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ダンジョンマスターと魔王
第18話 女には弱い
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「レナ。今日の給料だ」
「ありがとうございます。先生」
レナは給料を受け取るとダンジョンを去っていった。
(久しぶりに飲むか)
「ウルフェン。ちょっと俺は一杯やって来るから監視頼んだぞ」
「あいよ。お任せください」
ダンジョンの運営をウルフェンに任せて、ソルは久しぶりに酒場で飲むことにした。
手配書が取り下げられたので堂々と飲むことができるし、ダンジョン内には錬成部屋があってそこからアルコール飲料も出せるのだが、
例えるなら「水で薄めたアルコール」と言ってもいい位、味気ないものだ。たまには酒場でちゃんとした酒を飲みたい。というのもある。
ダンジョンを出て城下町へと向かい、着いた時には時刻はおよそ午後5時半。
まだ太陽は沈みきってはいなかったが仕事も終わり、男たちは酒場で1杯引っかけるために酒場へと寄る時間帯だ。
「あら! ソルさん久しぶり。来てくれてうれしいわ」
「ちょっと! ソルさんの面倒見るのは私よ!?」
「早い者勝ちよ。何にします?」
「オイオイ、俺の取り合いかい? 分かった分かった、2人交互に注文するから。とりあえず蜂蜜酒を1杯とビーフジャーキーをくれ」
「「はーい♪ かしこまりました。少々お待ちいただけますか?」」
ソルが入店すると早速絡んできたウェイトレス2人にご満悦だ。
まともな男なら若い女の子にキャーキャー言われてヨイショされるのを嫌がる事はしない。もちろんソルもそうだ。注文された料理が出て来るまで周りの様子をうかがう、その時だ。
「なぁ、お前の所の畑、どうなってる? 俺の所はやたらと成長が早いし丈夫に育ってるんだ。雑草も多いけどな」
「お前もそうか。俺の所も異様なまでに生育が良いんだ。例年以上に雑草が生えてて雑草取りだけでも人を雇ったんだがそれでも半日かかるぜ」
農夫の話声が聞こえてきた。彼らは不思議がっていたが、ソルにはその理由が良く分かる。
ソルのダンジョンが大地のマナエネルギーを増幅しているおかげで王国王都周辺の大地のマナエネルギーは本来以上に富んでいた。
その豊富なマナエネルギーは植物の成長を活性化させ、より強くたくましく、そしてより多く実りがあるよう作物の成長を促していた。
もちろん、マナエネルギーを増幅するのは単に豊作を促すだけではない。まぁそれもあるのだが「オマケ」に過ぎない。本命は「豊富な大地のマナエネルギーという美味しいエサに釣られてくる魔王を倒す」ためだ。
この前は無名の魔王が出てきたが、ソルが追っている「魔王デイブレイク」も必ずいつかこの地を訪れることになる。その時こそ、父親と母親の仇を討つ時だ。
「お待たせいたしました。蜂蜜酒になりますね」
「お待ちどおさまでした。ビーフジャーキーになります。どうしたんですかソルさん? そんな気難しい顔して」
「あ、ああ。ちょっと考え事をしてたんでな」
ソルはそう言って2人のウェイトレスに注文の代金とチップを払う。特にチップは相場のおよそ倍という破格の物だ。
「あーん、ソルさん大好き! 夜はこれからだからどんどん注文してね♪」
「ソルさんはこういう事があるから大好きよ♪ いつもアリガトね!」
「良いって事よ。それだけで美少女2人に好かれるのなら安いもんさ」
「やだソルさんったら! 美少女だなんて!」
「女には優しくしろ」
父親からそう言われて育ったため、女相手には気前良くチップを出すようにしている。
そんな「太客」なだけあって、ウェイトレス達からの人気は最高で、誰もが相手をしたがるお客様だ。
