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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-51 家に戻って
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南側の街から中央の街への道のりはドラしゃんや魔獣達の頑張りのおかげで1日...もかからずに移動することができた。
もちろん【大聖霊】達も力を貸してくれた事により大幅に時間短縮で帰って来れたのだ。
なんと!中央の街に着いたのはお昼過ぎ。この日、門番をしていたラディじぃーちゃんもあまりにも早い帰宅に驚いていたけど凄く喜んでくれた。
街に入ると大騒ぎ。
私達の帰還に皆で出迎えてくれたのだ。
特にいつメンは泣いて喜んでいた。
両親も珍しく仕事を中断して会いに来てくれた。
「心配してたのよ。でも良かったわ。」
「ああ。元気そうで何よりだ。」
「こ、今度はワシがついていくからな!!」
「俺もだ!!」
「ワテもや!!心配で...。」
大の大人が嗚咽混じりに泣く様は少し怖かったが、そこまで心配されてるとは思わなかったのでかなり嬉しかった。
ロドじぃーちゃんの発案でこの日の夕食は街の広場で大宴会を行う事に。
食料品は持ち寄りだけど皆大賛成していた。
「今日は皆んな!残業なしで切りあげろよ!!」
ロドじぃーちゃんの言葉に皆はおーー!!と声を上げてそれぞれ持ち場へと速やかに散っていく。
私達も宴会に参加するため一度それぞれの家に帰る事にした。
「じゃー晩に広場で!」
「ああ。」
「わかりました。」
「遅れないでくださいね!」
「もちろんよ!」
私達は一度解散してそれぞれ帰路に着いた。
ルミばぁーちゃんはギルドへ。
ラミィお兄ちゃんは守護する森へ。
カシムじぃーちゃんは兵舎へ。
ドラしゃんは私とお兄ちゃんと一緒に家へ。
それぞれ夕刻には広場で会うと約束して別れたのだ。
家に帰ると私とお兄ちゃんはある場所へと直行した。
行った先は...。
「ああ~いい湯だわぁ~。」
「そうだね。家のお風呂が一番だよねぇ~。」
私とお兄ちゃんと向かった先は我が家にある大浴場。
旅先ではシャワーしかなかったのでゆっくり浸かりたかったのだ。
お風呂はもちろん南側の街にもあるのだけど...お風呂の浴槽は小さいのでゆっくり足を伸ばしてつかれない。
だからずっーとシャワーだけで我慢していたのだが...それも限界に来ていたので少しでも早くお風呂にはいりたかったのだ。
私とお兄ちゃんはドラしゃんが呼びに来るまでのんびり大浴場で楽しんだ。
大浴場には【聖獣】達や魔獣達も呼んでみんなでお風呂を満喫した。
「ヨシ!皆んな並んで!洗っちゃうわよ!」
「お前達こっちにおいで!宴会までに綺麗にしておこう!」
私とお兄ちゃんの呼びかけにそれぞれの契約【聖獣】と魔獣達は一列に並んでシャンプーを待つ。
本来ならお風呂に入ると言う事はしないのだが、私達がお風呂のことを楽しく話すので彼らも興味津々になっていた。
【大聖霊】や【聖獣】達は以前にも何回か一緒にお風呂に入った事があるので抵抗なくはいってくれるのだが...。
魔獣達は初めての体験となるため一番最後にしたのだが、大きな体を小さくして怯えた感じで待っているのにはおどろいた。
《あんなに水を浴びて?!》
《なんなんだ?!あの泡は?!!なんの攻撃だ?!》
《なぜあ奴らは平然としているんだ??》
《それどころか自ら腹を見せてるではないか?!》
彼らは先に私とお兄ちゃんに洗われている【聖獣】達の姿を見て不思議そうにしている。
不思議そうにしていながらも尻尾は丸まっている。
