばぁーちゃん自身も驚いて固まっていたしね。

何より、両親にさすがに食べすぎよ!と言われて注意を受けたのだ。

でも、私のお腹はまだ六分目と言ってないと伝えるとドン引きされた。

とりあえず、残っていたお野菜とフルーツをチマチマ食べて過ごしたのだが...。

「あの食欲はいったい誰に似たんだ?」

「えっ!私ではないですよ!」

「私もさすがにあそこまで食べないですよ!」

「ワシも酒ならいけるが、飯類は無理だな。」

「俺もだ。」

「俺も。」

「私も無理だね。いくら若い時でもあれ程は食べれなかったわね。」

「エルフでも無理ですよ。」

「ワテも...。」

『私もさすがに無理ですね...。』

さすがに私の食欲に関しては保護者達、誰一人として似なかったようだった。

 保護者達に見守られながら次々と大量の料理を平らげていく私。

お兄ちゃんはもうおなかがいっぱいになったようで休息をとりつつ私のために料理を運んでくれていた。

「リン。次は何を食べる?」

「お野菜がほしいかなぁ?サラダとかある?」

「あるよ!」

「じゃーお願い!あと、パンも!」

「わかった。」

私はお兄ちゃんに次食べる物の注文をしながらも目の前の料理を食べていく。

もう大皿料理はないのでテーブルに置かれている料理を取り皿に取り分けてもらいそれを食べるしかなかった。

と言ってもテーブルの上にはまだまだ手付かずの料理が大量にあるので誰も注意はしなかったが、心配そうには見ていた。

パーティーメンバーとお兄ちゃんだけが平然としており、お兄ちゃんと一緒に私のために料理を取り分けて運んでくれたりもしていた。

「アキラ。俺たちも一通り腹はおきたから手伝うぞ。」

「本当?!ありがとう。じゃー魚料理をお願い。」

「私も手伝いますよ。」

「私も!何を運ぼうか?」

「ありがとうございます。飲み物と...果物をお願いします。」

「「了解!」」

パーティーメンバーはお兄ちゃんに指示を仰ぎながらも私のためにせっせとお皿に料理を取り分けていく。

「リン。まだ食べる?」

お兄ちゃんは料理をのせたお皿を私に渡しながら質問してくるので、私は空になったお皿を渡しながら頷いた。

「ほい。リン。魚料理を数点取ってきたぞ。」

するとアサくんが魚料理をのせたお皿を二つ持ってやってきた。

「あ!ありがとう。」

お兄ちゃんは私の側に小さなテーブルを出してくれた。

その上にアサくんは持ってきた皿をのせてくれた。

「まだ食えるか?」

「ぜんぜん余裕よ!でも、私ばっかり食べてて大丈夫なの??」

私が首を傾げながら質問するとアサくんとお兄ちゃんは乾いた笑い声を出しながら自分達の後ろを指差した。

アサくん達が指さした方向を見ると、皆んな顔色悪くして口元を抑えて地面に顔を向けている。

「えっ?!皆んなどうしたの?!!」

思わずそう私が叫ぶと溜息を吐きながら両親が代わりに教えてくれたのだ。

「リン。皆んなあなたの食べっぷりを見て胸焼け起こしたのよ。」

「そうそう。見るだけで食べてもいないのにお腹が一杯になったんだって。」

両親の言葉に私はキョトンとする。
そして...。

「いいなぁー!!見るだけでお腹が一杯になるなんて!羨ましい!!
私なんか食べても食べても中々お腹が一杯にならないから困ってるのにぃー!!」

と、料理がたんまりのったお皿を片手に持ちながら言うので料理も保護者達もましてやお兄ちゃん達ですら呆れかえっていた。

「さすがリンだね。」

「ああ。ブレないのが凄いわ。」

「リーダーだけありますね。」

「言えてますね...。」

パーティーメンバーは苦笑いしながらも私を励まして??くれた。

「どうしてこう育ったのかしら?」

「わからない。まぁ~元気に育ってるからイイのだろう...。」

「ああ。そうだな。これだけ食欲があるって事は元気な証拠だ。」

「そうだね。食欲がないよりはいいさね。」

「ああ。リンはこれぐらいが丁度いいだろうよ。」

「さいですなぁー。花より団子でいる間は大丈夫でっしゃろう。」

「そうだな。変な虫は...寄り付くけどよ、気付きもしないだろうなぁー。」

『ええ。まったく気付きませんよ、お嬢様は。その分アキラ様が良くお気付きになられまして、駆除の方を行ってくれてますね。
それでも勇敢に向かってくる方は私がちゃんとお相手してますから大丈夫ですよ。』

「いやぁーそれは...大丈夫なのか??」

「大丈夫だろう。フレアで凹んでたら無理だろうよ。」

「そうなったらあの子一生お嫁に行けないんじゃないかい?」

「そうだわね。何せ、過保護な保護者が多過ぎだからね...。一国の王子すらダメなんだから...。」

「いやいや王子でもあの二人では問題外だろうよ!王子としてはイイかもしれんが、人として未熟すぎだからなぁ~。」

『あんなのに嫁がせるぐらいなら、魔獣に嫁がせる方がまだまっしですよ。
それでも、まだまだお嫁にはいかせませんよ。いかせれるような相手が居ませんからね。』

「居ないんじゃなくて、はなっから芽を潰しにかかってるじゃないかい?!」

『気のせいですよ。』

いつの間にか保護者は保護者達で楽しそう?に談笑しだした。

私は多少の文句を言いたいが、私達の周りで遠巻きながらも顔色悪くしている人達を見捨てるほど人間が腐ってないので、目の前に運んできてくれた料理をとりあえず平らげるとお兄ちゃんと協力して回復魔法をかけることにした。

「お兄ちゃん、試したいことがあるんだけどいい??」

「ああ!もしかして以前お父さんにかけたやつをするのかい?」

「そうそう。人数が多いけどいける?」

「大丈夫だよ!あの時と同じようりょうでやったらやったらいいんだよね?」

「そうそう!」

「なら大丈夫だよ。」

私達の意味不明な会話にパーティーメンバーはキョトンとしていた。

保護者達も私とお兄ちゃんが動き出したのに気づいて話を中断して視線を私達へと向けた。

私とお兄ちゃんは保護者会にニカっと笑みを向けると顔色悪くうずくまっている人達の方に向かって両手を広げた。

そして...。

「「気分回復魔法(リザクレーション)」」

と唱えると地面一致面に光輝く魔法陣が現れて光の粒子を人々が包むのだった。

「「気分安定(リラックス)!」」

と再度唱えると光の粒子は人々の体の中に溶け込んでいく。

私とお兄ちゃんがそれを見届けて両手を下ろすと魔法陣も消えてなくなった。

「おい!お前らなにをしたんだ?!」

慌てて私達の方に駆け寄ってくるアサくん達。

私とお兄ちゃんは笑顔で皆に聞こえるように話した。

「「えっ?体かるくなったでしょう?気分もよくなってない??」」

私とお兄ちゃんの声にさっきまで顔色悪くうずくまっていた人達はハッとしてしていた。

アサくん達も周りを見渡し皆が先程とは違って顔色が良くなっている事に気付いただけでなく、自分達の体も楽になっている事に気付いたのだった。








リン:
頑張ったからまたたーべよう!

アキラ:
えっ?!まだ食べるの?!
皆んなの分がなくなるよ?!

リン:
えっ?!それは...ダメだよね?

アキラ:
うん。

リン:
...じゃー我慢する。

















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