今回彼の相手をする事になったウェイトレス2人は「ツイてる」と言っていいだろう。
ソルは出された蜂蜜酒を、ビーフジャーキーをかじりながら飲む。
蜂蜜の香りとコクを保ちながら、それでいてアルコールをまとった姿を観るのはおよそ1ヶ月ぶりだ。個人的には蜂蜜酒はビーフジャーキー、次点でナッツ類が合うと思っている。
太陽が完全に沈み、代わりに月が昇り星々がキラキラと輝きだす時間帯。まだまだ夜はこれからという所で、ほろ酔い状態のソルは付けていたリボンを外して、凝視する。
「……」
何かありそうに見つめていたその時、
「お待たせいたしました。蜂蜜酒になりますね」
追加注文の品が届いた。
「お待ちどおさまでした。ミックスナッツになります。ソルさん、そのリボンって確かお母さんの形見だと聞いていますが……」
「あ、ああ。良く知ってるな。色々あってこれしか残らなかったんだ。ちょっと思い返すことがあってな」
「もう、ソルさんってばさっきから陰気ですね。せっかくお酒が飲めるんですし、こういう時は明るい顔してくれないと運気が逃げちゃいますよ?」
「そうさせてもらおうか」
その笑顔はぎこちない。アルコールが入って多少は酔いが回ってる事を勘定に入れてもそうだった。
こういう酒場では酔うのを目的に来る奴も多いが、ソルは「ダンジョンマスター」なだけあって完全に酔いつぶれるまで飲むようなだらしない真似はしない。
酒は人生を豊かにすると言うが、いつか連れと一緒に朝までバカ騒ぎして酔いつぶれるまで飲める日が来るのだろうか? そういえば前に酒場に来た時も、こうやってぎこちない顔で飲んでいたと思う。チップを気前よく払う客でも無ければあまり相手にしたがらない客かもしれない。
等と要らぬことばかり考えていたという。
「ありがとうございました。ソルさん、また飲みに来て下さいね!」
結局ソルはミード2杯とエールを1杯、そしてそれなりのつまみを食って店を出た。
酒を飲みだすと険しい顔になりがちだったが、十分息抜きになったそうだ。
「ありがとうございます。先生」
レナは給料を受け取るとダンジョンを去っていった。
(久しぶりに飲むか)
「ウルフェン。ちょっと俺は一杯やって来るから監視頼んだぞ」
「あいよ。お任せください」
ダンジョンの運営をウルフェンに任せて、ソルは久しぶりに酒場で飲むことにした。
手配書が取り下げられたので堂々と飲むことができるし、ダンジョン内には錬成部屋があってそこからアルコール飲料も出せるのだが、
例えるなら「水で薄めたアルコール」と言ってもいい位、味気ないものだ。たまには酒場でちゃんとした酒を飲みたい。というのもある。
ダンジョンを出て城下町へと向かい、着いた時には時刻はおよそ午後5時半。
まだ太陽は沈みきってはいなかったが仕事も終わり、男たちは酒場で1杯引っかけるために酒場へと寄る時間帯だ。
「あら! ソルさん久しぶり。来てくれてうれしいわ」
「ちょっと! ソルさんの面倒見るのは私よ!?」
「早い者勝ちよ。何にします?」
「オイオイ、俺の取り合いかい? 分かった分かった、2人交互に注文するから。とりあえず蜂蜜酒を1杯とビーフジャーキーをくれ」
「「はーい♪ かしこまりました。少々お待ちいただけますか?」」
ソルが入店すると早速絡んできたウェイトレス2人にご満悦だ。
まともな男なら若い女の子にキャーキャー言われてヨイショされるのを嫌がる事はしない。もちろんソルもそうだ。注文された料理が出て来るまで周りの様子をうかがう、その時だ。
「なぁ、お前の所の畑、どうなってる? 俺の所はやたらと成長が早いし丈夫に育ってるんだ。雑草も多いけどな」