水が苦手な子はいないが、水浴びをする習性はない子達ばかり。
私とお兄ちゃんは【聖獣】達を全て洗え終えると魔獣達の方を見る。
【大聖霊】や【聖獣】達を洗うときに使うシャンプーは特別仕様だ。
サクラちゃんとドライアド、ウンディーナに協力して貰って作った専用のシャンプーなのだ。
だが、魔獣達はそれを使って洗うと何がおこるかわからないので、南側の街に滞在中に魔獣達専用のシャンプーを密かに開発しておいたので、それを使うことに。
ベースは動物専用のシャンプーなので問題はないと思う。
私達の前いた世界で使われている物を参考にしている。
魔獣達と契約したときに両親から話を聞いてドラしゃんの協力を得て調べておいたのだ。
「シャワンの実(石鹸みたいに泡立つ木のみ)とジャスミンとフルルリの実(保湿効果のある木のみ)とカモチリルの葉(ダニや蚤など皮膚に寄生する虫除けの葉)を使った物だから大丈夫よ!」
「本当に大丈夫かなぁ??」
「だって、ウメちゃんで先に試してるからね!問題なかったでしょ?」
「まぁ~ねぇ~。」
このシャンプーは南側の街で完成したので、その時、アサくんの契約魔獣であるウメちゃんで効果を試している。
梅干しをウメちゃん専用に特別に大きめの壺一杯に作ると約束して、試しにシャンプーさせて貰ったけど、その効果は問題なかった...。
と言うか、ある意味予想以上の効果が出たのだった。
「全体の毛艶が良くなっただけでなく、身体能力が向上するシャンプーなんて...これ、ルミばぁーちゃん達に見つかったら怒られるよ?」
「そう?どちらかと言うと商品化されそうだけどね??でも、ウメちゃんかなり綺麗になってたから問題ないよ!」
私が満面の笑顔を向けて話すとお兄ちゃんは大きな溜息を吐きながら渋々とそのシャンプーを使う事にしたのだ。
「ヨシ!じゃー頑張るか?!」
「さすがお兄ちゃん!!」
私はそう言って隅の方で縮こまっている魔獣達の方を見つめて準備を開始する。
私とお兄ちゃんは魔獣達専用のシャンプーボトルを用意して準備を整える。
そして、隅で縮こまっている魔獣達を見つめて私とお兄ちゃんは目で合図をして 二人一緒に魔獣達に近づいていく。
「さぁー今度は君達の番だよ。」
「大丈夫。気持ちいいからね。」
私とお兄ちゃんが笑顔で声をかけると魔獣達は恐る恐る近寄ってきてくれた。
私とお兄ちゃんは1匹ずつ丁寧に洗っていくことに。
初めましてのお風呂なので怖がらせないよう音を立てないようにゆっくりとお湯を流していく。
お湯の温度は気持ち温めにしてかけていく。
「大丈夫?」
「怖くないだろう?」
私達の声かけに魔獣達は頷きながら返事をくれた。
《気持ちがいいよ。思っていたのより怖くないし。》
《確かに。いい感じに擦ってくれているから気持ちが良い。
これなら毎日してほしいぞ。》
彼らの言葉に私とお兄ちゃんは嬉しくなり洗う作業にも熱が入っていく。
それに何より彼らの様子を見て他の魔獣達も怯えより楽しみ感が強くなったようで、目を輝かせて今か今かと待ち構えている。
その期待に応えるべく私とお兄ちゃんは頑張っていく。
次々とシャンプーを終えて、気付いた特には皆の毛がふわふわのキラキラになっていた。
私とお兄ちゃんは魔獣達全員洗ったのでまた汗だくになり、再度自分達もシャンプーし直してゆっくりお湯に浸かって楽しんだ。
どうやら頑張ってシャンプーした結果、魔獣達もお風呂が好きになった様で、それぞれ各々にいつの間にかお風呂を楽しんでいた。
そろそろお風呂から出ようかな?って思っていると脱衣所よりドラしゃんの声がした。
『お嬢様。アキラ様。そろそろ出ないと宴会に間に合いませんよ?』
「えっ?!!もうそんな時間?!」
私とお兄ちゃんは思わずそう声を上げるとドラしゃんの笑い声が聞こえてきた。
『ええ。もうそんな時間ですよ??いつもより長風呂されましたね。』
私とお兄ちゃんは慌てて皆に声をかけてお風呂から上がって脱衣所へ。
ドラしゃんにも手伝ってもらい全員乾かしながら、自分達も着替えるのだった。
私とお兄ちゃんの着替えはちゃんとドラしゃんが用意してくれていたのだが...。
「えっ??ドラしゃんこれ着るの?」
「マジですか?」
私とお兄ちゃんの声にドラしゃんは満面の笑顔でもちろんと答える。
『ええ。久しぶりにお二人の衣類の整理をしていたら懐かしくなりましてね...。昔はよく着てくださったのに最近はサッパリでしょ?ですから。
あっ!ちなみにそちらには疲労回復魔法をかけてますから着ると疲れがとれますよ?』
魔獣達の毛を風魔法を使って乾かしながら話すドラしゃんを見てると私とお兄ちゃんは嫌だと言えなくなり、素直に用意してくれた服を着ることにした。
ちゃんとサイズも手直しされており着やすいし、何より着ると全身の疲れが一気にとれていく。
服を着替え終わると私とお兄ちゃんもドラしゃんの手伝いをして【聖獣】や魔獣達を乾かしていく。
乾かし作業をしながら思ったのだが...。
「お兄ちゃん。あのシャンプーやばくない!!めっちゃ毛がふわふわだよ?!」
私の反応に対してお兄ちゃんも同じ反応していた。
「そうだね。めちゃくちゃふわふわだ。あのシャンプー、もう少し量産しないとだね。」
私達の会話にドラしゃんもくいついてきた。
『おや?南側の街で密かに作っていた物の効果なのですか?』
ドラしゃんの言葉に私とお兄ちゃんは素直に頷いた。
「そうそう。試しに使って、ウメちゃんに使ったら羽毛がふわふわの艶々になったでしょう?」
『ええ。確かに。その後、美味しそうに梅干しを食べていたのが印象的でしたけどね。あの種の魔物は塩辛いものが苦手なはずですのに。』
「えっ?!そうなの?ウメちゃん普通に食べてたよ?!」
『ええ。ですから印象的でした。よほどお嬢様が作られた梅干しが美味しかったのでしょうね。』
ドラしゃんの言葉に私は嬉しくなった。
「でもお母さんの梅干しにはまだまだほどお遠いわ。」
『それは、年季が違いますからね。』
「それは違いないね。僕達が生まれる前からかお母さんは梅干しをつくってるからね。」
お兄ちゃんは苦笑いしながら喋っていると外からお父さん達の声がした。
「リン!アキラ!置いていくぞ!」
「いつまでお風呂に入ってるの?!のぼせるわよ!」
二人の声に私とお兄ちゃんは更に慌てて皆んなの支度をした。
「はーい!もう出て着替えてるから先に行ってて!」
「ドラしゃんと後から行くから!」
私とお兄ちゃんの声に両親はやれやれと言った感じで返事を返してくれた。
「それなら父さんと母さんは先に行ってるからな。」
「遅れない様にね。」
「「はーい!」」
私達の返事を聞くと両親は下へ降りて行ったや様子だった。
私とお兄ちゃん、そしてドラしゃんはフル回転で皆んなを乾かしていった。
「ヨシ!皆んな乾いたわね!」
《こんなふわふわになったの生まれて初めて!》
《自分じゃないみたいで気持ち悪いなぁー。》
魔獣達はふわふわの艶々になった自分達の姿に驚きながらも私とお兄ちゃん、ドラしゃんにお礼をいって影の中に入って行ったり、体を縮小化して邪魔にならない大きさに変わっていったのだった。
「じゃーそろそろ宴会場に行きますか?」
「そうだね。」
『では行きますか?』
こうして私達はどんちゃん騒ぎになるであろう宴会場へと向かうことにしたのだった。
リン:
皆んな毛がふわふわ♪
アキラ:
気持ちいいよね?!
リン:
あのシャンプー凄いね!
アキラ:
うん!匂いもいいし!
リン:
他の動物用にも開発してみる?