「お前もそうか。俺の所も異様なまでに生育が良いんだ。例年以上に雑草が生えてて雑草取りだけでも人を雇ったんだがそれでも半日かかるぜ」
農夫の話声が聞こえてきた。彼らは不思議がっていたが、ソルにはその理由が良く分かる。
ソルのダンジョンが大地のマナエネルギーを増幅しているおかげで王国王都周辺の大地のマナエネルギーは本来以上に富んでいた。
その豊富なマナエネルギーは植物の成長を活性化させ、より強くたくましく、そしてより多く実りがあるよう作物の成長を促していた。
もちろん、マナエネルギーを増幅するのは単に豊作を促すだけではない。まぁそれもあるのだが「オマケ」に過ぎない。本命は「豊富な大地のマナエネルギーという美味しいエサに釣られてくる魔王を倒す」ためだ。
この前は無名の魔王が出てきたが、ソルが追っている「魔王デイブレイク」も必ずいつかこの地を訪れることになる。その時こそ、父親と母親の仇を討つ時だ。
「お待たせいたしました。蜂蜜酒になりますね」
「お待ちどおさまでした。ビーフジャーキーになります。どうしたんですかソルさん? そんな気難しい顔して」
「あ、ああ。ちょっと考え事をしてたんでな」
ソルはそう言って2人のウェイトレスに注文の代金とチップを払う。特にチップは相場のおよそ倍という破格の物だ。
「あーん、ソルさん大好き! 夜はこれからだからどんどん注文してね♪」
「ソルさんはこういう事があるから大好きよ♪ いつもアリガトね!」
「良いって事よ。それだけで美少女2人に好かれるのなら安いもんさ」
「やだソルさんったら! 美少女だなんて!」
「女には優しくしろ」
父親からそう言われて育ったため、女相手には気前良くチップを出すようにしている。
そんな「太客」なだけあって、ウェイトレス達からの人気は最高で、誰もが相手をしたがるお客様だ。
今回彼の相手をする事になったウェイトレス2人は「ツイてる」と言っていいだろう。
ソルは出された蜂蜜酒を、ビーフジャーキーをかじりながら飲む。
蜂蜜の香りとコクを保ちながら、それでいてアルコールをまとった姿を観るのはおよそ1ヶ月ぶりだ。個人的には蜂蜜酒はビーフジャーキー、次点でナッツ類が合うと思っている。
太陽が完全に沈み、代わりに月が昇り星々がキラキラと輝きだす時間帯。まだまだ夜はこれからという所で、ほろ酔い状態のソルは付けていたリボンを外して、凝視する。
「……」
何かありそうに見つめていたその時、
「お待たせいたしました。蜂蜜酒になりますね」
追加注文の品が届いた。
「お待ちどおさまでした。ミックスナッツになります。ソルさん、そのリボンって確かお母さんの形見だと聞いていますが……」
「あ、ああ。良く知ってるな。色々あってこれしか残らなかったんだ。ちょっと思い返すことがあってな」
「もう、ソルさんってばさっきから陰気ですね。せっかくお酒が飲めるんですし、こういう時は明るい顔してくれないと運気が逃げちゃいますよ?」
「そうさせてもらおうか」
その笑顔はぎこちない。アルコールが入って多少は酔いが回ってる事を勘定に入れてもそうだった。
こういう酒場では酔うのを目的に来る奴も多いが、ソルは「ダンジョンマスター」なだけあって完全に酔いつぶれるまで飲むようなだらしない真似はしない。
酒は人生を豊かにすると言うが、いつか連れと一緒に朝までバカ騒ぎして酔いつぶれるまで飲める日が来るのだろうか? そういえば前に酒場に来た時も、こうやってぎこちない顔で飲んでいたと思う。チップを気前よく払う客でも無ければあまり相手にしたがらない客かもしれない。
等と要らぬことばかり考えていたという。
「ありがとうございました。ソルさん、また飲みに来て下さいね!」
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