売れるかなあ?
アキラ:
それいいね^ ^
もちろん【大聖霊】達も力を貸してくれた事により大幅に時間短縮で帰って来れたのだ。
なんと!中央の街に着いたのはお昼過ぎ。この日、門番をしていたラディじぃーちゃんもあまりにも早い帰宅に驚いていたけど凄く喜んでくれた。
街に入ると大騒ぎ。
私達の帰還に皆で出迎えてくれたのだ。
特にいつメンは泣いて喜んでいた。
両親も珍しく仕事を中断して会いに来てくれた。
「心配してたのよ。でも良かったわ。」
「ああ。元気そうで何よりだ。」
「こ、今度はワシがついていくからな!!」
「俺もだ!!」
「ワテもや!!心配で...。」
大の大人が嗚咽混じりに泣く様は少し怖かったが、そこまで心配されてるとは思わなかったのでかなり嬉しかった。
ロドじぃーちゃんの発案でこの日の夕食は街の広場で大宴会を行う事に。
食料品は持ち寄りだけど皆大賛成していた。
「今日は皆んな!残業なしで切りあげろよ!!」
ロドじぃーちゃんの言葉に皆はおーー!!と声を上げてそれぞれ持ち場へと速やかに散っていく。
私達も宴会に参加するため一度それぞれの家に帰る事にした。
「じゃー晩に広場で!」
「ああ。」
「わかりました。」
「遅れないでくださいね!」
「もちろんよ!」
私達は一度解散してそれぞれ帰路に着いた。
ルミばぁーちゃんはギルドへ。
ラミィお兄ちゃんは守護する森へ。
カシムじぃーちゃんは兵舎へ。
ドラしゃんは私とお兄ちゃんと一緒に家へ。
それぞれ夕刻には広場で会うと約束して別れたのだ。
家に帰ると私とお兄ちゃんはある場所へと直行した。
行った先は...。
「ああ~いい湯だわぁ~。」
「そうだね。家のお風呂が一番だよねぇ~。」
私とお兄ちゃんと向かった先は我が家にある大浴場。
旅先ではシャワーしかなかったのでゆっくり浸かりたかったのだ。
お風呂はもちろん南側の街にもあるのだけど...お風呂の浴槽は小さいのでゆっくり足を伸ばしてつかれない。
だからずっーとシャワーだけで我慢していたのだが...それも限界に来ていたので少しでも早くお風呂にはいりたかったのだ。
私とお兄ちゃんはドラしゃんが呼びに来るまでのんびり大浴場で楽しんだ。
大浴場には【聖獣】達や魔獣達も呼んでみんなでお風呂を満喫した。
「ヨシ!皆んな並んで!洗っちゃうわよ!」
「お前達こっちにおいで!宴会までに綺麗にしておこう!」
私とお兄ちゃんの呼びかけにそれぞれの契約【聖獣】と魔獣達は一列に並んでシャンプーを待つ。
本来ならお風呂に入ると言う事はしないのだが、私達がお風呂のことを楽しく話すので彼らも興味津々になっていた。
【大聖霊】や【聖獣】達は以前にも何回か一緒にお風呂に入った事があるので抵抗なくはいってくれるのだが...。
魔獣達は初めての体験となるため一番最後にしたのだが、大きな体を小さくして怯えた感じで待っているのにはおどろいた。
《あんなに水を浴びて?!》
《なんなんだ?!あの泡は?!!なんの攻撃だ?!》
《なぜあ奴らは平然としているんだ??》
《それどころか自ら腹を見せてるではないか?!》
彼らは先に私とお兄ちゃんに洗われている【聖獣】達の姿を見て不思議そうにしている。
不思議そうにしていながらも尻尾は丸まっている。
水が苦手な子はいないが、水浴びをする習性はない子達ばかり。
私とお兄ちゃんは【聖獣】達を全て洗え終えると魔獣達の方を見る。
【大聖霊】や【聖獣】達を洗うときに使うシャンプーは特別仕様だ。
サクラちゃんとドライアド、ウンディーナに協力して貰って作った専用のシャンプーなのだ。
だが、魔獣達はそれを使って洗うと何がおこるかわからないので、南側の街に滞在中に魔獣達専用のシャンプーを密かに開発しておいたので、それを使うことに。
ベースは動物専用のシャンプーなので問題はないと思う。
私達の前いた世界で使われている物を参考にしている。
魔獣達と契約したときに両親から話を聞いてドラしゃんの協力を得て調べておいたのだ。
「シャワンの実(石鹸みたいに泡立つ木のみ)とジャスミンとフルルリの実(保湿効果のある木のみ)とカモチリルの葉(ダニや蚤など皮膚に寄生する虫除けの葉)を使った物だから大丈夫よ!」
「本当に大丈夫かなぁ??」
「だって、ウメちゃんで先に試してるからね!問題なかったでしょ?」
「まぁ~ねぇ~。」
このシャンプーは南側の街で完成したので、その時、アサくんの契約魔獣であるウメちゃんで効果を試している。
梅干しをウメちゃん専用に特別に大きめの壺一杯に作ると約束して、試しにシャンプーさせて貰ったけど、その効果は問題なかった...。
と言うか、ある意味予想以上の効果が出たのだった。
「全体の毛艶が良くなっただけでなく、身体能力が向上するシャンプーなんて...これ、ルミばぁーちゃん達に見つかったら怒られるよ?」
「そう?どちらかと言うと商品化されそうだけどね??でも、ウメちゃんかなり綺麗になってたから問題ないよ!」
私が満面の笑顔を向けて話すとお兄ちゃんは大きな溜息を吐きながら渋々とそのシャンプーを使う事にしたのだ。
「ヨシ!じゃー頑張るか?!」
「さすがお兄ちゃん!!」
私はそう言って隅の方で縮こまっている魔獣達の方を見つめて準備を開始する。
私とお兄ちゃんは魔獣達専用のシャンプーボトルを用意して準備を整える。
そして、隅で縮こまっている魔獣達を見つめて私とお兄ちゃんは目で合図をして 二人一緒に魔獣達に近づいていく。
「さぁー今度は君達の番だよ。」
「大丈夫。気持ちいいからね。」
私とお兄ちゃんが笑顔で声をかけると魔獣達は恐る恐る近寄ってきてくれた。
私とお兄ちゃんは1匹ずつ丁寧に洗っていくことに。
初めましてのお風呂なので怖がらせないよう音を立てないようにゆっくりとお湯を流していく。
お湯の温度は気持ち温めにしてかけていく。
「大丈夫?」
「怖くないだろう?」
私達の声かけに魔獣達は頷きながら返事をくれた。
《気持ちがいいよ。思っていたのより怖くないし。》
《確かに。いい感じに擦ってくれているから気持ちが良い。
これなら毎日してほしいぞ。》
彼らの言葉に私とお兄ちゃんは嬉しくなり洗う作業にも熱が入っていく。
それに何より彼らの様子を見て他の魔獣達も怯えより楽しみ感が強くなったようで、目を輝かせて今か今かと待ち構えている。
その期待に応えるべく私とお兄ちゃんは頑張っていく。
次々とシャンプーを終えて、気付いた特には皆の毛がふわふわのキラキラになっていた。
私とお兄ちゃんは魔獣達全員洗ったのでまた汗だくになり、再度自分達もシャンプーし直してゆっくりお湯に浸かって楽しんだ。
どうやら頑張ってシャンプーした結果、魔獣達もお風呂が好きになった様で、それぞれ各々にいつの間にかお風呂を楽しんでいた。
そろそろお風呂から出ようかな?って思っていると脱衣所よりドラしゃんの声がした。
『お嬢様。アキラ様。そろそろ出ないと宴会に間に合いませんよ?』
「えっ?!!もうそんな時間?!」
私とお兄ちゃんは思わずそう声を上げるとドラしゃんの笑い声が聞こえてきた。
『ええ。もうそんな時間ですよ??いつもより長風呂されましたね。』
私とお兄ちゃんは慌てて皆に声をかけてお風呂から上がって脱衣所へ。
ドラしゃんにも手伝ってもらい全員乾かしながら、自分達も着替えるのだった。
私とお兄ちゃんの着替えはちゃんとドラしゃんが用意してくれていたのだが...。
「えっ??ドラしゃんこれ着るの?」
「マジですか?」
私とお兄ちゃんの声にドラしゃんは満面の笑顔でもちろんと答える。
『ええ。久しぶりにお二人の衣類の整理をしていたら懐かしくなりましてね...。昔はよく着てくださったのに最近はサッパリでしょ?ですから。
あっ!ちなみにそちらには疲労回復魔法をかけてますから着ると疲れがとれますよ?』
魔獣達の毛を風魔法を使って乾かしながら話すドラしゃんを見てると私とお兄ちゃんは嫌だと言えなくなり、素直に用意してくれた服を着ることにした。
ちゃんとサイズも手直しされており着やすいし、何より着ると全身の疲れが一気にとれていく。
服を着替え終わると私とお兄ちゃんもドラしゃんの手伝いをして【聖獣】や魔獣達を乾かしていく。
乾かし作業をしながら思ったのだが...。
「お兄ちゃん。あのシャンプーやばくない!!めっちゃ毛がふわふわだよ?!」
私の反応に対してお兄ちゃんも同じ反応していた。
「そうだね。めちゃくちゃふわふわだ。あのシャンプー、もう少し量産しないとだね。」
私達の会話にドラしゃんもくいついてきた。
『おや?南側の街で密かに作っていた物の効果なのですか?』
ドラしゃんの言葉に私とお兄ちゃんは素直に頷いた。
「そうそう。試しに使って、ウメちゃんに使ったら羽毛がふわふわの艶々になったでしょう?」
『ええ。確かに。その後、美味しそうに梅干しを食べていたのが印象的でしたけどね。あの種の魔物は塩辛いものが苦手なはずですのに。』
「えっ?!そうなの?ウメちゃん普通に食べてたよ?!」
『ええ。ですから印象的でした。よほどお嬢様が作られた梅干しが美味しかったのでしょうね。』
ドラしゃんの言葉に私は嬉しくなった。
「でもお母さんの梅干しにはまだまだほどお遠いわ。」
『それは、年季が違いますからね。』
「それは違いないね。僕達が生まれる前からかお母さんは梅干しをつくってるからね。」
お兄ちゃんは苦笑いしながら喋っていると外からお父さん達の声がした。
「リン!アキラ!置いていくぞ!」
「いつまでお風呂に入ってるの?!のぼせるわよ!」
二人の声に私とお兄ちゃんは更に慌てて皆んなの支度をした。
「はーい!もう出て着替えてるから先に行ってて!」
「ドラしゃんと後から行くから!」
私とお兄ちゃんの声に両親はやれやれと言った感じで返事を返してくれた。
「それなら父さんと母さんは先に行ってるからな。」
「遅れない様にね。」
「「はーい!」」
私達の返事を聞くと両親は下へ降りて行ったや様子だった。
私とお兄ちゃん、そしてドラしゃんはフル回転で皆んなを乾かしていった。
「ヨシ!皆んな乾いたわね!」
《こんなふわふわになったの生まれて初めて!》
《自分じゃないみたいで気持ち悪いなぁー。》
魔獣達はふわふわの艶々になった自分達の姿に驚きながらも私とお兄ちゃん、ドラしゃんにお礼をいって影の中に入って行ったり、体を縮小化して邪魔にならない大きさに変わっていったのだった。
「じゃーそろそろ宴会場に行きますか?」
「そうだね。」
『では行きますか?』
こうして私達はどんちゃん騒ぎになるであろう宴会場へと向かうことにしたのだった。
リン:
皆んな毛がふわふわ♪
アキラ:
気持ちいいよね?!
リン:
あのシャンプー凄いね!
アキラ:
うん!匂いもいいし!
リン:
他の動物用にも開発してみる?
売れるかなあ?
アキラ:
それいいね^ ^
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